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2011年4月26日 (火)

3年B組金八先生・ファイナル〜“最後の贈る言葉”(4/8)

地上・BSデジタル放送完全移行 2011年7月24日まで あと89日
地上およびBSのアナログテレビ放送は終了し、デジタル放送へ移行します。


「──ということで、坂本先生は当分の間お休みされます」

と、坂本金八が軽い狭心症の発作で病院に入院したことを
北副校長が3Bのメンバーに報告し、
復帰までの間、自らが担任代行する旨を伝えると
金八を気遣う不安気な声が教室のあちこちから相次ぎます。

──────────

命に別状はありません、という言葉は
確かに安堵感を与えてくれる魔法の言葉ではあるのですが、
そう言われても、金八が胸を押さえて
倒れ込む瞬間をみんな目撃しているので、とても心配です。

狭心症はストレスが一番よくないと北先生はアドバイスしますが、
それは実は、対金八のことではなく
担任代行をする私に迷惑をかけないように
(つまり私にストレスを与えないでね)と言っているわけです。

景浦さえこなければ何の問題もないから大丈夫、と拓海は言い出し
クラス中、景浦が刑務所行きか少年院行きかで盛り上がりますが、
ため息まじりで北先生なりの見解を述べます。
「ま、少年院に行くかどうかってのは分かりませんけれど、
この学校に戻って来ることはないと思います」


夜。
金八は心配事が多すぎて、食事もノドを通りません。

病院の2人部屋に入院している(といっても隣は空きですが)金八は
全くもってヒマを持て余していますが、
病室にこれまた金八の教え子で医師の
安井ちはる(シリーズ5)が入ってきます。

……ということは、ここは安井病院ですか?

金八が眠っている間に
乙女が金八の着替えを持って来てくれたようで、
それを預かったちはるが病室まで持って来てくれたのです。

新たに盲腸の患者が入院するようで、
その手術後に、部屋のもう片方の空きベッドを充てられます。

ちはるとしては、恩師の金八に
病室を一人で使ってもらいたかったのですが、
昨今の病院経営の厳しい事情を考えればそうも行かず。

金八は「了解了解!」と、全く気にする様子もありません。

しかし──。

真夜中、カーテンを隔てた隣のベッドから
延々と聞こえる電話の声で金八は目を覚まします。

電話を切っても、数秒後には着信があって
さすがの金八も「すいません、携帯禁止ですよ!」と
たまらずスプーンでカチンカチンと叩いて物申します。


翌朝、尿意で目覚めた金八はトイレへ向かいますが、
隣のベッドの男性から意外な言葉を受けます。
「あれ? もしかして金八先生?」

ギョッとした金八、よくよく男性の顔を見て
加藤 優(シリーズ2)であることが分かったわけです。

金八先生シリーズでは、優をなくせばあり得ないほどに
このドラマの主役もいいところの生徒であります。
“腐ったミカン”の彼です。

ある意味、感動的な再会ではあるのですが
ホントに「ある意味」ですね。
金八は点滴袋を引きながら、
そして優は盲腸の手術直後でイテテテと言いながらです。

病室で、桜中学伝説の師弟が枕を並べて病院食。
う〜ん……(^ ^;;)
シチュエーションとしてはあまり歓迎はできませんな(笑)。

今、優は新潟で、タンクを作る仕事をしているそうです。

「これはこれは恐縮でございます、お名刺いただきます」と
優に名刺を渡されるときは、社会人として接するからか
あり得ないほどに下手(したて)に出る金八でしたが、
そんな素晴らしい姿勢も、いつもの調子に戻ります。

「おいおい、“株式会社加藤組”ってお前、社長じゃないかよ!?」

従業員50人足らずの小さな会社、と優は謙遜しますが
あの優が……と考えれば考えるほど、凄さは増してきますね。

何でも、川崎にある現場から
ヤクザにそそのかされて逃げ出した作業員を
東京まで追いかけてきたら、
運悪く(いや、運良く?)盲腸になっちゃったんだとか。

金八が驚くのはそれだけではありません。
優は会社を立ち上げて間もなく「協力雇用主会」を立ち上げ
少年院を出所した者を積極採用して社会復帰させようという会です。

「今度はオレが、先生みたいになる番だと思ってさ」と
優は照れながら言いますが、金八の背中は想像以上に大きいようです。
ただ、こういうところにまで金八の教えが息づいているとは
教え子ながら、すごいよ! と金八は感心しきりです。

 加藤 優、おまえにあるのはね、教育を受ける権利があるの。
 おまえは教育を受ける権利者なんだ。

 優勝の優で「まさる」、それを「やさしい」とも読むんだよ。
 いい名前だなぁ。
 人の悲しみが分かってやれる人間が、人よりも優ってるって
 そしてそういう人間は、必ず優しい人間なんだ。

 (放送室から出た優を待ち受けていた刑事たちが、優らを逮捕)
 こらッ! オレの生徒になんばすっとか貴様!!

