大河ドラマ江 ~姫たちの戦国~・(31)秀吉死す
伏見屋敷の火事翌日。
亡夫・豊臣秀勝の懐剣と書状を胸に抱く江(24)は
昨晩の徳川秀忠(18)の救出ぶりと、
そうと知っていながら危険を顧みずに
懐剣と書状を持ち出した姿を思い出し、
秀忠に対する思いを強くしています。
徳川家康(55)と秀忠が戻ったというので出迎えに出てみると、
聞こえてきたのは、どこかで聞いたことのあるクセのある声。
その声の主は豊臣秀吉(60)であります。
秀吉は徳川屋敷焼失の見舞いに伏見屋敷を訪れたわけですが、
話題は拾(4)のことばかりです。
いつの日か、成長した拾が
大坂城天守に立つ日のことを夢見ている秀吉は
秀忠に大坂城攻略のイロハを教えます。
すなわち、大戦を仕掛けてすぐ和睦に持ち込み、
さっさと堀を埋めてしまう、と。
まぁ、ホントに攻撃するとは秀吉も思っていないわけで
ほんの戯れ言にすぎませんが、
これが後々、まさか現実になろうとは(^ ^;;)
2ヶ月後・文禄5(1596)年9月。
朝鮮出兵の後に秀吉が明国皇帝に提示した文書の
返書を、講和使節が大坂城へ持ってきました。
その返書では、秀吉を“明の属国の王”
つまり、あくまでも明皇帝の家来の扱いであります。
非礼千万! と秀吉は激怒し
至急戦の支度をせよと石田三成(37)に命じますが、
もはや、どっちが非礼だか分かりません(^ ^;;)
ともかく、秀吉は拾のいる伏見城から采配を取り
家康・秀忠父子もしばらくは伏見に留まるようです。
そんな時、江の懐妊が判明します。
江を喜ばせるような言葉をかけない秀忠が
ポロリと言った「女子ならよいなぁ」という言葉に、
江はつい顔をほころばせますが、そのセリフの裏には
男は戦で死ぬか、人質や養子に出されるか、
世継ぎを押し付けられるかで
「つまらぬ」からということらしいです。
慶長元(1596)年12月。
拾が元服し、名を「豊臣秀頼」と改めます。
弱冠4歳での元服に、家康は
秀吉が相当焦って生き急いでいると推察。
家康は表情を曇らせ、江は秀吉を不審がります。
その5ヶ月後の慶長2(1597)年5月、
江は女の子を無事に出産。
さほど興味のなさそうな秀忠でしたが、
ちゃっかりと名前を考えてきていました。
──千。
秀忠にどこか物足りなさを感じていた江でしたが、
ちゃんと名前を考えてくれて、とても嬉しいです。
しかしその実態は……、
生まれたのが男の子だったら
必然的に徳川家代々の「竹千代」となっていたわけで、
女の子だったからその真ん中の一字をとった、
ということのようです。
これには江もヨシもびっくり仰天(^ ^;;)
でも、秀忠は江の想像以上に愛情を注いでくれて
江は驚くことばかりです。
しかし、秀吉の暴走ぶりは留まるところを知らず、
今度は秀頼と、生まれたばかりの千を
結婚させるという暴挙に出ます。
江は驚愕しますが、
秀吉がいかに徳川を重要視しているかという証だと
家康は密かに喜んでいます。
再度の朝鮮出兵は苦戦を強いられており、
苦戦すればするほど、秀吉は逆に気晴らしを求めます。
慶長3(1598)年3月、京の醍醐寺で花見を催した秀吉は
無数に舞い散る桜の花びらの中で激しく舞い踊りますが、
激しく咳き込み、吐血してしまいます。
これ以降、秀吉は病の床についてしまいます。
気がかりなのは秀頼のことです。
秀吉は家康を伏見城に呼びつけ、
秀頼の代わりに日本を統治するよう申し付けます。
家康も、秀頼の後見役であることは理解します。
代理統治は秀頼が立派に成人するまでの間であり、
成人後は政(まつりごと)を即座に返上する約束をします。
ただ、家康が大老であり、
秀吉に精魂付き従った自分はなぜか奉行という立場に
少々納得できていない三成であります。
余談ながら。
Kassyがオンタイムで視聴していた大河ドラマで
秀吉役を演じた役者さんは何人もおりますが、
秀吉の言動一つ一つにとことんまで嫌気が差し、
そこにいるだけで画面を見たくなくなる……。
