« vol.37 徳川慶喜 | トップページ | ナゾ »

2008年10月26日 (日)

大河ドラマ篤姫・(43)嫁の決意

将軍・徳川家茂、薨去──。

わたしは……何事かをなし得たと言えるであろうか?
男として……何かを……。

海舟 勝 麟太郎の胸に抱かれて、
家茂は旅立ちました。

「何をする気もせぬ……」

すっかり、脱力感の天樟院ですが、
それでも、和宮の身を案じています。


そんな時、老中から
次の将軍を一橋慶喜にすることに決したと報告があります。
その決定に、天樟院は顔を歪めて老中に噛みつきます。

家茂に何か起こったときのために、あらかじめ
四歳になる養子を決めておいたはずですが、
老中曰く、先の長州出兵も幕府軍の敗戦が濃くなり
幼少の将軍では、この政局は乗り切れないと踏んだようです。

そう言われてしまっては、
天樟院としては頭を縦に振るしかありません。


江戸城に、将軍・家茂の亡骸が無言の帰城を果たします。

仏間で、その亡骸に、
涙ながらに訴えかける天樟院と和宮。
特に和宮は、泣き崩れて言葉になりません。
そんな和宮の元には、生前に家茂が用意させていた
京の土産の西陣織が届けられます。

その西陣織を手に、再び泣き崩れる和宮です。


薩摩では、小松帯刀が島津久光から上洛の命を受け、
その準備をお近にさせます。
お近にも、お琴と別れると告げて薩摩を発った小松でしたが、
いざ京の小松屋敷に到着してみると、
お琴が小松の子を身ごもり、出産していて、
その事実に愕然としている小松であります。

これでは、別れを切り出そうにも切り出せませんね。
別れの決意は、棚の上にあげておくしかありません。


大奥には、勝 麟太郎が天樟院と対面しています。
麟太郎は、家茂が最期を迎えるその瞬間に
「母上と宮様を頼む」との遺言を残して逝ったことを
天樟院に伝えています。

天樟院と麟太郎は、
名君・家茂を忍び、すすり泣きです。

「しかし、」と天樟院は言葉を進めます。

泣いてばかりはいられません。
計らずも、家定・家茂の二代とも見送った天樟院は、
幕府が、そして徳川家がこの先どうなってしまうのか
しっかりと見届ける運命にある、と考えています。


一方、和宮は、最愛の夫を亡くしたというのに髪も下ろさず、
京に帰るつもりでいるようです。
その本意を探りに、天樟院は早速、
和宮の居室に向かいます。

「どうでもよいのです──」
和宮の衝撃的な一言に、困惑顔の天樟院です。


京都御所では、
次期将軍の一橋慶喜が孝明天皇に謁見しています。
孝明帝が気にかけているのは、
やはり夫を亡くしたばかりの和宮の身であります。

慶喜が京の二条城に入ることを知って
本寿院は、大嫌いな慶喜やその正室が
大奥に入らないことを確認し、安堵しています。

しかし、京へ帰るつもりの和宮を見るにつけ、
「上様も不憫じゃのう」と嫌みたっぷりに罵り放題。
何も言えない、言おうとしない和宮に代わって
天樟院が本寿院に噛みつきます。

家茂のことを誰よりも思っていたのは、
紛れもなく和宮本人でありまして、
それは天樟院もよく知っています。

それを、何も知らない本寿院に罵られては、
和宮が可哀想すぎます。
「今のお言葉、お取り消しくださりませ!」と叱責し、
本寿院と口ゲンカ。

そんな天樟院の姿を見てか、突如、
和宮は髪を下ろして「静寛院」と名乗ることになりました。
静寛院としては、これで心おきなく京都へ帰れると
思ったまでだそうです。


髪を下ろし、ぼんやりと大奥の庭を眺めていた静寛院。
そこへ庭田嗣子が血相を変えて飛び込んできます。

孝明天皇の崩御──。

江戸へ下向して、母と夫、そして兄までも亡くした静寛院。
自身が役割を果たせなかったことを責めています。
視聴者として、ここまでの悲運には
かけてあげる言葉も見つかりません。


死もあれば、生もある。

小松に子が誕生したことは、
直々にお近に対しての文によって報告があります。

小松としては、家の長男として
子供を育てていくつもりでいるようで、
それを知ったお近から、坂本龍馬の妻・お龍に
相談の文が送られるのですが、

すすり泣くお龍に、夫の坂本龍馬は
「それはお近さんを思っての涙かい?
それとも、お琴さんを思っての涙かい?」
と、素朴な疑問を投げかけています。

それよりも、龍馬の頭の中には
世界を相手にする商業を目指して
「海援隊」を企画しています。

小松家の内情が
西郷吉之助・大久保正助も含め、
アッという間に広まってしまっていますが、
それはそれでいいのでしょうかね?


小松は西郷吉之助と大久保一蔵と結託し、
有力諸侯が幕府政治に参加する列侯会議を開くことに成功します。

しかし、したたかな慶喜にあっさりと翻弄され、
会議に参加する意味がない! と島津久光が会議を蹴ったため、
結果的に会議は失敗に終わってしまいます。

大久保は、こうなってしまえば
力で幕府を倒すしかないと小松を説得します。


静寛院の京都帰還の日取りを決めている最中の
天樟院の元に、ちょうど静寛院が訪ねてきます。
「母上は強すぎます」

自分のことを、初めて“母上”と読んでくれたことに
感動している天樟院であります。

静寛院は、こんな時に幕府を去ることによって
逃げ帰ろうとしているのに、
天樟院は幕府に残って、その後まで見届ける。
その強さが静寛院には羨ましくもあり、憧れでもあります。

そんな静寛院が出した結論は、
京に帰らず、江戸に残る! でした。


慶応3(1867)年5月14日、
京都において諸侯会議が開かれる。

慶応3(1867)年10月14日の
将軍・徳川慶喜による「大政奉還」まで


あと5ヶ月──。


原作:宮尾 登美子 (『天璋院篤姫』講談社 刊)
脚本:田渕 久美子
脚本協力:田渕 高志
音楽:吉俣 良
題字:菊池 錦子

語り:奈良岡 朋子
──────────
[出演]
宮崎 あおい (天樟院)
瑛 太 (小松帯刀)
小沢 征悦 (西郷吉之助)
原田 泰造 (大久保一蔵)
堀北 真希 (和宮)
松田 翔太 (徳川家茂(回想))
──────────
ともさか りえ (お近)
中嶋 朋子 (重野)
高橋 由美子 (唐橋)
平 岳大 (一橋慶喜)
原田 夏希 (お琴)
岩井 友見 (歌橋)

玉木 宏 (坂本龍馬)
市川実日子 (お龍)
──────────
稲森 いずみ (滝山)
高畑 淳子 (本寿院)
山口 祐一郎 (島津久光)
東儀 秀樹 (孝明天皇)
片岡 鶴太郎 (岩倉具視)
中村 メイ子 (庭田嗣子)
北大路 欣也 (勝 麟太郎)
──────────
制作統括:佐野 元彦
制作:屋敷 陽太郎
演出:岡田 健


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『篤姫』
第44回「龍馬死すとも」

アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時05分〜

|

« vol.37 徳川慶喜 | トップページ | ナゾ »

NHK大河2008・篤姫」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« vol.37 徳川慶喜 | トップページ | ナゾ »