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2009年1月 4日 (日)

大河ドラマ天地人・[新] (01)五歳の家臣

今を去ること423年前の天正14(1586)年、大坂城。
時の権力者・豊臣秀吉は
端然と座している若武者をそそのかそうと
袋から次々と砂金を出し、黄金の山を作り上げていきます。

その若武者の有能さは諸国の武将たち知れ渡っており、
それを知った秀吉は
彼を自身の家来にしようと目論んだわけです。

豊臣秀吉は、小牧・長久手の戦いにおいて
徳川家康と刃を交え、敗戦を喫しましたが、
それでも「天下人」としての威厳を失うことなく
関白に就任したのがこの前年のことであります。

しかし、その若武者が発した言葉は、
周囲の者たちを驚かすものでした。
「恐れながら……お断り致します!」

その若武者とは、
生涯を通じて決して揺るがぬ主従の道を貫き通した
直江兼続その人でありました。

しかしその実体は──。

兼続自身と、主君・上杉景勝の二人で天下を治めるならば
まずは日本を貫く太い街道を造る。
そのためには金が必要。
ということは、先ほどの砂金をもらっておけば……と、

主君をも忘れて暴走する“妄想クン”であります(^ ^)


原作:火坂 雅志 (『天地人』NHK出版 刊)


脚本:小松 江里子


音楽:大島 ミチル


テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
テーマ音楽指揮:小泉 和裕

時代考証:小和田 哲男
風俗考証:二木 謙一
建築考証:平井 聖
衣裳考証:小泉 清子

武術指導:林 邦史朗
所作指導:橘 芳慧
馬術指導:車 邦秀
茶道指導:鈴木 宗卓
華道指導:杉本 康子

資料提供:上杉神社
    :高台寺
タイトル映像:オー・エル・エム・デジタル
題字:武田 双雲

語り:宮本 信子

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[出演]

妻夫木 聡 (直江兼続)


北村 一輝 (上杉景勝)


田中 美佐子 (お藤)

高嶋 政伸 (樋口惣右衛門)

小栗 旬 (石田三成)


新井 康弘 (北条高広)
角田 信朗 (柿崎晴家)

あき 竹城 (かよ)
鈴木 正幸 (深沢利重)

加藤 清史郎 (樋口与六)
溝口 琢矢 (長尾喜平次)

柴崎 洸守 (泉沢又五郎)
伊藤 大翔 (安部仁介)
新井 海人 (登坂藤丸)

荒井 健太郎 (桜井三介)
三村 和敬 (深沢弥吉)
馬渕 誉 (樋口与七)

野田 よしこ (小笹)
飛鳥井 みや (千草)
並木 瑠璃 (お船(少女時代))
京一郎 (信長の小姓)

真木 仁 (宇佐見定満)
村田 一道 (長尾政景)
北原 ひとみ (なつ)
宇納 佑 (信長の小姓)

木下 貴夫
藤本 旺輝
濱本 佑太
高橋 晃
信國 輝彦

井上 有
恵 有一
浜近 高徳
菊池 康二
井上 阿弥

若駒スタント部
劇団ひまわり
テアトルアカデミー
キャンパスシネマ
セントラル子供タレント
エンゼルプロ
スターダス21

──────────

宍戸 錠 (直江景綱)

萬田 久子 (お万)

平泉 成 (栗林政頼)

山本 圭 (吉江宗信)


撮影協力:新潟県
    :山形県
    :福島県
    :新潟県南魚沼市
    :新潟県上越市
    :新潟県長岡市

    :山形県米沢市
    :岩手県奥州市
    :熊本県熊本市
    :山梨県北杜市
    :群馬県富岡市

──────────

吉川 晃司 (織田信長)


笹野 高史 (羽柴秀吉)


加藤 武 (北高全祝)


高島 礼子 (桃(仙桃院))


富司 純子 (北政所)


阿部 寛 (上杉輝虎)

──────────

制作統括:内藤 愼介

プロデューサー:吉永 証
美術:青木 聖和
技術:佐々木 喜昭
音響効果:三谷 直樹

撮影:熊木 良次
照明:久慈 和好
音声:嶋岡 智子
映像技術:守友 祥史
記録:武田 朝子
編集:平川 正治
美術進行:高橋 秀樹

演出:片岡 敬司


いよいよ始まりましたね!
『天地人』第一回です。

物語は、冒頭の時代から永禄7(1564)年にさかのぼります。
世に有名な「第四次川中島合戦」の3年後です。

舞台は、越後国上田庄であります。
物語の主人公・直江兼続(樋口与六)は
坂戸城で勘定奉行を務める樋口惣右衛門とお藤の子として
この場所で生を受け、この時はすでに五歳。

