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Kassy号〜♪の車窓から 2011

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2007年9月 9日 (日)

(36)宿命の女

晴信の新しい側室・於琴姫を探り、
危険人物であると判断したあかつきには惨殺する構えで、
勘助は、於琴姫が住んでいる積翠寺を訪れます。

ところが。
「そこで何をしておいでですか?」と、
周囲に響き渡る声で勘助を呼び止めたリツ。

前回あったように、リツは
前の戦で負傷した原 美濃守虎胤の末娘でありまして、
声の大きさと口が軽いという点で、
父の血を見事に受け継いでおります。

端的に言いますと、
よく言えば天真爛漫、悪く言えばおせっかい、でしょうか。
勘助とリツの言葉のキャッチボールは、
勘助と伝兵衛、勘助と太吉の漫才を見ているようです。

ともかく、勘助はリツに無理矢理引っ張られて
於琴姫の前に連れて行かれるわけです。

秘かにやってきたはずが、あわよくば命を狙うはずが、
リツのおせっかいにより、当の本人である於琴姫の前に座らされております。
しかも、於琴姫の侍女・キヌには前回顔を見られておりますので、
キヌにギッと睨まれてしまうと、“まさに蛇に睨まれた蛙”状態。
当然ながら、居心地は最悪でありまして、
たくさんの場数を踏んできているとはいえ、勘助は動揺を隠せません。

於琴姫とキヌの会話を、勘助はただ黙って聞いていましたが、
その中で、「吾子(わこ)」という単語が出てきました。
吾子とはもちろん“子”という意味でありまして、
この単語を聞いて、勘助は更に焦りに焦ります。

産まれてきた子が男子なら、由布姫に強敵出現!! なわけで、
勘助としては黙って見過ごすことはできません。
一方の於琴姫は「元気な子を産みたい」と、のんきな構え。
勘助と於琴姫の会話にズレが生じているようですね(^ ^;;)

それとなく由布姫の存在をにおわせますが、
「キレイなお方ですか?」と、またまた方向違いの返答。

於琴姫の実家である油川家は、
晴信の父・武田信虎に滅ぼされた名家でありまして、
負けた油川家にしてみれば、
勝った武田家の意向には一切逆らえないわけです。

側室という立場であれ、武田家に嫁ぐ於琴姫は
そのあたり、自らの立場や状況をしっかりと把握しているようで、
それに加え、於琴姫の本音を聞くにつけ、
勘助は、由布姫と四郎の立場を尊重してほしいと釘をさすのがやっと。
勘助には、於琴姫にかけてあげる言葉もありません。

勘助の頭の中には、由布姫のことがよぎったのかもしれません。

最後に勘助は、
ここに来たことは晴信には黙っていてほしい旨を申し出、
於琴姫は「承知いたしました」と満面の笑みで返します。

実は勘助の本心はそこにあるのではなく、
勘助の隣にちゃっかり座しているリツであります。
おしゃべりなリツにも、念には念を入れて釘をさしておく必要があります。
「まことじゃな!?」と語尾を荒げ、心の底から威圧していました。

ついでながら、於琴姫のお腹の子は女の子。
つまり「姫」でした。


そのころ、甲斐府中・躑躅が崎の武田館では、
由布姫がお北さま(大井夫人)に会っています。

由布姫は晴信に見放され、勘助に裏切られ、
もはや誰も信じられぬという心境なのですが、
お北さまだけは由布姫の存在を認めているので、
由布姫唯一の気の置けないお方であります。

諏訪と武田の架け橋として、相当の役目を担ってきたことに
「礼を申します」と、嫁(由布姫)に対して頭を下げます。
優しい言葉をかけてもらったことで、凍てついた心が溶けたか、
由布姫は涙をポロポロと流しております。


