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2008年8月 3日 (日)

大河ドラマ篤姫・(31)さらば幾島

天樟院の居室に、
彼女が着た打ち掛けが広げられてたくさん並べられています。
天樟院としては、次々と去りゆく女中たちに
形見分けとして与えたいそうです。

女中の一人が、ある打ち掛けを目につけるや否や、
幾島は血相を変えて「下げ渡すわけはなかろう!」と
怒鳴り散らします。

それは、天樟院が篤姫と名乗っていた頃、
家祥(後の家定)に嫁ぐ際に身にまとっていた打ち掛けなので、
天樟院にとっては、それはそれは大切なものなのですが、

だとしても血管を浮かばせて怒る幾島に
「そこまで怒らずともよいではないか」と天樟院はなだめています。


そんな折、家茂は大奥の天樟院を訪ねます。

井伊直弼による一橋派への弾圧「安政の大獄」は、
ここにきてなお一層激しさを増しています。
どうやら、井伊の政治方針が正しいのか正しくないのか
分からなくなった、のだそうです。

天樟院も、昔むかし
同じことを考えていた時期があったので、
「共に学んで参りましょう」と母として家茂を励まします。


弾圧「安政の大獄」は、
天樟院の養家である近衛家にも迫っておりまして、
将軍家輿入れにも力を尽くしてくれた村岡さえも
捕らえられています。

天樟院としては大切な御仁なので、
井伊を呼びつけてでも、怒鳴り散らしてでも、
何とかして助け出したいと願いますが、
それは重野に止められます。

天樟院付の御年寄として、
立派に役目を果たしている重野を見て、
幾島は頼もしくも、少し寂しげに感じています。

この一件を、家茂に救ってもらおうとも考えますが、
これは滝山に止められます。
幾島は「井伊殿を推挙したのはどなただったかな?」と
攻撃に攻撃を重ねますが、
実は滝山自身、井伊を大老に推したことを悔いているようで、
顔を曇らせています。

その上で、近衛家のことは私的な理由であり、
それを家茂に願い事などしては井伊の思うつぼで、
家茂の立場も危うくすることになると、
滝山に諌められます。


村岡は江戸へ連行されてきました。

天樟院は、婚礼の時に着た白い衣装を幾島に届けさせます。
それを取り調べの日、村岡が身にまとって現れます。
いわば、前代将軍の御台所が身につけたもの、
つまり“葵御紋”のようなものでありまして、
その御紋に対して厳しい詮議はできようはずもありません。

こうして、村岡は取り調べを何とか切り抜けます。


薩摩では、
実権を握っていた島津斉興が亡くなり、
いよいよ忠教の時代となりました。

斉彬派だった下級武士たちは、
忠教に対しても疑惑の目を向けて
殺気立っていますが、
大久保は冷静に、その勢いを抑えています。


幾島は、天樟院に
お暇をいただいて大奥を下がりたいと申し出ます。

幾島としては、斉彬の命に従って一橋派を推し、
そして敗れた責任を取りたいようですが、
それよりも、自分の役目は終わったのだと悟ったようです。

影の形に沿う如く、姫のお側にあって、
お世話をいたす所存にございます──。

長刀の訓練中も、
薩摩から京への長い船旅の道中も、
大奥入りして初めての夜も、
落飾したあと、呆然と庭を眺めているときも、

そして、家定との初夜に向かう篤姫を見送るときまで、
幾島は天樟院に付き従ってきました。

「その影が……消えるか」と
天樟院はしみじみと感じています。

幾島は、形見として持って行ってもらいたいと
白い打ち掛けを差し出した天樟院に、
もう一度、それを着て見せてほしいと言います。

天樟院は、その幾島の願いを聞き入れ、
その場で着てみせますが、
今までの想い出が走馬灯のように二人の頭を駆け巡り、
二人とも涙しています。


原作:宮尾 登美子 (『天璋院篤姫』講談社 刊)
脚本:田渕 久美子
脚本協力:金杉 弘子
音楽:吉俣 良
題字:菊池 錦子

語り:奈良岡 朋子
──────────
[出演]
宮崎 あおい (天樟院)
瑛 太 (小松帯刀)
小沢 征悦 (西郷吉之助)
原田 泰造 (大久保正助)
松田 翔太 (徳川家茂)
──────────
高畑 淳子 (本寿院)
的場 浩司 (有馬新七)
中嶋 朋子 (重野)
岩井 友見 (歌橋)
藤木 孝 (久貝因幡守)
春風亭 小朝 (近衛忠煕)
高橋 長英 (月照)
──────────
稲森 いずみ (滝山)
山口 祐一郎 (島津忠教)
星 由里子 (村岡)
涼風 真世 (お由羅)
長門 裕之 (島津斉興)
中村 梅雀 (井伊直弼)
松坂 慶子 (幾島)
──────────
制作統括:佐野 元彦
制作:屋敷 陽太郎
演出:渡邊 良雄


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『篤姫』
第32回「桜田門外の変」

アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時〜

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