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2008年12月26日 (金)

(51-1)総集編・第一部 御台所への決心 〜薩摩、青春の日々〜

(1)天命の子
 黒船来航にはまだ20年近くも前の天保6(1835年)年。桜島を間近にのぞむ鹿児島は、藩主の跡継ぎ島津斉彬(高橋英樹)の初めてのお国入りに沸き立つ。そんな中、島津家の分家の一つである今和泉島津家に、待望の女の子が生まれる。父の島津忠剛(長塚京三)と母・お幸(樋口可南子)は、長女の幸せを願い一(かつ)と名付ける。のちの天璋院篤姫である。於一は、病弱な兄たちとは違い、かなりおてんばで好奇心旺盛な、そして心優しい娘に育っていく。
 やがて時が経ち、薩摩藩は家老・調所広郷(平幹二朗)の指揮の下、厳しい財政改革に励んでいた。藩の役所で農政を担当していた西郷吉之助(のちの隆盛/小澤征悦)は、農民たちの苦しい生活を目の当たりにし、人望厚い忠剛に訴えに来る。しかしそれが調所の耳に入り、忠剛は農民に対して手ぬるいとして処分を受けることになる。於一(宮崎あおい)は、領民思いの父親が責めを負うことにどうしても納得できない。そこで、親しくなっていた同じ年の生まれの肝付尚五郎(のちの小松帯刀/瑛太)とともに無謀にも調所邸に乗り込み、なぜ調所が過酷な政策を続けるのかと問いかけるのであったが……。

(2)桜島の誓い
 於一の父・忠剛は、ひたすらに自粛謹慎し、家政の改革に励むことで、ひとまず藩からの処分をなんとかまぬがれる。家老・調所による藩財政の再建は着実に進み、一時期は500万両にも及んだ借金はすっかりなくなっていた。しかし、一方で、藩士や農民たちの生活は困窮を極め、西郷や大久保正助(のちの利通/原田泰造)ら若い藩士たちの間には、調所を重用している藩主・島津斉興(長門裕之)と側室・お由羅(涼風真世)への憎しみが高まっていた。そんな折、世子・島津斉彬の子どもたちが、立て続けに幼くして亡くなってしまう。しかも、その子らの床下から、呪詛調伏に使用されたと思われる人形が発見される。藩内では、お由羅と調所への憎しみが最高潮に達する。
 そんな折、於一は調所に招かれる。於一は、肝付尚五郎とともに調所の屋敷を訪れる。江戸から急な呼び出しを受けたため、旅立つ前に於一と会ってゆっくりと話したかったからだと言う。その後江戸に向かった調所は、幕府老中・阿部正弘(草刈正雄)から密貿易などの罪に問われるが、藩をかばうために毒をあおって自害してしまう。

(3)薩摩分裂
 薩摩では、藩主・斉興の側室・お由羅が息子の忠教(のちの久光/山口祐一郎)を跡継ぎにと望み、嫡男・斉彬を慕う一派と激しい対立をひき起こしていた。
 於一は、藩の政治がどうなっているのかとても興味をもつが、忠剛は子どもが知るべきことではないとはねつける。このお家騒動に巻き込まれ、大久保も謹慎処分となる。尚五郎から聞き及んだ於一は、大久保の家族がさぞ苦しい生活をしているに違いないと、今和泉家の厨房(ちゅうぼう)からカツオやタイを持ち出しては大久保に届けるようになる。大久保は、於一と尚五郎、そして西郷の心遣いに深く感謝する。さらに、大久保の妹たちが内職に追われる姿を見た於一は、自らのかんざしやくしさえ母・フク(真野響子)に渡そうとする。しかし、フクは頑として受け取らない。フクを傷つけたと悩む於一に、お幸は、薩摩の女の誇りについて語り聞かせる。
 一方、老中・阿部の助けによりようやく藩主となった斉彬は、於一の人生を左右することになるある野望を抱いて薩摩にお国入りを果たすのだった。