ところで。
今川義元に嫁いでいた晴信の姉がこの世を去ったことで、
同盟関係にある武田・今川に、新たな縁が必要となりました。
同盟関係を維持するためであります。

勘助は、今川家の娘を晴信嫡男・太郎の嫁に迎えるように進言します。
つまり“押してダメなら引いてみな”とはこのことでありまして、
これには晴信は「思いもよらなんだ」と絶句します。

今川から人質として姫をめとるか、武田から人質として姫を差し出すか。
のちのち、今川攻めを頭の片隅に置いている晴信にとって、
大いに悩むところであります。

今川の姫を武田が預かった上で今川攻めをすれば、
婿どの(太郎)から憎まれることになるでしょうし、
逆に武田の姫を今川に差し出したところで、
今川攻めをすれば、諏訪に嫁がせた妹・禰々姫のような
運命をたどることは必至なわけです。

ただ、晴信は賭けに出ます。


一方、賭けを仕掛けられた今川家。
今川義元・太原崇孚・寿桂尼の、おなじみの顔であります。
これがもし山本勘助の献策であれば、
今川にとっては危険であると崇孚が言い出します。

なので、使者として今川に来ていた駒井に確認することに。

しかし、義元から何かを感じ取った駒井は、とっさの機転で
これは晴信の発案であり、勘助は全く関係ないと言うわけです。
それどころか、稀代の軍師と世にもてはやされてはいるものの、
勘助は、武田家では単なる侍大将の一人であり、
勘助の力などたいしたものではない、などと熱弁を振るいます。

ついでなから、同じ軍師という立場の
太原崇孚とはとても比べ物にならないと、ゴマをするのも忘れません。

この駒井、見れば見るほど某首相にそっくりでありまして、
ここまで立派にお役目を果たしておられるので、
その某首相の影武者となってはどうかしら? と思ったKassyです。


勘助は、小山田の元を訪れます。

小山田は、側室・美瑠姫が産んだ藤王丸について、
「自分の子ではないのでは?」と疑念を持っています。
側室としてから姫が出産するまで、出産期間が短いというのです。
「女子は怖い」とは小山田の弁であります。

もともと美瑠姫は、武田に滅ぼされた笠原清繁の正室でした。
それを小山田が側室としていたのです。
「わしは、美瑠を好いておる」
小山田としては、笠原の正室を側室に迎えたにせよ、
藤王丸ともども、ずっと守り抜いて行きていく覚悟のようです。

自身の側室か、主君の側室か、という違いはあるにせよ、
負けた敵軍からもらい受けた姫を守る立場は共通でありまして、
勘助に、同じニオイを嗅ぎ取ったのかもしれません。

「由布姫を支えてやれ」と、
孤立無援な由布姫を守る役目の勘助に優しく声をかけます。
いつも皮肉たっぷりの小山田にしては、性格が丸くなっています。

実は小山田家も、武田本家に滅ぼされ、
信有は小山田家を守るために武田に仕え、今日に至っているのです。
そんな時、小山田家の駒橋屋敷より火急の使者が。
藤王丸が、病に勝てず亡くなったとの知らせであります。

駆けつけた小山田は、嘆き悲しむ美瑠姫を抱き寄せつつ
「運命は……恨んではならぬ」となぐさめますが、

しかしその瞬間、美瑠姫の中で、何かがプツンと切れます。


天文21年正月。
小山田が、美瑠姫に寝首を掻かれ(刺殺され)てしまいます。

藤王丸はまぎれもなく笠原の子でありまして、
美瑠姫はそれを小山田の子だと偽り、今まで育ててきました。

その藤王丸を病いで失い、生きる希望を失った美瑠姫は、
自分から全てを奪っていった武田への復讐心を甦らせ、
小山田を刺殺したわけです。
そして朝日に向かって「仇は討ちましたぞ」と高らかに宣言し、
自らの胸を一突き、絶命します。

わしは、美瑠を好いておる──

小山田の愛情を一身に受けた美瑠姫の命は、
時代の波にもまれて、はかなくも散っていきました。


原作:井上 靖 (『風林火山』新潮社 刊)
脚本:大森 寿美男
音楽:千住 明
題字:柿沼 康二
語り:加賀美 幸子
──────────
[出演]

