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Kassy号〜♪の車窓から 2011

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2011年7月13日 (水)

ザ・本能寺

地上・BSデジタル放送完全移行 2011年7月24日まで あと11日
地上およびBSのアナログテレビ放送は終了し、デジタル放送へ移行します。


6日おきにお届けしております
「プレイバック功名が辻」シリーズ、
こちらは3〜4週間ほどお休みをいただくとして、
ちょうど「本能寺の変」まで書き進めましたので
せっかくなのでちょいと脱線してみたいと思います。

権力者・織田信長が、忠臣明智光秀に裏切られ
謀反を起こされたミステリー・本能寺の変。

過去の大河ドラマでは、
この本能寺の変がどう描かれてきたか? を、
明智光秀が叫ぶ「敵は本能寺にあり!」のシーンと、
信長自刃のシーンに重点を置いて
KassyがDVDを視聴しつつ書き起こしてみましたので、
それを今回取り上げてみたいと思います。

冒頭部分では、参考としたドラマ情報を記載しました。
なお、一部不明瞭部分があり、“(?)”等で表記しています。
また、演者さんの名前は敬称略でご紹介しておりますので
どうかご了承ください。

また、かなりの長文になりますので、平に御容赦を。


●『国盗り物語』総集編・後編

出演
織田信長=高橋英樹  濃姫=松坂慶子
明智光秀=近藤正臣  森蘭丸=中島久之
長谷川宗仁=高松政雄  N=中西 龍アナウンサー

 N 「明智全軍が桂川を渡り終えたのは午前4時。6月2日の夜明け前であった」
大軍の前に光秀が決意の表情をしている。
それを見守る重臣たち。
光秀の顔。
光 秀「我が敵は備中にあらず、本能寺にある!」

もやがかかっている本能寺。
蘭丸が信長の寝所へ駆けてくる。
信長はすでに起き上がっている。
信 長「どうした。銃声が近づいている様子だ」
蘭 丸「謀反でござりまする」
信 長「(目をカッと見開き)……謀反? 相手は誰だ」
信長の顔。
蘭 丸「明智……光秀殿」
信 長「(いまいましい)……」
怒りにわなわな震える信長。
しかし次の瞬間には冷静に戻っている。
信 長「(微笑)……是非に及ばず」

戦闘の最中、縁側から一旦奥に下がる信長。
長槍を手にしたままである。
信 長「宗仁、宗仁」(と探す)
宗 仁「上様!」
宗仁、片膝をつく。
信 長「宗仁、うぬは町人。武士を真似て死ぬことはない。死なずに女どもを取りまとめて落ちよ。信長が最期に女どもを道連れにして死んだとあっては世間に対して汚し」
濃 姫「(たすき掛けの姿で)殿。お濃は残りますぞ」
その声に振り返る信長。
信 長「(見つめ)お濃……」
濃 姫「宗仁、<------>(?)が女どもを集めている。早うお行き」
宗 仁「はっ」(と一礼、鏡の間へ)
濃 姫「(信長を見つめ)……」
信 長「儂の意思で突き進んだ道の果てが……これよ。悔いはない」
濃 姫「(頷き)……」
信 長「(微笑)止めはせぬ。勝手に死ねい!」
濃 姫「……はい」

心配そうに戦況を見つめる光秀。
明智勢の鉄砲玉にひるむ信長。
その信長に駆け寄る蘭丸。
蘭 丸「殿! 殿!」
信 長「蘭丸……、誰も……入れるな」
蘭 丸「はっ!」
長刀で応戦している濃姫。
しかし敵兵が多く、斬られてしまう。
舞うように崩れ落ちる。
濃 姫「殿……」
絶命。