あの有名なシーンで金八から発せられたセリフは
我が博多弁だったのですね(^ ^;;)
金八も、感情を剥き出しにしたのでしょうなぁ。

イスを床に叩き付けて暴れる優に、体当たりで挑む金八。
優もカッコ良かったし、金八もカッコ良かったです。
そんな二人が、今は……病院。

お互い、年を取りました。

そこへ、金八の具合を心配してきた道政明子(シリーズ2)が
プリンを持ってお見舞いに駆けつけますが、
隣の優の存在には気づいていません。

「アッコ、分かるか?」と、優を指さして教えてあげます。

明子に加えて赤上近子、椎野 一、青木繁好が集まって、
金八も含めて病室はさながら同窓会場のようです。

金八は最近元気がなく、それとなく心配する優ですが、
3Bの生徒が逮捕されて落ち込んでいることを
明子にコッソリと教わります。

数日後、優が先に退院することになりました。
とはいえ、金八も来週には退院できる見込みです。


桜中学に徒歩通勤する金八の姿が。

「もう大丈夫だからね」という金八の一言に
ほんとだよッ! と茜が泣きじゃくります。

金八は、年が明けたら迫り来る受験に向けて
勉強はもちろん、体調管理に気をつけるように念押しします。

そして、景浦に家庭裁判所での審判が下り
鑑別所送致になったと報告します。

ただ、景浦が鑑別所を出たら
この教室で一緒に勉強できるかもしれないという
可能性に言及すると、3Bは一斉に反発。
「あんなヤツ、死ねばいいのに」とさえ言い出す者も。

金八は、自分の理想と生徒たちの受け手の間に
果てしないズレが生じていることを肌で実感します。


家に帰った金八は、
広い家の中で一人 買ってきた弁当を食らいますが、

妻・里美の遺影の前に置かれた優の名刺をまじまじと見て
一路、新潟へ──。

新発田(しばた)駅1番線に
普通電車がスーッと入線して停まります。
その電車から降り立った金八は、
新発田駅を降りて株式会社加藤組 を目指します。

ここは足立区の桜中学近辺とは違う新潟なので、
「金八センセ!」と声をかける方も一人もい……いた!
社長夫人・加藤佳也子です。

いや、この場合は金八があらかじめ加藤組に
連絡を入れていたからだと思うのですがね(^ ^;;)
でも、優は佳也子に金八のことをあれこれ話しているらしく
佳也子にしてみれば、金八のことを見てすぐ分かったそうです。

優は港の現場にいるということで、
金八は防護ヘルメットをかぶって
佳也子の案内でその現場に足を踏み入れます。

「親父! 屋根板の芯出し、完了しましたァ!」と
職人が優に報告を入れています。
金八は、優が職人たちに“親父”と呼ばれ慕われているようです。

ただ優は、遊びや酒でも職人たちより上を行かなければならないので
「親父やンのも楽じゃないんだよォ〜」と軽く愚痴っていますけど(^ ^;;)

とても感じのいい礼儀正しい青年(溝口大輔)もいまして
その彼も3年前に新潟の少年院を出所したらしく、
優曰く、会いに行って一目で決めたんだそうです。
「いい目してたもん」

金八は、溶接(の練習?)をしている大輔の元へ行き、
気さくに話しかけます。

大輔は、世間の誰も相手にしてくれなかったものの
親父だけは、正面から真剣に受け止めてくれて
仕事も一から教えてくれたんだそうです。

やっぱり、金八の教えが優に浸透している証拠ですね。


優は、そんな彼らと会う機会を設けようと
偶然にも今日予定していた“カツ丼会”に金八を誘います。

少年院を出て加藤組のメンバーになった職人に
優は、まず最初にカツ丼を食べさせているのですが、
その“カツ丼会”という名の宴会を毎月催すことで
その時の味(新鮮な気持ち)を忘れないようにするためです。

