大河ドラマ江 ~姫たちの戦国~・(47-2)総集編第二章・三度(みたび)の結婚
(11)猿の人質
天正11年(1583)4月、北庄城が炎に包まれ落城。江(上野樹里)たちは、母・市を亡くす。市が自害したことは、秀吉(岸谷五朗)にとっても衝撃だった。茶々(宮沢りえ)、初(水川あさみ)は父母を殺した秀吉を生涯許さぬと宣言。さらに、江に「猿!」と食って掛かられた秀吉は、その背後に信長の亡霊を見て、恐れおののく。
その後、三姉妹は秀吉の人質として安土城へ。そこで、おね(大竹しのぶ)に、京極龍子(鈴木砂羽)を紹介される。龍子は父・長政の姉である京極マリアの娘で、江たちとは従姉妹。しかし、龍子は夫を秀吉に殺されながらも秀吉の側室となっていた。そのうえ、秀吉のことを優しい人と語る龍子を信じられず、三姉妹は激しい嫌悪感を覚える。続いて三姉妹は千宗易(石坂浩二)とも対面。江たちの胸中をおもんぱかった宗易の深い配慮と言葉に触れ、母を亡くした悲しみがこみ上げてくる。そんなとき、秀吉の工作により、織田信孝(金井祐太)が自害。織田信雄(山崎裕太)は、家康(北大路欣也)に秀吉の天下取りを阻止するため、共に戦を仕掛けようと話を持ちかける。
一方、安土城では三姉妹が久しぶりに秀吉と再会。秀吉は、美しい着物をまとった茶々の美貌に心奪われる。そんな秀吉の邪心にいち早く気づいた江は、秀吉から姉上を守ると宣言する。
(12)茶々の反乱
天正11年(1583)初夏、江たち三姉妹の部屋が華やかな着物で埋め尽くされていた。それは茶々に目をつけた秀吉の仕業だった。そのうえ、これまで三姉妹が身につけてきた母との思い出詰まる着物は処分され、茶々や江は激怒。侍女の着物を着て秀吉に激しく抗議する。そんな江の背後に、再び信長の姿を見た秀吉は震え上がる。
一方、初だけはきれいな着物を身にまといご満悦の様子。さらに秀吉は、豪勢な食事を次々と用意するが、茶々は着物も食事も一切受けつけない。江も箸を置き、初もしぶしぶ従う。こうして三姉妹と秀吉の攻防が始まる。 茶々は、秀吉の命のままに振る舞う石田三成(萩原聖人)にも強烈な侮蔑のひと言を投げつける。才気走る三成も、その瞬間雷に打たれたように茶々への思慕が芽吹く。空腹に苦しむ妹たちに心を痛めながらも茶々の戦いは続き、やがて三姉妹は、千宗易と対面。
一方、秀吉は黒田官兵衛(柴俊夫)から家康と織田信雄の不穏な動きについて報告を受けるが、茶々に夢中でうわの空。あきれるおねが、市より預かった遺言のことを挙げ、三姉妹は嫁に出すべきと忠告する。そのとき秀吉に名案がひらめき、江を嫁に出すことを決める。
(13)花嫁の決意
天正11年(1583)秋、茶々への恋心を募らせる秀吉は、突如、江を嫁に出すと告げる。秀吉は、茶々を我がものにするため江が邪魔だったのだ。秀吉は着々と、織田家ゆかりの尾張大野城の城主・佐治一成(平岳大)との縁組を進めるが、これにはある思惑があった。一成は、伊勢随一の水軍を持つ武将で、織田信雄の家臣。信雄は、家康と手を結び、打倒秀吉の戦準備を始めていた。そのため、江を佐治家に嫁がせることで、信雄から一成を離反させ、伊勢の水軍を羽柴家のものにするねらいがあった。
その思惑に気づいたおねは大反対。三姉妹も秀吉の勝手な行いに憤慨し、茶々は代わりに自分が嫁に行くと秀吉に詰め寄る。戸惑う秀吉は、この婚姻は、夢枕に立った信長の遺志であり、江が嫁に行くことで信雄との戦が防げると言い放つ。これはせっぱ詰まった秀吉の言い逃れだったが、その言葉が江の心を揺るがしていく。江は悩んだ末、茶々に手を出さないよう秀吉に約束させ、嫁入りを受け入れる。やがて、茶々と初と別れ、尾張大野城へと向かった江は、一成と対面するが…。
