大河ドラマ天地人・(05)信長は鬼か
天正2(1574)年4月。
樋口兼続は船上の人となっておりました。
「信長をこの目で見たい!」と上杉謙信に直訴し、
上杉家の名代として、信長が待つ岐阜城へ
向かっていたわけです。
京で織田信長と対面した上杉家名代一行。
案内役の初音に、半ば強引に
信長と直接対面する機会を与えられます。
ちなみに初音からは
「信長様は気難しいお方」と忠告だけ与えられています。
兼続は「その時はその時じゃ!」と安易に構えていますが、
直に対面となると、背筋が氷る思いであります。
信長との対面の儀を今か今かとまっておりますと、
そこへ登場したのは羽柴秀吉。
兼続は、相手が秀吉と知って平伏し、
秀吉は、相手が上杉家の名代と知って、無礼を詫びます。
しかし、次の瞬間には真顔になり、
秀吉も初音と同じように
「命がいくつあっても足りませぬ」と
能天気な兼続に忠告だけしています。
その忠告の最中、突如として登場した信長。
信長からポルトガル産のブドウ酒を勧められます。
その上で、信長から
「オレのことを知りたくて使者に加わったと聞くが」と
ズバリ言われ、ピーンと緊張の糸が張りつめる兼続。
謙信公はオレを嫌っておいでか──。
兼続の目が大きく見開き、懸命に否定しますが、
すべては信長の手のひらで転がされているが如く。
「義がなければ、生きた獣と同じ」という兼続の懸命の力説も、
「ならば獣で充分」と、信長にはかすりもしません。
対面後、信長が秀吉に命を下します。
「あやつの首を謙信に送ってやれ」。
その夜、信長の命を受けた刺客たちが
兼続の命を奪いにやって来ますが、
間一髪のところで助けたのは、
兼続と生涯にわたって竹馬の友人となる
石田佐吉、後の石田三成であります。
信長に命を狙われながら、なぜか信長に心を奪われた兼続。
今回の対面は、兼続にとっては無駄なことではなかったようです。
信長はその翌年、徳川家康とタッグを組み、
甲斐の武田勝頼を長篠の戦いで攻め、勝利を収めます。
天正4(1576)年10月。
兼続は、上杉謙信、主君・上杉景勝、上杉景虎の酒の席に同席し、
実際に対面した信長のことについて、意見をしています。
迫り来る信長に対決するよう、
家臣たちがガヤガヤと騒々しくしていますが、
戦いをすることで、多くの将兵たちを失うと、
謙信は乗り気ではないわけです。
信長と対面するまで、
「義」を正面に掲げた兼続ではありましたが、
信長の、比叡山延暦寺の僧侶たちによる狼藉に対して
焼き討ちを行った行為を知り、
それもまた「義」であると思い始めているようです。
信長が考える「義」、謙信が考える「義」、
その間で思い悩む兼続です。
ふと我に返ると、お船が後ろに立っています。
聞けば、姉が仏門に入ることとなり、
直江家を背負って、
お船が婿養子を取ることになったそうです。
兼続としては、ちょっぴり複雑になりながら、
お船の末長い幸せを願っているようで、
そんな兼続を、お船は
いじらしくも可愛らしく感じています。
ただ、ホンネを言えば
「幸せを願っている」といったセリフは
聞きたくなかったようですね。
謙信は何日も何日も毘沙門堂に籠り続け、
自分はどうすべきかを毘沙門天に問うています。
その問いに対し、
毘沙門天がどう答えたかは分かりませんが、
謙信はついに、信長と対決する決意を固めます。
出陣する上杉軍。
初陣となる兼続もその軍列に加わっています。
その後ろ姿を、山の上から見つめるお船。
天正3(1575)年5月21日、
長篠の戦いで、武田勝頼が織田信長に敗れる。
慶長5(1601)年8月17日、
上杉家の米沢30万石に減封処分まで
あと26年2ヶ月──。
原作:火坂 雅志 (『天地人』NHK出版 刊)
脚本:小松 江里子
音楽:大島 ミチル
題字:武田 双雲
語り:宮本 信子
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[出演]
妻夫木 聡 (樋口兼続)
北村 一輝 (上杉景勝)
常磐 貴子 (お船)
小栗 旬 (石田佐吉)
玉山 鉄二 (上杉景虎)
相武 紗季 (華姫)
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長澤 まさみ (初音)
東 幹久 (泉沢久秀)
山本 圭 (吉江宗信)
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吉川 晃司 (織田信長)
笹野 高史 (羽柴秀吉)
宍戸 錠 (直江景綱)
高島 礼子 (仙桃院)
阿部 寛 (上杉謙信)
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制作統括:内藤 愼介
プロデューサー:吉永 証
演出:片岡 敬司
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『天地人』
第6回「いざ、出陣」
アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時05分〜
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