煙が迫り来る本能寺の一室。
信長が黙って正座している。
懐紙を前に置き、取り出した脇差しをその上へ。
懐を開き、脇差し刀を懐紙で包み、腹に突き立てる。
敦盛の舞の声が信長の脳裏を駆け抜ける。
一瞬、無音状態になり──。
信 長「(表情のアップ)……」
信長の顔。
 N 「天正10年6月2日。その苛烈な行動力によって近世への扉を開いた織田信長は、本能寺において自らの命を断つ。時に信長、49歳」
絶命している信長の顔。
煙に巻かれて見えなくなる。
炎がますます大きくなる本能寺。
弓矢が突き刺さり、痛々しいまでの姿である。

──────────

●『おんな太閤記』第21回「本能寺の変」

出演
織田信長=藤岡 弘  明智光秀=石濱 朗
森蘭丸=森下 陽  明智秀満=川口啓史
N=山田誠浩アナウンサー

丹波亀山城周辺の地図。
 N 「その頃。明智光秀の居城・丹波の亀山城では、中国出陣の準備が整い、光秀は13,000の兵を率いて亀山城を後にし、備中に向かった。が、老ノ坂にさしかかるや、突如方向を転じ、本能寺にある信長と合流するためと称して、京都に向かった」
しずしずと行軍する明智勢。
光秀が左手を示すと、軍はそちらの方に進む。
 N 「そしてその途中、光秀は重臣たち5人を呼び寄せ重大な決意を打ち明けたのである」
重臣たち5人が居並ぶ。
その前で、光秀が重い口を開く。
光 秀「(静かに)我らの敵は本能寺にある。……信長を討つ」
重臣たちの顔。
顔。
顔。
秀 満「(顔色を変え)乱心めされたか義父上」
光 秀「それより他に、この光秀の生きる道はない」
秀 満「日ごろ、上様が義父上へのなされよう、義父上のお怨みも最もにございます。先日安土へ上洛の徳川家康殿の御接待役をなされた時も、家康殿に出す生魚が腐っておると上様よりきついご叱責。上様の言いがかりとしか思えませぬ。しかも、直ちに饗応役は罷免」
光 秀「そのような小さなことではないわ」
秀 満「ならば、亡くなられた母上へのお怨みにござりまするか」
光 秀「(目をつぶり)それとて……あるやもしれぬ。母上を殺したは信長じゃ。光秀、終生その怨みは忘れはせぬ。じゃが、ただの無念で事を起こすのではない」
重臣たち、光秀を見つめる。
光秀の顔。
光 秀「信長は儂を信じてはおらぬ。その証拠に、中国攻めが終わったら丹波・近江の所領はお召し上げ。石見と出雲へ国替えと決まった。儂を京から遠ざける気じゃ。これでは島流しも当然。光秀の先は見えたわ。織田家譜代の重臣・佐久間信盛殿さえ、気に入らねば容赦なく高野山へ放逐し殺してしまう信長じゃ。じゃが儂はむざむざとは死なぬ。信長に討たれる前に信長を討つ。討たねば儂が討たれる。信長に変わってこの光秀が天下を治めてみせるわ!」
重臣たちを見渡す。
いずれも沈黙を貫いている。
光 秀「各々の同心なくば是非もない。信長の元に長らえたとて詮無い命じゃ。たとえ光秀一人にても本能寺へ斬り込み、信長と刺し違えてみせるわ」
秀 満「……義父上のお覚悟のほど、我らにもよう(わかりました、と一礼) かくなる上は、我らも喜んでお供仕りましょう」

夜明け前の本能寺。
薄いもやがかかっている。
スーパー
──本能寺──
一室で休んでいる信長。
信 長「(目を覚まし)……?」
不審を感じて起き出し、外へ。
不気味な音が流れている。
そこへ長槍を手にした蘭丸が飛び込んでくる。
蘭 丸「上様!」
信 長「蘭丸、何事ぞ」
信長と蘭丸の間を火矢が飛ぶ。
信 長「(火矢を抜き)これは謀反か。いかなる者の企てぞ」
蘭 丸「明智が勢と見えます」
信 長「なに……光秀とな!?」
本能寺の外に並ぶ桔梗の旗が見える。
信 長「(無念)……是非に及ばず」
矢を折る。

