プレイバック功名が辻・(47)種崎浜の悲劇
突然の襲撃を受けて
ひとまず小屋へ避難する山内一豊と千代ですが、
なおも発砲の手が緩むことはありません。
発砲したのは奥宮弥兵衛とその小娘で、
捕らえられた弥兵衛は、他の一領具足への見せしめのため
六平太の先導で 磔の刑に処されることになりました。
それでも収まらない一領具足へは、
容赦なく銃弾を浴びせ──。
六平太による独断は、さすがに
山内康豊や祖父江新一郎、五藤吉蔵らの反感をも買いますが、
長宗我部の残党狩りに手間取っていることで
徳川家康に難癖を付けられる前に、
何とか片づけておきたいという六平太の判断です。
築城の許可を得るために大坂城へ出向いた一豊は
「鎮圧にちと時間がかかりすぎるのう」という
家康からの一言に背中を後押しされ、
完全鎮圧を目指すことにします。
一領具足の頭たちさえ抑えれば、反乱は起きません。
そして彼らが相撲好きであることを利用して
相撲選手権(?)で一箇所に集めることにします。
慶長6(1601)年3月・土佐 種崎浜。
土佐国安寧のための相撲大会、という触れ込みで
集まった勇猛果敢な強者たちが70人以上集まりました。
屋敷を歩き回る千代は、
家臣たちが鉄砲の手入れに勤しむ姿に一抹の不安を感じ
六平太を探しますが、どこにもいません。
一豊は、今から起こる悲劇から目を背けるように
建築中の河中山城(後の高知城)に千代を案内します。
相撲好きな一豊が相撲を見ないという部分も
千代には不可解に感じたようです。
女の勘は、なるほどするどい。
相撲の場の周囲から、幾多の鉄砲が彼らを狙っています。
高揚するような、太鼓が激しく乱打される中で、
たくさんの銃が火を噴きます。
その銃声は、千代の耳にもしっかりと届いています。
千代が今まで見てきたものが、線でつながった瞬間でした。
一豊は千代を引き止めようとしますが、
千代は顔色を失い、音のする方へ向かいます。
さっきまで威勢のいい声が響いていた相撲場は、
たくさんの死体が転がる凄惨な場所へ変わっていました。
その改めに新一郎と六平太が立ち会っていましたが、
死んだフリをしていた具足に不意討ちを受け、
新一郎は命を落としてしまいます。
まぁ、新一郎のすぐ真後ろで尋常じゃない声が上がって
新一郎も一応は振り返って、姿を見ているのですが、
かなりの間でボーッと突っ立っているだけで
あっけなくやられてしまうのはとても不自然でして(^ ^;;)
何だか、後ろから突き刺されるのを待っている、
そう感じました(笑)。
土佐の浜辺を、よろめきながら走る千代。
相撲場に入った千代の前に広がる、地獄絵図。
六平太は「ワシの仕事は終わった」と言い、
千代の前で毒を呑んで自害します。
「お前が……好きだ」という遺言を残して。
これが新しい山内家のまつりごとですか!
新しい山内家のやり方ですか!
私が逆らえば私も殺すということですか!
さんざんな言葉を一豊に浴びせ、
ポツリとこぼします。
「お暇をいただきとうございます」
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原作:司馬 遼太郎「功名が辻」
脚本:大石 静
音楽:小六 禮次郎
題字:だん きょうこ
語り:三宅 民夫 アナウンサー
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[出演]
仲間 由紀恵 (千代)
上川 隆也 (山内一豊)
前田 吟 (祖父江新右衛門)
小倉 久寛 (五藤吉蔵)
浜田 学 (祖父江新一郎)
玉木 宏 (山内康豊)
香川 照之 (六平太)
篠井 英介 (井伊直政)
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渡辺 哲 (奥宮弥兵衛)
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西田 敏行 (徳川家康)
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制作統括:大加 章雅
演出:加藤 拓
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