大河ドラマ篤姫・(51-2)総集編・第二部 大奥入城
(13)江戸の母君
徳川将軍家の御台所になるべく、篤姫(宮崎あおい)は、まずは船で大坂に向かった。荒い波にもまれ激しい船酔いに苦しむなかで、篤姫と幾島(松坂慶子)は、お互いの絆(きずな)をさらに深めあった。
途中、京都の近衛忠熙(春風亭小朝)にあいさつに行く。そこで幾島は、家祥(堺雅人)は公家の娘を正室にするという噂があると老女・村岡(星由里子)から聞き、大いに驚く。ようやく江戸に着いた篤姫らは薩摩藩邸に入るが、斉彬の正室であり形式上は篤姫の母となった英姫(余貴美子)と会えない日々が続く。
さて、江戸城では、徳川斉昭(江守徹)が、篤姫を大奥に入れることに反対を示し、老中・阿部正弘(草刈正雄)らを困らせていた。一方薩摩では、肝付尚五郎(瑛太)が江戸に行きたいと願っていた。しかし、島津斉彬(高橋英樹)に選ばれ江戸へ向かうことになったのは西郷吉之助(小澤征悦)であった。尚五郎は意気消沈するが、お近(ともさかりえ)から、薩摩でしか出来ないことをすべきではないかと励まされる。
とうとう篤姫は、英姫との対面がかなう。しかし、英姫は、篤姫ごときが御台所になれるわけがなく、すべては斉彬の妄想だと冷たく言い放つのであった……。幾島は、事の真相を突き止めようと決意する。
(14)父の願い
御台所になどなれるわけがない、と英姫に断言された篤姫は、鬱々(うつうつ)とした日々を江戸の薩摩藩邸で送っていた。徳川家祥(堺雅人)は、朝廷より将軍宣下を受けて名を家定と改め、第13代将軍となった。生母の本寿院(高畑淳子)も、そろそろ御台所の件を固めたいと老中らにはっぱをかける。
年が明け、アメリカのペリーが再び江戸沖に現れた。斉昭は徹底して鎖国・攘夷を主張するが、井伊直弼(中村梅雀)らは和親条約を締結。下田と函館の港を開くこととした。この騒動のため、江戸から急に呼び戻された斉彬は、薩摩を出立する直前に病床の島津忠剛(長塚京三)を見舞う。その際に忠剛から一つの頼み事をされる。
江戸の薩摩藩邸に到着した斉彬に、篤姫は御台所の件について素直に問いかける。斉彬は斉昭らの反対があることを包み隠さずに話す。また、忠剛がずいぶんと前に亡くなってしまったことも話してしまう。忠剛は、つまらぬことで篤姫を動揺させたくない。亡くなってもそのことを篤姫には伝えてくれるなと斉彬に遺言していたのであった。伝えるなと言った父・忠剛の気持ち、それでも伝えた父・斉彬の思いに、篤姫は熱く涙するのであった。
(15)姫、出陣
西郷は庭方役に抜てきされ、斉彬の側近くに仕えることになる。さらには、篤姫の嫁入り道具一式の選定を任される。西郷の活躍ぶりに、薩摩に残る尚五郎は焦る。また、大久保正助(原田泰造)はようやく公務に復帰できたが、いまだに父の遠島処分が解けずに苦しい生活を続けていた。
斉彬の息子で、近衛家との結納を済ませたばかりの虎寿丸が早世する。さらには、斉彬自身も重い病で寝込んでしまう。篤姫や西郷は神仏に祈るが、一向に容態は回復しない。藩内では、これらはすべて、自らの息子・島津忠教(山口祐一郎)を藩主にしようと画策しているお由羅(涼風真世)の呪詛調伏(じゅそちょうぶく)に違いないと信じられるようになる。西郷は、かくなる上はお由羅を自らの手で始末しようと企てるが、事前に斉彬に発覚しいさめられる。
とうとう篤姫はお由羅のもとに出向き、直接対決しようと意を決する。西郷は警護役として付き従う。初めて対面したお由羅に、篤姫は、率直にうわさの真偽を問いただすのであった……。
