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2007年12月 2日 (日)

大河ドラマ風林火山・(48)いざ川中島

永禄4(1561)年8月14日。

上杉政虎率いる上杉軍は、
春日山城より川中島に向けて出陣します。
将兵は合わせて18,000。

その知らせは、海津城を守っている香坂弾正より、
のろしリレーによって、いち早く甲斐へ届けられます。
知らせを受けた武田信玄は、直ちに出陣を決意します。

血戦の火ぶたは、今 切られようとしています。

武田は海津城について軍議を開きます。
飯富は「10,000の兵が城を囲めば、海津城は危うい」とし、
これには信玄の弟・信繁も
「海津城は落ちたものと考えねばならぬか……」と賛同しています。

一方、馬場や諸角は
「海津へ急いで向かいましょう!」と信玄に提案しますが、

「急いては敵の思うつぼじゃ」

と、信玄は、信虎同様クルミをぐりぐりやりながら
重々しく口を開きます。
政虎の恐ろしさを理解している信玄は、
慎重に慎重を重ねて戦を有利に進めていきたいようです。


一方、その海津城を目前にした上杉軍では、
政虎をはじめ、上杉方の諸将も軍議を開いています。

海津城を攻めるのは赤子の手をひねるように容易なことですが、
妻女山に登った方が賢明であるとの結論に達したようです。


出陣前日──。

太郎義信は、幼い頃に傅役・飯富兵部に
不動明王について教えられたことを思い出していました。

ちなみにこのシーン、第18回「生か死か」で収録していたそうですが、
時間の都合上仕方なくカットし、お蔵入りしていたそうで……。
前にお話しした通り、1話分延長された関係で、
そのお蔵入りのシーンを復活させることができたとか。

20年前の大河『独眼竜政宗』で、傅役・喜多と梵天丸(=伊達政宗)が
不動明王を前にするシーンとそっくりであります。
確かこの時も、不動明王は恐ろしい顔だとか何とか言っていました。
それが、当時一世を風靡した“梵天丸もかくありたい”につながるのですが、
太郎義信は梵天丸ではないので、そんなセリフは吐きません(^ ^;;)


信玄の正室・三条夫人。

お堂で一心不乱に祈っている信玄に
「私のためにお勝ちくだされ……私をひとりにしないで……」と
切実な思いで夫を見つめています。


勘助は、屋敷で槍稽古に励んでいますが、
その後ろ姿にリツが声をかけます。

リツは、勘助が会わせた香坂との婚儀に決意を固めます。
それで勘助は安心して出陣できるわけですが、
「リツの元へ、必ずお戻りくださいませ」と
リツは必死に涙をこらえています。

リツが城なれば、儂(わし)は月影じゃ──。

義理の関係ながら、美しい父娘の姿です。
しかし、この二人はもう二度と
再会することはありません。


そして迎えた出陣の日──。

おくまが太吉と茂吉に「気をつけてな」と声をかけます。
勘助、伝兵衛、そして太吉・茂吉父子らは
リツらに見送られて、いよいよ旅立ちであります。


その途上、勘助は許可を得て諏訪に立ち寄ります。
由布姫の遺児・四郎勝頼が初陣を迎えたことを
墓前に報告するためです。

そこで勘助は、由布姫の幻影を見ます。

由布姫は一言、「なりませぬ」と哀しげに首を振っています。
あたかも「行ってはならぬ」と忠告しているようでした。

直後にやって来た四郎勝頼。
勘助同様、お参りにやって来たようです。
先ほどの由布姫の幻影からでしょうか、
初陣で張り切っている勝頼に対し、
勝頼の初陣は「まだ早い」ととっさに嘘をつきます。

勘助の言うことに、一切納得できない勝頼であります。


勘助は、勝頼の初陣延期を信玄に事後報告。
信玄は「まぁよい」と寛大に許します。
側近・駒井は、そんな勘助を見て
「お館さまのみに命を懸けて、うらやましい」と思っています。


