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2011年8月 8日 (月)

プレイバック功名が辻・(25)吉兵衛の恋

本能寺の変から2ヶ月が経った天正10(1582)年8月。
柴田勝家に再嫁するため、
越前北ノ庄城へ出発する市に呼び出しを受ける千代。

別れを言うために呼び出したわけですが、
市が感じる羽柴秀吉の人物像と
千代が描く秀吉の人物像とが全くの正反対で、
少々口ゲンカっぽくなってしまいます。

でも、そんな運命を受け入れながら別れる二人です。


長浜城をもらい損なった山内一豊と千代夫婦は
播州に知行は与えられていたものの、
山崎近辺に屋敷を賜っていました。

天下の形勢が徐々に秀吉に傾きつつある中、
千代は山内家の家来衆を更に多数雇うことにします。

その新メンバーたちに、五藤吉兵衛が
山内家家紋の由来について説明しようとするのですが、
侍女のたきが段差につまずいて吉兵衛の後ろに追突。
吉兵衛は顔を大きく歪ませて痛がります。

それにしても、吉兵衛の話は
だんだんと演出がかってきておりまして、
更に話が長くなってきているのでやっかいです。

吉兵衛は延々と語りながら、最後列で話を聞いているたきが
目に涙を一杯に浮かべているのに気づきます。


10月15日、
秀吉は京の大徳寺にて信長の葬儀を盛大に催します。
喪主は、信長四男で秀吉の養子になっていた羽柴秀勝です。

それに対し、再婚したばかりの柴田勝家と市は
越前から参列はしませんでした。

それをきっかけに秀吉は、
柴田勝豊に譲り渡した長浜城攻略を開始します。


出陣前日、吉兵衛が厠へ入ったスキを見計らって
たきが吉兵衛のために新しく仕立てた袴を
数着置いていきます。

その様子を見ていた千代は、
吉兵衛がたきに頼んで縫わせたものだと思っていましたが、
吉兵衛の口ぶりからそれは違うと分かると
たきの思惑に「ははぁん」と気づきます。

ただ、吉兵衛にとっては迷惑千万だそうで
(単に照れ隠しをしているだけだと思うのですけど(^ ^;;))
その袴をたきに返すように千代に頼みますが、

人の好意は素直に受けるべきだと
千代は途端に厳しい表情になります。
“男も女も一つになって戦うべし”と言っていたのは
吉兵衛ですが、その本人が実践できていませんね。

千代は「ワタクシの命です」と言い残し
呆れた表情でその場を離れますが、
主君の妻にそう言われてはさすがに逆らえず、
意地を張っていた吉兵衛は千代に片膝ついてしょんぼり。

吉兵衛はたきに袴を返そうとするのですが、
そのチャンスはなかなか巡りません。

たきの実父も、裾に穴を開けたまま働きづめていたそうで、
それを母と自分とで何度も縫い直していたとのこと。

勝手に仕立てたことで、吉兵衛が迷惑がっているのは
何となく分かっているのですが、
父の姿を思い出させるそんな吉兵衛を見ると
たきとしては居ても立ってもいられなかったようです。

千代に「本当は、喜んでいると思いますよ」と声をかけられて
ちょっぴり嬉しく感じています。


山崎城を出発した秀吉軍は、近江を進んで佐和山城へ。
目指す長浜城から馬で走って1時間ほどの場所です。
ただ、すぐには攻撃は始めません。

先陣を任された一豊をはじめ、堀尾吉晴や中村一氏は
長浜城は長年暮らしてきた場所だけに
城内の道も弱点も知り尽くしているわけで、
軍隊の士気が落ちてしまう前に攻撃したいと主張しますが、
秀吉はあくまでも待つ構えです。

そのうち、秀吉に寝返りを決めた勝豊からの使者が──。

長浜城を取り戻した秀吉は
今度は信長三男の織田信孝が守る岐阜城を取り囲み、
信長嫡孫の三法師を取り返します。

勝家が思い描いた道筋が、雪を利用して
秀吉によって徐々に崩されていきます。


勝ち戦を治めて戻った吉兵衛は、
たきに仕立ててもらった袴の姿でたきに披露します。
ついでに、穴が空いたあの袴も繕ってほしいと
たきに頼んでいます。

侍女たちにこっそり覗き見られていることに
気がついた吉兵衛は、
恥ずかしさのあまり逃げるように立ち去りますが、
それもある意味スキップしているようにも見えます。

カタブツの人物が、こうも素直に振る舞うと
なぜに可愛らしく映るのでしょうかね(笑)。


一豊は、年頃の新一郎に嫁を探してやらねばと
柄にもないことを言い出しますが、
千代は、新一郎よりも先に吉兵衛からだと言います。

目をむき出しにして驚く一豊ですが、
恐らく、吉兵衛とたきが好き合っていることを知らないのは
一豊ただひとりではないかと(^ ^;;)

吉兵衛は58歳で、前妻と死別していますので
38歳のたきを後妻として迎えるとしても
許してくれるかもしれません。

前妻の形見である櫛を取り出して眺めていた吉兵衛は
一つの結論を導き出します。
「嫁は、要りませぬ」

たきは「五藤様が承知なら」と喜んで受けるつもりですが、
主君の命を守り通す役目の吉兵衛には、嫁は必要ないのです。

そんな話を、吉兵衛の部屋の近くで聞いてしまったたきは
暇をもらって実家へ帰ってしまいます。
思わず声を上げ、衝撃を受ける吉兵衛。

以前吉兵衛が頼んでおいた繕った袴をたきから預かった千代は
それを吉兵衛に渡し、素っ気ない表情で
たきが宇治にいることをそれとなく伝えます。

吉兵衛は居ても立ってもいられませんが、
雨が落ちる屋敷内をウロウロするばかりで
どうしていいかも分かっていません。

たきが繕った袴を胸に抱いて、自問自答を繰り返します。

──────────

天正10(1582)年10月15日、
京・大徳寺で、羽柴秀吉によって織田信長の葬儀が執り行われる。

慶長5(1600)年11月、
山内一豊が土佐20万石を有する大名になるまで

あと18年1ヶ月──。


原作:司馬 遼太郎「功名が辻」
脚本:大石 静
音楽:小六 禮次郎
題字:だん きょうこ
語り:三宅 民夫 アナウンサー
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[出演]
仲間 由紀恵 (千代)
上川 隆也 (山内一豊)

武田 鉄矢 (五藤吉兵衛)
石倉 三郎 (前野将右衛門)
生瀬 勝久 (堀尾吉晴)
田村 淳 (中村一氏)
浜田 学 (祖父江新一郎)
──────────
大地 真央 (市)

細川 ふみえ (たき)
斎藤 洋介 (黒田官兵衛)
北村 和夫 (老商人(回想))

勝野 洋 (柴田勝家)
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柄本 明 (羽柴秀吉)
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制作統括:大加 章雅
演出:久保田 充

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