(14)離縁せよ
天正12年(1584)2月、江は尾張大野城で、佐治一成との婚礼の日を迎えた。しかし、乳母のヨシ(宮地雅子)から初夜の段取りを聞き、式の最中に倒れてしまう。一成の優しさに触れて元気を取り戻した江は、一成と共に、清洲城の織田信雄に挨拶に行く。そこに現れた家康に驚く江。実は、江の知らぬ間に、打倒秀吉に向けて、戦準備は着々と進んでいたのだ。一成は、秀吉からの誘いを断り、織田方として戦に出る覚悟であった。戦を止めるために嫁いだはずの江は、戸惑いを隠せない。茶々や初とも敵味方に分かれてしまうのだ。それから間もなくして、信雄・家康同盟軍と、10万の兵を率いる秀吉軍との戦が始まる。家康相手に苦戦を強いられる秀吉。甥 (おい) の秀次(北村有起哉)は、奇策があると秀吉の許しを得て出陣するが、すべて家康に見破られ、大打撃を受ける。ついに秀吉は、信雄の懐柔策に出て和睦に持ち込み、戦は突如終結する。
戦を終えた一成がようやく城に戻り、再会を喜ぶ江だったが、そこに茶々が病気で寝込んでいるという文が届く。一成は、江を早速、大坂城へと向かわせる。しかし、出迎えた秀吉は、「佐治一成とは離縁となった」と江に言い放つ。
(15)猿の正体
天正12年(1584)12月、秀吉によって、突如佐治一成と離縁させられた江は、怒りに打ち震えていた。城から抜け出そうと試みるが、大坂城の広大な敷地で迷子になり、城からは一歩も外へ出て行けない。秀吉への復しゅうを誓った江は、乳母のヨシを従え、秀吉の弱点とその正体を暴こうと、城中を調べて回る。石田三成を筆頭に、秀長(袴田吉彦)、黒田官兵衛(柴俊夫)、秀次、京極龍子、おね、千宗易とくまなく聞き込みを始めるが、秀吉の弱点を聞きだせず、誰ひとり秀吉を悪く言う者もいなかった。全くらちが明かず、江は秀吉に直接会ってその正体を探ろうとする。しかし、秀吉に話をはぐらかされたばかりか、甥 (おい) の秀次をどう立派な武将に育てればよいか、相談に乗ってしまう。
その後、城内に秀吉が病で寝込んでいるとのうわさが流れる。急ぎ秀吉のもとへ向かう江。しかし、そこには秀吉の元気な姿が。江はついに、秀吉の思わぬ本性を目のあたりにする。
(16)関白秀吉
天正13年(1585)初夏、大坂城がにわかに騒々しくなる。秀吉の母・なか(奈良岡朋子)が娘のとも(阿知波悟美)や旭(広岡由里子)らを従えて現れたのだ。江はなかとの再会を喜ぶが、その席で秀吉は将軍になると宣言。おねはあきれ、なかは笑い者にするが、本人は真剣だった。何より茶々のために将軍になりたかったのだ。秀吉は、秀長を遣わし、足利義昭(和泉元彌)に養子にさせよと頼みこむが、即座に決裂。義昭は怒りをあらわにする。それでも諦めない秀吉は、帝の次に偉い関白を目指すと宣言。織田家と近しい五摂家筆頭の近衛家に接近。金銀財宝を惜しまず贈与し、見事近衛家の養子となる。
そんな折、大坂城に細川忠興(内倉憲二)とたま(ミムラ)が訪ねてくる。たまは、本能寺の変ののち謀反人の娘となり長い幽閉生活を強いられていたが、秀吉によって幽閉を解かれ、細川家に戻ってきたのだ。たまは三姉妹と再会し、キリシタンの教えのおかげでつらい日々を乗り越えられたと語る。一方、秀吉は次期関白の座をめぐる摂家同士の争いにつけ入り、ついに関白職を手にする。喜び勇んで京より大坂城に舞い戻ってきた秀吉は、誰よりも先に茶々に報告する。
(17)家康の花嫁
