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2011年10月12日 (水)

プレイバック功名が辻・(36)豊臣の子

天正19(1591)年8月5日、京・東福寺──。

豊臣秀吉の子・鶴松がわずか3歳で夭折し、
秀吉に近い人物だけを集めて
その葬儀がしめやかに執り行われますが、

秀吉の嘆き悲しみはいかばかりか……。

秀吉は泣き叫び、勢いで髷を落としますが
賎ヶ岳七本槍のメンバーは、秀吉に倣って
次々に髷を落としていきます。

呆気にとられる寧々と淀。

一方で、顔を見合わせ
慌てて立ち上がる山内一豊と中村一氏であります。

大坂城に戻った寧々は千代によるお悔やみの言葉を受けますが、
鶴松亡き今、秀吉の後継車争いが再び起きることは必定です。

その争いに不安を隠せない千代ですが、
その発端は石田三成にあると考えている寧々は
豊臣秀次の宿老たる一豊に「くれぐれもよろしく」と伝えるよう
千代に言い置きます。

一方で淀は、北政所(寧々)こそが
鶴松に毒を盛っていたのだと声高に叫んでいます。
それを聞いた、淀の乳母・大蔵卿局は
「また吾子をお産みあそばしませ」と
冷静に淀に進言します。


てんこ盛りされた武将たちの髷の山──。
秀吉は「忠義の証を見せたわ」と満足げです。
ということは、勢いで髷を落としたのは
秀吉なりのパフォーマンスであったわけですね。

その上で、秀吉は宣言します。
「大明国に討ち入る!」

肥前名護屋城を拠点に、明国討ち入りの計画を進める秀吉は、
寧々の進言もあり、12月に秀次に関白職を譲ります。

兵糧武具の備えを万全に、えこひいきなく公平に──。
朝廷とは懇ろにし、よくご奉公せよ──。
秀次に対する秀吉の心配事はまだまだたくさんありますが(^ ^;;)

そして秀吉自らは「太閤」と名乗ることになりました。


文禄元(1592)年3月。
秀吉は淀を伴って肥前名護屋城へ。

そして秀次とともに居残りとなった一豊は
領地である掛川城を山内康豊に託して
京・聚楽第で秀次に仕えることになります。

秀次は、肥前名護屋城へ向かう家康の挨拶を受けますが、
武門・学問の両モンが揃ってこそ王道が開ける、との家康の言葉に
大きく頷き、我が意を得たりと満足げの秀次です。
ただ、共に笑う家康の心中は……どうなんでしょうねぇ?

秀次は、関白になったのを期に
幼少の頃にお世話になったお礼も兼ねて
千代に源氏物語写本を進呈します。

先ほどの家康の言葉にもあった通り
世を治めていくためには学問も必要だと考える秀次は、
秀吉にはそこが足りないと露骨に太閤批判を始めます。
千代はすっかり困惑顔です。

そのころ、肥前名護屋城では
5月3日に朝鮮の都を陥落させたことで
飲めや歌えやの大騒ぎであります。


秀吉の母・大政所(なか)が床に伏せております。

即刻、明国討ち入りを止めさせよというなかに
秀吉に変わって、寧々が秀吉の胸中を説明します。

鶴松が亡くなって明国討ち入りなど
太閤も気が狂ったかと民衆ではもっぱらのウワサですが、
実は天下を平定したことで戦をする必要がなくなり、
それが元で秀吉から諸大名たちの心が離れていくのが心配で
「ウチの人は、死ぬまで戦はやめませぬ」というわけです。

戦のない世が来てほしいと願い、ついに天下平定がなったのに
更に戦を求めていかざるを得ない現実は、実に皮肉なものです。

庭のなすびを眺めながら、なかが亡くなったのは
それから間もなくのことです。
秀吉は肥前名護屋城から駆けつけますが
残念ながら臨終には間にあわず。


文禄2(1593)年1月。
山内屋敷に、久々の六平太の訪問です。

千代に会うのは10年ぶりですが、
その間、しばらくは毛利に身を寄せ
海の向こうの明国に渡っていたそうです。

朝鮮の都を陥落させ、日本軍が緒戦突破できたのは
明国側に戦う意志がなかったためであり、
向こうが本気になって戦えば、
日本軍の全兵力を結集したところでとても叶わない。

「お前の亭主は秀次番でホント運がよかったなぁ」
その六平太の言葉に、千代は動揺を隠せません。


気持ちが落ち気味だった秀吉を狂喜させたのは、
大坂からの、淀懐妊の報でした。
そして8月、淀が再び男の子を産みます。

秀次は秀吉にお祝いの言上を述べますが、
豊臣を継ぐ者のひとりとして──という言葉に
秀吉は「うん、まぁ……そう急がんでもええ」と
後継の話に関しては言葉を濁しています。

関白秀次の立場は、次第に悪化していきます。

──────────

文禄2(1593)年8月3日
豊臣秀頼(拾)が大坂城で誕生。


慶長5(1600)年11月、
山内一豊が土佐20万石を有する大名になるまで

あと7年2ヶ月──。


原作:司馬 遼太郎「功名が辻」
脚本:大石 静
音楽:小六 禮次郎
題字:だん きょうこ
語り:三宅 民夫 アナウンサー
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[出演]
仲間 由紀恵 (千代)
上川 隆也 (山内一豊)

前田 吟 (祖父江新右衛門)
永作 博美 (淀)
生瀬 勝久 (堀尾吉晴)
田村 淳 (中村一氏)
小倉 久寛 (五藤吉蔵)
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香川 照之 (六平太)

成宮 寛貴 (豊臣秀次)

斎藤 洋介 (黒田官兵衛)
嵐 広也 (福島正則)
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菅井 きん (大政所・なか)

篠井 英介 (井伊直政)
川野 太郎 (榊原康政)
高田 延彦 (本多忠勝)
──────────
中村 橋之助 (石田三成)
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浅野 ゆう子 (寧々)

柄本 明 (豊臣秀吉)

西田 敏行 (徳川家康)
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制作統括:大加 章雅
演出:梶原 登城

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