大河ドラマ江 ~姫たちの戦国~・(33)徳川の嫁
【アヴァン・タイトル】
──秀吉亡きあとの政局混乱を避け、江と秀忠は江戸へ向かった。
三度懐妊した江。
徳川家正室としての試練が降り掛かる。
一方 家康は、秀吉の定めた掟に背き、
大名同士での婚姻を進め、自らの地盤を固めていた──。
慶長3(1598)年 冬・伏見。
怒り肩で徳川屋敷に乗り込んだ石田三成(39)は、
徳川家康(57)にいくつもの書状を突きつけ、
「これらは一体どういうことにござるか!」と
声を荒げます。
「媒酌を頼んだのが境の茶人でしてな」と
見え透いたウソを言ってとぼける家康に、
大名家同士の婚姻には豊臣家の許しが欠かせぬはずと
いちいち丁寧に説明する三成ですが、
同席していた前田利家が割って入ります。
家康はのんきに笑っていますが、
三成は納得いかず、家康への不信感がいっぱいです。
江戸に離れた江(26)は、
豊臣と徳川の間で争いが起きていないかどうか
とても心配ではありますが、
遠く伏見のことを心配するよりも、
間近の敵が迫ってきております。
敵……大姥局(74)のことであります。
大姥局は、江の顔を見るたびに
男の子を産め、男の子をあげよ、と口うるさく
さすがの江も閉口してしまうほどであります。
「ええい、もうよい、分かったわ!」と
江は男の子を産むと啖呵を切ってしまいますが、
大姥局はニヤリとするばかりです。
三成は黒田官兵衛(53)を呼び、
豊臣をないがしろにする家康を追う計画に誘いますが、
官兵衛はすんなりとは返事をしません。
官兵衛曰く、秀吉に対する強い忠誠心が
人々の心を見えなくさせてしまっている、と。
現に、朝鮮から撤退してきた秀吉子飼いの大名たちを
味方につけようとして、逆に反感を買ってしまっています。
官兵衛は笑って立ち去ります。
翌 慶長4(1599)年・正月。
秀吉薨去が公表され、淀(31)と豊臣秀頼(7)は
秀吉の遺言に従って伏見城から大坂城へ移りました。
ついでに、淀の乳母であるサキは
名を“大蔵卿局”と改めました。
そして、豊臣家を支える新体制
──つまり、実質的な政務は家康が伏見城で執り、
秀頼の後見役として利家──が出来上がったわけです。
秀忠の分析では、五大老の権力を
バランス良く分散させておけるように
こうした形にした、というのですが、
しかし、後見役としていた利家が亡くなり、
三成に対して不満を抱いていた諸大名たちは
これをいい機会に怒りを爆発させ、石田邸に攻め入り……。
身の危険を感じた三成は、
最大なる敵である家康の屋敷へ避難します。
相手の懐に入り込むことが最も最善の策であるわけですが、
一方で、諸大名との関係は完全に崩壊してしまいます。
三成は居城佐和山にて、隠居することになりました。
江が女の子を産みました。
「珠(たま)」と秀忠が名付けてくれます。
ただ、大姥局の落胆ぶりは大きく
「お約束はどうなったのでござりまするか!?」と
大げさに泣きわめきます。
江は、もうしばらくは大姥局のプレッシャー(?)から
解き放たれそうにありません。
秀忠の子煩悩ぶりだけが、江を安心させる材料です。
北政所(53)は、家康と三成が争いなくするためには
自らが大坂城西の丸を出て家康に明け渡すことしかないと
考えが至ります。
京で秀吉の菩提を弔うつもりのようです。
北政所と淀。
ともに秀吉の妻でありながら、互いの役割を果たすために
別々の道を歩んでいく。
北政所の、淀に残した言葉です。
そして、北政所と入れ違いに
大坂城西の丸に家康が入ります。
迎える側となった淀は、手習い中の秀頼を見て
一抹の不安を感じています。
そして、家康の次なる策略が始まります。
初(30)のいる京極家の取り込みです。
家康は、城の修繕費という名目で金銀を送ります。
当主・京極高次(37)は、豊臣と徳川の間で
近いうちに戦が起こることを見越しての
京極家取り込みであることを見抜いており、
時代は人々の思惑に関係なく、強引に進んで行きます。
──────────
慶長4(1599)年閏3月3日、
五大老・前田利家が病没。
慶長20(1615)年5月8日、
大阪夏の陣で敗れ、豊臣家が滅亡するまで
あと16年2ヶ月──。
(『春日局』では「(10)秀吉逝く」付近)
原作・脚本:田渕 久美子
脚本協力:田渕 高志
音楽:吉俣 良
題字:菊池 錦子
──────────
[出演]
上野 樹里 (江)
宮沢 りえ (淀)
水川 あさみ (初)
向井 理 (徳川秀忠)
鈴木 保奈美 (市・語り)
──────────
萩原 聖人 (石田三成)
鈴木 砂羽 (京極龍子)
斎藤 工 (京極高次)
大出 俊 (前田利家)
苅谷 俊介 (本多忠勝)
柴 俊夫 (黒田官兵衛)
──────────
加賀 まりこ (大姥局)
草刈 正雄 (本多正信)
大竹 しのぶ (北政所)
北大路 欣也 (徳川家康)
──────────
制作統括:屋敷 陽太郎・櫻井 賢
演出:田中 正
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『江 〜姫たちの戦国〜』
第34回「姫の十字架」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
| 固定リンク
「NHK大河2011・江」カテゴリの記事
- 大河ドラマ江 ~姫たちの戦国~・(47-4)総集編第四章・三姉妹の絆 〜大坂城炎上!〜(2011.12.30)
- 大河ドラマ江 ~姫たちの戦国~・(47-3)総集編第三章・待望の嫡男(2011.12.30)
- 大河ドラマ江 ~姫たちの戦国~・(47-2)総集編第二章・三度(みたび)の結婚(2011.12.29)
- 大河ドラマ江 ~姫たちの戦国~・(47-1)総集編第一章・戦国三姉妹 〜母との別れ〜(2011.12.29)
- 大河ドラマ江 ~姫たちの戦国~・(46)希望 [終] 〜数奇な運命を生き 妻として母として迎えた最後の試練! 大奥誕生秘話! 秀忠の秘密〜(2011.11.27)
コメント