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2008年11月25日 (火)

ユメみるたまご

今日は、父上の手術の日です。

Hk2501

毎週火曜日は、Kassyは定休日ではないのですが、
「先日の2連休(世間一般で言う3連休)のどちらかに出勤!」
という勤務体勢のうち、Kassyは両日ともにフル出勤をしたので、
偶然にもお休みをもらえました。


父上が手術室に入るのは、午前9時。
なので、Kassyと母上は、朝7時すぎに出発し、
病院に7時半に到着しました。
ちなみに、最近一人暮らしを始めて、現在別居中の姉上は
病院の総合受け付け前で合流です。

ココの病院では、
父上の手術は何度となく行われておりまして、
うち、Kassyが付き添いとしてお供したのは3度。

全摘出した胃も、ちゃんと確認しましたよ!

今回の手術部位は“肺”なのですが、
全摘出ではないので、そこまで難しくない……とはいえ、
過去に何度も手術を行っていることもあり、
あまり長時間に渡ってしまうと、
身体的にリスクが大きくなります。


手術室入り1時間前。
父上は、ちとキンチョーの面持ちであります。

ただ、以前は
「オレに何かあったら、お母さんをよろしくな!」と
遺言めいたことも口走っていましたが、
今回は「4時間ぐらいで出てこれるやろ(^ ^)」と
言っておりました。

もちろん、Kassyをはじめ母上と姉上は、
精神的に楽になるように、
いろいろと言葉をかけていたわけですが、
そんな時、隣のベッドで交わされていた
患者さんとナースさんの会話。

ナースさん:
あのね、○○さん。
今日からね、研修で学生ナースさんが5人来るんだけど、
○○さんの担当にさせてもらってね、
身の回りのお世話をお勉強させてもらえないかなぁ?

患者さん:
5人?

ナースさん:
そう。看護婦さんのたまご。

患者さん:
5人!

ナースさん:
そう。女の子よ〜。

患者さん:
ええよ!!

ナースさん:
いい? ありがとねー。

患者さん:
5人……エヘへ。

ナースさん:
あ、○○さんの担当は1人だけよ〜(^ ^;;)


分かったのか分からなかったのか、
会話の後もしきりに「5人♪」とつぶやいておりました。


さて、Kassyら患者家族は、
手術室前にある家族控室に先回りします。

胃の全摘出手術の時は、
朝8時すぎから麻酔を打ち始めていて、
9時の手術室入りの時にはすでに
意識がもうろうとした状態でありまして、
ストレッチャー(車輪付きのベッド)で運ばれて行ったのですが、

今はそのようなやり方はあまり行われていないそうで、
病室で麻酔も打たず(いや打っていたのかも?)、
車椅子に乗せられて登場しました。

午前9時、手術室入りです。

ココの病院の手術室の扉は、
路線バスの中ドアのような4枚折戸になっておりまして、
右の足元にあるボタン?を
看護士さんが足でポーンと蹴ると、
扉が開く仕組みになっています。

父上が手術室に入る様子を後ろから見ていて思いました。

Kassyは、今まで手術をしたことがないので、
当然手術室に足を踏み入れたこともないのですが、
ああいう感じで、麻酔も打たれていないような
素面の状態で手術室に入ると、小心者のKassyならば
「ゴメン、やっぱり向こうに戻して!!」などと口走りそうです。

ちなみに父上は“まな板の上の鯉”だと申しておりました。

父上が手術室に入ってから、
どういうふうに手術が始められたかは分かりませんが、
恐らく手術室内で麻酔をかけられ、
午前10時に執刀を開始した模様です。


病院の前に、けっこう大きな県道が走っているのですが、
その道路を隔てた向こう岸には、
ディスカウントストア「ト○イアル」の
コンビニ版のような小さな店舗があります。

以前は、コンビニ「セ○ンイレ○ン」しかなかったのですが、
ディスカウントストアの方がはるかに値段は安いわけです。
こんな場所に開店させるとは、
経営者もなかなか考えましたねぇ。

そして、病院裏手にある駐車場のところには、
石焼き芋屋さんが、それはそれはヒマそうに
タバコをふかしておられました。


主治医の先生からは、
手術時間は4時間の予定です! とお聞きしていたのですが、
父上は、午後1時になっても出てくる気配はありません。

Kassyら家族はちと勘違いをしておりまして、
「手術室に入って」から「手術室から出てくる」までが
4時間だと思い込んでいまして(^ ^;;)

後で調べてみれば、お医者さんの言う“手術時間”とは
「執刀開始時間」から「縫合完了」までを言うらしく、
午前10時に執刀を開始している以上、
どう考えたって、午後1時には出てくるはずもありません。

とはいえ、そんなことを知らないKassyら家族は、
午後1時が遠ざかるにつれて、内心焦り状態であります。


そして午後2時半、主治医の先生が待合室に来られ、
無事に縫合完了しました、と報告を受けました。
手術時間は4時間半になっていますが、
うち30分は、ホントにその病気かどうかを判別する検査が
手術中に行われていたため、
実際手術にかかった時間は予定通り4時間なんだそうです。

