大河ドラマ篤姫・(14)父の願い
「御台所になれるわけがない!」と英姫に言われた篤姫は、
悶々とした日々を江戸の薩摩藩邸で送っています。
御台所の件をはっきりさせようと、幾島はあの手この手で
英姫に目通りを願い出てはいますが、なかなか許されません。
英姫は徳川御三卿の一つ・一橋家から島津家へ嫁いでいますが、
元をたどれば、第11代将軍・徳川家斉の実子であり、
篤姫とは言うに及ばず、幾島とは格段の身分の差であります。
到底許されるはずもないのですが、それでも引き下がらない幾島。
篤姫:いざ出陣じゃ!
篤姫は、英姫に目通りが叶うまで、
奥書院で座り込みをきめ込みます。
嘉永6(1853)年11月23日。
家祥は、朝廷より将軍宣下を受け、名を家定と改めます。
ここに第13代将軍の誕生となりました。
晴れがましいこの時に、
将軍家定は、生母・本寿院の絵を描いています。
その場に呼びつけた阿部正弘に、
御台所の件についてはっぱをかけます。
家定:できたーっ!
絵ができたようです。
でも、披露された絵は……アヒル(^ ^)
薩摩・今和泉島津家──。
病を得た島津忠剛は、すっかり気弱になってしまい、
「於一には、重すぎる運命を与えてしまった」と後悔しきり。
お幸や忠敬、見舞いに訪れた肝付尚五郎を心配させています。
ストライキ4日目。
奥書院に、とうとう英姫が現れました。
しかし、相変わらず御簾越しの対面であります。
御台所として江戸城に上がることを誰も認めていないと
以前言われたことについて、詳細な説明を求めますが、
「殿に聞かれるがよかろう」と、素っ気ないお返事。
篤姫がすがりつくように御簾に手をかけると、
その拍子に御簾を落としてしまい、
英姫は、自らの醜態を隠すべく、慌てて立ち去っていきます。
聞けば、幼少の頃の病が元で、顔にその跡が残ってしまったとか。
自分が嫌われていて見過ごしに対面しているわけではないのだと知り、
篤姫は安心します。
年が明け、嘉永7(1854)年。
アメリカのペリーが再び江戸沖に現れます。
江戸の町はふたたび大混乱に陥り、
幕府は混乱の収拾に当たっていますが、
「焼け石に水」状態で、なかなか混乱が収まりません。
そんな中、政治の表舞台に登場したのは彦根藩藩主・井伊直弼。
直弼と徳川斉昭は、真っ向から意見を対立させます。
直弼:無茶な──。
斉昭:なにが無茶じゃ!
斉昭は徹底した鎖国・攘夷論を展開しますが、直弼は開国論を主張。
両者の主張は平行線で、こちらも混乱が収まりそうもありません。
老中・阿部正弘は、島津斉彬が参勤で江戸へ来るのを
ただ黙って待っています。
江戸出発の前に、尚五郎は、父・兼善から預かった金子、
そして自ら用意したお守りを持参して西郷家へ。
大久保からの心遣いもあり、感涙の西郷であります
黒船騒動のため、江戸から急な呼び出しを受けた斉彬は、
1月21日に薩摩を出立。
その行列の最後尾あたりには、
胸を張って歩を進める西郷吉之助の姿もあります。
そして、島津の参勤行列が神奈川辺りにさしかかったころ、
江戸からの急報を受けます。
去る3月3日、直弼らが日米和親条約を締結してしまったわけです。
鎖国制度は崩れ、下田と函館の港が開かれることになりました。
そしてもう一つ急報が。
今和泉島津家の当主・島津忠剛が亡くなったというものでした。
斉彬が江戸薩摩藩邸に到着後、
何も知らない篤姫は、御台所の一件を斉彬に尋ねます。
その件で斉彬は「ご公儀より内々に承諾の話がくるはず」と回答し、
篤姫はホッと胸を撫で下ろします。
「今和泉の者たちは、息災にて──」と篤姫が口にした瞬間、
斉彬の顔が曇ります。
隠しきれないことを悟った斉彬は、
実父・忠剛が亡くなったことを篤姫に伝えます。
篤姫:何ゆえ……何ゆえ今まで、
私には知らされなかったのですか!
篤姫の目に、涙がみるみる溜まっていきます。
実は斉彬が出府のために薩摩を出発する直前、
忠剛を見舞いに訪れていた斉彬ですが、
そこで忠剛から、最後の願い事をされていたわけです。
自分の身に何があっても、篤姫には伝えずにいてほしい。
忠剛:己の道を一途に、歩んで……ほしいのです。
わしの子じゃ。
どこへ行こうと、何と名乗ろうと、於一は、わしの子じゃ。
一、と書いて於一! 於一は……わしの子じゃ!
わしも、そなたの父で、何と言うか……愉快であった!
今和泉島津家 第十代当主・島津安岐忠剛。
安政元(1854)年2月27日死去、享年49。
伝えないでほしいと願ったのも父の気持ち、
そして、それを知りつつも伝えたのも父の気持ち。
篤姫は、そんな父の気持ちの狭間で、
最愛の実父との別れを、この遠く離れた江戸で
かみしめなければなりませんでした。
嘉永7(1854)年3月3日。
井伊直弼らによって、日米和親条約が締結される。
慶応3(1867)年10月14日の
将軍・徳川慶喜による「大政奉還」まで
あと13年7ヶ月──。
原作:宮尾 登美子 (『天璋院篤姫』講談社 刊)
脚本:田渕 久美子
音楽:吉俣 良
題字:菊池 錦子
語り:奈良岡 朋子
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[出演]
宮崎 あおい (篤姫)
瑛 太 (肝付尚五郎)
堺 雅人 (徳川家定)
小澤 征悦 (西郷吉之助)
原田 泰造 (大久保正助)
長塚 京三 (島津忠剛)
樋口 可南子 (お幸)
岡田 義徳 (島津忠敬)
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高畑 淳子 (本寿院)
沢村 一樹 (小松清猷)
ともさか りえ (お近)
佐藤 藍子 (小の島)
余 貴美子 (英姫)
榎木 孝明 (肝付兼善)
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江守 徹 (徳川斉昭)
中村 梅雀 (井伊直弼)
草刈 正雄 (阿部正弘)
松坂 慶子 (幾島)
高橋 英樹 (島津斉彬)
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制作統括:佐野 元彦
制作:屋敷 陽太郎
演出:佐藤 峰世
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『篤姫』
第15回「姫、出陣」
アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時〜
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