内野 聖陽 (山本勘助)

市川 亀治郎 (武田晴信)

金田 明夫 (飯富虎昌)
田辺 誠一 (小山田信有)
高橋 和也 (馬場信春)
嘉島 典俊 (武田信繁)
──────────
真木 よう子 (美瑠姫)
紺野 まひる (於琴姫)
前田 亜季 (リツ)

柴本 幸 (由布姫)
──────────
谷原 章介 (今川義元)

加藤 武 (諸角虎定)

大森 暁美 (志摩)
絵沢 萠子 (キヌ)
伊武 雅刀 (太原崇孚雪斎)

風吹 ジュン (大井夫人)

藤村 志保 (寿桂尼)
──────────
制作統括:若泉 久朗
制作:中村 高志
演出:東山 充裕


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『風林火山』
第37回「母の遺言」

アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時〜

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コメント

アタシんち…
実はTVが壊れかけておりまして
画面上1/3が真っ黒で見れませんでしたぁ~
明日は新しく納品される予定だす

小山田くんやられちゃいましたねぇ~
個性の強いキャラだっただけにちと寂しい感じやねぇ~

音楽担当の千住明さん
本日の「田舎泊まろう」に谷村新二と一緒に出てたよぉ~
音楽でのイメージと違ってかなり面白いキャラだったよん
食べ歩きが大好きなんだってさぁ~

──────────

やまさーん。こんにちは!
今日もコメントありがとうございまーす。


>実はTVが壊れかけておりまして
あらまぁ(^ ^)
Kassyの前職は、電器店での販売員でしたので、
何かオススメしてあげたかったですね〜。
(ちなみにTVは担当外でした)


>小山田くんやられちゃいましたねぇ~
えぇえぇ。
皮肉たっぷりな御仁にしては、実にあっけない最期でありまして、
それが逆に喪失感を感じさせます。

そういえば、平成3年放送の『太平記』(真田広之さん主演)でも、
第32回「藤夜叉死す」で、
足利尊氏の心の恋人・藤夜叉(宮沢りえさん)が亡くなったのを筆頭に、
第37回「正成自刃」で楠木正成(武田鉄矢さん)、
第39回「顕家散る」で北畠顕家(後藤久美子さん)、
第40回「義貞の最期」で新田義貞(根津甚八さん)、
第41回「帝崩御」で後醍醐天皇(片岡孝夫(現・仁左衛門)さん)、
第42回「母の遺言」で足利清子(藤村志保さん)、
これら、ドラマの根幹を担う方々が
ドドドド……とラッシュのように亡くなっていきまして、

今回は『太平記』のようにはならないにせよ、
今週は小山田信有(田辺誠一さん)&美瑠姫(真木よう子さん)、
来週はお北さま(=大井夫人/風吹ジュンさん)、
そしていつかは由布姫(柴本 幸さん)や今川義元(谷原章介さん)が……
という展開に、少々不安を感じております。


>音楽担当の千住明さん
谷村新司さんと仲がいいようですね!
Kassyは数ヶ月前、千住 明さんのドキュメント番組(情熱大陸?)を見まして、
その時も、谷村新司さんの音楽プロデュースをしていましたよ。

もともと慶応大学工学部に進んだものの、それを中退し、
畑違いの東京芸大作曲科に入り直したという、特異な学歴をお持ちですから、
話題豊富で、なかなかおもしろい方だなぁと思いますね〜。

またまた見てないので、
返答無理です。
宿命の女、姫ですか?姫ですか?
うらやましい。

──────────

うっちゃんさーん。
連続コメントありがとうございまーす。


>宿命の女、姫ですか?姫ですか?
登場人物で言えば、
由布姫であり、於琴姫であり、美瑠姫であります。

ウチの姫も、いろんな意味で
“宿命の女”なのかもしれませんねー。

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