しかし、こんなのどかな里に急報が舞い込みます。
領主・長尾政景が、上杉家参謀・宇佐見定満によって
暗殺されたのであります。
この国の実質的な権力者である上杉輝虎(謙信)が
政景暗殺を企んだのではないか? という噂が飛び交うほど。

その前に、物語のバックグラウンドとして
上杉家と長尾家の関わりについて
簡単にお話ししておかねばなりませんね。
本家である上杉家と上田長尾家は親戚ではありますが、
越後国の国主の座を狙って、争いが続いておりました。

それでそのような噂が出てきたのでしょうが、
その噂を消すためか、政景の弔いと称して
輝虎は関東出兵を急きょ取りやめ、
政景の亡骸が安置されている坂戸城に駆けつけます。

しかし、当然ながら
「輝虎憎し」で固まっている長尾家家臣たちは、
訪問した輝虎を はいそうですか、と入城はさせません。
輝虎に向けて弓矢を向け、威嚇しております。

与六は、父に怒られるのを承知の上で
その様子を息をのんで見守っています。

そんな冷戦状態を溶かしたのは、
政景の妻・桃姫の鶴の一声でした。

桃姫は、輝虎の姉でありまして、
上杉家と長尾家の深いつながりを得たいがため
政景のもとに政略結婚させられていたわけです。

桃姫によって強引に解かされた構えの中を、
輝虎はしずしずと進んで行き、
姉と久しぶりの対面を果たします。


その頃、尾張国小牧山城では、
織田信長が屋敷内で朝駆けをしています。
その後を、とぼとぼとついていく木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)。

最も強い武将について会話しています。
武田信玄か? 上杉輝虎か?
しかし、信長は己の力を最も信じています。
「最後には勝つ!」


亡き政景の遺児・喜平次は
輝虎への疑いを根強く持つ家臣の吹き込みで
叔父(輝虎)を父の仇だと信じて疑いません。
喜平次は、丸腰でいる輝虎に小刀で斬りつけたわけです。

それ以降、喜平次はただぼんやりとして毎日を送っています。
そんな姿を心配そうに見つめる母・桃姫。
いや、夫亡き後に尼となった仙桃院であります。

広い広い田園のど真ん中で、
子供同士が言い争いをしています。
どうやら、侍の子供たちが百姓の子をいじめていて、
それを与六がかばっている様子。

しかし、父親をバカにされた瞬間、
体格も力も圧倒的に強い相手に牙を剥き
立ち向かっていきます。

「争いはもうたくさんじゃ!」と止めた喜平次でしたが、
生涯にわたって主従の間柄となる
上杉輝虎と直江兼続の運命的な出会いです。


季節は流れ、秋になりました。
輝虎は喜平次を連れ出し、狩りに出かけます。

喜平次の中では、輝虎に対して
未だに疑いが晴れたわけではありませんでしたが、
輝虎のまっすぐな目を見た瞬間、
ようやく誤りに気づき、考えを改めます。

そこで輝虎は、喜平次に
自分の養子になるよう命を下します。


輝虎と喜平次の養子縁組が決まってからというもの、
数人の小姓たちとともに禅寺で修行することになります。

仙桃院としては、北斗七星、つまり
蜀の劉備に仕えた諸葛孔明のように
忠義の賢臣たちを育てたい思惑のようですが、
年齢はほとんど同じであるのも関わらず、
喜平次と小姓たちの壁はなかなか低くなりません。

北斗七星──。

北点に輝く王の星である北辰(=北極星)、
その不動の王を片時も離れず守る星のことで、
北の守護神・毘沙門天を象徴する星のことであります。

そんな弟分となる子供がいるのか?
仙桃院の頭の中には、
百姓の子を守ろうと大きいものに立ち向かっていった
正義感溢れる与六の顔が浮かんでいました。


喜平次の小姓に、という話を与六自身が知ったのは、
父・惣右衛門から聞かされたからであります。
五歳のコワッパが、いくら主命とはいえども
素直に従うはずもありません。

与六は、いたずらなど自分の過ちを猛反省し、
いい子になるから! と懇願しますが、
家族思いの父とはいえ、
頭を冷やせと納屋に閉じ込めてしまいます。

そんな与六と、惣右衛門の葛藤を見、
お藤は決意します。

「今日からそなたは、母の子ではありませぬ」

五歳児にしては、相当ショックな言葉でありましょう。
それでも母は、毅然とした態度であり続けました。


数日後。
小姓として取り立てられた与六は
主君となる喜平次、権力者・輝虎と仙桃院が待つ
雲洞庵に連れて来られます。

雲洞庵は、喜平次と小姓たちが修行をしている禅寺で
越後随一の名僧・北高全祝が住職であります。
なんかおめでたいお名前ですね(^ ^)

