大河ドラマ風林火山・(26)苦い勝利
信濃国志賀城主・笠原清繁が武田に対して兵を挙げました。
山本勘助は、その知らせを板垣信方から聞くことになります。
佐久がいつまでたっても平定できないことにいら立つ晴信は、
芦田信守と相木市兵衛を叱責しますが、
相木には別に、特命任務を与えます。
志賀城攻めは「勘助に」という弟・信繁に対し、
晴信は「無用じゃ!」と一蹴。
以前のような、晴信─勘助の「あ、うん」の呼吸では
なくなっているようです。
一方、村上義清は笠原から援軍を要請されます。
村上の家臣となっている小島五郎左衛門、
演者は高田延彦さん。
昨年の「功名が辻」本多忠勝役に続いて、
2年連続の大河出演であります。
やはり、昨年の今年ですからね。
高田延彦さんを見ていると、
その視線の先には徳川家康(西田敏行さん)がいて、
家康が「ほほほう」と話を聞いていそうな雰囲気ですが、
そこにいるのは西田さんではありません。
「我が城と領地、徳川様に差し上げまする!」と、
忠実に反してしゃしゃり出てくるのは、
当然ながら山内一豊(上川隆也さん)でもありません。
間違いなく永島敏行さんなわけであります。
そんな折、越後国では軽いお家騒動が勃発します。
長尾晴景と長尾景虎 兄弟の争いであります。
長尾家家臣たちが、景虎に対して「当主の座に!」と懇願しますが、
景虎は、当主である兄に攻め入るなどもっての他だと取り合いません。
実父を追放し、自らが当主に落ち着く……という例を挙げてましたが、
暗に武田晴信のことをチクリと批判しているようです。
それよりも、ガクト(Gackt)さんの肌が白い白い……。
レフ板効果でしょうか?
美白志願の方々、ぜひ参考になさってみては?
ちなみに、初登場の直江実綱役には西岡徳馬さん。
西岡さんも大河ドラマの常連さんであります。
そしてとうとう、兄・晴景が弟・景虎の城に軍勢を差し向けます。
兄を攻めるのはイヤだと言っても、
攻め込まれれば話は別でありまして、
ただ黙って討ち取られるような景虎ではありません。
城攻めが行われている間、景虎はずっと琵琶を弾き続けています。
琵琶を用いた妖術によって、兵士たちを操っているのでしょうか。
演者のGacktさんは、もともとはミュージシャンですので、
どんな楽器を持たせても、けっこうサマになっているわけです。
ただ、何を思ったか、途中から半分ヤケになりまして、
ベベベベベベベベ……と琵琶を弾きまくります。
結果、弾きすぎて、弦が切れてしまうのですが、
まぁ当然でしょうね。
晴景を滅ぼした景虎は、越後国当主の座に落ち着きます。
決意の表れなんでしょうか、
刀を抜いて、空に向かって突き出します。
\( ̄_ ̄) しゃきーん
が、このシーン、実は本日2回目でありまして、
アヴァンタイトル(タイトルバックの前の導入コーナー)で、
ダンカンさんが同じことをやっていましたよね。
晴信の特命を受けた相木は、村上を密かに訪ね、
後でこぞって村上に寝返るから、その準備が整うまでは
武田と戦うのは控えてほしい、と言います。
村上は、相木を武田の密偵だと疑っているのですが、
相木の言うことにも一理あったのか、
笠原への援軍を見合わせることにします。
武田の陣では、
武田兵に捕らえられた平蔵が陣に連れて来られます。
平蔵曰く、
仕えていた矢崎に暇(いとま)をもらってやってきた、と。
……しかしこれは、実は建前であり、
今は村上に味方している信濃衆の差し金であることに、
面会した真田と勘助は早々に気づいてしまうわけです。
再会早々、気づかれてしまうということは、
やはり平蔵は武士には向いていない、ということでしょうか。
平蔵とは久々の再会となったわけですが、
二人が素直に、平蔵との再会を喜べない理由が、ここにあります。
武田軍の軍議の場で、勘助は晴信に
「村上の援軍のことも考えるべきでは?」と注進します。
しかし晴信は、自信たっぷりに「村上の援軍は……ない!」と言い切り、
何か言おうとする勘助のセリフに
「い〜た〜が〜きぃ〜、あ〜ま〜りぃ〜」とかぶせてきます。
この間延びした言い方は、もともとは晴信の父である
武田信虎がやっていた言い方でありまして、
やっぱり親子なのね♪ と、
改めて実感できるシーンの出来映えとなっております。