天正13年(1585)7月、秀吉は関白宣下を受け、天下人への道を着々と歩んでいた。10月には宮中で前例のない茶会を開き、後見役の千宗易は「利休」と名を改めた。江は、関白となった秀吉の執心に茶々が屈しないかと気がかりであった。しかし、そんな秀吉にも、思いどおりにならないものがあった。家康である。家康は小牧・長久手の戦以来、秀吉と距離を置き、秀吉から上洛を促されても挨拶に現れないのだ。
そんな折、信長の四男で、秀吉の養子となっていた秀勝が18歳の若さで病死。秀吉は三姉妹のもとに、姉・ともの次男(AKIRA)を連れて現れ、小吉改め秀勝と名づけたと報告。さらに、江に家康を呼びつける策を相談するが、江は一方的に思いを通そうとする秀吉に卑怯千万と言い放つ。関白をも恐れず思うままを口にする江に、秀勝は思わず噴き出してしまう。その後、江の言葉から妙案を思いついた秀吉は、妹の旭を家康に嫁がせる。家康は、旭を妻に迎えたものの、またも上洛を拒否。ついに秀吉は、大政所をも送り込むことに。これにはさすがの家康も折れ、事態は収束。そののち、秀吉は茶々を茶室へと招く。母や妹に強いた犠牲に報いるため、ずっと茶断ちをしていたと告白。そんな秀吉の予期せぬ純真さに触れ、茶々の心が揺らぐのを江は見逃さなかった。
(18)恋しくて
天正15年(1587)正月、大坂城奥御殿で、羽柴家の一族と江たちが一同に会した。秀吉は帝を補佐する太政大臣となり、「豊臣」の名もすでに賜ったことを得意満面に告げる。さらに九州攻めを決め、出陣命令を下す。そんな秀吉に対して唯一ズバズバと思ったままを口にする快活な秀勝の姿に、江は恋心を抱く。一方、初は、大坂城内で見慣れぬすてきな男子を目撃。その顔立ちと立ち姿に一目ぼれするが、それは龍子の弟で、ダメ男とうわさのある高次(斎藤工)だと紹介され、ショックを受ける。一方、秀吉と対面した茶々は、九州攻めより帰った暁には聞いてほしいことがあると告げられ戸惑う。
夏も盛りになるころ、ついに秀吉は九州を制圧。さらに、九州におけるキリシタンの勢いを恐れた秀吉は、バテレン追放令を下す。たまは衝撃を受けるが、密かに洗礼を受けることを決意する。やがて、秀吉たちは大坂に凱旋。初は龍子の計らいで高次とふたりきりになる。そこで、高次の嫌いなものが菓子であることを聞かされ、またショックを受ける。一方、江も秀勝と再会する。しかし秀勝は、九州攻めの武功の少なさに不満を言い、秀吉の怒りを買って追放となったと告げる。そして茶々は、秀吉から呼び出され、茶々に対する思いを聞くことになる。
(19)初の縁談
茶々が秀吉の側室になる話を拒否したことを、江は初に打ち明けた。しかし、初は一目ぼれした高次のことで胸いっぱい。龍子から、高次が初のことを憎からず思っていることを知らされ、さらに胸をときめかせる。だが、信長の姪 (めい) であり政略結婚の最高の駒となる初が、自ら望む相手と結婚するなど無理だと龍子に諭される。捕らわれの身である自らの境遇を恨み、落ち込む初は、高次のもとに嫁げるよう秀吉に頼んでもらえないかと茶々に懇願。江は、そんなことをすれば、それこそ秀吉の思うツボと大反対する。破れかぶれの初は、城内で高次と出会うが、「そなたのような男子は大嫌いだ」と心にもないことを言い捨ててしまう。そんな妹をあまりにも不憫 (ふびん) に思った茶々は、ある決意を胸に秀吉のもとを訪ねる。
茶々のおかげで、初の婚姻が決まり、初は江たちとの別れのときを迎える。その夜、茶々は秀吉と対面。初の自由の見返りに、自らの身を秀吉に捧げると申し出る。しかし、秀吉は力ずくで手に入れるつもりはないと自らの思いを語る。ところが数日後、秀吉が若い側室とベタついているところを見た茶々は、思い切り秀吉の頬を張り…。
(20)茶々の恋
