大河ドラマ天地人・(41)上杉の生きる道
関ヶ原の戦いが終わって、
徳川家康による論功行賞が発表されましたが、
敵方であった上杉家は
会津120万石から米沢30万石へ減封。
それに伴って、上杉に仕えてきた家臣団は
一人残らず米沢へ連れてきたため、
単純に計算して、わずか1/4の石高で
同じ数の家臣団を養っていかなければなりません。
米沢入りした直江兼続を出迎えたのは
父・樋口総右衛門であります。
一人残らず連れてきたことを知るや否や
大笑いする惣右衛門です。
米沢城には、兼続ら一行に先んじて
謙信の亡骸が春日山から移されていました。
家臣を勇気づけようとした上杉景勝の配慮です。
屋敷に入った兼続を、惣右衛門の後妻・およしや
惣右衛門とおよしの間に産まれた娘・お貞
(実質的には兼続の異母妹)らが出迎えてくれます。
直江家の跡継ぎとして、
本多家から養子を迎える計画があることを
惣右衛門に告白します。
直江家の立派な跡継ぎになるべく
日日奮闘している竹松の姿を見ているだけに、
惣右衛門の心中は穏やかではありません。
やはり石高が激減した以上、兼続は財政に頭を痛めています。
財政難ではありますが、治水面から川に石堤を作り、
石高を少しでも高め、食糧難の危機を乗り越えるために
農地開墾に携わる者を募集します。
「我らに農民になれと?」とプライドだけは高い上杉家臣団。
しかし、その先陣を切って桜井が引き受けることにします。
そうすれば、若い家臣たちもついてくるかもしれません。
しとしと雨が降り続くある日、
本多正信の次男・政重と兼続の娘・お松の婚儀が正式に決定し、
お松本人に伝えられます。
お松にとっては、母・お船から聞いていたことで
特にビックリするほどのことではなかったのですが、
婿となる政重が直江家の跡継ぎとなることも伝えると、
さすがに驚きを隠せません。
しかし、お松以上にショックなのは竹松でありまして、
この長雨で石堤に少し亀裂が入ったとの報を受けて
その場を立った兼続を、涙をこらえながら睨みつけると、
竹松は屋敷を飛び出して行きます。
皆が手分けして探すのですが、
竹松を見つけたのは祖父・惣右衛門であります。
「父上は、私のことがお嫌いなようです」と涙を流す竹松に、
惣右衛門は、兼続の幼少時代
──兼続が「父上に捨てられた!」と思っていた時期──
のことをゆっくり語りかけます。
余談ですが、
兼続の幼少時代(与六)の回想シーンが流れますが、
与六のシーンなのか竹松のシーンなのか混乱しますよね。
せっかくの感動シーンもちと半減のような気がします。
主人公(子役)と主人公の子ども(子役)を同じに設定すると、
こういう混濁が発生します。
子役に全てを頼り切ってしまったツケが
ここで回ってきたようです(^ ^;;)
しかし、しばらく雨に打たれたことが原因で
竹松は発熱し寝込んでしまいますが、
石堤の視察から急きょ戻った兼続は
一晩中付きっきりで看病します。
「父の愛を疑ってはならぬぞ」。
その言葉は、竹松の胸にしっかりと刻まれています。
強く、強く抱きしめる兼続。
竹松の気持ちを察し、兼続の顔が立つように
陰で力を尽くしてきた惣右衛門。
兼続は「私も父上のような父でありたい」と、
惣右衛門に感謝します。
娘・お貞の祝言が決まった矢先、
惣右衛門は、縁の柱に寄りかかって
そのまま息を引き取ります。
樋口惣右衛門死去の報を受け、
景勝みずから樋口屋敷に来てくれます。
景勝は惣右衛門の今までの功績を讃え、
皆で静かに送り出します。
景勝の元に、母・仙桃院がやって来ます。
なんでも、正室の菊姫が
「景勝に側室を持たせてやってほしい」などと
言い出したそうです。
原作:火坂 雅志 (『天地人』NHK出版 刊)
脚本:小松 江里子
脚本協力:小松 與志子・山上 ちはる
音楽:大島 ミチル
題字:武田 双雲
語り:宮本 信子
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[出演]
妻夫木 聡 (直江兼続)
北村 一輝 (上杉景勝)
常磐 貴子 (お船)
田中 美佐子 (お藤) ※ ピンクレジットなし
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小泉 孝太郎 (大国実頼)
比嘉 愛未 (菊姫)
東 幹久 (泉沢久秀)
山下 信司 (直江信綱(回想)) ※ クレジットなし
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石原 良純 (福島正則) ※ クレジットなし
高嶋 政伸 (樋口惣右衛門)
高島 礼子 (仙桃院)
松方 弘樹 (徳川家康) ※ クレジットなし
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制作統括:内藤 愼介
プロデューサー:吉永 証
演出:野田 雄介
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『天地人』
第42回「将軍誕生」
アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時〜
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コメント
何か、ことごとく史実と違う事を、このドラマはやらかしてくれるので、見てる人は感動がイマイチですよね(^^;
史実では、プライドだけは高い上杉家、ではなく
潔く皆で力を合わせて「喜んで」下級武士達の担当で開墾をいそしんでやります
そしてこの間に、徳川家臣の本多正信がずっと、上杉担当として、ちくいち指図して、生活向きの指示をして行きます
そうです、徳川体制が着々と進む中、それに下っている大名達は、自由には動けないのです
養子の話は、もう少し後ですよね
──────────
名無しさーん。
>史実と違う事を、このドラマはやらかしてくれる
信長・秀吉・家康など、歴史の超有名人であれば
“ああ、そういう視点もあったか”と思える余裕が
視聴者側にもありますが、
兼続のような、民放含めて
初めて主人公に据えられるような人物の場合、
ストーリーとしてあっち行きこっち行きとなると、
ドラマとしては
どんなに素晴らしい製作意義を掲げていても、
意味のないものになりそうです。
>プライドだけは高い上杉家、ではなく
ちと笑ってしまいました(^ ^;;)
Kassyのうがった見方だと、
プライドだけは高い上杉家家臣団
→兼続の説得で皆納得→めでたしめでたし
という図式にしか見えないんですよねー。
そんなに兼続に花を持たせたいのかな??
投稿: ★名無し | 2009年10月13日 (火) 17:47