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2008年5月 4日 (日)

大河ドラマ篤姫・(18)斉彬の密命

安政の大地震により、篤姫の江戸城大奥への輿入れは
実質的に白紙に戻ってしまいます。

幾島もさすがに焦りを覚えますが、
島津斉彬は「天変地異の後じゃ」と諦め顔です。
当の本人である篤姫は、そんなことをおくびにも出さず、
子供を抱えて明るい顔を浮かべています。

このような試練こそ、将来の苦難に備えた自己鍛錬になる、と
前向きにとらえる篤姫の姿に、斉彬も幾島も救われています。


薩摩に帰った尚五郎は、斉彬の命に従い、
お近との婚礼の準備を進めていましたが、
なかなか決心がつかずにいました。

出迎えた大久保正助がいろいろ話を聞いてあげていますが、
この縁談に乗り気でない尚五郎を見て、
大久保は、尚五郎が篤姫に対して
心残りがあるのでは? と考えています。

尚五郎:決め手がないのです。
大久保:決め手?


そして江戸城──。
将軍・徳川家定が書物を読んでいますが、
その書物は天地が逆……。

老中・阿部正弘は、堀田正睦を将軍に会わせます。
阿部は、今度の大地震の責めを負って老中の職を辞し、
堀田に新任の老中に推挙しています。
「ご機嫌麗しゅう──」と形通りの挨拶をする堀田ですが、

麗しゅうわけがなかろう!!

と、初登場の堀田に容赦なく叱り飛ばしています。


薩摩では、尚五郎とお近の顔合わせが行われていますが、
その日の夜、こっそりとお近が尚五郎の家にやってきます。

お近:お断りいただきたいのです。
尚五郎:断る!?

この縁談を断ってほしいと言い出します。
お近は尚五郎よりも7歳も年上であり、
体も弱く、取り柄のない人間だと……。

篤姫が21歳なので、同い年の尚五郎も21歳。
ということは、お近は7歳上なので28歳。
お近が縁談を固辞するのも分からなくもありません。

尚五郎は、お近の励ましでここまで来れましたし、
ヤケになっている時には、お近が叱ってくれました。
そんなお近の謙虚で素直な心を知り、
尚五郎は結婚を決意します。

尚五郎:あなたを守りたいと思います。
お近:こんな私で、よいのですか……。
尚五郎:あなたがよいのです。

手を握りあって、見つめあう二人でした。


尚五郎とお近の婚儀の日。

篤姫の兄・島津忠敬が酔っぱらっていますが、
そこへ婚礼お祝いと称して、大久保や有馬新七ら
尚五郎と親しくしていた下級武士たちがやってきて、
「高砂」の唄を歌っています。

忠敬のみが「帰れ帰れ〜!!」と叫んではいますが、
最初の頃は目くじらを立てていた尚五郎の父・肝付兼善も
祝福を受け入れています。


篤姫は、島津本家の娘として大奥へ上がるのではなく、
近衛家の娘として上がることになっています。

ということで、島津本家から近衛忠煕家へ
養女として移るわけですが、
今回は、近衛家には形式上移るだけで、
実際に篤姫が近衛家に行くわけではなさそうです。

そして、篤姫の婚礼の日程が12月18日、
大奥入りは、それより1ヶ月以上も前の11月11日と決定。
いよいよ、動き出しました。

斉彬:そなたが大奥に入るにあたっての務めは──。

大奥への出立前夜、篤姫を呼び出した斉彬は密命を授けます。
幕府を立て直す名目で、将軍家定を支えていくこと、であります。

家定は過去に2度も、公家から正室を迎えているものの、
2人とも病気で早くに亡くしています。
当然ながら子はおらず、篤姫が産んだ男子が世継ぎになるわけですが、

仮にも篤姫が世継ぎを産めなかった場合は、
次期将軍を、水戸の徳川斉昭の子である一橋慶喜とするように、
家定をはじめ、大奥の人々を説得せよというものでした。

これは、そうとう利発な者でなければ務まりそうもありません。

篤姫は、斉彬が自分を御台所にしようとした
最大の理由を初めて知ります。

篤姫:そのお役目、必ずや果たしてご覧に入れまする!


今度は、養母である英姫の呼び出しを受けます。
英姫は、疱瘡でできたあばた顔を白布で隠して過ごしてきましたが、
篤姫の前で、とうとうそれをはぎとります。

英姫としては、真っ正面から
篤姫に向き合いたいという気持ちからでしょうか。
確かに、出会った頃のひねくれた英姫は
篤姫と接するたびに消え失せていったような気もします。

篤姫には、出会った者をとりこにする何かを持っているようです。


出立の朝。

斉彬:これからは御台様じゃ……。

「お篤」と呼べるのは今日が最後と、斉彬は寂しそうにしています。
以前、今和泉島津家から島津本家に養女として上がった際も
実父・忠剛も寂しそうな顔を浮かべ、
「そなたの父で、何と言うか……愉快であった!」と言っていましたね。

大奥から派遣された、大奥総取締の滝山が
篤姫を迎えに薩摩藩邸へやってきます。
壮大な篤姫お輿入れ行列が、いよいよ江戸城へ向かいます。

その姿を見送る斉彬、英姫。
そして、西郷。

引き返すことのない、篤姫の一本道です。


安政2(1855)年11月11日。
篤姫が近衛家養女として江戸城入りを果たす。

慶応3(1867)年10月14日の
将軍・徳川慶喜による「大政奉還」まで


あと11年11ヶ月──。


原作:宮尾 登美子 (『天璋院篤姫』講談社 刊)
脚本:田渕 久美子
音楽:吉俣 良
題字:菊池 錦子

語り:奈良岡 朋子
──────────
[出演]
宮崎 あおい (篤姫)
瑛 太 (肝付尚五郎)
堺 雅人 (徳川家定)
小澤 征悦 (西郷吉之助)
原田 泰造 (大久保正助)
岡田 義徳 (島津忠敬)
──────────
ともさか りえ (お近)
佐藤 藍子 (小の島)
的場 浩司 (有馬新七)
春風亭 小朝 (近衛忠煕)

余 貴美子 (英姫)
辰巳 啄郎 (堀田正睦)
榎木 孝明 (肝付兼善)
──────────
江守 徹 (徳川斉昭)
稲森 いずみ (滝山)
星 由里子 (村岡)
中村 梅雀 (井伊直弼(回想))
草刈 正雄 (阿部正弘)
松坂 慶子 (幾島)
高橋 英樹 (島津斉彬)
──────────
制作統括:佐野 元彦
制作:屋敷 陽太郎
演出:渡邊 良雄


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『篤姫』
第19回「大奥入城」

アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時〜

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