お散歩(32-2)
お散歩・第32回の後半です。
山笠の概略については昨日書きました。
今日は、少し深く突っ込んでみましょう。
もともとの山笠というのは、
町ごとの飾り山の華美を競いながら
練り歩いていたものだったそうです。
それが、江戸時代のことですが、D居流が東長寺で休憩中に、
I堂流(現在のE比須流)に追い越されてしまうという「珍事件」が。
このとき、二つの流が抜きつ抜かれつのマッチレースを繰り広げ、
これが町人受けしたことから、
「山を舁いて」駆け回り、スピードを競い合うという「追い山」になった、
というふうに変わっていったようです。
一般の祭りでいう、神輿や山車に相当するもののことを「山笠」、
それをさらに略して「山」といい、
山笠を担いで市内を回ることを、山笠を「舁く」(かく)と言います。
ちなみに、担ぐ人は「舁き手」(かきて)です。
そして、この舁き山に上る人を「台上がり」と言います。
通常、台上がりは前側(表)3人、裏側(見送り)3人ですが、
表の中央に座する人は、その山の実質的指揮官に当たります。
山笠は完全な「タテ社会」なので、
やはり、町への貢献度や住人たちからの信頼度によって
その指揮官が選ばれるのかもしれません。
もし仮に、信頼度の低い指揮官が台へ上がったら、
山舁きたちは無言の抵抗をするとかしないとか。
ほら、H多っ子って正直だから(^ ^;;)
とはいえ、たとえ指揮官にはなれなくても、
この山笠に参加する人なら、誰でも
「台上がり」を務めたい! と思うでしょうね。
山笠の一番のクライマックスは、何と言っても「追い山」でしょう。
毎年7月15日の午前4時59分に、一番山が山留めをスタート。
H多の総鎮守であるK田神社境内の「清道」を回って奉納します。
その後、二番山から順に5分おきにスタートし、
多数の男たちが交代を繰り返しながら、博多の町を舁き回り、
S崎町の廻り止めまでの約5kmのコースを駆け抜けます。
「一番山」などという順は、つまり山笠のスタート順位です。
7つの流れが「一番山」から「七番山」に割り当てられる。
これはローテーションを採っています。
イメージは、
七番山→六番山→五番山→四番山→三番山→二番山→一番山→……
「一番山」は、もちろん一番最初にスタートできる特権以外に、
「一番山」にのみ認められた特権があります。
それは、スタート地点付近の「K田神社」境内で
祝い歌である「H多祝いめでた」を1分間唄えること。
なので、この1分間のタイムロスを考慮して、
「一番山」スタート時刻を、午前5時から1分前倒しし、
午前4時59分としているという説があります。
この大ローテーションのほかに、小ローテーションも組まれます。
それは、流ごとの「当番制」。
流は、いくつかの小さな「町」が合わさって構成されています。
例えば……9つの「町」で構成される流があるとすれば、
3町ずつの当番制、つまり3年に1度の当番制です。
さらに、この流の場合は9町で構成されているので、
9年に1度は「本当番」となります。
(残り2つの当番町は「加勢当番」といいます)
なので、この例でのイメージは
○→○→加勢当番→○→○→加勢当番→○→○→本当番→……
という風に思っていただいていいでしょう。
この大ローテと小ローテを組み合わせると、例で挙げた流では、
「一番山」の「本当番」が回ってくるのは 7×9=63、
つまり63年に1度(※)ということになりますね。
(※ 輪番年数は流によって異なります)
ちなみに来年(平成20年)の「一番山」はD黒流。
D黒流の来年の「本当番」は「S崎町一区」となっています。
D黒流の場合は全12町あるので、「一番山」の「本当番」は
84年に1度という計算ですね(^ ^;;)
「S崎町一区」のみなさん、相当気合い入っていますよ〜♪
D黒流ホームページアドレスは ↓コチラ。
http://daikokunagare.com/index.html
さて、山笠の説明はそれぐらいにして……、
実際にK田神社に入ってみました。
境内に入って左手奥に「山」を見つけましたよ。
高いでしょ〜!!
これ、山笠で実際に舁くわけではないんですよ(^ ^)
こちらは、飾っておくだけの「飾り山」。
こんなに背が高かったら、電線に引っかかってしまいますよね。
山笠直前には、各流が制作した「飾り山」を
市内各地で目にすることが出来ます。
K田神社の「飾り山」は、常設展示してあるものです。
H多にお越しの際は、ぜひ一度ご覧あれ。
そのK田神社のすぐ近くに、
商人の町・H多の暮らしと文化に触れることができる
「H多町家ふるさと館」があります。
今回、中に入ってはいませんが、
機織りの音が中から聞こえたりして、
けっこう面白そうでしたよ。
こんな懐かしいものもありました ↓
郵便ポストです。
しかも投函できて、局員の方が集配に来てくれます。
ただ、今のポストと違って投函口がせまいので、
幅の広い郵便物は入らないかもしれませんね。
そのまままっすぐに進むと、
H多駅前から北西に延びる「T博通り」に出ます。
写真が写る範囲では、昔ながらの雰囲気を醸し出していますが、
いざ通りに出てみると、回りはオフィス街でして、
ここだけ異空間の印象であります。
ここから左折して、駅へ。
K州新幹線工事に合わせて、駅舎も現在工事中です。
数年後、どんな姿に変わっているんでしょうね!
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コメント
山笠参加した事ありますよ!
もちろん担ぎましたよ、上だったら、僕の重みで山が
担げませんからね!
友人の子供2人博多織挑戦してましたよ、
4歳の子供は、小学生でないからと、させてもらえませんでした!
でも座らせてもらい、写真撮影させてもらいました!
──────────
うっちゃんさーん。
連続コメントありがとうございまーす。
>山笠参加した事ありますよ!
あ、うっちゃんさんならありそうな気はしました(^ ^)
やっぱり熱気ムンムンで、すごかったんでしょう?
参加はしなくても、一度見物に行ってみたいんですよねー。
なかなか実現できませんが(T^T)
>でも座らせてもらい、写真撮影させてもらいました!
いい思い出、ですね♪
投稿: ★うっちゃん | 2007年12月 8日 (土) 22:47