今回の秀吉ほど憎たらしいのはおりませんでした。
秀吉役というのは、
『信長』『琉球の風』での仲村トオルさんしかり、
『秀吉』での竹中直人さんしかり、
『利家とまつ』での香川照之さんしかり、
『功名が辻』での柄本 明さんしかり、
『天地人』での笹野高史さんしかり、
多少オーバーアクションされるところがあり、
そんな秀吉を見ていても、Kassyは
“また始まったか”という程度でいたのですが、
今回は、自虐ゼリフだったりノリツッコミだったりといった
秀吉の言動一つ一つが
直接イライラにつながっておりました(^ ^;;)
無論、演者の岸谷五朗さんが
どうのこうの、といっているわけではなく。
(むしろKassyにとっては、岸谷さんは
好きでも嫌いでもない中立的立場であります)
そしてもちろん、淀を奪い取られた怨みでもなく(笑)。
ま、江にとっては憎まれ役なので
そういった演出にKassyが
ハマってしまっているだけなのかもしれませんけどね(笑)。
とにかく、秀吉に冒頭から嫌悪感を抱いていまして、
今回の泣ける(と恐らく思われる)シーンでも、
とても冷めた目で見ている自分に気づかされるわけです。
ドラマ的に言っても
今回の秀吉の死はヤマ場だと思われますが、
Kassyにとっては
どうでもいい、単なる通過点でしかありません。
百姓から侍大将、そして武将から天下人へ。
秀吉が駆け上ってきた出世街道に
ついにピリオドが打たれる日がやってきました。
浅井長政、
市、
柴田勝家、
茶々、
佐治一成、
豊臣秀勝、
千 利休、
豊臣秀次、
完、
そして千。
江は、愛しい大切な人たちを
自分の周囲から奪ってきた秀吉を心底恨んでいます。
秀吉が江に最後に望んだこと。
それは、嫁いだ徳川の家で
「今度こそ幸せになってくれ」というものでした。
8月18日、北政所の胸に抱かれて
豊臣秀吉は波乱に満ちた生涯を閉じました。
北政所は大声を上げて泣き、秀吉の死を悼みます。
──────────
慶長3(1598)年8月18日、
豊臣秀吉が病没。
慶長20(1615)年5月8日、
大阪夏の陣で敗れ、豊臣家が滅亡するまで
あと16年9ヶ月──。
(『春日局』では「(10)秀吉逝く」付近)
原作・脚本:田渕 久美子
脚本協力:田渕 高志
音楽:吉俣 良
題字:菊池 錦子
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[出演]
上野 樹里 (江)
宮沢 りえ (淀)
水川 あさみ (初)
向井 理 (徳川秀忠)
鈴木 保奈美 (市・語り)
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萩原 聖人 (石田三成)
ミムラ (細川ガラシャ)
斎藤 工 (京極高次)
鈴木 砂羽 (京極龍子)
時任 三郎 (浅井長政(回想))
大地 康雄 (柴田勝家(回想))
平 岳大 (佐治一成(回想))
AKIRA (豊臣秀勝(回想))
石坂 浩二 (千 利休(回想))
北村 有起哉 (豊臣秀次(回想))
(※ 時任〜北村はピンクレジットなし)
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岸谷 五朗 (豊臣秀吉)
草刈 正雄 (本多正信)
大竹 しのぶ (北政所)
北大路 欣也 (徳川家康)
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制作統括:屋敷 陽太郎・櫻井 賢
演出:清水 拓哉
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『江 〜姫たちの戦国〜』
第32回「江戸の鬼」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
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