本能寺の奥へゆっくりと進む信長。
奥の部屋で脇差しを手に取り、目をつぶる。
敦盛の舞を舞う自身の姿が目に浮かぶ。
カッと目を見開き、刀を腹に突き立てて割腹。
たちまち炎に包まれる。
 N 「このとき信長49歳。信長はその波乱の生涯を炎の中に閉じた」

──────────

●『徳川家康』第24回「本能寺の変」

出演
織田信長=役所広司  明智光秀=寺田 農
森蘭丸=土屋 歩  N=館野直光アナウンサー

街道を進む明智軍。
光秀の顔。
 N 「そのころ光秀は、中国出陣と見せかけて一万の軍勢を京の町に侵攻させていた」

本能寺・信長の寝所。
気持ちよさそうに眠っている。
 N 「一方信長は、信忠と源三郎を二条城へ帰した後、深夜まで機嫌良く杯を重ねて酔いしれていたのである」
目を開け、天井を見つめる信長。
一瞬の不安がよぎり、起き上がる。
信 長「(深いため息)……誰かある」
隣室に詰めている蘭丸ら小姓たちが起き、慌てて。
蘭 丸「はっ」
信長の声「(おとなしく)下郎どもが酔いしれていさかいを始めたようじゃ。静めて参れ」
蘭 丸「はっ」
小姓たち、立ち去ろうとする。
しかし、馬のいななきが聞こえる。
信長の声「待てっ!」
信長の顔。
信 長「いさかいではない……あれを聞け。軍兵はまだこの寺に侵入しつつある」
信長と小姓たちを隔てていた襖を開ける。
蘭 丸「殿!」
信 長「何者のしわざか……物見せよ」
蘭 丸「はっ」
立ち去る。
一人残される信長。
信長の顔。
立ち上がる。

表へ出て来た小姓たち。
ザワザワが大きくなる。
蘭 丸「何者なるぞ! 上様がここにおわします。たち騒ぐな! 無礼であろ!」
しかし一向に静まる気配がない。
顔を見合わせ、より近くを見に行く。
後を追うように、弓矢を手にした信長が出てくる。
小姓たち「(口々に)……上様!」
信長を取り囲み、身を守る。
桔梗の旗が見える。
小 姓「あ! 旗が見えました! 水色に桔梗の紋が!」
信 長「(顔色を変えず)……光秀か」
そこへ様子を見て来た蘭丸が駆けてひざまづく。
蘭 丸「上様! 明智光秀ご謀反と思えますが」
信 長「光秀めが……」
光秀軍の襲撃に備え、障子を外し、畳をめくって盾代わりにする。
弓矢もすぐに支度される。
準備を整え、信長を守るべくすぐに集まる小姓たち。
 N 「さすが、信長が選りすぐって連れてきた小姓たちである。誰もこのような事態は予想した者はなかったはずなのに、一瞬にして最善とも思える防備の体勢を取っていた」
蘭 丸「上様! 何とぞ蔀の内へ!」
信 長「惟任光秀が謀反! かくなる上は是非もなし。目にもの見せて腹切ろうぞ!」

油をまき、火をかける信長。
炎に囲まれた座敷の中央に座す。
脇差しを手に取り、鞘を抜く。
刃を腹に当て、突き刺す。
真一文字に斬り、のど元へ。
信長の顔。
倒れる信長に、燃え盛る炎がオーバーラップ。

明智勢が押し寄せてくる。
奥に向かって進んでゆくが、一室だけは炎の勢いが強すぎて中に入れない。
炎の中から浮かび上がる信長の顔。
信長の声「生きたい……もうしばらく生きたかったぞ、お濃! もう2年だけ、そうしたら必ず日本を平定してみせてやる! いや2年が無理ならば1年でもよい。1年が無理ならば1月でもよい」
濃姫の美しい死に顔。
信長の声「1月あれば……1月あれば……俺は中国を平定できる男なのだ。1月が無理ならば、あと10日……5日……3日!」