(4)名君怒る
 お家騒動の末、ようやく藩主となった斉彬が薩摩にお国入りし、米価の改革などに積極的に取り組む。忠教(山口祐一郎)の藩主就任を画策した一派は、斉彬からどのような処罰が下るかと怯えるが、結局何のお咎めもないままに日が経つ。
 そして、すぐにも赦しがあると思われていた大久保らに何の沙汰もないことに、西郷ら若い藩士たちは苛立つ。 於一や尚五郎は、斉彬の側近を務める小松清猷(沢村一樹)とその妹・お近(ともさかりえ)を訪ね、斉彬の真意を問い質す。しかし、清猷は一切答えようとせず、斉彬を信じることが忠義の道と諭すが、於一はどうしても納得できない。
 そんな折、斉彬は島津家の分家をみな城に招き、一人ひとりに対面したいと急に言い出す。忠剛は斉彬に失礼があってはならないと、於一に挨拶の稽古をつける。しかし、登城の当日、斉彬に会った於一は清猷の制止を振り切り、なぜ大久保らに赦免がないのかと、斉彬に激しく問い詰めてしまう。実はある思惑があって分家の面々を集めていた斉彬は、そんな於一の一途さに大いに興味を抱くのであった。

(5)日本一の男
 於一のもとに、斉彬から一揃いの「日本外史」が届く。喜んで史書を読みふける於一に、菊本(佐々木すみ江)は、女の幸せは良い嫁になることだと説く。
 そんな折、忠教が、息子の右近(加治将樹)が於一に一目惚れし、結婚したいと言っていると忠剛に伝える。忠剛は、忠教の家との縁組は斉彬に誤解を与えるのではないかと気をもみ、どうしても前向きになれない。於一の兄・忠敬(岡田義徳)から於一の縁談を聞いた尚五郎は激しく動揺する。尚五郎は於一が結婚をどう考えるのかと尋ねるが、於一は日本一の男と結婚したいと答えるのみだった。
 そのころ、アメリカ帰りのジョン万次郎(勝地涼)が薩摩に招かれていた。万次郎と会った尚五郎は、アメリカでは家の間で縁組を決めるのではなく、好きな相手と結婚できると知る。勇気を得た尚五郎は、ついに忠剛に直談判し、於一への思いを打ち明ける。しかし、その翌日忠剛が斉彬から城に呼び出される。忠剛は、右近との縁談がとうとう斉彬の耳に入ったのかと心配する。ところが、斉彬の申し出は、於一の人生をまるっきり変える、思いもつかないことであった。

(6)女の道
 於一を養女にしたいとの斉彬の申し出に、忠剛は感激する。幼い頃から於一を育ててきた菊本も、この上ない名誉と、ことのほか嬉しがる。しかし、於一は突然のことに驚き、断ることなど出来ないことは知りつつも、どうしてよいのか迷ってしまう。養女の件を知った尚五郎は、於一が夫婦になることが決して叶わない身分になることを悟り自暴自棄に陥る。西郷の祝言に招かれた尚五郎は思い余って泣き崩れるが、西郷の温かさに励まされる。
 喜びに包まれる今和泉家であったが、なぜか菊本の様子がおかしいことにお幸は気づく。養女に選ばれたことをどうしても納得出来ない於一は、斉彬と直に会い理由を教えてもらいたいと忠剛に懇願する。城に出向く日の朝、菊本は於一に「女の道は一本道。引返すは恥にございます」と迫る。
 於一の率直な問いかけに、斉彬は、於一が自分の母にとても似ているからだと話す。於一は、斉彬の情愛溢れる気持ちを知り、養女となることを決心する。だが、今和泉の家に戻った於一を待っていたのは、自害した菊本の姿であった……。

(7)父の涙
 於一は、菊本の自害に激しいショックを受ける。しかも、忠剛が、菊本の亡骸を罪人並みに冷たく処分したことで、父に対して激しい反感を抱く。その夜、お幸から、実は菊本がお幸に遺書を残していたことを知る。そこには、本家の養女となり輝かしい未来が開けている於一の将来を考え、自分のような身分の低いものが育てたという事実を消し去りたい、そのためにあえて死を選んだと書かれていた。於一は、菊本の一途な思いを改めて知り、斉彬の養女になることの重大さを学ぶ。
 一方、長崎出島より、日本との通商を求めてアメリカ軍艦が迫っているという情報が江戸にもたらされる。その対処に幕府首脳陣は苦慮するが、水戸斉昭(江守徹)は徹底した攘夷論を主張して譲らない。斉彬は、混乱を極めつつある政治状況の中で、ある策謀のために、一日も早く於一を本家に迎え入れる必要があることを悟る。
鶴丸城に移る日が刻一刻と近づく於一であったが、急に忠剛は沿岸警護のための砲台作りに精を出し、一向に於一のことに関心を抱いていないそぶりをみせる。そして、とうとう於一が城に上がる当日となるが……。

