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2011年9月13日 (火)

プレイバック功名が辻・(31)この世の悲しみ

千代が目を閉じて虫の音を楽しんでいます。

かわいらしく成長するよねは
松葉と木の葉で虫かごを作り、
その中にコオロギを捕まえて飼うつもりのようです。

山内康豊に、コオロギを捕まえたらかわいそうだと言われて
困惑顔のよねですが、
木の葉を器用な手つきでコオロギに作り替え
駕篭の中に入れてあげると、途端に表情が明るくなります。

どうやら、よねは康豊のことが好きになったようです。

「大きくなったら、叔父上の妻になりとうございます」と
千代の手を引き、コソッと告白するよねに
千代も幼い頃に一豊の妻になりたいと願ったことを話して
人に恋することは、心を豊かにすると諭します。

ただ、恋するメリットだけではなく
デメリットやリスクも合わせて話す千代は
いい母親かもしれませんね。


京へ出立した山内一豊と康豊は
上洛を拒み続ける家康を説得するために
岡崎へ出向くように命じられます。

織田長益とともに岡崎へ乗り込んだ一豊ですが、
それでも説得に応じようとはしません。
それどころか「いつなりともお出ましあれ」と
ケンカを売る始末です。


天正13(1585)年11月29日──。

雷鳴轟き、鳥が泣きわめきながら方々へ飛び回っています。
黒い海が波立ち、不吉な印象の夜です。

よねはそんな夜がとても恐ろしく感じたらしく
城内見廻り中の千代の元に駆け寄ります。

千代は、見廻りが終わったら よねの枕元で
お伽草紙を読んであげましょう、と約束しますが
よねとしては、片時も離れたくありません。

火の用心の見廻りは、遊びではないのです。
少し厳しい声で言って、見廻りを続ける千代を
寂しそうに見送るよねでした。

千代が何かを感じて歩を止めると、
地鳴りがして、大きく揺れ始めます。

地割れがし、木は倒れ
瓦が何十、何百枚と割れて落下します。
襖も次々に倒れてきます。

大きな揺れの中、千代は
ひとり戻っていったよねの名を叫びますが
その声もむなしく、崩れ落ちた天井の下敷きに──。


気を失っていた千代は、目を覚ますと
夢中になってよねを探します。

家臣たち、侍女たちも総出でがれきをかき分け
がれきの山からよねが見つかりますが、
よねは乳母に抱きかかえられたまますでに息なく。


「昨夜近江で大地震あり、よね姫さま、ご落命──」
馬上の一豊は、近江長浜からの急報を聞き
長益と康豊に後を任せて、自身は長浜へ急ぎます。

一豊よりも一足先に駆けつけていた法秀は、
私が代わってやれば……と声を振り絞って泣きます。

よねを胸に抱き、千代は錯乱しています。
あの時、よねの言うように一緒に見廻りをしていたら。
よねをひとり残さずにそばにいさせていたなら。
こういったことにはならなかったはず……。

急ぎ帰城した一豊の顔を見て、
さらに声を上げて泣きわめきます。

一豊はよねの顔をそっと見ます。
今にも起き上がりそうな、
実に安らかな表情です。

大名になるという幸せの代わりに
天は我らからよねを奪ったのかの──。

一豊は低い声でうなります。


よねの葬儀が終わり。

長浜城修復のためにいったん京へ移り住んだ夫婦。
狂うほどに泣いた夫婦も徐々に落ち着きを取り戻しますが、
他人の子どもを見ると、やはりよねのことが思い出されて
胸が締め付けられるほどに痛みます。

胸に十字架をつけた母子を思わず呼び止めた千代は
よねと同じぐらいの年格好の娘に
よねのために仕立てたパッチワーク小袖を
プレゼントします。

そんな出来事があって、
この世の悲しみをどこにすがっていいか分からない千代は
南蛮寺へ引かれるように訪れてみます。

そこで玉と久々に再会するのですが、
玉は「力強く生きて参りましょう」と
愛娘を亡くしたばかりの千代を励まします。

──────────

天正13(1585)年11月29日
天正の大地震で長浜城が全壊し、
山内一豊の娘・よねらが遭難死。

慶長5(1600)年11月、
山内一豊が土佐20万石を有する大名になるまで

あと14年11ヶ月──。


原作:司馬 遼太郎「功名が辻」
脚本:大石 静
音楽:小六 禮次郎
題字:だん きょうこ
語り:三宅 民夫 アナウンサー
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[出演]
仲間 由紀恵 (千代)
上川 隆也 (山内一豊)

前田 吟 (祖父江新右衛門)
小倉 久寛 (五藤吉蔵)
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玉木 宏 (山内康豊)

長谷川 京子 (玉)

斎藤 洋介 (黒田官兵衛)
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石川 さゆり (天竺屋・侍女せつ)
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浅野 ゆう子 (寧々)

佐久間 良子 (法秀尼)

西田 敏行 (徳川家康)
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制作統括:大加 章雅
演出:大原 拓

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