そのころ薩摩では、大久保の父がようやく戻り、尚五郎にも城勤めが命じられることになり、それぞれに明るい未来が見え始めていた。
(16)波乱の花見
斉彬の健康がようやく回復し、篤姫の御台所の件は大詰めを迎えようとしていた。家定は、本寿院の強い勧めにも、せんべいが上手く焼けたならばと話をそらし続ける。また、強硬に反対している斉昭を説得するため、斉彬は、花見を口実に斉昭を薩摩藩邸に招き、篤姫を直に会わせようと図る。篤姫は、斉昭が編纂(へんさん)している大日本史を読み込み、斉昭との対面に備える。
一方、薩摩では、日々の退屈な城勤めに飽き、江戸での西郷の活躍をうらやむ尚五郎が、お近を相手に愚痴ばかり言っていた。とうとうお近は、そのような泣き言は聞きたくないから二度と来ないでくれと強く言う。尚五郎は目が覚める思いがして、お近に感謝する。
さて、花見の当日。篤姫は、斉彬らの止めるのも聞かずに斉昭に論戦を挑んでしまう。大日本史は、唐や天竺などから多くを学んだかを記しているのに、なぜ斉昭は攘夷を主張するのか? 西洋からも学ぶべきものがあるのではないのか? 篤姫の抗議に、斉昭は激怒する……。
そのころ、江戸城では家定の焼くせんべいが…。
(17)予期せぬ縁組み
篤姫の江戸城大奥へのお輿入れが翌年早々と決まり、江戸の薩摩藩邸は華やいだ雰囲気に包まれていた。西郷は、篤姫の嫁入り道具の選定を命じられて奔走するが、幾島にはもっと質の高いものを用意するようにと突き返され続ける。そんな折、尚五郎がようやく江戸詰めに選ばれる。初めての江戸暮らしに尚五郎は驚くばかり。斉彬に身近に接し、お庭番として活躍している西郷の姿にも刺激され、蘭学等の勉強に励む。
しかし、わずか数か月後、尚五郎は斉彬に呼ばれ、予期せぬ重大な命令を受ける。小松清猷(沢村一樹)が赴任先の琉球で病死したため、尚五郎は清猷の妹・お近と結婚し、小松の家を継ぐようにというのだ。あまりの突然な縁組に驚きを隠せない尚五郎に、斉彬は篤姫との面会を特別に計らう。篤姫と久しぶりに囲碁を打つ尚五郎。すっかりと御台所にふさわしい落ち着きを身につけた篤姫の成長ぶりを目の当たりにし、尚五郎も自らの運命に覚悟を抱く。
尚五郎が去った江戸の薩摩藩邸では、お輿入れの準備も大詰めを迎えていた。そんなある夜、突如、江戸の町を大地震が襲う……。
(18)斉彬の密命
安政の大地震により、篤姫の江戸城大奥への輿(こし)入れは白紙に戻る。篤姫が江戸の薩摩藩邸で暮らし始めて、はや2年。婚礼の目処も立たない日々に、さすがの幾島も焦りをおぼえる。しかし、このような試練こそ将来の苦難に備えた自己鍛錬になる、と前向きにとらえる篤姫の姿に救われる。
薩摩に帰った尚五郎は斉彬の命に従い、お近との婚礼の準備を進めていたが、決心がつかずにいた。そんなある夜、こっそりとお近が尚五郎の家を訪れ、今回の縁組を尚五郎の方から断ってもらいたいと申し出る。お近は尚五郎よりも7歳も年上であり、体も弱いことを非常に気にしていたのだ。尚五郎は、お近の謙虚で素直な心を知り、結婚を決意する。
ようやく篤姫の婚礼の日程が決定する。大奥に移る前夜、斉彬は篤姫に密命を授ける。それは、篤姫が、もし将軍・家定との間に世継ぎを産めなかった場合は、次期将軍を一橋慶喜(平岳大)とするよう、家定や大奥の人々を説得せよというものだった。篤姫は、斉彬が自分を御台所にしようとした最大の理由を初めて知る。