天正15年(1587)秋、江のもとには、京極高次に嫁いだ初からの文が届き、そこには高次との結婚生活がいかに幸せか、のろけばかりがつづられていた。江はあきれるが、何より茶々のことが気がかりだった。江は、龍子や千利休に相談に行くが、茶々の胸に秀吉への思いが芽生えたと指摘され、江は面白くなく、その場を離れる。
しかし、最も茶々の思いに鈍感だったのは、秀吉本人だった。茶々から完全に拒絶されたと思い落ち込む秀吉は、北政所の前で、思いが届かぬ茶々の近くにいるのはつらすぎると語り出し、京の聚楽第に住まいを移すことになる。秀吉が京に移ったことを、江は誰よりも喜んだ。しかし、茶々の様子はおかしく、その胸の内では、秀吉への思いが高まるばかりだった。
ある日、京からやってきた秀吉が、公家の名門・万里小路家と茶々の縁談を決めたことを告げる。衝撃を受ける茶々だが、秀吉の言葉を受け入れ、縁談が決まる。しかし、秀吉が聚楽第へ帰る前夜、茶々と秀吉はふたりきりで対面することに。そしてついに秀吉と茶々は、互いの思いを確かめ合うのだった。
(21)豊臣の妻
天正16年(1588)秋、江は、茶々が秀吉と結ばれたことを知り、ショックを受ける。一方秀吉は、帝を聚楽第に招いた折、家康と利休の前で茶々とのことをのろけるが、逆に江の話を持ち出され、幸せ気分に水を差される。その後、秀吉が茶々に会いに来ていると聞いた江は、秀吉のもとへどなり込みにいく。しかし、秀吉の味方に付く茶々の姿を見た江は、部屋から飛び出してしまう。
江が茶々を避ける日々が続いた。江は、龍子に相談にいくが、秀吉の側室にもかかわらず全く気にしない様子の龍子に、江は話を切り上げて出ていく。久しぶりの再会を果たした秀勝にも、茶々を許したいけれども許せない、という胸の内を見透かされてしまう。
そんななか、久しぶりに初が大坂城にやってくる。三姉妹がそろったところで、茶々は秀吉との間に子ができたことを告げる。「子ができたことで、秀吉とのことを母上と父上に許された気がする」と語るが、江はさらに態度を硬化させる。そんな折、北政所が江のもとを訪ねてくる。そこで江は北政所の複雑な思いを聞くのだった。
(22)父母の肖像
天正17年(1589)正月、豊臣秀吉は茶々との間に子を授かったことを祝い、淀の地に城を築くことを決める。出産まで4か月あるにもかかわらず、男子の物をそろえる秀吉の姿に江はあきれるが、茶々も「男の子を産む」と宣言。秀吉に、男子だったら叶えてほしい願いがあると申し出る。
ついに淀に城が完成。秀吉はこの城を茶々に与え、茶々は「淀」とよばれる。そして、淀は男子を出産。秀吉は「鶴松」と名付け、溺愛する。そこに、嫁に行った初と夫・京極高次が訪ねてくる。鶴松の誕生を我がことのように喜ぶ初と高次。その仲むつまじい2人の様子に、江はふとさみしさを覚え、北政所に自分の居場所がないとこぼす。そんな江に食ってかかる秀次。北条攻めに向けた軍議で、叔父・秀吉に相手にされず、秀次も自分の居場所を見失っていたのだ。その後淀は秀吉に、鶴松を産む前に交わした願いを口にする。それは父・浅井長政と母・市の菩提を弔う追善供養を行うことだった。秀吉は、淀のけなげな願いを快く聞き入れる。そんな姉と秀吉に夫婦の絆を見せつけられた江は、再び自分の居場所のなさを痛感する。
一方、駿府城では、北条攻めが決まった家康が、三男・竹千代(向井理)に初陣が近いことを告げる。しかし、竹千代は父のやり方が気に入らず、父への不満を口にする。
(23)人質秀忠