川中島・妻女山の上杉軍──。

政虎は、武田領にあえて深く入り込む形で布陣しています。
敵が目前に達しているというのに、政虎はのんきに琵琶を弾いています。

宇佐見は、海津城を見下ろせる場所に立ち、
戦法について平蔵に軽く指導しながらつぶやきます。

「この戦、攻め急いだ方が……負けだ」


勘助は勘助で、
武田軍をおびきだそうとしている政虎の意図を見抜き、
「ここで待つが肝要」と言い出します。

これには、武田の諸将たちも反発しますが、
どうやら勘助も、先に動いた方が負けると考えているようで、
結果、両軍はにらみ合いが続きます。

両軍というより、勘助と宇佐見のにらみ合いであります。


対陣から2週間経った9月9日。
雨がしとしと降っています。

にらみ合いが続き、味方の士気低下を恐れた武田の諸将たちは、
上杉軍との決戦を主張しているようです。
信玄は、軍議の場で何かと衝突する勘助と馬場の二人に、
これからの戦法を立てさせます。

そこに舞い込んで来た、思いがけない知らせ。
行方不明になっていた、原 虎胤が生きていたそうです。


急ぎ、原のもとを訪れる勘助。

そこで勘助は、おふくという老女と出会います。
原は2ヶ月ほど生死の境をさまよい、
このおふくの家で傷を癒していました。

おふく役は緑 魔子さん。
NHK出演は『夢千代日記』以来、久々の登場だそうです。

基本的には先に動いた方が負けると考えている勘助は、
どうせ動くのなら、敵に気づかれないように動きたいわけで、
川中島に深い霧がいつ出るかをおふくに尋ねます。
こういう気候は、
長く地元に住んでいる村人に尋ねるに限りますね。

するとおふくは、勘助に金をせびった上で
「あすじゃ〜」と答えます。

「明日!?」

川中島血戦を前に、闘志を露わにする勘助でした。


今回に引き続き、おふくがキーパーソンとなるようです。


永禄4年(1561)年9月9日、
霧を利用して、武田軍がついに動き出します。

永禄4(1561)年9月10日の
「第四次川中島血戦」(山本勘助の討死)まで

あと1日──。


原作:井上 靖 (『風林火山』新潮社 刊)
脚本:大森 寿美男
音楽:千住 明
題字:柿沼 康二
語り:加賀美 幸子
──────────
[出演]

内野 聖陽 (山本勘助)

市川 亀治郎 (武田信玄)

ガクト(Gackt) (上杉政虎)

池脇 千鶴 (三条夫人)

金田 明夫 (飯富虎昌)
高橋 和也 (馬場信春)
宍戸 開 (原 虎胤)
──────────
佐藤 隆太 (矢崎平蔵)
前田 亜季 (リツ)

柴本 幸 (由布姫)
──────────
西岡 徳馬 (直江実綱)

佐々木 蔵之介 (真田幸隆)

金田 賢一 (柿崎景家)
大橋 吾郎 (大熊朝秀)
近藤 芳正 (相木市兵衛)
木村 元 (本庄実仍) ※ クレジットなし
緑 魔子 (おふく)

加藤 武 (諸角虎定)

緒形 拳 (宇佐美定満)
──────────
制作統括:若泉 久朗
制作:中村 高志
演出:清水 一彦


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『風林火山』
第49回「死闘川中島」

アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時〜

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コメント

いよいよクライマックスやねぁ~
この決戦の日のために前置きの一年間があったと思いやぁ~す

「おふく」役の緑魔子←(字が間違えてたらゴメン)
なかなかいい演技ですねぇ~←まるで妖怪っぽくて
その昔確か清純派でならしてた女優さんだったと記憶するけど…

“梵天丸もかくありたい”…名セリフやねぇ~
当時の子役さんも今は立派な成人に成長してるんでしょうね

──────────

やまさーん。
連続コメントありがとうございまーす。


>この決戦の日のために前置きの一年間があったと思いやぁ~す
え(^ ^;;)
第47回までが「前置き」ですか!?
えらい長い……。


>「おふく」役の緑魔子←(字が間違えてたらゴメン)
スタッフすじの情報によると、
最終回での緑さんは見どころらしいですよ!


>当時の子役さんも今は立派な成人に成長してるんでしょうね
現在の梵天くんはコチラ
八世宗家・藤間勘十郎さんであります。
お顔は、あの当時の梵天くんの面影がありますね。

わずか7歳であの名演技ですからね〜。
驚きであります。

投稿: ★やま | 2007年12月 3日 (月) 21:18

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