大河ドラマ平 清盛・(02)無頼の高平太
大治3(1128)年──。
平太はとある賭博場におります。
双六の勝負で賽を投げては勝つ平太に
一人勝ちは許さぬ とごろつきたちがつかみかかりますが、
大きな宋剣を振り回す平太に圧倒され、たじろぎます。
「無頼の高平太だ!」
逃げる平太、追うごろつき。
しかし平太が仕掛けたワナに次々にはまり、
歯が立ちません。
そんな不良の平太を快く思わない叔父の忠正は
平家の嫡男としての器量に疑いを持ち、
忠盛と正妻・宗子との子である平次を跡継ぎに推挙します。
平太に元服話が舞い込んで来ました。
元服すれば官位も授かり、晴れて貴族の仲間入りです。
しかし平太は、そんな敷かれたレールの上を走らされるような
単純な男ではありません。
ただ、父の「わしは容赦はせぬぞ」という気迫に押されて
くそっ、と京の町へ飛び出して行きます。
愛馬にまたがって夜の京を駆けていたとき、
平太自ら掘った穴に馬が驚いて平太を振り落としていきます。
「くそーっ……誰なんだ俺は!」
そう叫んだとき、近くから
「誰でもよいから助けてくれーっ」と声が聞こえます。
平太が掘った穴に学者風の男が落ちていたわけです。
遠くには、月を隠すほどの黒い煙りが上がっていますが、
あれは白河院による“殺生禁断令”によるものであります。
つまり、狩りや漁を禁止することで、不要になった漁網を
御所門前で焼くように命じておりまして、その煙であるわけです。
法皇によって譲位させられた鳥羽上皇は
妻を祖父(法皇)に寝取られ、
今の天皇の父は(表向きは自分ながら)祖父であることを
自らあざ笑っておりますが、
それでも寝取られた妻(后)の璋子の元に通い詰めております。
上皇が法皇に受けている辱めをもってしても、
璋子の女の魅力には勝てないということでしょうか。
璋子を見た瞬間、表情がパッと明るくなっています。
明けて大治4(1129)年、
平太の元服の儀式が執り行われます。
まぁ、平太もあんな感じてはありますので
すんなりと加冠の儀を受けるとも思えず
滞りなくことが終わるわけもないのですが、
侍大将・伊藤忠清によって力で抑え込まれ
不本意ながら加冠の儀を受けさせられています。
それは忠盛もすでにお見通しであります。
『清盛』
ここに平 清盛の誕生であります。
幼い頃からの顔なじみである滝次・鱸丸(すずきまる)親子にも
法皇が出した殺生禁断令の影響をモロに受けております。
村の長である滝次は、飢える仲間を見捨てておけず
御法度と知りながら漁をして捕まってしまいます。
清盛は、てっきり忠盛が
滝次を助け出しに行ってくれると信じておりましたが、
「法皇様の命に背いた滝次が過ち」と
黙して沙汰を待つ立場です。
罪なき民を泣かせて、武士など名乗れるか!
そう叫んだ清盛は、雨の中を飛び出して行きますが、
忠盛は清盛の言葉に呆気にとられ、次第に笑みが溢れます。
「己を……武士だと申したぞ?」
加冠の儀の時、加冠役を務める
藤原家保・家成親子に言われたことでもあります。
──白河院も御年76、少々お耳が遠くなっておいででしょう。
表で野良犬がいくら吠えても聞こえませぬ。
せめて飼い犬となって、お耳の側で吠えませぬとな──
というわけで、滝次救出のために
清盛はいきなり御所へ乗り込みます。
本来であれば御所へ、しかも絶大なる権力者である法皇に
アポなしで会えるわけもないはずですが、
物語上、ナント会ってくれるわけです。
会ってやらねば、物語が進まないので(笑)。
ま、こういったくだりは……慣れましたわ(笑)。
昨年の『江』を見ている立場としたら
まだまだ可愛いげのある成り行きです。
漁によって行われた殺生を禁止すれば
それを生業にしている漁師が飢え死にするわけで、
その殺生はどうでもいいのか、と
清盛は、この殺生禁断令がいかに矛盾だらけかを主張し、
法皇を“生きるもののけがごとき振る舞い”とまで
言い放ちますが、
清盛は、その生きるもののけの子です(^ ^;;)
法皇の方が、一枚上手であります。
結局、鱸丸の父・滝次を助け出すことができず
滝次は捕らえられたまま亡くなります。
石清水八幡宮で、祭りが始まります。
「本日の祭りは見ものでござりまするぞ」
と声をかけたのは、清盛の加冠役を務めた藤原家成、
声をかけられたのは高階通憲であります。
桟敷では、法皇と祗園女御も見物しております。
キレイに化粧をした清盛は舞い始めますが、
持っていた太刀を投げ捨て、鱸丸が投げた宋剣を受けて
荒々しい舞に変わっていきます。
清盛の後見役・平 家貞は内心ハラハラですが、
忠盛は首を横に振って事態を見守っています。
宋剣を持って激しく舞う清盛を見て、通憲は
穴に落ちたのを助けてくれたのが清盛だと思い出します。
高く飛んで宋剣を法皇に突き出したかと思うと、
地面に深く突き刺し、舞は終わります。
法皇は表情一つ変えず、その場を立ち去ります。
清盛の、事を成し遂げたという
晴れ晴れした表情が印象的です。
4ヶ月後の7月7日には
長きに渡り権勢を誇った白河院が崩御されたことにより、
良くも悪くも保たれていた均衡が崩れて
乱世への道を辿ることになります。
──────────
大治4(1129)年7月7日、
白河法皇が77歳にて崩御。
治承4(1180)年8月17日、
源 頼朝が挙兵して平氏に反旗を翻すまで
あと51年1ヶ月──。
作:藤本 有紀
音楽:吉松 隆
題字:金澤 翔子
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松山 ケンイチ (平 清盛)
玉木 宏 (武者丸)
三上 博史 (鳥羽上皇)
豊原 功補 (平 忠正)
金田 明夫 (鎌田通清)
吹石 一恵 (舞子(回想))
──────────
松田 聖子 (祇園女御)
檀 れい (待賢門院 璋子)
りょう (堀河局)
阿部 サダヲ (高階通憲)
岡田 将生 (源 頼朝・語り)
杏 (政子)
──────────
伊東 四朗 (白河法皇)
小日向 文世 (源 為義)
和久井 映見 (宗子)
上川 隆也 (鱸丸)
國村 隼 (藤原忠実)
中村 梅雀 (平 家貞)
中井 貴一 (平 忠盛)
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制作統括:磯 智明
:落合 将
プロデューサー:櫻井 壮一
演出:柴田 岳志
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『平 清盛』
第3回「源平の御曹司」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
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