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2011年8月20日 (土)

プレイバック功名が辻・(27)落城の母娘

伊勢亀山城の戦いで
五藤吉兵衛が壮絶な討ち死にを遂げ、
彼の思い人であったたきは暇をもらい
山内家を離れることになりました。

千代は、吉兵衛が山内一豊のために死んだわけで
その妻として何度もたきに詫びますが、
たきは「このお屋敷で夢を見ることができました」と
静かに去ってゆきます。

たきの後ろ姿を見送る千代の顔に、笑顔はありませんでした。


一豊は、吉兵衛の遺髪を握りしめ
在りし日の姿を思い出しているようです。

二十年以上も前から
吉兵衛とともに一豊を支えた祖父江新右衛門も、
「あやつは果報者」と穏やかな表情で語りますが、
その子・祖父江新一郎は肩を揺らして泣いています。

一豊としては、そんな新一郎を
咎めるつもりはさらさらないのですが、
新右衛門をなだめるつもりで振り返れば
もらい泣きしたか、新右衛門まで肩を揺らしています。


ある日、妙な男が山内家へ──。

千代の「よく訪ねてくれました」との言葉に
お久しゅうございます、と頭を下げているところを見ると
千代とは初対面ではないようです。
(でも、ドラマ初登場です)

この妙な男、討ち死にした五藤吉兵衛の弟で
五藤吉蔵と言います。
兄の死を期に、尾張黒田からやってきました。

もし自分の身に何かがあればたきのことを頼む、と
兄・吉兵衛の生前の便りにあり、
吉蔵は宇治の里に出向いたそうですが、
たきは自害して果てておりました。

たきは吉兵衛の形見を羽織り、
そしてその傍らには吉兵衛からの文がありました。

今ごろ兄とたきは、あの世で祝言を挙げておりまする! と
千代を励ますつもりで言葉をかけますが、
千代は、半ば強引にでも たきを
この館に置いておくべきだったと深く後悔します。


越前・北ノ庄城では
降り積もる雪を見て柴田勝家が焦りを見せ始めます。
勝家側の人間としていた滝川一益は羽柴秀吉にやられ、
養子の柴田勝豊も秀吉側へ寝返っているのです。

一方、近江・佐和山城では
そんな勝家の動きを収集しておりまして、
秀吉は勝家に対抗すべく出陣することにします。

やがて雪が解け。

両軍の睨み合いが続きます。
先に動いた方が負ける、と
秀吉も勝家も考えているからでしょう。

石田三成は、織田信孝を攻撃するために
陣を離れることを進言します。

ただ、本気で信孝を攻撃するわけではなく、
秀吉が本陣に不在と知った勝家が
羽柴軍をつぶすべく動き出したのを確認して、
大返しをするという戦法です。

秀吉に指示を仰いだ一豊は
「んまぁ……わしについてまいれ」と
いてもいなくてもいいような扱いを受け、

三成には鼻で笑われたような感じで
あまり面白くありません。


さっそく陣を離れた秀吉のスキをついて
勝家軍の佐久間盛政が羽柴軍の砦を落とすことを提案しますが
動かぬことにこだわった勝家は賛同しません。

盛政は「大将不在の陣を叩くは、卵を割るよりも易し」と
勝家の決断を無視して羽柴軍攻撃へ。

それを聞いた秀吉は、
予定通りに大返しをすることにします。

アッという間に大垣から戻り、
賎ヶ岳に陣取った秀吉は勝家軍を叩き潰します。
勝家は命からがら北ノ庄城へ戻ってきます。

じき、秀吉軍が城を囲むでしょう。
勝家は市に、娘たちとともに
城を出て落ち延びるように命じますが、
市にその気はありません。

秀吉は北ノ庄城へ酒を届けさせ、
最後の宴を開かせます。

秀吉から市を救い出すように任務を命じられた一豊は
その宴の最中に市と面会、説得に当たりますが
結局、市は首を縦に振りませんでした。

城から落ち延びたのは、茶々・初・小督の3人の娘です。
秀吉は懐かしいと馴れ馴れしく近づきますが、
茶々の凛とした声で一喝されます。
「寄るな! 汚らわしい」


勝家は、市の手を引き北ノ庄城の天守へ昇ります。

そこには無数の火薬があるわけですが、
勝家と市の遺骸を秀吉の手に渡さぬためであります。

その爆発の様子を秀吉の陣中から眺めていた茶々は
母・市と義父・勝家の辞世の句を詠み上げます。

さらぬだに うちぬるほどの
 夏の夜の 別れを誘う
  ほととぎすかな   市

夏の夜の 夢路はかなき
 跡の名を 雲井にあげよ
  山ほととぎす   勝家


清洲城で、茶々の呼び出しを受けた千代。

茶々は母の形見である櫛を千代に差し出しますが、
同時に茶々は、千代に「手を貸せ」と言います。
秀吉の野望を打ち砕くため、だそうです。

とはいえ、千代にとって秀吉は夫の主君であり
茶々が望むような動きはできそうにありません。
すると茶々は、手のひらを返すように
千代を清洲から追い出してしまいます。

茶々との出会いが、千代の心をざわつかせていました。

──────────

天正11(1583)年4月24日、
賎ヶ岳の戦いで敗北した柴田勝家が
越前北ノ庄城で、妻・市とともに自刃して果てる。

慶長5(1600)年11月、
山内一豊が土佐20万石を有する大名になるまで

あと17年6ヶ月──。


原作:司馬 遼太郎「功名が辻」
脚本:大石 静
音楽:小六 禮次郎
題字:だん きょうこ
語り:三宅 民夫 アナウンサー
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[出演]
仲間 由紀恵 (千代)
上川 隆也 (山内一豊)

前田 吟 (祖父江新右衛門)
永作 博美 (茶々)
生瀬 勝久 (堀尾吉晴)
田村 淳 (中村一氏)
小倉 久寛 (五藤吉蔵)
──────────
大地 真央 (市)

細川 ふみえ (たき)
斎藤 洋介 (黒田官兵衛)

勝野 洋 (柴田勝家)
嵐 広也 (福島正則)
──────────
中村 橋之助 (石田三成)
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浅野 ゆう子 (寧々)

柄本 明 (羽柴秀吉)
──────────
制作統括:大加 章雅
演出:尾崎 充信

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