──────────

●『真田太平記』第2回「天魔の夏」

出演
江=遥くらら  N=和田 篤アナウンサー

銃声とともに本能寺に雪崩入る明智軍。
 N 「その夜、明智光秀の軍勢が本能寺の信長を襲撃したのであった」
本能寺を見つめる江(忍び)。
火の手が回り、炎上する本能寺。
 N 「信長は自ら腹を切り、本能寺とともに49歳の命を燃やし尽くした」

──────────

●『信長』最終回「本能寺の変」

出演
織田信長=緒形直人  明智光秀=マイケル富岡
加納随天=平幹二朗  森蘭丸=石野太呂字
森坊丸=芦田昌太郎

馬のいななきが聞こえる。
馬上の光秀をアップで。
光 秀「これより出陣いたす。我らが敵は、天下乱す織田信長じゃ!」

夜明け前の薄暗い本能寺。
薄くもやがかかっている。
スーパー
──天正十年六月二日 早暁──
信長が水で洗顔している。
遠くの物音に気づき、一瞬その音の方に顔を向けるが気にする様子もない。

別室で休む随天。
ムクッと起き出す。
随 天「(一点をみつめ)……上様」

天を切り裂くような音とともに、信長の右腕に矢が突き刺さる。
一瞬、何のことか分からない。
廊下の先には弓矢を持った兵士が2人。
明らかにこちらを狙っている。
信長の顔。
信 長「(睨む)……」
構える兵士たちの後ろから蘭丸が襲いかかる。
たちまち切り倒す。
直後、信長の元へ。
蘭 丸「上様! お部屋へ! お部屋へ!」
信 長「何者か」
蘭 丸「(手をつき)分かりませぬ。まずはお部屋へお戻りくださりませ! (振り返り大声で)出合え出合え!」
信 長「まず矢を抜け」
蘭 丸「はっ」
力を込めて矢を抜く。
他の小姓たち、慌てて信長の元に駆けつけてくる。
信 長「表を見て参れ!」
小姓たち「(口々に)はっ」
表の様子を見に小姓たちは退散。
信 長「(右腕を出し)縛れ」
傷口が塞がるように布切れできつく縛る蘭丸。
坊 丸「上様! 謀反にござりまする! 明智光秀が謀反にござりま──」
表を見て来た坊丸が駆けてくる。
坊丸の叫びをかき消すように銃声が響き渡る。
鉄砲玉が坊丸の身体を次々に射抜いていく。
手にしていた刀を放り出し、その場で転倒する坊丸。
蘭 丸「坊丸!」
信長とともに坊丸を奥の部屋へ急いで運び、抱き起こす。
蘭 丸「しっかりいたせ!」
坊 丸「(うつろな目で信長を見て)明智が……明智が……」
信 長「よう分かった」
坊 丸「(力が残っていない)……兄上」
蘭丸、たまらず表へ飛び出してゆく。
信 長「(止める)蘭丸!」
もはや蘭丸の耳には入らない。
廊下に落ちていた坊丸の刀を手に取る。
蘭丸を狙う鉄砲隊に向かってひとり斬り込んでゆく。
蘭 丸「(無我夢中)やー!!」
迫ってくる蘭丸に隊も鉄砲を放って応戦。

しかし蘭丸に切り倒されてしまう。
絶命した坊丸を抱いたままの信長。
信 長「明智光秀か……ありそうなことじゃ」

一室で随天が座して待っている。
返り血を浴び左胸と左足に被弾した信長が、蘭丸とともに入ってくる。
随 天「(振り返り)……」
手をつく蘭丸。
信 長「(蘭丸を見)ようやった。……これまでじゃな」
蘭 丸「(無念)……はい」
信 長「火をかけよ。明智などに余の姿見せてはならぬ。急げ」
蘭 丸「はっ(と頭を下げる)」
信長の言葉の意味を把握し、もう一度深く一礼。
永遠の別れである。
蘭丸の目に涙。
目を閉じ、静かにふすまを閉める。
信 長「(随天を見)最期もまた、そちと一緒じゃの」
随 天「ありがたき幸せにござりまする」
信 長「(微笑)余が灰となるまで見守れ」
随 天「はっ」
杖を支えに立ち上がる随天。
随 天「ではまず、敵を遠ざけて参りまする」
不自由な足取りで敵に向かってゆく。
その姿を見つめる信長。