武田軍が志賀城に出陣すると、
笠原を支援する関東管領軍が信濃に侵入しますが、
板垣と甘利虎泰が関東管領軍を迎え撃ち、
見事勝利を収めます。
その報告に帰ってきた甘利は、
戦いに敗れた兵士たちの処遇について、
勘助に「策を申せ」とムチャ振りします。
いくら勘助が好きではないとは言え、
自分が言えないことを棚に上げ、
こともあろうに勘助に言わせるという、
大先輩だからこそ仕える小ワザを仕掛けてきます。
イビリ程度に、勘助を困らせたかったのかもしれません。
勘助は、降伏を促すべきと晴信に進言します。
「戦わずして勝つが最善」ということです。
しかし、晴信はそれを認めようとはしません。
あくまで、抵抗するものは全員討ち取れ、という姿勢であります。
勘助と晴信の間に火花が散ります──。
途中で小山田クンが二人の間に割って入り、
「お館様の申す通り」などと、
やっぱり世渡り上手なことを言い出しますが、
お館の顔は、ピクリとも動きません。
せっかくの小山田クンの仲介も、
晴信としては、面白くなかったようです。
志賀城の兵士たちは徹底抗戦し、
城主のダンカンさんを始め、多くの人々が討死します。
城から助け出された女・子どもに炊き出しをしている
平蔵の姿を遠くから眺めながら、
相木・真田・勘助の3人の談合が始まります。
仕留める! と意気込む相木の鼻息を抑え、
真田と勘助は「しばらく泳がせておこう」と言うわけです。
平蔵を殺してしまっては、
村上の元を訪れた相木の存在も危なくなるからでしょう。
助けられた女・子どもたちは、人買い市場で売買されてしまいます。
その中に、第8回「奇襲! 海ノ口」〜第9回「勘助討たれる」で
武田に攻められ、討死した平賀源心の娘・美瑠姫がいました。
当時、勘助が出会った美瑠姫は、
少女から大人へ成長する途中のかわいい盛りの頃だったのですが、
何がどう話が転んだのか、なんと笠原の妻になっていたわけです。
城が落ちたことで、自害できずに小山田クンに助けられますが、
その小山田クン、美瑠姫を身請けするわけです。
普段から下ネタをバンバン言いまくっている小山田クン。
この時も、下心丸出しで、この上ないほどニヤけています。
調子づいている小山田クンの姿を見て、
勘助は、暴走している晴信を止めることができない自分自身に対して
憤りと無念さをかみしめます。
さて。
板垣と甘利は近い将来、村上と戦が起きるのではないかと心配しますが、
第28回「両雄死す」で、この板垣と甘利は討死を遂げてしまいます。
あと残すところ2回分ですね。
原作:井上 靖 (『風林火山』新潮社 刊)
脚本:大森 寿美男
音楽:千住 明
題字:柿沼 康二
語り:加賀美 幸子
──────────
[出演]
内野 聖陽 (山本勘助)
市川 亀治郎 (武田晴信)
ガクト(Gackt) (長尾景虎)
池脇 千鶴 (三条夫人)
金田 明夫 (飯富虎昌)
田辺 誠一 (小山田信有)
高橋 和也 (馬場信春)
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佐藤 隆太 (平蔵)
水川 あさみ (ヒサ)
ダンカン (笠原清繁)
柴本 幸 (由布姫)
鹿内 孝 (須田新左衛門)
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加藤 武 (諸角虎定)
佐々木 蔵之介 (真田幸隆)
西岡 徳馬 (直江実綱)
清水 美砂 (忍芽)
近藤 芳正 (相木市兵衛)
永島 敏行 (村上義清)
竜 雷太 (甘利虎泰)
風吹 ジュン (大井夫人)
千葉 真一 (板垣信方)
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制作統括:若泉 久朗
制作:中村 高志
演出:福井 充広
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『風林火山』
第27回「最強の敵」
アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時〜
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