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2011年4月10日 (日)

大河ドラマ江 ~姫たちの戦国~・(13)花嫁の決意

地上・BSデジタル放送完全移行 2011年7月24日まで あと105日
地上およびBSのアナログテレビ放送は終了し、デジタル放送へ移行します。


【アヴァン・タイトル】

──戦国時代。
大名にとって、娘や姉妹は重要な駒だった。

敵味方がいつ覆るとも知れない時代、
兄のため、父のために、嫁ぎ先の運命に身を委ね
二度と戻れぬ覚悟で嫁いでいった女性たち。

秀吉は、信長の姪である江たち三姉妹を引き取ったことで
天下取りに向けての最高の切り札を手に入れた。

秀吉の思惑に翻弄される江の運命は、いかに──


「青天の霹靂」とは、こういうことを言うのでしょうか。

急な縁組みの話を、信じられない心持ちで反芻する江(11)。
末っ子だからあり得ぬわ、と初(14)は楽観的ですが、
茶々(15)は秀吉の行動力を不安視しています。


鼻歌を歌いながら、日本地図をじっくりと眺める
羽柴秀吉(47)ですが、何か視線が気になる様子です。

そう、おね(37)が鬼の形相で
真横から秀吉を睨んでいるわけです。

「お市さまからお身柄を託されたのです!」と
おねは突然の江の縁組みについて説明を求めますが、
秀吉はあまり取り合う様子もありません。

そこへ、同じく縁組みについて詳細な話を求める三姉妹。
「“分かりませぬ”ならば直接聞け」はセオリーですよね。
少なくとも、このドラマでは(笑)。

秀吉の話では……縁組みの相手、つまり江の嫁ぎ先は
尾張大野城の城主・佐治一成という男です。
佐治家といえば、お市の姉・お犬の方の嫁ぎ先であり、
その息子の一成とは、三姉妹は従兄妹にあたります。

先日、信長が秀吉の夢枕に立ち、
織田信雄(26)と戦をせずに仲良くせよ、と言われたのだそうです。

通常、“夢枕に立つ”というキーワードは
揺るぎない決意を表す時に使い、
こういった話の成り行きであれば、
有無を言わさずというか、本人の意思に関係なく
物事が勝手に進んでいってしまうことが多いのですが、

戦!? と、初も茶々も別のキーワードに反応してしまい、
後ろに控える石田三成(24)でさえ「あっちゃ〜」と、
肩をガックリと落としてしまうほどの失態を
秀吉自らが演じてしまいます(^ ^;;)

状況を掘り下げてみると、
なんでも、信雄が徳川家康(42)を味方に引き入れて
秀吉を攻めようとしているウワサがあり、
このままでは信雄との直接対決となるは必定です。

信雄の家臣である一成に江が嫁ぐことによって
戦になることを防ぐことができるかもしれないという
希望的観測の元での縁組みであります。

江の嫁ぎ先は従兄妹、嫁ぎ先の主君も従兄妹。
織田家は横に広がりすぎましたなぁ(^ ^)

秀吉の“夢枕”作戦で、何となく
そうだったのか……という流れになりかけたころ、
茶々だけはしっかりと疑問の解消を怠りません。
「何ゆえ、江なのですか」

長女の私が参ります、との茶々の言葉に
秀吉のみならず
三成さえも「えッ」と困惑を隠しきれません。

それで江は“はは〜ん”と秀吉の魂胆が読めたようです。
秀吉は、茶々を他家へ出すつもりはさらさらなく、
茶々を手元に置くためにこそ、
邪魔な自分を他家へ嫁がせたいのです。

それを聞いた茶々は、江を手放さぬ決意をして
居室へ戻っていきます。


とはいえ、それでも秀吉はもしものことを考え
黒田官兵衛(38)に命じて戦支度を進めさせています。

おねはまだまだ言い足りないらしく、
山城国山崎城にまで秀吉を追って行きます。

浜松城にいる家康にも、江の縁組みの話は届いています。

家康と囲碁をしている信雄は、江の縁組みは所詮はどうでもよく
「佐治家にくれてやりまする」と強気です。
ま、ここで断った場合は秀吉との間がどうなるか
信雄も考えたでしょうから、真っ当なご判断(^ ^)

家康の脳裏には、秀吉をコテンパンにする
お転婆な江の姿が甦っておりまして、
秀吉が真っ先に江を嫁として出す理由も
分からなくもないのう、とクスクス笑っています。


初は、秀吉の言ったことだからと弱気になり、
江自身も、戦を避けるためという事情も分かるだけに
心が折れそうになっていますが、
茶々はそんな二人を叱咤します。

しかし、江は思うところあってか
それからの日日を呆然として過ごします。

市の、そして信長の形見である
『天下布武』の印判を見つめていると、
市の声がしました。

──そなたには、織田家の誇りを守ってもらいたい。

茶々の穏やかな笑顔を見ていると、
かつて言ってくれた茶々の悲痛な決意も思い出されます。

──案ずるでない。そなたたちは、この私が守るゆえな。

江は、決意します。


翌朝、山崎城に江の姿があります。
秀吉に話があると、馬を駆けて来たようです。

総距離62.0kmといえば
歩けば連続21時間弱、一日半の距離ですが、
60km/hほどのサラブレッドで1時間。
ま、話半分としても2時間かけてやって参りました。