火がかけられた本能寺。
信長が座している。
表裏に無数の矢が突き刺さった随天が戻ってくる。
足がもつれ、信長の前で倒れ込む。
随 天「上様……」
信 長「もうよい」
随 天「(小さく)はい……」
信長の顔。
信 長「余が最後にできる新しきこととは、死ぬことかもしれぬ」
随天、微笑んだまま絶命。
思い定めたように脇差しに手を伸ばす。
信長の顔。
信 長「(突き刺す)だーッ」
信長の雄叫びが響き渡る。
信長の顔が燃える障子にオーバーラップ。
障子が燃え、その空間から、倒れる信長の姿が見える。
信長、絶命。

──────────

●『利家とまつ』第26回「本能寺の変」

出演
織田信長=反町隆史  前田利家=唐沢寿明
明智光秀=萩原健一  森蘭丸=ウエンツ瑛士
毛利新介=川崎一馬

夜。
光秀の陣所。
かがり火が焚かれている。
燃えるパチパチという音が響き渡る。
その中央に光秀が座している。
スーパー
──丹波 明智の本陣──
伝 令「(片膝つき)申し上げます! 兵馬は揃いましてございます」
光 秀「うむ、そうであるか。して数は」
伝 令「は。一万三千」
光 秀「うむ、ご苦労であった」
伝 令「ははっ」
光 秀「(一言一言を確かめながら)直ちに、一万三千の兵に伝令いたせ。これより、京に向かう」
重臣たち、驚いて立ち上がる。
光秀の顔。
重臣たち「(口々に)京!?」
伝 令「(再確認)京でございまするか」
光 秀「(見据え)……京じゃ」
伝 令「ははっ」

無数の兵がいながら、物音一つ立たない。
ピーンと張りつめた雰囲気である。
光 秀「よいか! 皆のものに伝える。今こそこの光秀、天下を替える!」
光秀の顔。
兵士たちの顔。
顔。
光 秀「天下布武を唱え、民草を安寧に導くための戦といいながら、数限りなく人々を殺し、宗門を虐げ、武田が滅びると自らを神と称し、そして帝も自らの下に置かんとする所業、許し難し。天と神々に代わり、この惟任日向守光秀が成敗いたす。皆の者! 敵は、本能寺にあり!」
オーッと無数のかけ声。
光秀の顔。

街道を進む明智勢。
桔梗の旗を掲げた無数の兵士たちが入京する。
スーパー
──京──

深夜・本能寺。
信長が眠っている。
スーパー
──本能寺──
遠くから聞こえるざわつく音に目を覚ます信長。
目を開け、褥(しとね)から起き上がる。
スーパー
──毛利新介──
新 介「(片膝つき)御用は?」
信 長「ない。お前が宿直か」
新 介「は、たまには。外で誰か喧嘩の様子でございます。叱って参りますか」
信 長「であるの」
しかし喧嘩のような物音ではない。
明らかに鉄砲の音である。
不安を感じ、立ち上がる信長。
信 長「蘭丸……蘭丸!」
急いで駆けてくる蘭丸。
スーパー
──森 蘭丸──
蘭 丸「申し上げます! 夜討ちにござりまする」
信 長「であるか」
蘭 丸「(信長の目を見て)明智勢と見受けられます」
蘭丸の顔。
信 長「で……あるか」
信長の顔。

座敷。
入口に背を向け、信長が立っている。
蘭丸がくる。
蘭 丸「(片膝ついて)……」
火が回り始め、煙にまかれ始める。
信 長「新介は」
蘭 丸「討死しました」
振り返る信長。
目から頬に涙が流れている。
信長の顔。
信 長「儂の首……いや、姿、骨まで決して残すな!」
蘭 丸「御意! 御屋形様、介錯は」
信 長「(微笑む)無用じゃ。去れ」
蘭丸、目一杯の微笑を残して一礼。
無言で部屋を出る。
締めた障子に燃え広がる炎。
利家が献上した太刀を取る信長。
立ち上る炎を見つめ、鞘を抜く信長。
刃を見つめる。
信 長「……犬」

