プレイバック義経・(02)わが父清盛
長寛3(1165)年・平 盛国屋敷──。
平 清盛の子である知盛、重衡らと相撲に興じる牛若。
池に突き落とされても「いま一度!」と立ち向かう姿は
いい武将になれそうですが、
池禅尼の助命嘆願に加わった平 重盛も
あくまでも敵方の子どもが平氏の子どもらと交わるのは
いかがなものかと清盛に談判。
ただ、常盤のことを言われた清盛は
「分かっておる!」と席を立ってしまいます。
盛国の屋敷から常盤の元へ帰る途中の牛若は
京の街道筋で盗賊たちが
食い物を盗んで逃げていくところを目撃。
その後ろからは、主を失った馬が単騎 猛突進してきます。
しかしその先には、馬の存在に気づかない女の子が。
牛若は思わず女の子を突き倒し、
馬に向かって両手を大きく広げて行く手を遮ります。
馬の後から追いかけてきた男に
「お前も盗賊の一味か!?」とさんざんに殴られた牛若は
それでも身の潔白を証に男の前に立ちはだかります。
黄金の屏風を前に、清盛はいかにも満足げです。
そこには、清盛の夢である摂津福原の都が描かれています。
その横では、牛若が竹とんぼをとばしているのですが
足元にポトリと落ちた竹とんぼを見下ろし、
牛若はしょぼんとしています。
いつものような明朗な挨拶ではなく、
ちょこんと頭を下げる程度。
聞けば、
清盛が作ったお気に入りの竹とんぼを無くしてしまい
自分で作ってみたのですが、
これがまた全然飛んでくれないわけです。
どれ、と清盛は牛若が作った竹とんぼを手に取り
「ココをもそっと削るがよかろう」とアドバイス。
牛若は目をらんらんと輝かせ、無心に削っています。
もはや7歳となった牛若を見て、
さてその処遇はどうしたものかと清盛は考え始めます。
清盛が通いつめているという常盤の存在を耳にした
清盛の妻・平 時子は
常盤が盛国屋敷に呼び出されたのをいいきっかけに
常盤に会うことにします。
といっても、清盛の妻という立場ではなく
盛国の妹ということにして、です。
あぁ、女ってコワい(笑)
時子を清盛の妻だと知らない常盤は
清盛から「慈悲を賜りました」と正直に答えるわけですが、
「慈悲をなぁ」と、時子が大きな目で見据えるのを
常盤はなんとなく感じ取っています。
しかも、常盤が妊娠していることに
女性としていち早く気づいた時子は、
もう頭の中がぐちゃぐちゃのパニックに陥っています。
清盛の元を宋人が内々に訪問することになりました。
清盛は重盛と宗盛に都合を確認しますが、
「陰陽師に占わせてからご返答したいのですが」と
宗盛は言ってしまい、清盛を激怒させます。
ともかく、2日後に宋人を自邸に招いた清盛は、
あの福原の都が描かれた屏風絵を披露することにしますが、
そこには、牛若の落書きがありました。
目を丸くして屏風絵と清盛の顔を見る一同……。
牛若が清盛にきつく怒られることを期待している宗盛は
にんまりとしていますが、
呼び出された牛若には、決して悪びれた様子はありません。
青く描かれた部分を指さし、
「わたしには、これが何なのかが分かりません」と
まっすぐな瞳で清盛を見つめています。
清盛は、それが海であることを説明するために
牛若の落書きにさらに手を加えて帆船を描き
牛若を叱るどころか、丁寧に夢を語っています。
宗盛よりも、牛若の方が利口に写ったようです。
宋人との対面が終わった後、
宗盛はムシャクシャして、屏風絵に石を投げつけています。
そんな感じで、陰湿さが目立ってきた宗盛ですが、
嘆く清盛に、時子は宗盛をかばいます。
本妻の子どもには厳しく
他所の女の子どもには優しい態度の清盛を見れば、
本妻の子どもは心を痛める、というのです。
女児を出産したばかりの常盤は、清盛の命により
大蔵卿一条長成に再嫁することになりました。
しかも、生まれたばかりの能子は平 時忠・領子夫妻へ預けられ
かつ牛若を いずれ仏門に入れるという厳しい沙汰に
懸命に抵抗する常盤でしたが、
清盛の有無を言わさぬ命だけに、ついには受け入れざるを得ず。
一条邸に入った親子でしたが、
お歯黒を塗った長成は軟弱で頼りなく
常盤の美しさを見てデレデレするばかり。
牛若は長成を父とは思えず、
竹とんぼでくるくると手遊びしています。
常盤は牛若に、これ以降は清盛を父と思わず
平氏の人たちとの関わりを持たぬように厳命しますが、
牛若の頭に、ひとつの疑問が湧いてきます。
「私の真の父上は、どなたなのですか?」
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原作:宮尾 登美子
「宮尾本平家物語」「義経」より
脚本:金子 成人
音楽:岩代 太郎
脚本協力:川上 英幸
:眞鍋 由起子
題字:陳 燮君
タイトル画:宮田 雅之
語り:白石 加代子
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[出演]
神木 隆之介 (牛若)
勝村 政信 (平 重盛)
森口 瑶子 (経子)
かとう かずこ (領子)
大橋 吾郎 (平 時忠)
平野 忠彦 (平 盛国)
梅津 栄 (朱雀の翁)
北村 有起哉 (五足)
蛭子 能収 (一条長成)
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稲森 いずみ (常盤)
松坂 慶子 (時子)
渡 哲也 (平 清盛)
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制作統括:諏訪部 章夫
演出:黛 りんたろう
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