大河ドラマ天地人・(25)天下人の誘惑
豊臣家家臣のそれぞれとの対面を控え、
上杉景勝は不気味な耳鳴りに襲われ、卒倒してしまいます。
急な病を得た主に代わって、挨拶回りに奔走したのは
重臣・直江兼続であります。
前田家の歌会でも、
堂々たる歌を披露して、皆の評判も上々です。
そんな場面を思い出しつつ、前田利家は
豊臣秀吉に兼続との対面のことを報告しています。
秀吉も「であろ?」と、利家に同調しています。
兼続が景勝の名代として立派に役目を果たしていることを
お世話役のお涼も褒め讃えております。
そんな折、兼続に秀吉からの呼び出しが──。
兼続を呼び出した秀吉は、
利家と腕相撲に興じております。
お互いの腕の力を認め合いながら、
互いに負けじと頑張っているわけですが、
結局は決着がつかないまま、笑い合って腕相撲をやめます。
秀吉は、腕相撲にひっかけて
片腕(=三成)は力を持っているが、
もう片腕の力が欲しい……と願っています。
その“もう片腕の力”こそ、兼続のことでありまして、
知恵者・兼続を何としてでも
家臣として取り立てたいと考えているようです。
実はこういう手法で重臣を引き抜いたことは今までにもあり、
その被害者代表といえば、徳川家康であります。
家康の重臣・石川数正を豊臣に引き抜かれ、
「見事じゃ」などと口にしますが、内心はえらく怒っています。
秀吉の元に参上した兼続は、真田幸村とも対面します。
直江家に(人質として)居候していたはずの幸村は、
兼続の知らないところで、秀吉の家臣になっていたわけです。
さすがは「世渡り上手の真田家」であります。
そこで本題。
兼続は秀吉からヘッドハンティングを受けます。
もしもこの話を受けなければ、
上杉家にとんだ災いが及ぶと脅し付きであります。
しかし、ニンマリと笑う兼続は
そんな秀吉の半ば強制ともいえる引き抜き工作にも
するりするりと攻勢をかわしています。
対面後、秀吉は幸村に
兼続を獲得してみろ、とハッパをかけます。
本人に直接打診してダメなら、
周囲からじわりじわりと攻め入るまでです。
一方、兼続は幸村のことを景勝に報告し、詫びますが、
秀吉に直接引き抜かれそうになったことは伏せます。
その夜、上杉家宿所に初音がやって来ますが、
いつもの妖艶な初音はそこにはなく、
鈴の音に気づいた兼続の目の前で倒れ込みます。
どうやら追っ手に追われ、負傷している模様。
ともかく屋敷内に運びこみます。
その情報を幸村は、猿飛佐助から入手済み。
これは絶好の好機と、
幸村は上杉家宿所の兼続を訪ねます。
聞けば、お家のために
初音を北条氏政の元に赴かせたものの、勝手に逃げ出し
それで氏政がご立腹のようです。
また小皿をビュンビュンと
ブーメランのごとく投げつけているのでしょうかね(^ ^)
真田家の指令は、幸村の姉・初音を始末すること。
幸村はそれを忠実に果たそうとしますが、兼続は断ります。
しかしそれで引き下がる幸村ではありません。
兼続が秀吉の家臣になれば、幸村に褒美が下される。
その褒美として、姉の初音を助けたい。
それを伝えれば兼続は断るまい、と幸村は考えます。
兼続が家臣になり、幸村は手柄を立てられる。
初音が助かり、直接姉に手を下さずともよくなる。
まさに“一石二鳥”でありますが、
それでも兼続は首を縦には振りません。
真田の追っ手から守り抜くために
兼続が初音を何とかしてあげなければなりませんが、
残念ながら、越後でしか暮らしたことがない兼続は、
京の事情にはとんと疎いわけです。
お世話係、もはや秘書と化したお涼に無理矢理頼み込んで
初音の隠れ家を斡旋してもらうことにします。
そのお涼の父で、関白秀吉の茶道を勤めている千 利休が
突然上杉家宿舎を訪ねてきます。
利休は景勝に茶を立てますが、
「秀吉は京で評判の器にご執心」と景勝に伝えます。
暗に、秀吉が兼続を手に入れんと
企てていると忠告しているわけですが、
景勝はそのウラの意味をしっかりと読み取り、
知らせてくれたことに対してのお礼を述べます。
その夜、上杉家宿舎から初音が消え失せます。
家臣総出で捜索させますが、
そんな中、石田三成が兼続を訪ねてきます。
三成は、兼続が初音を探していることを知った上で
「オレが何としても探し出す」とやめさせようとします。
真田と事を構えても、上杉は得しないと言いたげです。
今、この大切な時に、忍びの女ひとりのことで
変な噂が立つのは得策ではないと説得します。
兼続は、秀吉の力づくのヘッドハンティングに
何としてでも抗うべく、策を講じます。
兼続を秀吉が所望していることを、
景勝も、そして兼続本人も知っています。
景勝は、最終的な判断は兼続に一任します。
責めは全て、景勝が負うそうです。
兼続は、もし関白秀吉に対して無礼な振る舞いがあれば、
自らの首一つで事を収めるように景勝に願い出ます。
これは秀吉との、兵器を持たない戦であります。
原作:火坂 雅志 (『天地人』NHK出版 刊)
脚本:小松 江里子
音楽:大島 ミチル
題字:武田 双雲
語り:宮本 信子
──────────
[出演]
妻夫木 聡 (直江兼続)
北村 一輝 (上杉景勝)
小栗 旬 (石田三成)
長澤 まさみ (初音)
城田 優 (真田幸村)
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木村 佳乃 (お涼)
松山 政路 (本多正信)
石原 良純 (福島正則)
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笹野 高史 (豊臣秀吉)
神山 繁 (千 利休)
富司 純子 (北政所(回想))
宇津井 健 (前田利家)
松方 弘樹 (徳川家康)
──────────
制作統括:内藤 愼介
プロデューサー:吉永 証
演出:一木 正恵
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『天地人』
第26回「関白を叱る」
アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時〜
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