挨拶の言葉につまった与六を、北高全祝は
「出ぬか、真の己の言葉は」とからかいますが、
与六の言葉は──、

「こんなとこに来とうはなかった!」

この場では禁句である本音でありますが、
それをいとも簡単に言ってのける与六に、輝虎は大笑い。
北極星と北斗七星のコンビが、ここに誕生しました。


今後の大河ドラマ「天地人」──。

成長した兼続は、謙信から「義」の精神を学び、
やがて、「仁愛」の境地にたどりつきます。
その清廉な生き方は、豊臣秀吉を魅了し、
伊達政宗の闘争心に火をつけ、徳川家康を恐れさせました。
──直江兼続:妻夫木 聡

兼続生涯の師として、「義」の心を教え込んだ上杉謙信。
──上杉謙信(輝虎):阿部 寛

幼い頃から強い絆で結ばれた、兼続生涯の主君・上杉景勝。
兼続と景勝、ふたりは生涯をかけて「義」を貫き、
ともに戦乱の世を駆け抜けていきます。
──兼続の主君・上杉景勝:北村 一輝


兼続を育てた、温かい家族。
──兼続の母・お藤:田中 美佐子
──兼続の父・樋口惣右衛門:高嶋 政伸
──兼続の弟・与七:小泉 孝太郎

幼い与六の可能性を見抜いた、喜平次の母・仙桃院。
──景勝の母・仙桃院:高島 礼子

越後の龍・謙信率いる上杉軍は
戦国最強と言われた、負け知らずの軍団でした。
その神がかり的な組織力を支えていたのは、
百戦錬磨の家臣たち。
──直江景綱:宍戸 錠
──吉江宗信:山本 圭
──柿崎晴家:角田信朗
──北条高広:新井康弘

更に、兼続たち上田衆も加わり、
戦国の世に「義」の戦いを挑んでいきます。
──兼続の幼なじみ・泉沢久秀:東 幹久

謙信のもう一人の養子・上杉景虎。
景勝との微妙な関係が、後に壮絶な家督争いに発展します。
──謙信の養子・上杉景虎:玉山 鉄二

景虎と運命をともにする妻・華姫。
──景虎の妻・華姫:相武 紗季

兼続の運命を変える、ひとりの女性。
──運命の女性・お船:常磐 貴子

そしてもうひとり。
兼続の前に現れるナゾのおんな・初音。
──初音:長澤 まさみ


2008年9月6日。
兼続のふるさと・新潟でロケが行われました。
初日は、日本海を望む海岸での撮影です。
地元の方も多数見学。

ロケは、兼続の生まれた南魚沼市をはじめ、
熊本・岩手など、全国各地で行われました。


兼続の運命を左右する、戦国を生き抜いた人々。
──豊臣秀吉:笹野 高史
──北政所:富司 純子
──兼続の親友・石田三成(佐吉):小栗 旬

立ちはだかる強大な敵・織田信長。
──織田信長:吉川 晃司

更に、歴史を大きく動かした徳川家康、伊達政宗・
前田利家・淀など、さまざまな人物たちが続々登場!
多彩な出演者によって、熱く演じられます。
──徳川家康:松方弘樹
──伊達政宗:松田龍平
──前田利家:宇津井 健
──淀:深田 恭子
──千利休の娘・お涼:木村 佳乃
──景勝の妻・菊姫:比嘉 愛未
──真田幸村:城田 優
──小早川秀秋:上地雄輔

「天」の時、「地」の利、「人」の和──。

──原作:火坂 雅志『天地人』より
──脚本:小松 江里子
──音楽:大島 ミチル

大河ドラマ『天地人』
これからもどうぞご期待ください!

──────────

昨年の『篤姫』に引き続き、
この『天地人』でも、『その時歴史が動いた』風に
カウントダウンしていきましょうか(^ ^)

今回は、関ヶ原の戦いで敗北したあと
主君・上杉景勝とともに徳川家康と会見、服従して
米沢30万石に減封された
慶長5(1601)年8月17日に「その時」を設定します。

永禄3(1560)年、
樋口与六(後の直江兼続)が誕生します。

慶長5(1601)年8月17日、
上杉家の米沢30万石に減封処分まで

あと41年──。


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『天地人』
第2回「泣き虫、与六」

アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時35分〜 ←放送時間変更です!

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