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2008年11月 2日 (日)

大河ドラマ篤姫・(44)龍馬死すとも

慶応3(1867)年6月16日。

大奥では、恒例行事である「御嘉祥」が行われています。
大奥メンバーの一人ひとりに嘉祥菓子が配られ、
疾病よけと健康招福を祈る、というもの。

主・徳川家茂を失った大奥は、
その寂しさをひしひしと感じています。
この「御嘉祥」によって、寂しさを
少しでも紛らわせる意味合いのようです。

嘉祥菓子を配る役目の本寿院は
「本来は御台所の役目であろうが!」と
不満をたらたら漏らしていますが、

そのころの天樟院は
別室で田安亀之助と対面しています。

亀之助とは、大坂出陣前の家茂が
自身の養子に指名した子供でありまして、
家茂の遺志通りであれば、この亀之助が
次期将軍となるはずであったのですが、

突然の将軍薨去により、幼少の亀之助では
この政局を乗り越えることは出来ないと
老中によって一橋慶喜が将軍の座についたわけです。

天樟院は、幼い亀之助が
後々徳川家を支える時がくると諭し、
今のうちに世間を見ておくように勧めます。


京都・岩倉邸──。
岩倉具視と小松帯刀・西郷吉之助・大久保一蔵が
密会しています。

西郷や大久保は、慶喜によって
日本を一元化することは不可能であると考えています。
それに対して具視は、実にのんびりと
「幕府を討ちますかいなぁ」と話しています。

具視としては、朝廷の実権を復活させるべく
皇女・和宮を江戸下向させたひとりでありまして、
幕府を討つことには大賛成の立場であります。

しかし、小松はその考えに反対です。
そもそも幕府を倒す大義名分がないというのです。
すると具視は「朝敵にしてしまえばええことや」と
これまたのんびりと答えるのです。


帰宅した小松に、お琴は
小松の不在中に坂本龍馬が来訪し、
今は近江屋に宿泊していることを伝えます。
「薩長同盟」で共に働いた盟友・龍馬が京にいることを知り、
小松はとりあえず相談してみることにします。

小松の悩み事をひととおり聞いた龍馬は
「大政奉還」という策を授けます。
ちなみにこの知恵は、すでに土佐藩から
幕府に建白される手はずになっています。

つまり、幕府が今まで執り行ってきた政治を
朝廷に返上すれば(=大政奉還)、
たとえその後、朝廷が幕府を武力で倒せ! という
勅命を出したとしても、倒す幕府自体すでに存在しないので
全く意味をなさないものになってしまいます。

「慶喜が利口やったら、大政奉還するに決まっちゅうぜよ」
龍馬の助言に、小松は「これだ!」と目を輝かせます。


6月22日、薩摩藩と土佐藩の間で「薩土盟約」が結ばれます。
大政奉還と、その後の新政権樹立を目指すという約束です。

その知らせは、アッという間に大奥にも伝わりますが、
不安をあおると悟った天樟院は、滝山をはじめ
重野と唐橋にも、他言無用を命じます。


土佐藩からの大政奉還建白書を受け、
10月13日、慶喜は大会議を催すため、
二条城に各藩の諸侯や重臣たちを集めます。

龍馬から策を授けられた小松は
大政奉還の重要性を慶喜に説き、
慶喜は翌14日、朝廷に対し大政の奉還を上奏します。

徳川幕府にとって、
篤姫にとっての“その時”が、
ついにやってきたわけです。


そのことを知った天樟院は冷静さを保ちつつ、
この先幕府が、大奥がどうなっていくのか
全く先が読めない状況にあります。

そんな混乱状態にある大奥で、
庭田嗣子が倒れ、この世を去ります。
静観院にとって、観行院、家茂、孝明天皇に続いて
大切な人をまた一人、亡くしました。


小松や坂本の、あくまでも和を以て幕府を倒すという方針に対し、
武力を以て幕府を倒すという考えの具視や西郷・大久保。
当然ながら、慶喜の大政奉還のことなど
知るはずもありません。

具視は、倒幕の勅状を手配していて、
それが出た日に大政奉還されてしまったわけです。
せっかく出た倒幕の勅状も、
大政奉還によって水の泡と化してしまいました。

すでに無気力の具視と大久保に対し、
西郷は気丈にも、別の策を練っています。


大きな仕事を成し遂げた達成感からか、
小松邸で、龍馬と酒を酌み交わしています。
幕府を終わらせたことで、
武士や町人、農民という身分の差がなくなり、
皆が政治に参加できる世が来ると信じています。

しかし、龍馬は“権力”への欲は全くありません。
「船に乗って、世界の海援隊でもやってみたいき」

そんな夢を龍馬と語り明かし、小松は薩摩へ戻ります。

その年の11月、龍馬は
京の近江屋で刺客に惨殺されてしまいます。
日本の夜明けを自身の目でみることなく
この世を去ってしまいます。

その訃報を受け取った小松。
ちょうど薩摩に帰っていて、声を張り上げて泣き叫びます。


天樟院の再三にわたる登城要請にようやく応じた勝 麟太郎。
「私の大切な弟子が、京で──死にました」
勝は、龍馬が目指していた大政奉還の本当の意味を
天樟院に説明します。

具視や西郷・大久保らが押し進めていた武力派に対し、
国内の戦を避け、幕府や徳川家を守るために
大政奉還を実行したのだ、と。

そこでようやく、天樟院は
小松や龍馬に守られていたことを悟ります。

天樟院は、大奥のメンバーを集め
大奥と徳川家を守り抜く決意を表明します。
守るためなら、命を賭して戦うつもりです。

その言葉に呼応した静観院。
本寿院も、もはや引くに引けないところにまできています。


原作:宮尾 登美子 (『天璋院篤姫』講談社 刊)
脚本:田渕 久美子
脚本協力:田渕 高志
音楽:吉俣 良
題字:菊池 錦子

語り:奈良岡 朋子
──────────
[出演]
宮崎 あおい (天樟院)
瑛 太 (小松帯刀)
小沢 征悦 (西郷吉之助)
原田 泰造 (大久保一蔵)
堀北 真希 (静寛院)
──────────
中嶋 朋子 (重野)
高橋 由美子 (唐橋)
平 岳大 (一橋慶喜)
原田 夏希 (お琴)
岩井 友見 (歌橋)

玉木 宏 (坂本龍馬)
市川実日子 (お龍)
──────────
稲森 いずみ (滝山)
高畑 淳子 (本寿院)
片岡 鶴太郎 (岩倉具視)
中村 メイ子 (庭田嗣子)
北大路 欣也 (勝 麟太郎)
──────────
制作統括:佐野 元彦
制作:屋敷 陽太郎
演出:渡邊 良雄


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『篤姫』
第45回「母からの文」

アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時05分〜

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