──魚津城。
兵を斬り、刃を見つめている利家。
利家の目──

本能寺。
信 長「人間五十年!」
刀を手に、炎の中で舞う信長。
信 長「♪下天のうちを比ぶれば、夢幻のごとくなり、ひとたび生を受け……」
刀を床に突き刺す。
膝をつき、正面を見据える信長。
信 長「滅せぬ者の……あるべきか」

──魚津城。
本丸に入る利家。
利 家「前田又左衛門利家が一番乗りじゃ!」
しかし上杉勢は自害している。
信長の声「犬! 又左衛門!」
振り向く利家。
その声に引き寄せられるように振り返り、駆けてゆく利家──

本能寺。
燃え盛る中を奥に進んでゆく信長。
炎の中に立つ。
信 長「(振り返り)……さらばじゃ!」

──魚津城。
雨に打たれながら、一人立ち尽くす。
空を見上げる利家。
利 家「御屋形様……」
利家の顔──

なおも奥に進む信長。
炎に包まれ、信長の姿が消える。

──第26回 終──

──────────

●『功名が辻』第23回「本能寺」

出演
織田信長=舘 ひろし  明智光秀=坂東三津五郎
濃(帰蝶)=和久井映見  森蘭丸=渡辺 大

夜の街道を駆け足で進む明智軍。
ある建物の前に集結した軍勢を前に、中央に凛として立つ光秀。
武 士「皆の者、よく聞けい。御大将のお話じゃ!」
光 秀「よいか! 敵は西国にあらず! 神仏に火をかけ、僧を斬り、朝廷に取って代わらんとする天魔信長である!」
光秀の顔。
兵士の顔。
顔。
顔。
光 秀「今度の戦、天のため、民のための戦ぞ。天に代わって不義を討つ戦である! 皆の者! 我が身を捨てよ! よいか! 敵は本能寺にあり!」
拳を天に向かって突き上げる光秀。
それに呼応してオーッと雄叫びを上げる明智軍。

本能寺。
寝所で休む信長と濃姫。
何かの物音に気づいて起きる二人。
濃 姫「(不安)……殿」
そこへ戦支度を整えた蘭丸がかけつける。
蘭丸の声「(障子の向こうから)上様」
信 長「何事じゃ」
蘭 丸「(障子を開け)謀反にござりまする!」
信 長「謀反?」
濃 姫「(えっ)……」
信 長「誰じゃ」
蘭 丸「明智日向守……光秀」
濃姫の顔。
信長の顔。
蘭 丸「(信長の元に駆け寄り)上様、裏手からお逃げくださりませ。さ、早う」
濃 姫「(信長を見る)……」
外からは鉄砲の音や兵士たちの声が聞こえてくる。
信長、身体を揺らして笑う。
信 長「はっはっはっ……(立ち上がり)是非に及ばず! よかろう。光秀め、しばし相手して遣わすわ! お濃! 女どもと逃げい」
濃 姫「(見上げ)……殿!」
信 長「急げ」
濃 姫「……はい」
出て行こうとする濃姫を見ながら、
信 長「お濃」
濃 姫「(振り返り膝をつく)……?」
信 長「あの世とやらで、また見(まみ)えようぞ」
濃 姫「……殿」
一礼して出て行く。
それを見送り、隣室へ移動する信長。
隣室では小姓たちが信長用の鎧を準備して待っている。
信 長「蘭! この信長が首、断じて渡すでないぞ」
蘭 丸「はっ」

