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2008年3月30日 (日)

大河ドラマ篤姫・(13)江戸の母君

薩摩からの船旅は、予想を遥かに超える苦しいものになっています。
荒い波にもまれて、特別仕様の大船が大きく揺れ、
乗船している者たちは皆、激しい船酔いに悩まされています。

篤姫は、あまりの気分の悪さに意識が遠のき、
これまた顔色が悪くなっている幾島に介抱されています。


薩摩・今和泉島津家──。
当主の忠剛が病を得、床についています。
その噂を聞きつけた肝付尚五郎は、
さっそく見舞いに訪れています。

篤姫が島津本家へ養子に入った際、
今和泉島津家からお供をしてきた侍女のしのですが、
篤姫が島津を発ち京・江戸へ向かうのを期に
鶴丸城からお暇をもらって、ふたたび今和泉島津家に仕えています。


篤姫が乗った船が瀬戸内海に入り、
幾分かは揺れが軽減されてきて、
篤姫はようやく目を覚まします。

この船旅で、篤姫は嫌っているはずの幾島に対して
親しみと絆を抱いています。


一旦、大坂の薩摩屋敷に入って船旅の休息をする一行。
そこへ早速、斉彬の正室で篤姫の「養母」である英姫(ひさひめ)から
西陣織の高級な着物のお届けものです。
篤姫は、まだ見ぬ江戸の母に対する肖像を
思い浮かべています。

数日後、京の近衛家へ入り、
新しい養父となる近衛忠煕に対面します。
その対面の場には、江戸城大奥に至るまで
その名が知れ渡った村岡という老女がおります。

ついでながら、
忠煕の亡き妻・郁姫付きの老女だった幾島とは顔見知りでして、
篤姫の大奥お輿入れの暁には、
幾島の身分保障のとりなしを依頼していたわけですが、

村岡:姫さんが御台所におなりあそばすこと、
   まだ正式に決まったわけではないというに……。

と、実に意味深なことを言い出します。
これには、さすがの幾島も寝耳に水であります。


江戸城では、篤姫お輿入れの計画に
徳川斉昭が噛みついて、難航の様相を呈しています。

その知らせは、すぐさま薩摩の島津斉彬の耳に入れられ、
斉彬の江戸参勤が早められます。

斉彬:難しいようだな……。

江戸行きを口約束されていた尚五郎は、
その参勤メンバーから外されてしまい、
代わりに、西郷吉之助が同行することになりました。
西郷は、斉彬をうならせるような意見書を数多く提出していて、
その手腕を認められたためです。

尚五郎は夕刻、西郷家へ赴き、
西郷の江戸行き命令を報告します。
遊びにきていた大久保とともに、二人で大喜び。

一方、江戸行きがかなわなかった尚五郎は、
そのやるせない気持ちを桜島に向けて発散しています。


篤姫一行は京を発ち、東海道を下っています。
途中、富士山がきれいに見える丘で小休止し、

篤姫:薩摩よりまかり越しました、篤子にござります!

富士山に向かってごあいさつ(^ ^)


嘉永6(1853)年10月23日。
篤姫一行は、三田にある江戸薩摩藩邸に入ります。

藩邸に詰める者たちの対面の儀がひととおり終わり、
居室で一息ついていると、
斉彬の正室・英姫から、篤姫の無事到着をねぎらう
菓子が届けられます。

篤姫にとって英姫は養母であり、
篤姫はすぐにでも会って御礼言上がしたい旨を言いますが、
なかなか対面する機会が設けられません。


西郷の江戸行き、そして自身の薩摩待機について
どうしても納得できない尚五郎は、
小松清猷にその気持ちをぶつけようとしますが、
清猷は清猷で、今回の江戸行きには同行せず、
斉彬から琉球行きを命じられています。

清猷も尚五郎同様、納得がいっていません。
「なぜ私なのか」
「今まで私がやってきたことは何だったのか」
しかし斉彬を信じ、受け入れることにしたそうです。

尚五郎は、そんな清猷の話を聞いて、
己が恥ずかしくなり、涙を浮かべています。


江戸の薩摩屋敷。
篤姫はようやく、英姫と対面がかなうわけですが、
なぜか御簾(みす)越しの対面です。
御簾の中の英姫は、目から下を布で隠しています。

篤姫が勝手に思い描いていた「養母」の姿はありません。

英姫から「島津の分家の娘が徳川家に、それも公方様に嫁ぐなど、
誰ひとりとして認めてはおらぬ」と言われ、篤姫は放心状態であります。

篤姫:私は、徳川家に嫁ぐために江戸に参ったのでございます!

そのセリフすらも、鼻でせせら笑う英姫。
あれだけ楽しみにしていた対面の儀は、失望のうちに終わりました。

ちなみに英姫は徳川御三卿の一つ・一橋家の出身ですので、
外様大名・島津家の、しかもその分家の娘とは
身分は雲泥の差なわけです。


居室に戻るや否や、篤姫は幾島を責め立てます。
しかし、責められている幾島としても、
江戸の事情がイマイチつかめていないため、
篤姫からの問いに答えようがありません。

外様大名から将軍家へ嫁ぐ時の軋轢は、
前例がないだけにあらかた予想できますが、
まさか島津の身内にも軋轢があったとは──。

もはや、内にも外にも敵ばかりであります。


嘉永6(1853)年10月23日。
篤姫一行は、三田にある江戸薩摩藩邸に入ります。

慶応3(1867)年10月14日の
将軍・徳川慶喜による「大政奉還」まで


あと13年11ヶ月──。


原作:宮尾 登美子 (『天璋院篤姫』講談社 刊)
脚本:田渕 久美子
音楽:吉俣 良
題字:菊池 錦子

語り:奈良岡 朋子
──────────
[出演]
宮崎 あおい (篤姫)
瑛 太 (肝付尚五郎)
堺 雅人 (徳川家祥)
小澤 征悦 (西郷吉之助)
原田 泰造 (大久保正助)

長塚 京三 (島津忠剛)
樋口 可南子 (お幸)
岡田 義徳 (島津忠敬)
──────────
沢村 一樹 (小松清猷)
ともさか りえ (お近)
佐藤 藍子 (小の島)
春風亭 小朝 (近衛忠煕)
余 貴美子 (英姫)
──────────
山口 祐一郎 (島津忠教) ※ クレジットなし
江守 徹 (徳川斉昭)
星 由里子 (村岡)
草刈 正雄 (阿部正弘)
長門 裕之 (島津斉興) ※ クレジットなし
松坂 慶子 (幾島)
高橋 英樹 (島津斉彬)
──────────
制作統括:佐野 元彦
制作:屋敷 陽太郎
演出:佐藤 峰世


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『篤姫』
第14回「父の願い」

アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時5分〜[←放送時間が変わっています!]

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