天正18年(1590)1月、秀吉の妹・旭が病に倒れる。見舞いに駆けつけた江は、豊臣家の人質となっていた家康の子・竹千代と初めて出会う。竹千代は全てに冷めた皮肉屋だった。秀吉は徳川家に恩を売ろうと、悲しみに沈む母・大政所の手で竹千代を元服させ、「秀忠」と名乗らせる。母を政治に利用する秀吉に怒る江だが、秀忠は他人事のようにあざ笑うばかり。2人の初対面はけんか別れとなってしまった。
一方、三成は利休の排除に動き、利休が政治に立ち入ろうとしていると秀吉に訴える。利休と秀吉の間に溝が生じていく。やがて秀吉は関東の北条家を攻める大軍を発し、淀を戦場に呼び寄せる。淀を案じた江も一緒に赴くことに。戦場で江を待っていたのは、思いを寄せていた秀勝との再会だった。共に従軍していた秀忠に恋心を見抜かれ、からかわれた江と秀勝の仲はさらに接近していく。
そしてついに、北条家が降伏し、秀吉は天下統一を果たす。しかし、天下人として慢心する秀吉に、利休だけは服従しようとはしなかった。
(24)利休切腹
天正18年(1590)7月、秀吉は勝利に終わった北条攻めの論功行賞として、家康に対し、所領を加増すると見せかけて関東への国替えを命じる。大名としての力を大きくそがれる非情な裁定を受け入れ、家康は新たな拠点となる江戸へ旅立つ。
一方、江は、傲慢さを増す秀吉を公然と批判。茶頭辞任を申し出た利休を案じ、秀吉の甥・秀勝に相談する。秀勝へ淡い恋心を寄せる江。父・家康に従い江戸へ向かうことになった秀忠は、そんな江を冷やかしつつ、別れを告げる。
その後、嫡男・鶴松を溺愛する秀吉は、朝鮮通信使との謁見の席に、まだ幼い鶴松を同伴。古来の儀礼を無視し、大陸侵攻への野心まであらわにした秀吉に通信使は激怒、会談は決裂する。そんななか、秀吉の良き理解者であり、なだめ役であった弟の秀長が病に倒れる。死の床で秀吉をいさめた末、秀長は逝く。旭に次いで秀長を失った秀吉は、北政所、大政所と共に悲しみに暮れる。激しく落ち込む秀吉に対し、三成は己が敵視する利休の断罪を進言。そしてついに秀吉は、利休に切腹を申しつける。
(25)愛の嵐
秀吉に切腹を命じられた利休はその身柄を3,000もの兵が囲む屋敷に移されていた。
江は秀吉に会い、利休の切腹を止めさせようとするが、秀吉は逃げるように部屋から出ていく。何とか利休に会おうとする江の前に秀勝が現れる。2人は炭屋に変装をし、利休が捕らわれている屋敷にもぐり込むことに。利休を前に、秀吉に謝って生きてほしいと懇願する江。しかし、利休の決意を翻すことはできない。嵐の中、切腹に至る利休。悲しい知らせに涙する江。秀勝はその無念の思いを受け止め、江を抱きしめた。
利休の切腹から5か月後、さらなる不幸が起こる。秀吉と淀の子である鶴松がわずか3歳にして病死。悲しみに暮れる淀のもとに初や江が駆けつけるが、淀にはどんな言葉も届かない。一方秀吉は、激しい悲しみの中、全国の大名に朝鮮出兵の命を下す。さらに、関白の座を甥の秀次に譲り、自らは太閤となる。
そんななか、江と秀勝の縁談が突如持ち上がる。
(26)母になる時
天正20年(1592)、江は秀勝と結婚し、京の聚楽第に居を移す。愛する人の妻として生きる喜びにあふれる日々を送っていた。2人は秀吉の命で、関白となった兄・秀次を監視する役目を負う。兄を心から慕う秀勝は、監視は無用であると考え、江にも兄のことを理解してほしいと秀次のもとへ連れていく。そこで江は、文学好きで心優しい秀次の意外な一面を見て驚く。
