vol.28 翔ぶが如く
◆舞台の時代
[平安][鎌倉][室町][戦国][江戸初期][江戸中期][幕末][近代][昭和]
弘化3(1846)年〜明治11(1878)年
◆放送データ
- 放送期間:平成2年1月7日〜12月9日(全48回)
- 毎週日曜 午後8時〜8時45分
(5) 江戸へ・(39) 両雄対決・(40) 西郷、野に下る は午後7時15分〜8時
(29) 維新成る は午後8時〜9時
(48) 明日への飛翔 は午後8時〜8時55分 - 初回視聴率:26.9%
- 最高視聴率:29.3%
- 平均視聴率:23.2%
◆番組放送日と各回サブタイトル
- 【第一部・幕末編】
- (1) 1/-7 薩摩藩お家騒動
- (2) 1/14 新藩主お国入り
- (3) 1/21 運命の女たち
- (4) 1/28 黒船来たる
- (5) 2/-4 江戸へ
- (6) 2/11 庭方役拝命
- (7) 2/25 篤姫 お輿入れ
- (8) 3/-4 異変のきざし
- (9) 3/11 大老・井伊直弼
- (10) 3/18 斉彬出兵計画
- (11) 3/25 大獄の嵐
- (12) 4/-1 吉之助入水
- (13) 4/-8 正助の布石
- (14) 4/15 桜田門外の変
- (15) 4/22 南国の女
- (16) 4/29 吉之助帰る
- (17) 5/-6 同士討ち
- (18) 5/13 公家攻略策
- (19) 5/20 異人斬り
- (20) 5/27 薩英戦争前夜
- (21) 6/-3 慶喜の裏切り
- (22) 6/10 燃える思い
- (23) 6/17 竜馬と海舟
- (24) 6/24 新たな契り
- (25) 7/-1 薩長同盟
- (26) 7/-8 倒幕への道
- (27) 7/15 王政復古
- (28) 7/22 江戸開城
- (29) 7/29 維新成る 【第二部・明治編】
- (1) 8/-5 揺れる新政府
- (2) 8/12 決意の門出
- (3) 8/19 苦難の大変革
- (4) 8/26 いけにえの牛
- (5) 9/-2 欧米視察団出発
- (6) 9/-9 留守政府分裂
- (7) 9/16 破裂弾中の昼寝
- (8) 9/23 遣韓大使志願
- (9) 9/30 大久保の決断
- (10) 10/-7 両雄対決
- (11) 10/14 西郷、野に下る
- (12) 10/21 東京政府孤立
- (13) 10/28 佐賀の乱
- (14) 11/-4 それぞれの薩摩
- (15) 11/11 士族暴発
- (16) 11/18 西郷軍挙兵
- (17) 11/25 西南戦争
- (18) 12/-2 故郷・城山へ
- (19) 12/-9 明日への飛翔
12/16 総集編 第一部前編 青雲の志 (午後7時20分〜9時15分) →(1)〜(19)
12/17 総集編 第一部後編 維新成る (午後7時30分〜8時45分) →(20)〜(29)
12/23 総集編 第二部前編 両雄対決 (午後7時20分〜8時45分) →(30)〜(40)
12/24 総集編 第二部後編 明日への飛翔 (午後7時25分〜8時45分) →(41)〜(48)
◆あらすじ
“情の人・西郷隆盛”“理の人・大久保利通”──。近代国家・日本の建設を目指し、幕末・維新の変革期を翔ぶが如く駆け抜けた二人の薩摩隼人の軌跡を描く近代編大河ドラマ。
薩摩藩の下級武士だった西郷と大久保は固い友情で結ばれ、ともに明治維新の立て役者となった。だが、明治六年の政変を機に袂を分かち、やがて運命の西南戦争へと突き進んでゆく──。
西郷と大久保の友情と対立を軸に、現代日本の原点とも言える明治という時代と、そこに生きた人々の熱い思いを描く。
◆トピック
- 近代時代が舞台の大河は、昭和60年「春の波涛」以来5年ぶり4作目。
- 小山内美江子脚本の作品は、昭和58年「徳川家康」以来7年ぶり2作目。
- 一年間を二部以上の構成で放映した作品は初。
- タイトルバックは第一部と第二部とで異なっている。第一部は桜島(開聞岳?)の風景を空撮したもので、途中で薩摩ビードロの光り輝く様子をワンポイントとして挿入している。撮影舞台が鹿児島ということもあり、いい意味で泥臭い感じが出ていた。第二部は海原の風景を空撮したもので、第一部の名シーンや実際の当時の写真資料をところどころに挿入している。近代的なイメージこそあれ、未だ混沌とした時代であることを表現したものか。
◆主要スタッフと出演者
原作:司馬 遼太郎 (「翔ぶが如く」/「最後の将軍」「きつね馬」
