大河ドラマ江 ~姫たちの戦国~・(30)愛しき人よ
文禄4(1595)年9月。
伏見の徳川屋敷で、
とりあえず江(23)は徳川秀忠(17)と
“不本意ながら”同居することにします。
江が伏見から持ってきた箱の中には、
完と遊んだ風車にはじまり、母・市の遺髪、
伯父・織田信長の「天下布武」印判、
秀勝の懐剣と文が入れられています。
やはり実娘・完(4)や
亡夫・豊臣秀勝のことが思い出されて
涙に暮れることも多いわけです。
徳川家康(54)は、秀忠と江が
“夫婦に成ることを先に望んだ方が負け”という
よく分からない宣戦布告(意地の張り合い?)が
なされていることは知るわけもなく、
できれば男がいい、などと期待しているところですが、
江には正直、その期待に応えられる自身はありません。
でも秀忠は「励んでおりまする」と(笑)。
初(26)が訪ねてきました。
なんでも、夫・京極高次(33)に側室がいて、
しかも男の子を授かっていたという事実が判明したわけです。
高次曰く、子を望んでいる初には言い出しにくかった、と。
なかなか子宝に恵まれない初は、
江にどんどん子どもを産んでもらって
そのうち一人を分けてほしいなどと口走りますが、
江としてはそれどころではありません。
指一本触れさえしていないので、
子を授かろうはずもありません。
この状況は1年経ってもさほど進展なく、
江は江で、秀忠は秀忠でどうすべきか悩んでおります。
江は離婚を決意し、秀忠に離縁を迫りますが
秀忠はあやふやな態度のまま、
話は明日に先延ばしすることにします。
庭に出た秀忠は、江との1年を思い返しています。
とその時、どこからか煙が……出火です。
江は慌てて自室に駆け戻ります。
市と信長の遺品の箱を胸に抱えますが、
完との風車と秀勝の遺品が入った引き出しは
火に阻まれてあと一歩のところで届きません。
火は容赦なく江に迫ってきます。
江を探して秀忠が駆けてきます。
秀忠は江の腕を引っ張って庭に連れ出しますが、
次の瞬間、水に濡らした着物を頭からかぶって
火の中へ再び突入して行きます。
──火から出てきた秀忠の手には、
江が取りたくても届かなかった
秀勝の懐剣と文、そして
完の風車が握られていました。
完の風車や秀勝の遺品を眺めて涙を堪えている江の姿を
この1年、秀忠は今までに何度となく見てきました。
それだけに「大事なものであったろうと思ったから」
秀忠は炎も畏れず、取り出すことができたのでしょう。
命を顧みず、妻の大事なもののために
命の危険にさらされてでも成し遂げる。
改めて、秀忠の行動を“見直した”のかもしれません。
「あなたさまの妻としてくださりませ」と
心の底から言った江の目から涙があふれてきます。
それを言われて秀忠はニンマリとした顔です。
「では、私の勝ちということだ」
ぐぐぐ……と歯ぎしりする江ですが、
そこがまた、ダンナのいいところ?(笑)
ま、そういうことにしておきましょ。
力強く、そして乱暴に秀忠に抱き寄せられ、
火事で騒々しかった一日が更けていきます。
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(『春日局』では「(9)夫婦模様」付近)
原作・脚本:田渕 久美子
脚本協力:田渕 高志
音楽:吉俣 良
題字:菊池 錦子
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[出演]
上野 樹里 (江)
宮沢 りえ (淀)
水川 あさみ (初)
向井 理 (徳川秀忠)
鈴木 保奈美 (市・語り)
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萩原 聖人 (石田三成)
斎藤 工 (京極高次)
AKIRA (豊臣秀勝(回想))
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岸谷 五朗 (豊臣秀吉)
草刈 正雄 (本多正信)
大竹しのぶ (北政所)
北大路 欣也 (徳川家康)
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制作統括:屋敷 陽太郎・櫻井 賢
演出:野田 雄介
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『江 〜姫たちの戦国〜』
第31回「秀吉死す」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
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