大奥から迎えにきた滝山(稲森いずみ)に従い、篤姫はとうとう江戸城へと向かう。
(19)大奥入城
婚礼を間近に控え、篤姫はとうとう江戸城に入る。大奥の広大さ、豪華絢爛(けんらん)な調度の数々、膨大な数の奥女中たち……。篤姫には、すべてが新しく驚くことばかりであった。また、家定の生母・本寿院や千人を超える女中たちを取り仕切る御年寄の滝山(稲森いずみ)らと顔を合わせる。
篤姫は、姑(しゅうとめ)にあたる本寿院には嫁として当然のことと考えて下座からあいさつをしたり、これまでの非合理的なしきたりを変えようとするなどして、大奥の女中たちには風変わりな姫とうわさになっていく。しかしながら、夫となる将軍・家定には会えぬまま日が過ぎる。しかも家定には側室・お志賀(鶴田真由)がいることも知る。
一方、伊豆の下田にはアメリカ領事のハリス(ブレイク・クロフォード)が到着し、家定に謁見(えっけん)を申し入れるなど活発な外交交渉を開始する。こうした事態に対処するため、家定の次の将軍を選定することが急務であると斉彬や阿部(草刈正雄)は考えるが、彼らの動きに対して井伊は警戒を強める。
そんなある日、篤姫は大奥の庭で真剣にかくれんぼをして遊んでいる男を見かける。しかも、その男は女中たちに「公方様」と呼ばれていた…。
(20)婚礼の夜
篤姫(宮崎あおい)に、徳川家定(堺雅人)との婚礼が近づく。しかし、城内でかくれんぼに興じていた家定の姿を見てしまった篤姫は、家定がまともな人物なのかどうか疑問を抱く。
時代が大きく動いているときに、江戸や京から遠く離れた薩摩で過ごすことに小松尚五郎(瑛太)は焦りを感じていた。そこに大久保正助(原田泰造)は、家定には暗愚との評判があると伝える。尚五郎は、篤姫が政治闘争に利用されているのではないかと危ぐする。
とうとう迎えた婚礼の日、長々とした儀式が続く中、家定は篤姫に関心を持つ様子が一向にない。夜になり、2人で床につくが、家定はさっさと寝ようとしてしまう。どうにかして家定を寝かさないようにしようと篤姫は話しかけるが、家定は「何か面白い話を聞かせよ」と言い、篤姫が語る昔話に喜ぶばかり。篤姫の家定への不信感は極まる。幾島(松坂慶子)は、家定がうつけではないかといううわさを知っていたことを、とうとう明かす。しかしながら、島津斉彬(高橋英樹)が「家定は実は暗愚ではないのではないか」とも言っていたと告げる。庭でアヒルを追いかけてはしゃぐ家定を見かけた篤姫は、自らそのうわさの真偽を確かめようと決意するが……。
(21)妻の戦
家定は実はうつけのふりをしているのではないかと感じた篤姫は、家定本人に真相を問い詰めようとする。しかし、家定が篤姫のもとを訪れない日々が続く。幾島や滝山、そして本寿院らは、篤姫の髪型や服装をいろいろと変えることで家定の気を引こうと試行錯誤するが、いっこうに効果はあらわれない。仏間で朝に家定と顔を合わせた篤姫は、とうとう家定自身に願い出る。
ようやく家定が篤姫のもとを訪れる。篤姫は、家定になぜうつけのふりをしているのかと聞くが、家定は相手にしない。しかも、自らの子を持つつもりはないと明言する。この情報はすぐさま幾島から斉彬にもたらされた。斉彬や斉昭らは、慶喜を次期将軍に擁立すべきときがいよいよ近づいたことを知る。