カツ丼会で、優は職人たちに金八を紹介します。
「そんじょそこいらのせこい先公とはわけが違う!」なんて言われれば
金八もどういう表情をしていいかわからず、
ちょっと恥ずかしくてうつむいてしまいます。


優は金八を新発田駅まで送ります。

「なぁ、優」という金八の切り出しで、
優は何のことを言われるか、瞬時で分かったかもしれません。

いや、もしかしたら
金八がこの新潟新発田まで遠路はるばるやってきた時から
覚悟していたことかもしれません。

景浦のことです。

彼も誰にも手を差し伸べられず、居場所をなくしてしまっていて
鑑別所を出ても教室には戻ってこれそうになく、
担任である金八もどうしていいか分からなくなっている……。

優は金八の言葉を、ただ黙って聞いています。

お前ンとこで面倒を見てくれねぇか? と優に頭を下げますが、
優は表情を一つ変えず、金八を突き放します。
「それはできねぇな、先生。そいつには先生がいるじゃないか」

自分のことを先生にしっかりと見てほしい。
だから厄介者扱いされても、され続けても
優は当時、学校に行き続けたんです。

なぜ学校で暴れるのか?
先生に、お前の居場所はここだと
言ってもらいたいからではないだろうか──。

生徒がそういったことを主張していることは、
経験者の優にはよく分かります。
そして、優の知っている金八は
どんな生徒でも何があっても見捨てない先生でした。

「金八先生に見放されたヤツに、生きる道はないよ」
優の一言一言が金八の胸を貫きます。

優が去った後、金八は
後悔の涙とともに決意も芽生えています。

「何をやってるンだッ! オレは!!」

果たしてあれで良かったのだろうか?
夕日を臨める港で、優は車に乗って黙って考えていますが、
優も涙を流しながらも、前を向いて進んでいくしかありません。


<つづく>

(次回は5月5日にお届けの予定です)

──────────

【金八先生のふるさと】

『3年B組金八先生』シリーズで最強の師弟である、
坂本金八と加藤 優。
その2人が久々の再会を果たしたのが、病院でした。

ロケ現場周辺にも医療関係の建物は数多くありますが、
その中でも「吉田医院」をご紹介します。

Kc2903
(写真は平成8年3月のものです)

思い出されるのは、第5シリーズのドラマスタート時。
3B有志から担任の中野先生(ラサール石井さん)に
大量の葬式花が送りつけられ、
それを苦に薬を大量に飲んでしまった中野先生が入院する病院です。

日ごろから兼末健次郎が中野先生に暴行を働いていて、
葬式花を送りつけたのも健次郎の指示によるものであり、
そんな学級崩壊寸前の3年B組を助けるべく
その代行として金八先生の再登場となるわけですが、

このファイナルでも、のちのち登場する健次郎は
昔このような、とんでもないことをしていたんですよね(笑)。
“昔のやんちゃ”と見るかどうかは見る方次第ですけど(^ ^;;)

それにしても最近のイジメは、直接自分の手を使わず
“他人をあごで使ってイジメさせる”というのが主流だけに
一縄筋にはいかない、余計にやっかいな印象も受けます。

あるヒーローものもそうですよね。
昔は自分が変身して大きくなって
敵と戦うというスタイルが主流でしたが、
今ではカードを機器に差し込んだら、
そのカードに描かれたもの(ロボットなど)が
代わりに戦ってくれます。

そういった風潮に
最近のイジメの流れを見てしまう自分がいるのですけど、
そこまで書いたら書き過ぎですかね?(笑)

──あれ? 脱線失礼(笑)。


今回のファイナルでは一切関わりのない
松ヶ崎中学校が舞台の第3シリーズでも、
山田裕子(浦 明子さん)の父親(前田 吟さん)が入院した
病院(という設定)だったような覚えがあります。

病院の建物自体は、やはり個人病院だけあって少し小さめで
Kassyから見れば 地元にあるかかりつけ医のような感じです。
でも、その雰囲気は大きな病院には出せないので
これまたいいんですよ〜(^ ^)

ドラマでは有名すぎるあの撮影ポイントは
この病院の目の前にあるので、
比較的すぐに見つけられると思います。

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コメント

地元民として、新発田が映った時は興奮しましたよ
ただ、ちょっと違和感あって最近調べてきたんですが、あの駅の2番線のあの位置には椅子ないです。
ついでに言うと、ああいう形の椅子じゃなかったし
ロケ用に設置したんでしょうか?