(8)お姫様教育
 鶴丸城に入った於一であったが、堅苦しい城のしきたりになじむことが出来ない。老女・広川(板谷由夏)をはじめとした奥女中たちには分家の娘と侮られ、辛い日々が続き、於一も投げやりな態度を示すようになる。
 大久保は3年ぶりに謹慎を解かれ、尚五郎や西郷は安心するが、一緒に喜びを分かち合いたい於一が、言葉を交わすこともかなわない高い身分になってしまったことに寂しさを感じる。
 とうとう、ぺリー(ニーノA)率いるアメリカ艦隊が浦賀に現れる。斉彬は、国力や軍備の増強を図ろうとする一方で、京都の近衛忠熙(春風亭小朝)にある依頼をする。
 香によって気晴らしをしようと考えた於一は、お近を城に招く。お近は、お幸から於一に手紙を渡すように頼まれていた。それは、忠剛が焼き捨てたはずの菊本の於一宛の遺書であった。於一の栄達を願う菊本の言葉に、於一は心を改めようと決意するのであった。
 そこに、近衛家から、於一の指南係として諸芸百般に通じる幾島(松坂慶子)が派遣されてくる……。

(9)篤姫誕生
 島津本家の姫にふさわしくなるようにと、於一には、京の近衛家に仕えていた幾島が付けられる。諸芸百般に通じる幾島により、お姫様養成のための特訓が始まる。薩摩に戻った斉彬は、於一に篤子(あつこ)という新しい名前を授ける。ここに、篤姫が誕生する。
 斉彬は、この数日前に浦賀に現れたペリー率いるアメリカ艦隊についての情報も薩摩にもたらした。篤姫も大いに驚くとともに西洋の文明に強い興味を抱く。同じく江戸から戻った清猷により、尚五郎や西郷、大久保らも、日本が欧米から交易を迫られている現実を知る。
 そんな中、江戸では12代将軍・徳川家慶(斉木しげる)が急死し、暗愚として知られる家祥(のちの家定/堺雅人)が将軍職を継ぐことが必至となった。これを知った斉彬は、篤姫のじゃじゃ馬ぶりにほとほと愛想を尽かしかけていた幾島に、篤姫の特訓を急ぐのがなぜか、その重大な秘密を打ち明けるのであった……。

(10)御台所への決心
 斉彬から、篤姫を次期将軍・家祥に嫁がせたいという野望を聞かされた幾島は、これまでにもまして篤姫への教育を徹底的に行う。しかし、そうした事情を一切知らされていない篤姫が一向に興味を示さないため何事も上達しないままであった。
 江戸では、ペリーがもたらした国書に対して老中・阿部が広く意見を募ったものの収拾がつかず、海防参与に就任した斉昭はより強硬な攘夷論を主張し続け、政局は混迷を深めていた。
 さて、困り果てた幾島の様子を見て、斉彬はとうとう篤姫本人に、篤姫が将軍家正室・御台所(みだいどころ)候補となっている事実を明らかにした。
 その夜、皆が寝静まった鶴丸城内に、しのび足で歩く者がいた。なんと、篤姫が城からの脱走を図ろうとしたのだ。しかし、あっけなく露見してしまう。とうとう観念した篤姫は、斉彬の真意を知りたいと素直に申し出る。篤姫が将軍正室となり大奥に入ることで、外様大名ながらも大きな発言力を得、混乱する幕府を建て直したいという斉彬の率直な発言に、篤姫は心を動かされる。そして、篤姫は自らの意思で将軍家に嫁ぐことを決意するのであった。

