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2010年2月 7日 (日)

大河ドラマ龍馬伝・(06)松陰はどこだ?

わしは、何のために剣術を修行しちゅうがか 分からんがです!

坂本龍馬は、黒船を目の前で見てしまった衝撃で
剣というものでは黒船に立ち向かえないという迷いが芽生え、
自分らしい生き方について懸命にもがき苦しんでいます。

しかし 心の迷いを見抜いた師匠・千葉定吉は、
あえて龍馬を冷たく突き放します。

──剣を極めることに意味がないと言うなら、
  お前は なぜここにいる?
  出て行きなさい!──

龍馬の下宿先から、溝渕広之丞が門をくぐって出てきます。
すると、門の外側から一人のかわいらしい女の子が
屋敷内の様子を窺っています。

溝渕が声をかけると「千葉道場の佐那と申します」。
ええっ!? と思わずのけぞり、
江戸の鬼小町! と口走ってしまいますが、
「私は鬼ではありません!」とピシャリ。

佐那は龍馬に会いにきたわけですが、
龍馬は稽古に出かけていて不在です。
いや「稽古に出かけている」と溝渕は思い込んでいるだけです。

そのころ、龍馬は近所の子どもたちと遊んでいますが、
「もう帰らなきゃ」と家々へ帰ってゆく子どもたちと一緒に
龍馬も屋敷に戻ることにします。

屋敷まで走って帰ったので、龍馬は汗だくです。
これで“稽古帰り”とウソをついてもダマせそうですが、
溝渕は佐那から事情を聞いていて、
ウソをついた龍馬を白い目で見ています。

佐那は、道場へ戻るように説得に来ました。
自分の過ちを認めてきちんと謝れば
父も許してくれるはずだと言いますが、

龍馬としては、
「剣というものでは黒船に立ち向かえない」と考えた自分が
何をどう間違えているのかが分からないので、
謝りようがありません。

佐那はそれでも諦めません。

龍馬とのことで仲を取り持つと約束してくれた
兄・千葉重太郎にも、龍馬を許すように説得しますが、
「アイツは自ら剣を捨てたのだぞ!」と
いくらカワイイ妹の願いとはいえ、聞き入れてくれません。

「私が坂本さんを好いていること、知っているくせにぃ……」
「私と坂本さんとの仲を取り持つと言ってたくせにぃ……」
佐那の大きな目で見つめられても なお首を縦に振らない兄に、
佐那はプゥとふくれて「……兄上のバカ!!」(^ ^;;)

そんな佐那の行動のことは、定吉も聞いています。
しかし 定吉は一切耳を貸そうとしません。
別段 龍馬が嫌いだからというわけではなく、
龍馬の考えが浅はかなのだと言いたいわけです。

龍馬が言うように、50年後100年後には
剣は無用なものになっているかもしれません。
ただ、だからこそ侍は剣の技を磨かなければならない。
将来が有望な龍馬だからこそ、そこに気付いてほしいのです。


嘉永7(1854)年1月16日。

前年に初来航したペリー提督は、再び日本に来航します。
しかし今回は浦賀ではなく、直接江戸へ乗り込み。

幕府は慌てて横浜村に臨時の応接所を急ごしらえし、
そこへペリーを上陸させます。
老中・阿部正弘は、ペリーの巧みな交渉に
じりじりと開国に引き込まれていきます。

そんな状況を知らない各藩は、相変わらず
江戸沿岸で戦の備えを解いていないわけですが、
「今ペリーに来られたら、どう戦えゆうがか……」と
龍馬は無意味な備えにイライラモードです。

自分の進むべき道は何なのか。
日本はこれからどうなっていくのか。
その疑問に明晰に答えてくれるのは、
桂 小五郎の師・吉田松陰しかいなさそうです。


龍馬は小五郎の元を何度も尋ね、
松陰に会わせてくれと言ってきましたが、その度に
「松陰先生は今、旅に出ておられる」と断られます。

その松陰が、江戸にいることが判明。
黒船に乗り込んでアメリカへ行く! と
小五郎に文をよこしたのです。
たまたまやってきた龍馬と、松陰探しへ。
まずは黒船が停泊している下田の海岸へ向かいます。

満天の星空のもと、小舟に乗り込もうとしていた
吉田松陰・金子重之輔の師弟を発見、引き止めます。
しかし松陰は、この海の向こうに何があるか
「僕は知りたい!」と言って聞きません。

しかし密航は御法度、見つかれば死罪です。
それでも松陰は、死ぬのは怖くない! と言います。

そのうち、龍馬は松陰の考えにいたく共感し、
「わしも連れていってもらえんやろか?」と夢中になります。
そんな龍馬を即座に平手打ちし、
己のやるべきことは何かを問いかけます。

