2012年11月29日 (木)

プレイバック義経・(49)新しき国へ [終]

およそ10ヶ月、6日に1回お届けして参りました
プレイバック『義経』ですが、
めでたく今回が最終回と相成りました。

長々しい拙文をお読みいただき、感謝感謝です。
ありがとうございました。

なお、『平 清盛』関連作品としては
実はもうしばらく続きまして、
昭和54年放送『草 燃える』総集編より全5回を、
来月12月の1ヶ月間でお届けして完結と致します。


文治5(1189)年。

源 義経追討の鎌倉軍はついに兵を発し
白河の関を越えて押し入ってきているとの知らせが入りました。

もう一刻の猶予もならず、
源 義経は、わが身を匿い世話になった奥州藤原家の
恩義に報いるべく迎え討つことにします。

一方の鎌倉軍は、白河の関は越えたものの
源 頼朝が下知するまでは動かないようにと指示します。

「九郎殿が相手では、どのような目に遭わされるか」
戦奉行として間近で義経の戦ぶりを見てきたからこその
梶原景時の言葉です。
苦虫をかみつぶした顔で吐き捨てていますが(^ ^;;)

その上で、頼朝は泰衡に揺さぶりの書状を送りつけます。
九郎義経を引き渡せばそれでよし、
引き渡さなければ、更なる大軍を持って攻め入る、と──。

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2012年11月24日 (土)

プレイバック義経・(48)北の王者の死

文治3(1187)年・平泉──。

京から、あまたの難所をくぐり抜け
難敵と戦ってきた源 義経主従は、ようやく平泉に到着。
藤原秀衡は温かく義経を出迎えます。

義経を取り巻く環境、立場というのは
遠く平泉にも届いているようで、
平氏を滅亡させた壇ノ浦合戦以降の
ぞんざいな扱われようには胸を痛めていました。

秀衡は、最大の理解を持って義経に同情しますが、
藤原国衡などは、実に冷ややかです。

義経は、秀衡が与えてくれた
佐藤継信・忠信兄弟の死を報告。
ふたりの遺髪と、腰越で止め置かれていた際に
忠信が彫り上げた仏像を秀衡にわたします。

兄弟の父・佐藤元治も、息子たちの活躍を聞いて
とても満足げです。

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2012年11月17日 (土)

プレイバック義経・(47)安宅(あたか)の関

源 義経主従は、各地で追っ手と戦いながら
ようやく、越前から加賀を目前にしておりました。

鎌倉では、未だに逮捕されない義経探しに
躍起になっておりますが、
何の手がかりもなく、焦りの色が見え始めます。

義経が向かう先と言ったら、
まず容易に連想できるのは奥州平泉です。

もしも義経が平泉に入って
当主の藤原秀衡と結びつくようなことがあったら、
事は少しやっかいな方向に。

奥州藤原氏は頼朝に従う勢力ではなく、
かといって反頼朝の勢力でもないので
そう簡単には手出しができないわけです。

義経主従が平泉に入る前に、
何としても捕まえておきたいところです。

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2012年11月12日 (月)

プレイバック義経・(46)しずやしず

静が鎌倉に送られるという話を耳にしました。

源 義経が真偽のほどを確かめさせると
どうやらホントのようです。

一度は静を奪い返すことも考えたのですが、
静の母・磯禅師の説得もあり、奪い返すことは断念。
義経主従は山伏に扮装して、せめて見送りだけしておきます。

お徳は、延暦寺の僧の手による書状を弁慶に託します。
義経主従が進む予定の北陸道は
源 頼朝に反抗的な延暦寺ゆかりの寺が無数にあり、
羽黒山に修行に向かうと見せかけて
その少し先の平泉を目指すという算段です。

この書状を見せれば、東国の寺は力になってくれるでしょう。

「ほんとにみんな行ってしまうんだね……」
うつぼは寂しさが募ります。

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2012年11月 6日 (火)