戦いの最中、逃げたはずの濃姫が戻ってくる。
戦いに加わる濃姫。
信 長「(濃姫を見て)……お濃!」
信長の隣に参じる濃姫。
信 長「たわけ! 何ゆえ戻った!」
濃 姫「あの世で会おうと仰せになれども、殿は地獄、私は極楽。これでは死に別れにござります」
信 長「はっはっはっ。抜かしおったのお濃!」
信長も濃姫も、次々と兵を切り倒してゆく。
明智軍が放った鉄砲玉を左肩に受ける信長。
その場に倒れる。
濃 姫「殿!」
信 長「お濃……痛いのう……この儂も……死ぬるか」
信長の顔。
濃姫の顔。
濃 姫「殿の名こそ、永久(とわ)に残りましょうぞ」
再び被弾する信長。
意識がもうろうとしている。
濃 姫「(叫んで)殿!」
その声に気づき、急ぎ駆けつける蘭丸。
蘭 丸「上様!」
濃 姫「殿!」
小姓たちによって奥に運ばれてゆく。
それを見送り、自身は近づいてきた兵を切り倒す濃姫。
遠くに光秀が見ているのを認め、濃姫も見る。
光秀の顔。
しかし次の瞬間、鉄砲の破裂音。
農姫の身体を数発の銃弾が貫く。
濃姫の顔。
光 秀「(あっ)……!!」
その場に崩れ落ちる濃姫。
絶命。
光 秀「帰蝶様!」

燃え盛る炎の中で、信長が座り込む。
脇差しをくわえて鞘を取り、刃を首もとにあてる。
信 長「夢……幻の……ごとくなり……」
頸動脈を切断。
信長の顔。
倒れる。
炎はますます大きくなっていく。

──────────

●『天地人』第19回「本能寺の変」

出演
織田信長=吉川晃司  明智光秀=鶴見辰吾
初音=長澤まさみ  信長の小姓=京一郎
N=宮本信子

 N 「明くる日。まだ夜も明けきらぬ京の都では」
光秀が夜空を睨みつけている。
光 秀「時は今なり! 敵は、本能寺にあり!」
軍配を前に突き出す。
明智軍、オーッとかけ声。
光秀の顔。

信長の元へ駆けつける小姓。
小 姓「敵の旗印は光秀の桔梗。明智殿……ご謀反!」
遠くで銃声が聞こえてくる。
信 長「(表情を変えず)……是非に及ばず」
小 姓「はっ」
戻ってゆく小姓を確認し、今度は初音が信長の元へ。
初 音「信長様。明智殿が……」
信 長「お前はゆけ」
初 音「信長様!」
信 長「俺の天下、お前に見せてやりたかった」
信長に駆け寄り、説得。
初 音「天下は目の前にございます。お逃げください!」
信 長「(見つめ)……信長の夢、お前が見届けよ」
初 音「(とまどい)……」
しばらく見つめ合う二人。
初音の顔。
信長の顔。
初音の表情に、決意の色が出始める。
立ち上がり、一歩ずつ後ろへ下がってゆく初音。
初音が出て行き、一人残される信長。
信 長「天下の夢か……はかない瞬きであった」
立ち上がり、弓矢を手に居室を出る信長。

攻撃する明智軍。
応戦する信長の手勢。
弓矢を射る信長の姿を、初音が遠くで明智軍の攻撃をかわしながら見ている。
信長の右肩に矢が突き刺さる。
その矢を自ら抜き取り、蘭丸に何事かを指示して奥へ下がってゆく。
直後、「火を放て!」と叫ぶ蘭丸の声が聞こえてくる。

火がかけられた本能寺の一室。
信長が襖を締め切り、座す。
凛とした信長の顔。
<──上杉謙信との対面シーンは割愛──>
本能寺が大爆破。
暗天を焦がすほどの火柱が上がる。
 N 「天正10年6月2日。織田信長は波乱に満ちたその生涯を閉じたのでございます。享年49。奇しくも謙信が死んだ年齢と同じでございました」

