大河ドラマ篤姫・(15)姫、出陣
島津斉彬とともに江戸へやって来た隆盛西郷吉之助。
斉彬からの直々の指令を受け動き回る“庭方役”を仰せつかり、
斉彬のお側近くにお仕えすることになりました。
そして、篤姫が
第13代将軍・徳川家定の御台所として嫁ぐことを告げ、
その輿入れ道具の一切を調達するよう命を受けています。
「それがしのような無骨者が──」ととまどいを隠せない西郷ですが、
斉彬が西郷を見込んで命を下しているわけです。
とっても荷の思いお仕事ではありますが、
名匠・名品を訪ね歩き、目を肥やしておく必要があります。
そのうちに、日本のいろいろな情報が入ってくるだろうと、
西郷はさっそく動きます。
幕府は朝廷の孝明天皇に、
3月に締結した「日米和親条約」の報告をしています。
孝明天皇は異国嫌いだそうで、とても嘆いておられます。
幕府内でも、徳川斉昭が条約締結に不服を唱え、
その怒りを島津家へ向けています。
斉彬の子・虎寿丸と近衛家の信姫との縁談を整え、
篤姫が家定の御台所に上がることで、
斉彬に権力が集中することを遠回しに批判しているわけです。
斉昭にとって、斉彬は獅子身中の虫のようです。
斉昭:薩摩に気を許してはならぬ!
そういう斉昭も、子・慶喜を
水戸徳川家から一橋家へ養子に入れています。
そこを阿部正弘に指摘されてはいましたが。
そんな折、信姫との結納を済ませたばかりの虎寿丸が早世。
その落胆で、斉彬自身も重い病で倒れ──。
篤姫:父上様が!?
すぐにでもお見舞いにかけつけたい篤姫ではありましたが、
正室・英姫でさえお目通りが叶わぬ実情を耳にし、
へなへなと座り込んでしまいます。
斉彬の病気快癒を祈願して、薩摩藩邸内に読経が響き渡る中、
篤姫は、祈ることしかできないことに歯がゆさを感じています。
斉彬の病状が長引けば長引くほど、
一度は静まったはずの、(斉彬の父・斉興の側室にあたる)お由羅による
呪詛調伏の噂が、薩摩で再燃しています。
暴走し、頭に血が上っている有馬新七らですが、
大久保正助:島津家は間違いなくお取りつぶしじゃな……。
という大久保の冷静な一言。
薩摩77万石をめぐるお家騒動であれば、
財政難にあえぐ幕府が目をつけない道理はなく、
一気にお取りつぶしされるのは必定であります。
「小さいことに目を奪われ、国を潰したいのか!?」と迫られ、
有馬は、やるせなさを感じています。
江戸では、西郷をはじめとする下級武士たちが
お由羅の暗殺を企てていますが、
それがなんと、斉彬の耳に入ってしまいます。
病床の斉彬は、西郷を呼びつけ、
全ての企てを断念するように説得します。
大粒の涙を流す西郷──。
篤姫は、その呪詛調伏の噂を幾島から聞き、
お由羅自身に聞いてみよう! と立ち上がります。
薩摩にいる実母・お幸の
「一方を聞いて沙汰するな」という教えに従ったまでです。
高輪屋敷に乗り込む、かなり強引な篤姫に、
斉彬の付き人である川上筑後はほとほと困惑しています。
そこへ飛び込んできた西郷。
篤姫が高輪屋敷に赴くことを知って、あわてて駆けつけたわけです。
なぜ知っているかはさておき、篤姫警護の任を買ってでます。
西郷:姫様は守りもす!
川上に「分をわきまえよ!」とたしなめられますが、
篤姫は、西郷に警護を命じます。
高輪の藩邸に単身乗り込んだ篤姫。
養祖父にあたる斉興と、その側室・お由羅と対面した篤姫。
内心は、分家の娘である篤姫を快く思ってはいません。
しかし、篤姫の腰の低い態度と挨拶に、すっかり上機嫌な斉興。
そこで、篤姫が直球勝負を仕掛けます。
お由羅が斉彬を呪詛調伏でのろっているという
不穏な噂があります、と言い出したわけです。
お供の幾島は、じっと目をつぶり、
事の推移を見守っていますが、
斉興:無礼な!
当然ながら斉興は激高、お由羅はよよよと泣いてみせますが、
「よかった──」と、篤姫は安堵した様子。
お由羅に、人を呪い殺すことなどできっこないと判断したようです。
ついでに幾島は、
篤姫が将軍御台所になることを斉興・お由羅に打ち明け、
それに驚いた二人は、目を丸くして黙り込んでしまいました。
土下座はしませんでしたが、
まさに、水戸黄門の印籠の如く、であります。
安政2年、春。
尚五郎は、奥小姓・御近習番を拝命。
斉彬からの辞令を目の前にし、
尚五郎は身命を賭す覚悟をしています。
それだけではありません。
遠島の罪を許されて、大久保の父・利世が
5年ぶりに薩摩へ帰ってきました。
尚五郎が大久保家へ駆けつけると、
家族で再会を喜んでいます。
そして、その辞令を伝えた小松清猷は
琉球へ旅立っていきました。
嘉永7(1854)年閏7月24日。
斉彬の子・虎寿丸が夭折。
慶応3(1867)年10月14日の
将軍・徳川慶喜による「大政奉還」まで
あと13年3ヶ月──。
原作:宮尾 登美子 (『天璋院篤姫』講談社 刊)
脚本:田渕 久美子
音楽:吉俣 良
題字:菊池 錦子
語り:奈良岡 朋子
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[出演]
宮崎 あおい (篤姫)
瑛 太 (肝付尚五郎)
小澤 征悦 (西郷吉之助)
原田 泰造 (大久保正助)
長塚 京三 (島津忠剛) ※ クレジットなし
樋口 可南子 (お幸)
岡田 義徳 (島津忠敬)
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沢村 一樹 (小松清猷)
ともさか りえ (お近)
的場 浩司 (有馬新七)
佐藤 藍子 (小の島)
大和田 伸也 (大久保利世)
東儀 秀樹 (孝明天皇)
余 貴美子 (英姫)
山口 祐一郎 (島津忠教) ※ クレジットなし
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江守 徹 (徳川斉昭)
真野 響子 (フク)
涼風 真世 (お由羅)
草刈 正雄 (阿部正弘)
長門 裕之 (島津斉興)
松坂 慶子 (幾島)
高橋 英樹 (島津斉彬)
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制作統括:佐野 元彦
制作:屋敷 陽太郎
演出:岡田 健
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『篤姫』
第16回「波乱の花見」
アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時〜
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