大河ドラマ篤姫・(26)嵐の建白書
ポルトガルから伝わった菓子を家定に勧められ、
「ん〜、おいしーい」と、篤姫は満足げに食べています。
二人してこたつのようなものに入って向き合い、
いろいろ話をしているわけですが、
同じ江戸城内では、
本寿院が井伊直弼を大奥内に呼び、
紀州慶福を次期将軍に推すという盟約を結んでいます。
本寿院にとっては、強い味方ができたと喜び、
井伊にとっては、大奥に足をすくわれることはないと
着実に自らの権力が広げられていることを実感しています。
島津斉彬からの密書が、
西郷吉之助→小の島→幾島を経て、篤姫の元に。
一橋慶喜を次期将軍にせよとの密命を帯びて
大奥に入った篤姫は、ますます追い詰められています。
斉彬は、小松尚五郎を屋敷に呼び、
「帯刀清廉」という名を与えます。
その上で、重要な任務を任せるのですが、
帯刀は、斉彬にその真意を問います。
斉彬は、古い幕府を瓦解して
新社会・ニッポンを目指したい考えですが、
帯刀としては、その古い幕府の将軍家に嫁いだ
篤姫の今後が気になって仕方がありません。
実は、斉彬は幕府に建白書を提出し、
将軍継嗣における自身の立場を表明していたわけです。
大藩・薩摩から出されたこの建白書は、
大奥や幕府内で大きな嵐となって吹き荒れています。
本寿院は完全に取り乱し、
篤姫は、家定に慶喜を推挙するという
段取りをグズグズと延ばしていた結果、
養父・斉彬を追い詰めてしまったのではないかと感じています。
恒例の五目並べ、
その途中であらためて、慶喜を跡継ぎにするよう願い出ます。
それは斉彬の考えに従う、というものではなく、
自らの意思だと主張する篤姫ではありましたが、
ほんの数ヶ月前、
慶喜よりも慶福の方が次期将軍にふさわしいと
家定に語っておりまして、
「あれは何だったのじゃ?」と、家定にツッコミを受けます。
「そなただけは、信ずるに値する女子じゃと思っておったが」
と、家定は捨て台詞を吐いて出て行きますが、
篤姫には、返す言葉はありません。
一方、アメリカ総領事・ハリスから
通商条約の締結を迫られている幕府は、
異国嫌いで有名な孝明天皇の許しを得るため、
老中・堀田正睦を京に派遣します。
井伊もまた、朝廷に対する工作活動を始めていまして、
開国問題と将軍継嗣問題という、ふたつの火種は、
京へと移っていきます。
斉彬親密派の近衛忠煕は、使者の西郷に促され、
「将軍を早うお決めなはれ〜」ということを提案することにしますが、
その場に座している井伊親密派の九条尚忠に抵抗され、
結局は何もできずじまいであります。
決着は、井伊ら紀州慶福派の圧勝──。
家定は、篤姫を居室に呼びます。
開国問題については、最終的に朝廷の許可が下りず
日延べしなければならなくなったようですが、
篤姫はあくまでも開国派です。
将軍後継問題は、篤姫も家定と斉彬の狭間で
ずいぶんと悩まされているわけですが、
思い切って、慶喜も慶福も推さないことにします。
中立主義を貫こうというわけです。
私は、私でよいのです──。
改めて篤姫は、自らの意思で動いていくことを
強く決意します。
原作:宮尾 登美子 (『天璋院篤姫』講談社 刊)
脚本:田渕 久美子
音楽:吉俣 良
題字:菊池 錦子
語り:奈良岡 朋子
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[出演]
宮崎 あおい (篤姫)
瑛 太 (小松帯刀)
堺 雅人 (徳川家定)
小沢 征悦 (西郷吉之助)
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高畑 淳子 (本寿院)
春風亭 小朝 (近衛忠煕)
東儀 秀樹 (孝明天皇)
佐藤 藍子 (小の島)
平 岳大 (一橋慶喜(回想))
岩井 友見 (歌橋)
高橋 長英 (月照)
辰巳 琢郎 (堀田正睦)
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稲森 いずみ (滝山)
星 由里子 (村岡)
中村 梅雀 (井伊直弼)
松坂 慶子 (幾島)
高橋 英樹 (島津斉彬)
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制作統括:佐野 元彦
制作:屋敷 陽太郎
演出:渡邊 良雄
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『篤姫』
第27回「徳川の妻」
アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時〜
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