春、秀吉は朝鮮への出兵を決め、秀勝も八千の兵を率いる大将として出陣することに。江は不安を抱きつつ、夫の武運を祈り、送り出す。一方、江戸では父・家康を九州へと送り出した秀忠が、秀吉の蛮行に従う父を批判する。大坂城の淀は、鶴松の死を乗り越え、「子が欲しい」と九州の秀吉のもとに旅立つ支度をしていた。京で不安な日々を過ごす江だったが、秀勝の子を宿したことに気づく。自分ひとりではなく、「ふたり」で愛する人を待つことで少しだけ不安が薄らいでいた。
7月、秀吉の母・大政所が、病でみまかる。急ぎ九州から戻った秀吉は、仏前で江と対面するが、涙も枯れて呆(ぼう)然自失の秀吉には、江のどんな言葉も届かない。そして、出産を間近に控えた江のもとに、秀勝が亡くなったとの知らせが朝鮮から届き…。
(27)秀勝の遺言
江は初めての子・完を産むも、夫・秀勝を失った悲しみから抜け出せず、わが子を抱くことすらできないでいた。一方、江戸では秀忠が家臣・本多正信相手に、秀吉の蛮行をあざ笑っていたが、秀勝死去の知らせに、いつになく神妙な表情を浮かべる。
年が改まり文禄2年(1593)、姉・初が聚楽第を訪れ、江を立ち直らせようと奮闘する。しかし、江は悲しみに暮れるばかり。そんななか、江のもとにガラシャがやって来る。ガラシャは、本能寺の変以来の自分の不遇、そしてキリスト教への信心によって救われたことを語り、「あなたの強さを信じて」と江を励ます。そして、九州から大坂に戻った淀と再会した江。淀は再びの懐妊を告げ、「希望を持つのじゃ」と語りかけるが、江はそれでも立ち直れない。そんなとき、朝鮮から秀勝の遺品と文が届く。「そなたに何も残してやれなかった」とわびる秀勝の言葉に、江は涙しながらも、そっと完を抱き上げる。
8月、淀が男児を出産する。「拾」と名付けられたその子こそ、のちの秀頼である。喜びに沸く豊臣家のなかで、一人不安を覚えるのは関白・秀次。豊臣家の跡継ぎを巡って、不穏な風が吹き始めたことを、江も感じていた。
(28)秀忠に嫁げ
秀吉は新たに伏見に城を築き、淀と拾を迎え入れた。秀吉のあからさまな溺愛ぶりに、関白・秀次は自分が排除されるのではと恐れ、酒とタカ狩りで気分を紛らわす。江は、そんな義兄・秀次が心配でならなかった。そこへ家康が息子・秀忠を伴って訪れる。それは、秀次のご機嫌うかがいを装った偵察だった。そうとは知らない秀次は、改めて秀忠を招き、なんとか徳川を味方につけようとするが、秀忠は悠然とかわす。そんな2人のやり取りを目の当たりにした江は、不安を募らせる。そして、「淀と拾を頼む」という秀吉の言葉からその心中を察した三成が動き出す。「太閤殿下への謀反の疑いあり」と証拠を積み上げ、秀次を高野山追放へと追い込んだのだ。江は、切腹を命じられた秀次のもとを訪れる。しかし、江の説得もむなしく、秀次は切腹して果てる。
秀吉はこれに満足せず、秀次の家族をことごとく処刑し、聚楽第を焼き払った。あまりの非道に怒る江。そんな江に追い打ちをかけるように、秀吉はさらなる命令を下す。「そなた嫁に行け」。その相手は、なんと秀忠だった。
(29)最悪の夫
江は、秀忠に嫁げという秀吉の命令を拒み続けていた。一方の秀忠は、父・家康に「私の人生は父上の意のまま」と言い放ち、まるで他人事のように婚儀を受け入れる。
三成に婚儀の準備を進めさせる秀吉に、江はますますかたくなになり、初の説得も耳に入らない。家康はそんな江を訪ね、「ぜひ徳川に嫁に来ていただきたい」と頭を下げる。家康の真摯な言葉に動かされた江は、「娘・完を連れていけるならば」と一旦は婚儀を受け入れる。しかし、挨拶に訪れた淀のもとで、秀吉に「完を置いていけ」と言われ、しかもそれが淀の提案だと聞き失望。再び婚儀を拒否する。怒りを募らせる江を訪れた淀は、「完のため」という真意を語り、覚悟をうながす。江は、「姉上が命がけで完を守ってくれるのなら」と涙ながらに娘との別れを決意する。文禄4年(1595)9月。「二度と会わない」と、幼い娘との今生の別れをした江は、徳川家に輿入れした。
