大河ドラマ江 ~姫たちの戦国~・(35)幻の関ヶ原
【アヴァン・タイトル】
──上杉攻めのため、徳川軍は会津に向け出陣。
秀忠は、先鋒38,000の総大将を命じられた。
三成はその隙をつき、家康の居城・伏見城を攻撃。
多くの大名が呼びかけに応じ、
三成は一気にその勢力を広げていく。
そんな中、決断を迫られる京極高次。
そして秀忠は……。
自らの運命を受け入れ、戦地に赴く秀忠であった──
慶長5(1600)年。
徳川秀忠(22)が江戸を出発し、静かになったお城の中で
えい!やっ!はっ!と侍女たちのかけ声が聞こえてきて、
江(28)とヨシは顔を見合わせます。
もうお分かりですね?
大姥局(76)です。
大姥局は、男たちが戦に出ている間
城を守るのは女子たちの務めと、
侍女たちに訓練をさせているわけです。
江もヨシも、呆気にとられて言葉を失います(笑)。
江は、細川ガラシャが亡くなったことを
ガラシャに仕えていた伯母(浅井長政の姉)の
京極マリアからの文で知ります。
三成の策略により、上杉攻めに加わる大名の妻子が
人質としてとらわれたこと、
そしてそれを拒んだガラシャが
覚悟の死を遂げたことが綴られておりました。
世間で、今何が起こっていて
何が起ころうとしているのかが、
江は分からなくなってしまいます。
石田三成(41)が挙兵に及ぶや否や
全軍に上杉攻めの中止を宣言し、
諸大名を下野国小山に招集します。
三成は、豊臣方の総大将に大大名・毛利輝元を担ぎ出し
兵は10万ほどに膨れ上がることも予想できます。
本気で戦を仕掛けてくるつもりのようです。
徳川家康(59)は、自分に賛同してついてきてくれている
諸大名の心を一つにしなければと考えています。
まずは三成の立場を下げるため、
豊臣のためを思えばこその上杉攻めであったのに、と
家康なりの言い分を主張。
妻のガラシャが三成に抗って非業の死を遂げたこともあって、
細川忠興(38)は、三成の首をあげるつもりです。
諸大名たちも「そうだそうだ!」と容易く乗ってきます(笑)。
秀忠は、ひとりポツンと座している男を見つけ
本多正信(63)に聞いてみます。
「真田……幸村さまかと」
と、水曜時代劇『真田太平記』で
真田幸村役を演じた草刈正雄さんが重々しくおっしゃると、
これまたちょっとご縁を感じたりするKassyでありますが(笑)。
ともかく、その男は真田幸村なんだそうです。
ちなみに演者の浜田 学さんは、
昨年の大河『龍馬伝』で坂崎紫瀾役を演じられて以来
2年連続の出演であります。
諸大名の結束を固め、
家康はいったん江戸へ戻ることにします。
その間、秀忠には中山道を西に向かってもらい
家康が後から出発して、美濃で落ち合う手はずです。
家康次男の結城秀康も小山にかけつけますが、
宇都宮に留まるように命を受けた秀康は、
弟が38,000の兵を任されているというのに
自分は戦うなと言われたようで、ちと不満げです。
月が変わって9月。
家康は江戸を出発し、東海道を経て西へ。
秀忠も中山道を西に向かっておりますが、
多少早く出ているので、先に進んでいるはずです。
順調に進んでいた秀忠軍にもたらされたのは、
真田昌幸・幸村親子が反旗を翻し、
上田城で籠城の構えを見せているということでした。
一瞬にして顔色が変わる秀忠。
大久保忠隣が「逆賊、打ち破りましょうぞ!」と言えば
正信は「お勧めできかねまする」と主張。
秀忠は上田城攻めを命じます。
江戸城の江は、夫を待つ間に
祈ることしかできないもどかしさを感じています。
ヨシは、このような時の市は写経をしていたと伝えると、
母に倣えと江も写経をしてみます。
もしかしたら、何かにすがりつきたいのかもしれません。
上田城を包囲して攻撃を開始した秀忠は
38,000の兵を預かりながら真田の攻撃にさらすことになり
数多くの兵士たちが傷ついてしまっています。
秀忠は涙を飲んで陣を収め、西に向かうことにします。
自分の思い一つで、多くの者が動く。
そして多くの者が死ぬ。
それが大将であり、戦であります。
真田攻めで遅れた行程を取り戻すべく
雨の中を進む強行軍で西に向かいますが、
「無様な大将じゃ」と秀忠は自嘲しています。
──慶長5(1600)年9月15日。
江戸城では、大姥局を先頭に相変わらず
「賊より怖いは火の不始末、火の元用心……」と
やっておりますが、
それを見ながら江は何かを感じ取っています。
美濃・関ヶ原では、家康と三成が対峙。
家康は、秀忠の到着を今か今かと待ちわびています。
寝ずの強行軍で、秀忠は落馬してしまいますが
美濃へはもう間に合わないでしょう。
秀忠はもはや、笑うしかありません。
それでも、一歩でも近づくために
馬を懸命に走らせます。
──────────
慶長5(1600)年9月15日、
美濃国関ヶ原で徳川家康と石田三成の戦が起きる。
慶長20(1615)年5月8日、
大阪夏の陣で敗れ、豊臣家が滅亡するまで
あと14年8ヶ月──。
(『春日局』では「(11)関ヶ原前夜」〜「(12)天下分け目」付近)
原作・脚本:田渕 久美子
脚本協力:田渕 高志
音楽:吉俣 良
題字:菊池 錦子
──────────
[出演]
上野 樹里 (江)
宮沢 りえ (淀)
水川 あさみ (初)
向井 理 (徳川秀忠)
鈴木 保奈美 (市・語り)
ミムラ (細川ガラシャ(回想)) ※ ピンクレジットなし
──────────
萩原 聖人 (石田三成)
鈴木 砂羽 (京極龍子)
斎藤 工 (京極高次)
浜田 学 (真田幸村)
苅谷 俊介 (本多忠勝)
──────────
加賀 まりこ (大姥局)
草刈 正雄 (本多正信)
大竹 しのぶ (高台院)
北大路 欣也 (徳川家康)
──────────
制作統括:屋敷 陽太郎・櫻井 賢
演出:伊勢田 雅也
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『江 〜姫たちの戦国〜』
第36回「男の覚悟」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
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