──────────

通りすがりさん、こんにちは!
コメントをいただきありがとうございます!


>地元民として、新発田が映った時は興奮しましたよ
ですよね〜!

日ごろ利用している駅、
眺めている風景などがドラマなどで登場すると
テンション上がりますよね!

地元というだけでもドキドキすると思います。


>ロケ用に設置したんでしょうか?
普段はイスが設置されていないのであれば
もしかしたらそうかもしれませんね。

詳しくは分かりませんけど、
カメラを向ける方角によって そのシーンの効果が
大きく変わってくることもあると思われますので、

ディレクターのイメージに合うような場所で、
どの場所にカメラを置き
どの場所に演者さんにいてもらって……
というのを考慮に入れた結果なのでしょうね。

その上で、脚本に“座る”設定があったのか
演出上“座らせた”のかは分かりませんが、
そこでイスを登場させたのかもしれません。

知らない人が見れば、
あたかもそこにイスがあったかのような演出で
もしかしたら気づかない人もいるであろう中で、
そういう細かい部分にまで気を配る
ドラマスタッフというのも、すごいですよね!

投稿: ★通りすがり | 2011年5月10日 (火) 02:45

もしかして丸山しゅうを雇ってくれた新聞屋の上林さん(そういや第2シリーズにも上林先生っていましたね、傍系の遠い親戚関係ぐらいにはなるかも?)は、加藤優が作った協力雇用主会の一員だったのかもしれませんね。

なお、やっぱり礼儀作法を社員たちにきっちり教え込んでいる加藤優が携帯電話を病室で頻繁に使っている設定はもうちとなんとかならなかったかと思います。いびきとか歯ぎしりとかの癖にしておけばよかったと思います。

関係ないですが、スナックZの神津さんは今何をやっているのか非常に気になります。

──────────

atushikun2さーん。こんにちは!
今日もコメントありがとうございまーす。


>加藤優が作った協力雇用主会の一員だったのかも
社会全体で成長を見守り、
支えていこうという会ですからね。
もしかしたらそうかもしれませんね。


>加藤優が携帯電話を病室で頻繁に使っている設定
なるほど(^ ^;;)

金八と再会するきっかけになる出来事ですが、
確かにそうですね。

ま、歯ぎしりやいびきで
金八先生が目くじらを立てちゃうと
それはそれでいろいろと問題がありそうなので、

歯ぎしりorいびき→翌朝謝罪?→
大丈夫ですよぉ!と金八先生→再会
という流れでしょうか。

最良なアイディアは浮かばないんですけど(^ ^;;)

投稿: ★atushikun2 | 2013年6月11日 (火) 21:38

最近の福島第一原発の汚染水の問題みてますと、加藤組が実在したら多分福島第一原発の汚染水用タンクづくりにお呼びがかかったかもしれませんね(なにしろ川崎にも加藤組が呼ばれたわけですし)。
で、もしそうなれば加藤優が直接福島の現場に足を踏み入れたとき加藤組の面々よりもはるかに過酷な条件で働く原発作業員の話を風のうわさで聞き昔の中三のころの優がよみがえってきそうな気がします。

──────────

atushikun2さーん。こんにちは!
今日もコメントありがとうございまーす。


>福島第一原発の汚染水用タンクづくりにお呼びがかかった
かもしれませんね。
それだけ活躍している会社ですものね。

実際には創作ストーリーであり、
実在の世界とは離れた場所に存在するはずの登場人物が
あたかもこの現実世界にいるように感じるのは
『金八先生』ならではと言うことが出来そうです。

普通なら、ドラマの登場人物はどこか遠くにいそうな、
あるいは別世界の人間と見てしまいがちですが、

金八先生も加藤 優さんも、
どこかで生きているんですよね。
きっと。

だから、何か事件や事故が起きたとき
金八先生ならどう教えるだろう? とか
どういう教育をするだろう? と考えてしまいます。

投稿: ★atushikun2 | 2013年9月16日 (月) 13:56

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