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2008年8月24日 (日)

大河ドラマ篤姫・(34)公家と武家

いよいよ、和宮の江戸行きが近づいています。

天樟院は、京の都から将軍御台所となる和宮のために
自らの居室を明け渡し、畳や襖に至るまで新調させ、
和宮を迎える準備を万端に仕上げています。
公家で育った和宮が、武家の江戸で暮らす際の不安を
最大限に取り払って、盛大に迎えてあげようという
天樟院なりの気遣いであります。

その完璧さに、申し分なく頷く天樟院でしたが、
朝廷は、和宮下向に際しての五箇条の要求を突きつけ、
それを受け取った天樟院は、とまどっています。


京の御所──。

孝明天皇は、妹・和宮が嫁ぐにあたり、
いろいろと気がかりで声をかけていますが、
和宮付きの女中、庭田嗣子や
和宮の母・観行院がしっかりとサポートしているので、
まずは安心、といったところでしょうか。

そして、和宮はいよいよ江戸へ出発。

中山道を通ってきた和宮一行ですが、
しかし、江戸入りを前に、途中立ち寄った屋敷で
早速に一悶着があったようで……。

屋敷の者が出迎えると、
和宮と観行院は露骨に扇で顔を隠しています。
それどころか、迎える側が準備した
食事や衣装(お召し物)は一切受け付けず、
「すべて御所風で」と、我が道をゆく姿勢であります。


薩摩では──。

誠忠組の面々は、
やり場のない憤りを胸にたぎらせています。
その矛先は、今や「国父様」となった島津久光(忠教)に、
さらに、久光に取り立てられた大久保正助に向けられています。

小松帯刀と大久保は、久光に
今こそ幕政改革の時であることを必死に説き、
久光は京に上ることをとうとう宣言します。

しかし、そのために働いてくれるであろう誠忠組が
パラパラになりつつある現状ではいけないと、
小松と大久保は、奄美大島に流されている
西郷吉之助の力が何としても必要であり、
西郷を呼び戻すように懇願します。


和宮は、ついに江戸城入りを果たします。

夫となる将軍・徳川家茂と対面を果たしますが、
家茂のことを「鬼」だと教え込まれて、不安を感じていた和宮は、
実際に家茂と対面してみて、
非常に気遣いのできる、やさしく凛とした好青年であることに
「鬼ではなかった……」と安堵しています。

和宮は一目で惹かれ始めているようです。


そして次は、天樟院との御対面。

あくまで幕府側は、
江戸風で対面の儀式を取り仕切ろうとします。
つまり、母にあたる天樟院が上座、
そして、嫁にあたる和宮が下座というわけです。

それに庭田が噛みつきます。
京風とすれば、“身分が”上である和宮が上座で、
“身分が”下である天樟院が下座だと主張します。
さらに、敷物がないことを観行院が指摘。

頑としてはねのける滝山でしたが、
天樟院は下手(したて)に出て、丁寧にお詫びをし、
自分が敷いていた敷物を使っていただくように
滝山に指示をしますが、

「一度敷いたものを使えますかいなぁ〜」
と、それはそれはもう腹立たしいぐらい(^ ^;;)
のらりくらりと京言葉で浴びせる始末です。


対面後、天樟院は
「私が上座でよかったのかのう」と
いろいろな意味で後悔しています。

そこへ届けられた和宮からの土産もの。
書状には“天樟院へ”と呼び捨てで書かれ、
天樟院親衛隊は激怒。

和宮が江戸入りしてからというもの、
京から下向した京方と、迎える側の江戸方とで
何かと衝突することになります。


和宮と、それをとりまく親衛隊の面々と、
どうにかして仲良くしていきたいと考えている天樟院でしたが、
朝廷の意向で和宮の帰京を強く迫っており、
更には家茂直筆の請文を帝に対して差し出させたことを知り、
数ヶ月前に天樟院が明け渡した新御殿へ飛び出していきます。

歌を詠んでいる最中の和宮でしたが、
天樟院はそこへずけずけと立ち入り、
まずは先日の、初対面の折の非礼を詫びます。

しかし、京であれ江戸であれ、
姑を立てるのは当たり前だと主張し、
目をまん丸くしている庭田と観行院に
更に泡を吹かせ、威風堂々と御殿を出ます。

天樟院退出後、わなわなと怒りに肩をふるわせている観行院。
一方庭田は、天樟院に対しての悪口を言いまくっていますが、
和宮は静かにするように注意します。
まさに“ツルの一声”です。

天樟院の居室へ戻る途中、「すっきりいたしました!」と
重野とうふふと微笑み合います。


そんな折、突如として発生した「坂下門外の変」。

大老・井伊直弼亡き後、
幕府の実権を牛耳ってきた老中・安藤信正が、
水戸浪士たちに襲撃されたのです。

落命こそしなかったものの、
老中たるものが易々と襲撃されてしまうことで
幕府の威信が地に落ちてしまったことへの責任を取り、
老中の座を退くことになります。

政治的生命は落としてしまったわけですね。


そして薩摩──。

奄美大島から呼び戻された西郷が
薩摩の地を踏みました。

それを出迎える小松と大久保。

大久保は、西郷が奄美に流されている間、
久光の部下として出世しているので、
着物も立派なものになっています。

西郷と大久保、
明治維新後も二人三脚で突き進んで行った二人は
しっかりと抱き合います。

久々の再会の二人に、言葉は要りませんよね。


文久2(1862)年1月15日、
坂下門外の変で、老中・安藤信正が襲撃される。

慶応3(1867)年10月14日の
将軍・徳川慶喜による「大政奉還」まで


あと5年9ヶ月──。


原作:宮尾 登美子 (『天璋院篤姫』講談社 刊)
脚本:田渕 久美子
脚本協力:田渕 高志
音楽:吉俣 良
題字:菊池 錦子

語り:奈良岡 朋子
──────────
[出演]
宮崎 あおい (天樟院)
瑛 太 (小松帯刀)
小沢 征悦(西郷隆盛)
原田 泰造 (大久保正助)
堀北 真希 (和宮)
松田 翔太 (徳川家茂)
──────────
的場 浩司 (有馬新七)
中嶋 朋子 (重野)
東儀 秀樹 (孝明天皇)
白井 晃 (安藤信正)
若村 麻由美 (観行院)
──────────
稲森 いずみ (滝山)
山口 祐一郎 (島津久光)
片岡 鶴太郎 (岩倉具視)
中村 メイ子 (庭田嗣子)
──────────
制作統括:佐野 元彦
制作:屋敷 陽太郎
演出:佐藤 峰世


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『篤姫』
第35回「疑惑の懐剣」

アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時〜

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