──────────

●『江』第5回「本能寺の変」

出演
織田信長=豊川悦司  明智光秀=市村正親
森蘭丸=瀬戸康史  森坊丸=染谷将太
森力丸=坂本奨悟

スーパー
──丹波・老ノ坂──
幾重にも連なる明智勢。
丹波の街道筋をしずしずと進軍中である。
スーパー
──六月一日 亥の刻──
西国と京への岐路で立ち止まる光秀。
全軍を止める。
光 秀「皆の者。これより東に向かい、桂川を渡る!」
家 臣「(確認)……西ではなく、東にございますか!?」
光 秀「目指すは、本能寺なり!」
家臣たちの顔。
光 秀「明智日向守光秀、天に代わりて織田信長を成敗いたす」
静まり返る明智勢。
光 秀「天下布武の美名の下、罪もなき民草を殺戮し、神仏を虐げしのみならず、不埒にも自らを神に祭り上げ、あまつさえ帝をも己の下に置かんとする所業の数々、許し難し! よって、これを誅罰するこそ天の義。人の道にかなうものなり!」
光秀の顔。
光 秀「敵は……本能寺にあり!」
桂川を渡る明智勢。
スーパー
──六月二日 子の刻──
──京・桂川──
光秀の決意に満ちた顔。
光秀の声「迷うな……光秀。迷うな!」

本能寺。
寝所で休む信長。
傍らには蘭丸が控えている。
スーパー
──六月二日 寅の刻──
遠くから銃声が聞こえてくる。
その音に目を覚ました信長。
起き上がる。
信 長「あれは?」
蘭 丸「見て参ります」
一礼して出て行く蘭丸。
立ち上がり、廊下に出る信長。
そこへ蘭丸が戻ってくる。
蘭 丸「殿! 兵が押し寄せておりまする!」
信 長「いかなる者の企てか?」
蘭 丸「明智勢と見受けられまする」
信 長「明智……」
信長の顔。
そこへ坊丸と力丸も駆けつける。
坊 丸「(片膝つき)御屋形様!」
信 長「敵勢は?」
坊 丸「本能寺を取り囲んでおりまする」
力 丸「数は、数千……もしくは一万に達するかと」
信 長「こっちは百にも満たぬな」
蘭 丸「はっ。いかが致しましょう?」
信 長「……是非に及ばず」
信長の顔。
蘭丸の顔。
蘭 丸「されど……」
信 長「今さら騒いだところで、どうにもならぬ(と微笑を浮かべる)」
蘭 丸「……」
信 長「そうか光秀。お主も、天下が欲しかったか」
蘭丸兄弟を引き連れて、縁側へ向かう信長。

出血しながらも敵に向かい、切り倒していく信長。
信 長「坊丸!」
敵を切り倒しながら、信長の方を振り向く坊丸。
坊 丸「ここに!」
信 長「境内ことごとく、残らず火を放て」
坊 丸「……承知」
信 長「蘭丸!」
蘭 丸「(駆けてきて)はっ」
信 長「(息切れ)儂と来い」
蘭 丸「はっ!」
刀を突き刺し、奥へ向かう。
蘭丸の方を振り返る。
信 長「(息切れ)よいか。儂の首、骨、髪の一本も、この世に残すな」
蘭丸の顔。
信長の顔。
蘭 丸「(見つめ)……」
信 長「……」
蘭 丸「承りましてございます。御屋形様」
信 長「うむ」
蘭 丸「(目を伏せ)無念にございます」
信 長「これまで、よう仕えてくれた。」
蘭 丸「(涙)はっ」
信 長「……さらばじゃ」
蘭丸の顔。
信長の顔。
燃え盛る奥の部屋へ消えて行く。
見送る蘭丸。

炎の中に立ち尽くす信長。
背後では、本能寺の建物が崩れ始めている。
信 長「人間五十年……潮時かもしれぬな」
次の間への襖を開けると、光が指し込んでいる。
その光へ向かって、信長がゆっくりと歩いていく。


いかがでしたでしょうか。

Kassyはその中でも『信長』の本能寺の変に痺れたのですが
本能寺の変に関してお好きなシーン、セリフなど
みなさんそれぞれお持ちなのでしょうね。

もしよかったら
そんなお話をコメント欄でお聞かせくださいね。

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