さらに手術室前室?で、肺臓摘出手術の説明が行われ、
大きさとしては、左右に2つある肺のうち
右側を3分の1程度切除しました、とのこと。

3分の1とはいえ、けっこうな大きさです。
握りこぶしを2つ、横に並べたような大きさでしょうか。

そして今から、レントゲン撮影をして
問題がないかの最終確認が行われ、
その後、麻酔から目を覚まさせて
手術室から出てきます、とのことで、

最終的には、午後3時半に手術室から戻って参りました。


手術室は基本的に、手術室外からのホコリやゴミの
流入を防ぐために気圧が高く、
それよりも、室温がかなり低いらしく、
病室に戻された父上は、ひどく震えておりました。

ベッドの下に敷いた電気マットや湯たんぽ、
数枚の暖かい毛布などで、まずは体温を上げます。

しきりに「寒い!」「痛い!」を繰り返していたのですが、
後から話を聞けば、父上は
痛さよりも寒さに耐えきれなかった……と。

体温が低下していれば、当然頭部も
そこまでは働いていないはずですが、
それでも「寒い!」「痛い!」を繰り返すということは、
相当寒くて相当痛いのでしょう(^ ^;;)

でも、家族としてはただ見ているだけしかできず、
何の手の施しようもありません。


主治医の先生をはじめ、執刀に加わった先生方、
それからナースのみなさまを気遣うつもりが、
主治医の先生自ら、Kassyたちに椅子をご準備いただいて
気を遣っていただきました。

いやはや(^ ^;;)

隣にあるナースステーションに目をやると、
恐らくは研修生と思しき学生さんが
先輩ナースさんにいろいろと教えてもらいながら、
懸命にメモをとっていました。

そんな姿に、(まもなく)入社2ヶ月となる
新入社員・Kassyの姿が重なったのですが、
彼女らは、いわば「いのちの現場」に携わっている分、
相当なプレッシャーとも闘っているのだなぁと、
勇気づけられた次第であります。

彼女らか、数年後にどんな立派なナースに育っているか、
ふと見てみたくなりました。

ガンバレ! ユメみるたまごたち!!

Kassyが入院した時にでも、お世話してくれないかな♪
とはいえ、“元・ユメみるたまご”だった姫が
「私がやる!!」と言って、させてくれないかもしれませんね( ^艸^)
(それじゃあ、勉強にはならないのだけれど)

こんな感じで、無事に夜は更けていきました。


あ! Kassyはさっき、ウソをついちゃいました m(_ _;;)m

>当然手術室に足を踏み入れたこともないのですが、
と書きましたが、実は1度だけ入ったことがありました。
とはいえ、正確には“元・手術室”なのですがね。

塾の正社員講師時代、
「健康診断を受けてこい!」という会社命令に
会社(本社)の斜め向かいにある病院に
健康診断を受けに行ったのですが、

そこは実は外科医院だったわけです。

それでも「健康診断? できますよ」と言うので、
申し込みをして受診してきたのですが、
視力検査のとき、元・手術室の中で行われました。

みなさんが「手術室」と聞いてまずイメージするであろう、
手術室の真上にある、強力ライトが10個ほどついた“無影灯”。
その真下がまさに、視力検査の立ち位置でして、
壁のタイル部分に貼ってある、視力検査用の用紙に向かって
「右!」「左斜め上!」などというサマは、
普通にいても、けっこうツライものがあります。

現在は、院長先生もご高齢のためか、
それとも後を継いだ先生が手術をしない方なのかは分かりませんが、
手術室を手術室として残したまま、
他のことに活用なさっておられました。

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コメント

その病院ってT病院ですね。先週、水色のバスに乗務した時に何度も行きました。
私の母上も2年前に、そこに入院してまして、今も検査をしに通院してます。

──────────

みのるさーん。こんにちは!
今日も乗務お疲れさまでーす。


>先週、水色のバスに乗務した時に何度も行きました。
父上の手術中、会社から
緊急の電話があるかもしれないと思い、
駐車場の車の中で過ごしていたのですが、
その場所から病院のバス停が見通せまして、
何度も水色のバス(笑!)を見かけました。

45分ヘッドですから、3回目見たときは
1回目見たときから90分経過している! と
安易に考えていましたら、
考えてみれば2路線乗り入れでしたね(^ ^;;)

どうりで、計算が合わんッと思いました。


>私の母上も2年前に、そこに入院してまして
お母上さまも通院中でいらっしゃるのですね。
早く完治なさるといいですね!

通い慣れた方にとっては、
特にどうってこともないのでしょうが、
Kassy、建物の並びがイマイチ分からなくて
迷子になりそうになることもあります(> <;;)

投稿: ★みのる | 2008年11月26日 (水) 23:22

僕も、この前救急車で運ばれましたよ!
一泊二日でしたがね。
背中が痛み立ち上がる事が、できなくてね。
MRI、エコー検査までしましたが、
ヘルニア以外問題無しでした。

麻酔が切れた時に痛くて寒いですよね、
麻酔が入る時、血管が凍るように感じますよ。

──────────

うっちゃんさーん。


>僕も、この前救急車で運ばれましたよ!
それはそれは貴重な体験を……(^ ^;;)

もちろん、その体験は
しないに越したことはないのですけどね!


>麻酔が切れた時に痛くて寒いですよね、
手術をしたことのないものにとっては、
それがどれぐらいのものか、
想像を絶するわけです。

あぁ……恐ろし。

投稿: ★うっちゃん | 2008年11月29日 (土) 21:39

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