11歳の娘が、です(笑)。

ともかく、江は秀吉がかつて話した夢枕の話が
本当であることを確認した上で、
嫁として佐治家に入ることを秀吉とおねに伝えます。

秀吉の言うことを聞き入れることはない! と
(秀吉が止めるのも聞かずに)おねは言い放ちますが、
霧が晴れたような清々しい表情の江には
もはや迷いはありません。

ただし、茶々によこしまな気持ちを決して持たないように
秀吉に一筆書かせます。


嫁に行きます と姉たちに報告する江ですが、
驚く姉たちを横目に、江はのんきに餅を焼いています。

茶々としては、同じ織田の者として
戦を避けてくれるように信雄に文を書くつもりだったので、
江が嫁に行くことはないと信じていたのですが、

全く知らない、遠方の他家に嫁ぐ可能性もある中で、
同族の従兄妹に嫁ぐありがたさも感じていたのかもしれません。
行きたくて行くのです、と江はあっけらかんと言い、
姉たちを唖然とさせています。

江は、嫁ぐ前に千 宗易(62)の点てた茶をいただきます。

一服いただくと、涙がとめどなく流れてきました。
やっぱり、姉たちと離れるのは寂しいし、
不安でたまらないのです。

でも、こんな表情は姉たちの前では決して見せられません。
宗易の前だからこそ、素直に現せるわけです。
そして江の本心をもポロポロとこぼしていきます。

それをしっかりと受け止める宗易。

江が持つ茶碗は、信長がお気に入りだったもので
本能寺の変の虫の知らせで亀裂が入ったものですが、
嫁入り道具として江に持たせることにします。


そして、出発当日──。

「お世話になりました」と手をつく相手が
両親ではなく姉2人というのもなかなか不遇な江ですが、
いつも通りの初の憎まれ口に送られて、
笑顔で尾張大野城へ向かいます。

江が発って、おねが茶々を訪ねてきました。

かつて江が秀吉に一筆書かせ、
おねに預けたものを渡しに来たのです。

『ちかひ申すこと
一、一の姫さまにこののち 一切の邪心妄心なきこと』

それを知った茶々は、妹たちのことを考えてきたつもりが
実は妹に気遣われていたという事実を知って
茶々は情けなく、泣きじゃくりますが、

江はもう出発してしまっています。


尾張大野城に到着した江は、城から見える伊勢湾を見て
伯父・織田信包の居城、伊勢上野城での
楽しかった母娘の暮らしを思い出します。

とはいえ、やはり江も女の子です。
気になるのは夫となる佐治一成の人柄でして、
いつ会えるのだろうかとワクワクしていますが、

乳母のヨシは「はしたなきことですゆえ」と
婚儀の時までは会えないだろう、と言います。

そこへなんと、佐治一成(15)登場。←はしたない人(笑)。

「会えて嬉しいぞ!」と江の肩をしっかりと持ちます。
江が、あの江が、一成に圧倒されっぱなしです。

あ、そうそう。
いきなり現実に話を戻していいですか?

その伊勢上野城の回想シーンで
伯父・織田信包役の小林 隆さんが映っていたのですけど、
オープニングのタイトルバックでは
(回想)という形でさえもクレジット表示がありませんでした。

秀吉が江を見た時に「そう見える」ということで
たま〜に登場する織田信長も同様で、
こちらは回想ではないわけですが、クレジット表示はなし。

その一方で、小谷城落城の際の浅井長政のシーンが
ことあるごとに頻繁に使用されていますが、
浅井長政はしっかりとクレジット表示されるんですよね。

なんだか、どういう条件だったらクレジット表示されて
クレジット表示されないか、
スタッフの思惑が分からなくなってきました(T^T)

脱線、失礼──。


しかし、事件が発生してしまいます。

秀吉に内通したという疑いで
信雄がその家臣たちを誅殺したのだそうです。

しめしめ、と秀吉は戦を始めるつもりです。
信雄は秀吉に戦の口実を与えてしまったわけです。

おねは、江をひどく心配しています。

──────────

天正12(1584)年3月6日、
羽柴秀吉に内通した疑いにより
織田信雄が重臣3人を誅殺する。

慶長20(1615)年5月8日、
大阪夏の陣で敗れ、豊臣家が滅亡するまで

あと31年2ヶ月──。

(『春日局』では「(5)忍ぶ宿」付近)


原作・脚本:田渕 久美子
脚本協力:田渕 高志
音楽:吉俣 良
題字:菊池 錦子
──────────
[出演]
上野 樹里 (江)
宮沢 りえ (茶々)
水川 あさみ (初)

鈴木 保奈美 (市・語り)
──────────
平 岳大 (佐治一成)
萩原 聖人 (石田三成)
鈴木 砂羽 (京極龍子)
柴 俊夫 (黒田官兵衛)
──────────
石坂 浩二 (千 宗易)

岸谷 五朗 (羽柴秀吉)
大竹 しのぶ (おね)
北大路 欣也 (徳川家康)
──────────
制作統括:屋敷 陽太郎・櫻井 賢
ブロデューサー:大杉 太郎
演出:野田 雄介


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『江 〜姫たちの戦国〜』
第14回「離縁せよ」

アナログ総合・デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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コメント

 どうもこんばんは。
 秀吉は相当腹黒いですねぇ。せっかく江が決意して佐治家に嫁に行くのに、戦を始めようとするとは・・・どこまで欲深いのか。おねが殴りたくなるのも分かる気がします。

 あと石田光成役の萩原聖人さんの「俳優」としての姿を久しぶりに見ました。
 ・・・最近某スカパーの番組で見かけないと思ったら、なるほど大河に出るためだったんですかねぇ・・・。

 今夜はこの辺で失礼します。

──────────

M:Iさーん。こんにちは!
今日もコメントありがとうございまーす。


>秀吉は相当腹黒いですねぇ
うーん……どちらかというと
悪意ある秀吉の描かれ方に
ちと違和感を感じずにはいられない
Kassyではありますが(^ ^;;)

現実にこういう人間がいれば、
確かにおっしゃるように腹黒い人間でありますね。

投稿: ★M:I | 2011年4月16日 (土) 23:53

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