(11)七夕の再会
 将軍御台所となることを知り、覚悟を決めた篤姫は、幾島とともに、歴史の勉強をはじめとして鼓や琴など諸芸のけいこに余念がない日々を送っていた。斉彬から打ち明けられた篤姫の実父・忠剛は、お幸とともに娘の出世を喜びつつも、篤姫がこれまで以上に遠い存在になってしまったことを悟るのであった。忠敬からうわさを聞きつけた尚五郎は、ショックを隠せず動揺する。思い余って、どうしても江戸に行きたいと清猷に懇願する。
 当時、藩内から広く改革案を求めていた斉彬は、西郷なる下級武士の意見書が特に優れていることに感銘を受ける。西郷のことを知りたいと尚五郎を呼び出した斉彬であったが、話をするうちに尚五郎が篤姫に強く思いを寄せていたことを知る。
 斉彬の粋な計らいで尚五郎は篤姫との再会を七夕に果たす。篤姫は、尚五郎に、実父母や薩摩の将来を託す。将軍家に嫁ぐことにもはや何の迷いもない決然とした篤姫の姿を目の当たりにし、尚五郎は篤姫が先に大きく成長してしまったことを知る。篤姫が江戸に旅立つ日は、すぐそこに迫っていた。

(12)さらば桜島
 篤姫が江戸に向けて出立する日が近づいた。篤姫のお披露目のため、家中の主だった家のものが城に集められた。初対面の忠教は篤姫とじっくりと話し、その人物の大きさに素直に感服する。また篤姫は、忠剛やお幸とも久しぶりの対面を果たす。しかし、幾島からは、実父母といえども家臣であり、もはや親とは思うなと厳しく申し付けられ、儀礼的なあいさつしか許されない。篤姫は感情を抑え続けることが出来ず、斉彬の面前で泣き崩れ、幾島に厳しくしかられる。
 とうとう篤姫が江戸へと旅立つ日となる。篤姫は、これまで自分を育んでくれた薩摩の人々や自然を目に焼きつけながら駕籠(かご)を進める。最後に、篤姫は桜島が一番美しく見える思い出の場所へと向かう。そして、桜島に薩摩を守って欲しいと祈る。行列を追いかける尚五郎や西郷らも、近い将来自分たちも江戸に行って広く世の中を見ようと決心する。
 船に乗り込んだ篤姫は、遠のく桜島を甲板からみつめながら、この日初めて涙を流す。篤姫は『薩摩を思って泣くのは、これが最後』と幾島に誓うのであった。


原作:宮尾 登美子 (『天璋院篤姫』講談社 刊)
脚本:田渕 久美子
音楽:吉俣 良
テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
テーマ音楽指揮:井上 道義
演奏:弦 一徹 オーケストラ
題字:菊池 錦子
語り:奈良岡 朋子

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宮崎 あおい (篤姫)
瑛 太 (肝付尚五郎)
堺 雅人 (徳川家祥)
小澤 征悦 (西郷吉之助)
原田 泰造 (大久保正助)
長塚 京三 (島津忠剛)
樋口 可南子 (お幸)
岡田 義徳 (島津忠敬)
佐々木 すみ江 (菊本)

沢村 一樹 (小松清猷)
ともさか りえ (お近)
的場 浩司 (有馬新七)
板谷 由夏 (広川)
左 時枝 (高山)
大和田 伸也 (大久保利世)
勝地 涼 (ジョン万次郎)
麿 赤兒 (人影)
斉木 しげる (徳川家慶)
春風亭 小朝 (近衛忠熙)
榎木 孝明 (肝付兼善)

江守 徹 (徳川斉昭)
山口 祐一郎 (島津久光(忠教))
真野 響子 (フク)
涼風 真世 (お由羅)
草刈 正雄 (阿部正弘)
長門 裕之 (島津斉興)
平 幹二朗 (調所広郷)
松坂 慶子 (幾島)
高橋 英樹 (島津斉彬)

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制作統括:佐野 元彦
制作:屋敷 陽太郎
演出:佐藤 峰世・岡田 健・堀切園 健太郎・渡邊 良雄


本文のストーリーは、NHK公式ホームページ『篤姫』の
あらすじ欄よりそのまま引用しました。
なお、出演者名(敬称略)は総集編の出演ではなく、
該当期間の本編に出演し、ピンクレジットで紹介された方を
順不同で並べ替えたものです。

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