プレイバック義経・(45)夢の行く先

極寒の中、逃避行を続ける源 義経一行。

途中、鳴り続ける金の音を耳にしますが、
恐らくは寺から寺へ、
何かを知らせる合図なのでしょう。

一行は、この先
僧兵が待ち伏せしている可能性も考えて
心して歩を進めることにします。


道案内の兵を雇って、都を目指す静たちですが
息づかいが荒く、ふらふらとよろめく静です。

静を気遣い、休んでいこう! と提案する駿河次郎ですが、
そうこうしているうちに、追っ手に囲まれてしまいます。

佐藤忠信や次郎が応戦している間に、
連れ去られてしまう静です。

応戦は次郎に任せ、静を追ってくる忠信ですが
足を滑らせて崖から転落してしまいます。

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2012年10月30日 (火)

プレイバック義経・(44)静よさらば

源 義経が京を離れることには、案の定
源 行家が噛みついてきました。

我らは官軍! という思いが非常に強いわけですが、
自軍が300しかないのに対し、鎌倉軍は10万。
圧倒的大差で、不利です。

京を離れるにあたって、義経から後白河法皇に
西国方面へ派遣してくださるように奏上していて、
義経は地頭として九州へ、行家は四国へ遣わされます。

屋敷に戻った義経は、いろいろと身辺整理を始めます。

義経正室の萌は鎌倉へ戻ることになりましたが、
静は正直迷っております。
気持ちの上では義経に従うことに全くの迷いはないのですが、
そうなると、京でひとり残される母がとても心配です。

母は笑って「付き従うことじゃ」とやんわり諭します。

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2012年10月24日 (水)

プレイバック義経・(43)堀川夜討

後白河法皇から任じられた伊予守ですが、
鎌倉の源頼朝から地頭が派遣され
源義経の実質的支配権はなくなってしまいました。

治める領地がなくなるということは、
年貢、つまり収入がなくなるということです。

鎌倉に対して、
さらに反抗心をむき出しにする可能性は大ですが、
ここはこちらも徹底的になさなければなりません。


京・六条堀川──。

乳母車(?)に乗せられて、
朱雀の翁は薄暗い京の町を見廻り中です。
もちろん、車を押すのは烏丸。

こんな夜更けに、コソコソと探るような動きの武士が3人。

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2012年10月17日 (水)

プレイバック義経・(42)鎌倉の陰謀

京に戻った源 義経は、御所に上がって
後白河法皇にさっそく帰還のご報告。

源 頼朝の命で、近江の地で
平 宗盛親子を斬首の刑に処したことも伝えますが、
南都に送られた平 重衡も処刑されたことを聞かされた義経は
己のやったことの大きさに、言葉もありません。

とはいえ、義経が鎌倉には入なかったことを知る法皇から
「九郎がおれば都は安泰」「この後も励むがよい」と
優しく声をかけられれば、
法皇にすがって生きていく他ありません。

──頼朝の唯一の恐れは義経のようです。

法皇は、自身の使者を鎌倉に入れなかった頼朝の
朝廷に対する動きを封じるためには、
義経を切り札にするのが得策です。

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2012年10月11日 (木)

プレイバック義経・(41)兄弟断絶

源 頼朝との再会が叶わなかった源 義経は、
失意のまま腰越を後にし、京へ戻ることになりました。

兄の、弟への仕打ちは、情の観点から見れば
確かにひどいと言わざるを得ませんが、
そうせねば他の御家人への示しがつかないだけに
兄としては、さんざん思いあぐねた上での決断です。

しかしこうして、義経を鎌倉から追放してみると
今度は別の悩みが頭をもたげます。
『義経は頼朝に対して謀反を起こすのではないか?』

そうなる前に
義経の軍事力を削いでおかなければなりません。
平氏を滅亡に追いやって、義経に与えていた
平氏の旧領地24ヶ所を没収することにします。

さらに、平 宗盛親子の処遇ですが──、

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2012年10月 4日 (木)

プレイバック義経・(40)血の涙

鎌倉入りを許されない源 義経。
鎌倉まであと一歩という腰越の地で足止めされています。

武家政治を目指す源 頼朝には、
集まって来た御家人たちに不平不満を感じさせぬように
たとえ兄弟であっても特別扱いせず
“一御家人”として義経を扱う必要があり、

無断任官の罪は罪として、他の御家人と同じように
鎌倉入りを認められないわけですが、
「情」を大切に思う義経には、理解できません。

義経は、せめて目通りの許可を求めて
書状をしたためました。
いわゆる、腰越状です。

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