プレイバック新・平家物語 総集編下ノ巻
平成24年のNHK大河ドラマ『平 清盛』の放送開始まで
いよいよ残り1日となりました!
予告編を見る限り、(いい意味で)とても土臭い
エネルギッシュな清盛サンですが、
こちらの(↓)清盛さんはどんな感じでしょうか。
平 清盛を主軸に描いた大河『新・平家物語』の総集編・後篇です。
ふたつの大きな戦いが終わって、十年の月日が流れました。
時は嘉応2(1170)年、清盛53歳の春であります。
清盛はすでに太政大臣に任ぜられ、
衰亡の藤原氏に代わって、平家一門で要職が占められています。
清盛や後白河法皇は入道姿ですが、
演者の仲代達矢さん、滝沢 修さんとも
実際に剃髪なさっておられるというのが
さすがは役者魂というところです。
屋敷内の庭で優雅に琴を弾いている清盛の娘・徳子ですが、
彼女に入内の話が持ち上がります。
そこへやって来られたのが高倉帝で
「美しい調べであった」とご満足です。
一方、ご不満なのは後白河法皇です。
清盛の夢である大輪田泊の工事についてであります。
平家の軍事力や経済力がこれ以上増大することを
危惧してのことかもしれません。
徳子は高倉天皇に嫁ぐことになりました。
前日の夜、粉雪が静かに舞い落ちる中を
娘が父に手をついて挨拶をするという美しい場面です。
「いつまでも……お健やかにて……」
鞍馬山鞍馬寺で、天狗たちとの剣術の鍛錬も繰り返され、
たくましく成長した牛若丸、16歳。
暗闇の中を、母・常磐の元へ出向きます。
これから東国へ向かう、との告白を受け
常磐としてはいろいろ言いたいこともありますが、
それをグッと飲み込んで、見送るしかありません。
そしてもうひとり、
平治の乱の後にこぼれ落ちた源氏の種が
伊豆・蛭が小島に育っていました。
源 頼朝であります。
歴史は、変わりつつあります。
後白河法皇を中心に進められた平家打倒の謀議は、
多田行綱の密訴により清盛に知れてしまいます。
世に言う「鹿ヶ谷の陰謀」事件です。
しかし処分は、首謀者の処刑と謀議参加者の配流にとどめ、
清盛は後白河法皇自身の責任は問いませんでした。
治承2(1178)年11月12日の明け方、
中宮徳子は玉のような男子を出産しました。
のちの安徳天皇であります。
安産を聞いた時の清盛は放心状態ですが、実は大喜びです。
単なるおじいちゃんになっただけではなく、
将来の天皇となる孫というわけですからね。
喜びもひとしおでありましょう。
しかし子の重盛は徐々に健康を害しておりまして
ついに亡くなってしまいます。
後白河法皇の院の御所では、法皇と源三位頼政との間で
またしても平家打倒の密議がかわされています。
法皇の子・以仁王を奉じて……というものです。
治承3年11月。
清盛は、法皇を鳥羽の北殿に押し込めてしまいます。
こういった都の出来事は、以仁王や源三位頼政らの
平家追討の計画を更に強く進めていくことになります。
以仁王による「平家追討」の令旨を全国の源氏武将たちへ送ります。
しかし、そういった情報もまたたく間に清盛の耳に入ります。
「飼い犬に手を噛まれたか──」と大笑いする清盛は
以仁王が難を逃れる三井寺へ軍勢を攻め込ませます。
以仁王は次第に追いつめられ、源三位頼政により首を討たれます。
死んだ以仁王の「平家追討」の令旨が届きました。
6月、伊豆蛭ヶ小島より頼朝が挙兵します。
8月17日には、北條時政が頼朝方に味方し
奥州にいた義経は頼朝の元へかけつけます。
全国各地でくすぶり始める、平家追討の火。
清盛には、若い頃の鋭い眼光もくすんで見え
弱々しく感じられます。
熱病におかされた清盛の病状は、
時子らの看病にもかかわらず悪化する一方であります。
「生きたい……生きねばならぬ」
──治承5年、春。
清盛は、胸に一門を抱きかかえるように両腕を大きく広げて、
目を見開いたまま、波乱に満ちた生涯を終えました。
享年64歳でした。
清盛亡き後の平家の衰退は目も当てられぬほどで
雲霞のごとく攻めかかる木曾義仲の軍勢に、
平家は撤退していくばかりです。
寿永2年7月、平家はついに都落ちを決意。
そして義仲は、巴と念願の都入りをします。
御所を襲撃した義仲は、後白河法皇を押し込めて
征夷大将軍になって独裁体制を敷きますが、
そのころにはすでに
義仲追討の院宣を受けた鎌倉軍が迫ってきていました。
寿永3年2月、
義経を大将とする源氏軍は一の谷の平家軍に不意討ちを仕掛け、
不意を襲われた平家軍は大混乱。
敦盛は熊谷次郎直実との一騎打ちで敗れ、
短い生涯を終えます。
寿永4年3月、壇ノ浦。
壇ノ浦特有の潮の流れを利用して、平家は背水の陣を敷きますが
その戦いにも敗れ、平家は海の藻くずと消えていきます。
壇ノ浦で源氏の手によって救い出された建礼門院徳子は
出家し、直如覚と名乗っています。
そこへお忍びで訪ねてきた法皇は
清盛の生前にもらったという品を直如覚に渡し、
直如覚は涙ながらに受け取ります。
それから数年も経ずして法皇はみまかり、
これ以降この地を離れなかった直如覚も
人知れず、ひっそりとその生涯を終えました。
──祗園精舎の鐘の聲 諸行無常の響あり
娑羅雙樹の花の色 盛者必衰の理を顕す
奢れる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし──
原作:吉川 英治
脚本:平岩 弓枝
音楽:冨田 勲
語り:渡辺 美佐子・福本 義典
タイトル題字:望月 美佐
──────────
[出演]
仲代 達矢 (平 清盛)
中村 玉緒 (二位尼時子)
山崎 努 (平 時忠)
──・──
若尾 文子 (常磐御前)
高橋 幸治 (源 頼朝)
栗原 小巻 (政子)
志垣 太郎 (源 義経)
加東 大介 (北條時政)
佐藤 允 (武蔵坊弁慶)
岡田 英次 (熊谷次郎直実)
林 与一 (木曽冠者義仲)
古城 都 (巴御前)
芦田 伸介 (源三位頼政)
──・──
緒形 拳 (阿部麻鳥)
藤田 まこと (朱鼻ノ伴卜)
和泉 雅子 (蓬子)
北大路 欣也 (以仁王)
片岡 孝夫 (高倉帝)
佐久間 良子 (建礼門院徳子)
滝沢 修 (後白河院)
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演出:清水 満・岡本 憙侑・樋口 昌弘・馬場 清
制作:古賀 龍二
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