頭で考えるな、己の心を見ろ。
そこにはもう答えがあるはずだ──。

小舟で黒船に乗り移った松陰師弟は 渡航を断られて夢破れ、
自ら奉行所へ出頭、牢屋敷へ送られます。
しかし死罪は免れて、長州へ強制送還されることになります。


いつものように稽古の声が響き渡る千葉道場に、
久々に龍馬の姿がありました。
龍馬は定吉に頭を下げて自らの誤りを謝し、
もう一度鍛え直してほしいと許しを請います。

黒船に剣は通用するのか? との定吉の問いに、
龍馬は自信を持って答えます。
──剣が黒船に通用するかどうかではなく、
  それは坂本龍馬ゆう人間の問題です。

定吉はフッと微笑み、
道場の仲間たちは 今まで通り龍馬を温かく迎え入れます。


3月になると、箱館・下田を開港する条件で
『日米和親条約』締結。
約215年続いた鎖国政策は終焉を迎え、
日本の歴史の大転換期に突入します。

先日提出した意見書を 藩主・山内豊信に評価された武市半平太は、
攘夷の必要性について再び意見書を提出します。
半平太は豊信に惚れ込んで、忠義一途になっていますが、
豊信としては、上士でない半平太を登用するつもりはありません。

豊信に大抜擢を受けて藩の重役に登りつめた吉田東洋。
東洋に呼び出しを受けた半平太は、
思うところを余さず語ろうと意気込んで登城しますが、
「その程度の男じゃったか……」とひどく落胆されます。

いや、半平太の意見を聴いて落胆したというわけではなく、
上士でない半平太が豊信に一途になっていることを知った東洋は
ある意味「引導を渡した」のかもしれません。
半平太は、この東洋の反応を下士への侮蔑と受け取り、
これ以降は東洋をひどく怨むようになります。

一方、半平太のように意見書を提出したものの
お目に叶わず認められなかった岩崎弥太郎は、
米問屋の多賀屋久右衛門に呼び出されて
江戸行きを打診されます。

弥太郎の意見書は藩主には認められなかったものの、
この久右衛門の心を打ったようで、
「あなたは将来大物になります」と、
江戸留学の諸費用も負担してくれるとのこと。

平井加尾が意見書を久右衛門に持ち込んだことがきっかけですが、
勢い余って、弥太郎は加尾に求婚しています。
ひどく動揺する加尾です。


5月、龍馬の一年間の江戸修行が終了します。
道場主の定吉と重太郎に挨拶を終えると、
龍馬は佐那の元を訪れ、同様に礼を述べます。

佐那は涙が流れそうになるのを必死にこらえつつ
「精進を怠ってはなりませんよ」と気丈に言いますが、
江戸修行を継続したい旨を藩に願い出るつもりなのだと知ると
「戻ってきてくださいね……必ず!」と小指を差し出します。

龍馬も小指を絡ませ、ゆびきりげんまんするわけですが、
「ウソついたら、針千本 本当に飲ませますから」と
冗談に受け取れないことを言います。

怖いです(^ ^;;)

──────────

嘉永7(1854)年3月27日、
吉田松陰が下田で黒船へ密航を試み、翌日幕吏に捕われる。

慶応3(1867)年10月14日、
15代将軍・徳川慶喜による明治天皇への大政奉還まで

あと13年7ヶ月──。

(『篤姫』では「(09)篤姫誕生」〜「(14)父の願い」付近)


作:福田 靖
音楽:佐藤 直紀
題字:紫  舟
──────────
福山 雅治 (坂本龍馬)

香川 照之 (岩崎弥太郎・語り)

大森 南朋 (武市半平太)

広末 涼子 (平井加尾)

寺島 しのぶ (坂本乙女)

貫地谷 しほり (千葉佐那)
──────────
渡辺 いっけい (千葉重太郎)
杉本 哲太 (坂本権平)
奥貫 薫 (武市 富)
宮迫 博之 (平井収二郎)
谷原 章介 (桂 小五郎)
田中 泯 (吉田東洋)
──────────
近藤 正臣 (山内容堂)

蟹江 敬三 (岩崎弥次郎)

倍賞 美津子 (岩崎美和)

児玉 清 (坂本八平)

里見 浩太朗 (千葉定吉)
──────────
制作統括:鈴木 圭・岩谷 可奈子
プロデューサー:土屋 勝裕
演出:真鍋 斎


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『龍馬伝』
第7回「遥かなるヌーヨーカ」

アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
デジタルハイビジョン:午後6時〜
衛星第二テレビ:午後10時〜

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