「竜馬がゆく」「酔って候」「花神」「歳月」より)
脚本:小山内 美江子
音楽:一柳 慧
演奏:東京コンサーツ
テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
テーマ音楽指揮:秋山 和慶
監修:小西 四郎
時代考証:原口 泉
風俗考証:小野 一成
殺陣:林 邦史朗
所作指導:猿若 清方・猿若 清三郎
衣装考証:小泉 清子
題字:司馬 遼太郎
語り:(第一部) 草野 大悟
(第二部) 田中 裕子
ナレーション:中村 克洋 アナウンサー
──────────
西田 敏行 (西郷隆盛(吉之助))
鹿賀 丈史 (大久保利通(正助・一蔵))
南 果歩 (西郷 俊)
田中 裕子 (西郷いと)
石田 えり (愛加那)
六浦 誠 (西郷菊次郎)
若菜 大輔 (菊次郎の少年時代)
坂上 二郎 (西郷吉兵衛)
富士 真奈美 (西郷まさ)
村田 雄浩 (西郷吉二郎)
緒形 直人 (西郷従道(信吾))
国生 さゆり (西郷 清)
金山 一彦 (西郷小兵衛)
酒井 法子 (西郷 琴)
浜村 純 (西郷龍右衛門)
大路 三千緒 (西郷きみ)
坂上 忍 (大山 巌(弥助))
竜 雷太 (川口雪篷)
車 だん吉 (熊吉)
賀来 千香子 (大久保満寿)
北村 和夫 (大久保利世)
八木 昌子 (大久保 福)
吉川 十和子 (大久保きち)
江見 俊太郎 (島津斉興)
草笛 光子 (由羅)
田中 好子 (喜久)
高品 格 (調所笑左衛門)
大橋 吾郎 (小松帯刀)
西岡 徳馬 (赤山靱負)
蟹江 敬三 (大山綱良(格之助))
安藤 一夫 (伊地知正治)
佐野 史郎 (海江田信義(有村俊斎))
内藤 剛志 (有馬新七)
福田 勝洋 (吉井幸輔)
桜 金造 (村田経芳)
坂口 芳貞 (関 勇助)
東野 英心 (森山新蔵)
小川 晃廣 (森山新五左衛門)
新 みのる (田中謙助)(検死の役人)(見廻組)(小倉壮九郎)
光石 研 (土持政照)
加藤 治 (徳川家慶)
新橋 耐子 (本寿院)
上杉 祥三 (徳川家定)
富司 純子 (島津敬子(天樟院篤姫))
樹木 希林 (幾島)
鈴木 京香 (和宮)
三田村 邦彦 (徳川慶喜)
金子 信雄 (徳川斉昭)
神山 繁 (井伊直弼)
磯部 勉 (松平春嶽)
若林 豪 (阿部正弘)
井上 孝雄 (堀田正睦)
小林 勝也 (青山忠良)
津村 鷹志 (板倉勝静)
若松 武 (松平容保)
林 隆三 (勝 海舟)
嵐 圭史 (山内容堂)
北村 総一朗 (伊達宗城)
平田 満 (大村益次郎)
伊藤 孝雄 (長野主膳)
大山 克巳 (藤田東湖)
市原 清彦 (金子孫二郎)
篠井 英介 (橋本左内)
柳生 博 (近衛忠熈)
沼田 爆 (正親町三条実愛)
庄司 永建 (大原重徳)
杉本 哲太 (桐野利秋)
益岡 徹 (村田新八)
西田 静志郎 (篠原国幹)
黒田 隆哉 (別府晋介)
遠藤 憲一 (永山弥一郎)
草野 大悟 (海老原 穆)
角野 卓造 (三条実美)
小林 稔侍 (岩倉具視)
田中 健 (木戸孝允(桂 小五郎))
小倉 久寛 (伊藤博文)
新井 康弘 (山県有朋)
斉藤 洋介 (板垣退助)
石丸 謙二郎 (大隈重信)
隆 大介 (江藤新平)
長谷川 初範 (井上 馨)
塩野谷 正幸 (川路利良)
渡辺 いっけい (中原尚雄)
堤 真一 (矢崎八郎太)
三木 のり平 (新門辰五郎)
佐藤 浩市 (坂本竜馬)
洞口 依子 (おりょう)
[4]野村 万之丞 (月照)
藤堂 新二 (山城屋和助)
小林 勝彦 (白石正一郎)
益富 信孝 (竜 佐民)
渡辺 典子 (お縫)
有森 也実 (芦名千絵)
南條 玲子 (芦名千草)
奥村 公延 (十蔵)
未來 貴子 (おゆう)
神保 悟志 (神林吾郎)
段田 安則 (金太)
鶴田 忍 (左右田宗之進)
頭師 孝雄 (直兵衛)
大塚 周夫 (丸山)
萬田 久子 (お房)
水島 かおり (お芳)
[4]桂 三木助 (梅之屋五郎八)
田口 トモロヲ (坂東)
松澤 一之 (清次郎)
今井 雅之 (小沢)
笹野 高史 (和助)
直江 喜一 (向井)
三笑亭 夢之助 (瓦版売り)
林 邦史朗 (刺客)
飯田 テル子 (カメ)
車 邦秀 (介錯人)
中島 元 (町奉行)
戸川 京子 (仲居)
磯崎 洋介 (前田)
江成 正元 (その他)
高橋 英樹 (島津久光)
加山 雄三 (島津斉彬)
──────────
制作:岡本 由紀子・吉村 文孝
美術:宮井 市太郎・増田 哲
技術:京谷 道雄・高橋 邦彦