祝言の終わった夜、かいがいしく妻としての挨拶をする江に、秀忠は「無理に夫婦になる必要はありません」と言い、さっさと床に就いてしまう。最悪の夫との生活が始まった。
原作・脚本:田渕 久美子
音楽:吉俣 良
テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
テーマ音楽指揮:下野 竜也
演奏:弦 一徹オーケストラ
題字:菊池 錦子
──────────
[出演]
上野 樹里 (江)
宮沢 りえ (淀)
水川 あさみ (初)
向井 理 (徳川秀忠)
鈴木 保奈美 (市・語り)
平 岳大 (佐治一成)
AKIRA (豊臣秀勝)
萩原 聖人 (石田三成)
ミムラ (細川ガラシャ)
斎藤 工 (京極高次)
鈴木 砂羽 (京極龍子)
北村 有起哉 (豊臣秀次)
小林 隆 (織田信包)
苅谷 俊介 (本多忠勝)
袴田 吉彦 (豊臣秀長)
清水 綋治 (北条氏政)
柴 俊夫 (黒田官兵衛)
和泉 元彌 (足利義昭)
石坂 浩二 (千 利休)
奈良岡 朋子 (大政所)
岸谷 五朗 (豊臣秀吉)
草刈 正雄 (本多正信)
大竹 しのぶ (北政所)
北大路 欣也 (徳川家康)
──────────
制作統括:屋敷 陽太郎・櫻井 賢
ブロデューサー:大杉 太郎
演出:伊勢田 雅也・野田 雄介・吉田 努・田中 正
本文のストーリーは、NHK公式ホームページ『江 〜姫たちの戦国〜』の
あらすじ欄よりそのまま引用しました。
なお、出演者名(敬称略)は総集編の出演ではなく、
該当期間の本編に出演し、ピンクレジットで紹介された方を
順不同で並べ替えたものです。
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コメント
Kassyさん コメントを戴きましてありがとうございます^^
『101回目のプロポーズ』時代劇版
このドラマ思いっきりハマッていました♪
時代劇版ですか!F岡限定なんでしょうね。ん~でも是非見たいですね。これは。
Kassyさん
いつも最新情報をお教えいただき心から感謝しております。
今後とも何かとお世話になるかと思いますが、どうぞよろしくお願い致します^^
──────────
金八2ファンさーん。こんにちは!
今日もコメントありがとうございまーす。
>時代劇版ですか!
そのようです(笑)。
劇場公式サイトから作品パンフレットを
ダウンロードできるのですが、
内容を拝見しますと、ちと笑える……と言いますか
元祖をご覧になっておられた方ほど
舞台をご覧になりたくなるような作品のようでした。
あまりに有名なあのシーン、セリフは
時代劇版としてどうアレンジされるのでしょうね。
実に楽しみです。
>いつも最新情報をお教えいただき
いえいえ!
特に最新情報を競って!
というわけではないのですけど(^ ^;;)
こういった形でよろしければ。。
こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。
※ 実は当ブログには、一部公的記事を除いて
地名や人名、施設名などの固有名詞に
伏せ字を伏すという暗黙の(?)ルールがありまして、
(↑ご存じなくて ごもっともなのです)
勝手乍ら、いただいたコメントを
一部改変させていただきましたことを
お許しくださいm(_ _)m
投稿: ★金八2ファン | 2011年12月30日 (金) 10:38