篤姫は、側室のお志賀(鶴田真由)を招き、家定の真の姿についてどう考えているのかと問うが、お志賀はただただ家定のそばにいられれば幸せだと答えるのみ。家定のことが気になって仕方のない篤姫は、それが愛情という感情だということに、まだ気づいていなかったのであった。
(22)将軍の秘密
篤姫は、家定がうつけのふりをしているとは思うものの、いまひとつ確信がもてない。家定の本当の姿を知り、家定の苦悩を共有することで、真の夫婦になりたいという願いがますます強まる。
斉彬は、慶喜と時局について語り合う機会を得る。慶喜のあまりに冷静な発言に、同席した西郷はかえって不信感を抱く。
薩摩では、家定についての悪い噂(うわさ)を聞いた尚五郎(瑛太)が、篤姫のことを心配していた。薩摩に戻った斉彬や西郷に噂の真偽を問いただすが、要領を得ない。
そんな折、幕府はアメリカと下田条約を締結。アメリカは、通商条約に向けての布石を打ち始める。この難局を乗り切るためにも、次期将軍の決定が急がれることになる。ところが、斉彬とともに慶喜擁立の中心的存在だった阿部が突然に病死してしまう。 頼りとしていた阿部を失い、篤姫は困り果てる。
真の夫婦になるためには、まず自らが本心を語るべきと考えた篤姫は、自分が大奥に輿(こし)入れしたのは、慶喜を次期将軍とするためだと家定に告白してしまう。篤姫の嘘偽りのない素直な言葉に、家定も、驚くべき事実を初めて語りだす。
原作:宮尾 登美子 (『天璋院篤姫』講談社 刊)
脚本:田渕 久美子
音楽:吉俣 良
テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
テーマ音楽指揮:井上 道義
演奏:弦 一徹 オーケストラ
題字:菊池 錦子
語り:奈良岡 朋子
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宮崎 あおい (篤姫)
瑛 太 (肝付尚五郎)
堺 雅人 (徳川家定(家祥))
小澤 征悦 (西郷吉之助)
原田 泰造 (大久保正助)
長塚 京三 (島津忠剛)
樋口 可南子 (お幸)
岡田 義徳 (島津忠敬)
佐々木 すみ江 (菊本(回想))
高畑 淳子 (本寿院)
沢村 一樹 (小松清猷)
ともさか りえ (お近)
平 岳大 (徳川慶喜(一橋慶喜))
的場 浩司 (有馬新七)
佐藤 藍子 (小の島)
岩井 友見 (歌橋)
大和田 伸也 (大久保利世)
春風亭 小朝 (近衛忠熙)
東儀 秀樹 (孝明天皇)
余 貴美子 (英姫)
鶴田 真由 (志賀)
辰巳 琢郎 (堀田正睦)
榎木 孝明 (肝付兼善)
江守 徹 (徳川斉昭)
稲森 いずみ (滝山)
真野 響子 (フク)
涼風 真世 (お由羅)
星 由里子 (村岡)
[2]中村 梅雀 (井伊直弼)
草刈 正雄 (阿部正弘)
長門 裕之 (島津斉興)
松坂 慶子 (幾島)
高橋 英樹 (島津斉彬)
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制作統括:佐野 元彦
制作:屋敷 陽太郎
演出:佐藤 峰世・岡田 健・堀切園健太郎・渡邊 良雄
本文のストーリーは、NHK公式ホームページ『篤姫』の
あらすじ欄よりそのまま引用しました。
なお、出演者名(敬称略)は総集編の出演ではなく、
該当期間の本編に出演し、ピンクレジットで紹介された方を
順不同で並べ替えたものです。
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