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2008年7月27日 (日)

大河ドラマ篤姫・(30)将軍の母

次期将軍となった紀州慶福が江戸城に入り、
名を「家茂」と改めます。
ここに14代将軍・徳川家茂の誕生であります。

天樟院となった篤姫は、亡き夫・家定からの
「慶福の後見をせよ」という遺言があり、
その務めを立派に果たそうと希望を見いだしていますが、
大老・井伊直弼から適当にあしらわれていることを幾島に指摘され、
顔を曇らせています。


家茂は天樟院と対面します。

天樟院を「娘御のようだ」と比喩したことに対し、
落飾した女を娘御とは無礼な! と天樟院はご立腹。
とはいえ、その場のムードに飲み込まれて、
フッと微笑んでしまう天樟院でした。


天樟院との対面後、家茂は井伊と話していますが、
井伊にとっては天樟院の言動が気に入らないところがあり、
天樟院は薩摩出身で、とかく政に口を挟みたがる性格から、
充分注意するように、と家茂に忠告しています。


井伊は、一橋慶喜を推していた者たちを
次々と弾圧し始めます。

世に言う「安政の大獄」……。

これにより、水戸一派は無論のこと、
斉彬の手足となって働いていた西郷吉之助も
幕府に追われる身となってしまいました。


家茂は、そんな井伊の政治の方針に
うすうす疑問を感じておりまして、
思い切って天璋院に相談しようとします。

それを受けた天璋院は素直に喜びますが、
井伊はドカドカと大奥まで乗り込んで、
天樟院に西郷の居場所を問いただします。

井伊の言い分としては、
もともと幕府が政治を行っていたところ、
朝廷が各藩と手を結んで幕府政治を崩そうと画策したため、
今後このようなことが再び起きないために、
厳罰に処すべし! というようです。

ついでに井伊は、
将軍後見職として田安慶頼を迎えたことを伝え、
天樟院を幕政から外そうとしますが、

家茂にとっては、天樟院の力が必要であります。
将軍後見役として残ることを井伊に命じ、
井伊はしぶしぶ承知しています。

──────────
ここで一つお勉強。

徳川家には、将軍家という本筋の他に
初代将軍・家康が創設した「徳川御三家」というものがあり、
尾張徳川家・紀伊徳川家・水戸徳川家がこれにあたります。
更に、8代将軍・吉宗が創設した「徳川御三卿」というものもあり、
田安徳川家・一橋徳川家・清水徳川家がこれにあたります。

「徳川御三家」も「徳川御三卿」も、
本筋である将軍家に何か起こった時に補佐する役目です。

以前、将軍後継者争いを繰り広げた
慶福(徳川家茂)は、「徳川御三家」の紀伊徳川家出身です。

そして慶喜は、「徳川御三卿」の一橋徳川家出身でありますが、
本当の慶喜の出身は、「徳川御三家」の水戸徳川家出身です。
つまり慶喜は、斉昭の七男だったので、
水戸家から一橋家へ養子として入っているのです。

水戸の徳川斉昭は“実父”というわけですね。

将軍となった家茂の将軍後見職として今回選ばれたのは、
徳川御三卿から田安慶頼だったわけです。
──────────

京を追われ、薩摩に帰国した西郷は、
月照を伴っておりまして、
斉興(斉彬・忠教の父)に月照の保護を願い出ますが、
斉興とはいえ、幕府に逆らうことは恐ろしいわけで、
西郷らを逆に捕らえて「永送り」を命じます。

「永送り」とは、
西郷に月照を殺させることを意味しております。

これには小松帯刀が猛反発!
小松が仕えている忠教に噛みつきます。

忠教は現藩主・忠義の父で藩主後見役ですが、
藩の中では斉興が絶対的な権力を握っていて
自分は無力であることを悟っており、
何をしてあげることもできません。


小松と大久保は、
夜に西郷・月照が捕われている屋敷を訪れ、
その屋敷から港への地図を渡します。

遠回しに「脱走してください!」と言っているわけです。

手はず通り、西郷と月照は脱走を遂げ、
船で錦江湾に出ますが、
小松と大久保に迷惑がかかるのを恐れた二人は、
身投げしてしまいます。

月照は亡くなりますが、西郷は息を吹き返します。
しかし、奄美大島に送られることになります。


そんな中、家茂は将軍宣下を受けて14代将軍となります。
ふと足を踏み外した天樟院に「母上さま!」と声をかけ、
その言葉に天樟院は感動しています。

家定が生前語っていた、
「守ってやることができる。わしの……家族をな」という言葉を思い出し、
未亡人となったことで、一人残されてしまったと考えていた天樟院は
自分には家族がいるのだ! と改めて思い直したようです。


幾島は、重野を天樟院付の御年寄とすべく、天樟院に会わせます。
重野は以前、将軍後継車争い真っ只中の頃に
慶福を推す本寿院一派の動きを探るために使っていた者でして、
大奥にも、表にも顔が利く人物と幾島は見込んでいます。

その上で、幾島は天樟院に
家茂・慶喜の将軍後継車争いに敗れた責任を取り、
大奥から下がりたいと申し出ます。
これには天樟院自身も責任を感じていたところですが、
幾島は、その責任を一身に背負う覚悟のようです。

家定が亡くなってから、大奥の人間が
一人、また一人と去っていきます。


安政5(1858)年10月25日、
夫・家定の死後、篤姫が落飾して「天樟院」となる。

慶応3(1867)年10月14日の
将軍・徳川慶喜による「大政奉還」まで


あと8年11ヶ月──。


原作:宮尾 登美子 (『天璋院篤姫』講談社 刊)
脚本:田渕 久美子
脚本協力:田渕 高志
音楽:吉俣 良
題字:菊池 錦子

語り:奈良岡 朋子
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[出演]
宮崎 あおい (天樟院)
瑛 太 (小松帯刀)
堺 雅人 (徳川家定(回想))
小沢 征悦 (西郷吉之助)
原田 泰造 (大久保正助)
松田 翔太 (徳川家茂)
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的場 浩司 (有馬新七)
中嶋 朋子 (重野)
佐藤 藍子 (小の島)
高橋 長英 (月照)

鶴田 真由 (志賀)
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稲森 いずみ (滝山)
山口 祐一郎 (島津忠教)
星 由里子 (村岡)
涼風 真世 (お由羅)
長門 裕之 (島津斉興)
中村 梅雀 (井伊直弼)
松坂 慶子 (幾島)
──────────
制作統括:佐野 元彦
制作:屋敷 陽太郎
演出:佐藤 峰世


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『篤姫』
第31回「さらば幾島」

アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時〜

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