音響効果:浜口 淳二・久保 光男・巽 浩悦
撮影:村松 一彦・遠藤 信明
照明:増山 実・須鼻 明彦
音声:鈴木 清人・加村 武
記録・編集:横山 洋子
演出:平山 武之・望月 良雄・木田 幸紀・
小松 隆一・菅 康弘・古川 法一郎・西谷 真一
◆この年の日本と世界
1月13日、第一回大学入試センター試験実施。6月、礼宮文仁親王が川嶋紀子さんと結婚し、秋篠宮家を創設。10月3日、東ドイツが西ドイツに編入、東西ドイツの再統一が成る。11月12日、今上天皇の即位の礼挙行。
放送後、脚本を担当された小山内美江子さんが、次のように語っています。
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「ナコカイ トボカイ ナコヨカ ヒットベ」
まるで呪文のような薩摩言葉だが、翻訳すれば「泣こうか跳ぼうか、泣くよりは跳ぼう! 尻ごみして杭を残すよりは前に向かって潔く跳ぼう」という意になるだろうか。
ドラマ「翔ぶが如く」には度々この呪文が出てくる。薩摩の示現流とは一撃前進、二の太刀つまり退く太刀はないという剣法で、薩摩兵児(へご)の気をもっとも顕している呪文である。だが、彼らは四六時中ギリギリに緊張していたわけではなく、飄々としてユーモラスであったと司馬遼太郎先生にうかがった。そしてまた先生は、鎌倉武士の魂をひきついだ薩摩兵児たちの気風を愛しておられたようにも思われる。
同時に、「議をいうなっ」と理屈の多いものを軽んじたお国柄に或る哀しみの眼もお持ちだったのではなかろうか。滅びの美学──というお言葉も耳にした覚えがある。
先生の作品に登場する人物はいずれも魅力的である。土方歳三、江藤新平、河井継之助。己が信念で激動の時代を大いそぎで駆け抜けて行く。読者はその姿に心をかきむしられるのだろう、つまり惚れてしまうのだ。
<NHK大河ドラマ「翔ぶが如く・総集編」ビデオ資料より一部抜粋の上引用>
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◆この作品を楽しむためには
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次回は「vol.29 太平記」(平成3年放送)です。
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コメント
こんばんは。
このドラマはかなり鮮烈に記憶に残っています。
ちょうど転職をして生活も大幅に変わり、
人生の節目だったこともありますが、
もともと、幕末史には非常に興味もあり、
司馬遼太郎の数々の小説も読んでいたことも手伝って、
結構すんなりと受け入れられるドラマだったと思います。
いつだったかもコメントしましたが、
加山雄三の斉彬と高橋英樹の久光は強烈な個性が光っていましたよね。
他にも緒方直人や杉本哲太もいい味を出していたように思います。
今こうして振り返ってみると、
西郷どんは周りに大きな影響を与えていたけれども、
周りからの影響も受けやすいという人だったのカナ?
現在放映中の篤姫では、同じ登場人物を、
どうしても「翔ぶが如く」と比較してしまいますね。
──────────
Riverside houseさーん。こんにちは!
今日もコメントありがとうございまーす。
>人生の節目だったこともありますが、
節目の時のドラマだったり、流行していた音楽というのは、
振り返ると“あ〜、あの時ね!”と思い出させる材料になりますね。
Kassyも、今年の「篤姫」が
そういう作品になるのでしょうか(^ ^)
>司馬遼太郎の数々の小説も読んでいたことも手伝って、
本文にも記載していますが、原作『翔ぶが如く』が
征韓論直前から西南戦争に至る部分を描いているので、
他の司馬作品の『竜馬がゆく』『最後の将軍』『花神』からも
挿話などを拝借するなど、いわば
司馬遼太郎集大成! ともいえる作品かもしれません。
けっこう力強い作品でしたよね。
>周りからの影響も受けやすいという人だったのカナ?
そうかもしれませんね。
部下に対してドーンと大きな影響力を持つ反面、
部下の、細々したことも一切無視できず、
すべてに対応してあげよう……という結果、
西南戦争に引きずられて行ったような印象です。
>どうしても「翔ぶが如く」と比較してしまいますね。
登場人物のみならず、いろいろな観点で
いつか比較しましょか(^ ^)
……野暮?(^ ^;;)
投稿: ★Riverside house | 2008年9月 5日 (金) 23:03