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2012年2月 9日 (木)

プレイバック義経・(03)源氏の御曹司

「私の真の父上は、どなたなのですか?」

常盤は、牛若の疑問に対して思わず窮します。
もはやこの世のお方ではない、と答えるのが精一杯です。

長寛2(1165)年。

京の街道筋をひとりとぼとぼと歩く牛若は、
火事や干ばつ続きで溢れ出た下々の者たちを見、
まるで目に入らないかのようにうつむきます。

平 清盛による政治がいけない、と
五足は文句をブツブツ言いますが、
たまたま通りかかった平 重盛の輿に小石を投げつけると
アッという間に逃げていきます。

五足を追う牛若ですが、重盛はその後ろ姿を見て
あの牛若だと気づきます。
京の都で牛若を野放しにしていることに
危機感を覚えた重盛は、それを清盛に訴えます。


常盤が再嫁した夫・一条長成は
牛若のことで清盛に呼び出されます。

長成としては、牛若を
どうこうしようとは考えていないわけですが、
清盛は、即刻仏門に入れるか、または西国に流すか
そのいずれかを迫ったわけです。

常盤が選んだのは……牛若を鞍馬寺に入れること。
当然ながら、母とも別れなければなりません。

ただ、牛若には受け入れがたいことであり、
その命を下したのが清盛であることを教えられても
あの優しかった清盛の命であることが信じられません。

「私は何者なのですか!」と問いつめる牛若に
懐剣をちらつかせて、無理矢理納得させる常盤です。


鞍馬山の寺へ続く長い長い階段を、
親子でゆっくりと昇っていきます。

昇りきったところでは、
覚日律師が迎えに出てくれていました。

親元を離れる牛若に、常盤はお揃いの笛を持たせます。
先ほどまでの、優しい母の表情はスッと消え
冷淡な顔になった常盤。
「今日ただ今より、母は亡き者と心得よ」

階段を下りていく常盤を
ただ黙って見送るしかない牛若でした。


夜は怖くてなかなか寝つけない牛若ですが、
強がって朝のお務めにも出ず、意地を張り通します。

そして鞍馬での修行を始めて数日、牛若は脱走を敢行。
しかし、牛若を見張っていた兄弟子に見つかって
寺にもどされてしまいます。

覚日は、環境が激変して
その現実をなかなか受け入れられない牛若を案じつつも
心から強くなるように牛若を諭します。

己の心と向き合い、母のいない生活と
遮那王は闘い始めます。

覚日は、牛若に「遮那王」の名を与えますが
この鞍馬にいる間の名だと心得よ、と
意味深な一言を残します。


ある日、遮那王をふたりの男が訪ねてきました。
奥州の商人・吉次と、新宮十郎義盛です。

義盛は、遮那王が源義家の遺児であり
平氏はわれわれの仇であることを伝えますが、
己の出自は一切知らなかった遮那王は戸惑います。

六波羅さまが……仇!?
そして私が源氏の子……。

一切を呑み込めない遮那王は、滝壺の中へ身を投じます。

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原作:宮尾 登美子
   「宮尾本平家物語」「義経」より
脚本:金子 成人
音楽:岩代 太郎
脚本協力:川上 英幸
    :眞鍋 由起子
題字:陳 燮君
タイトル画:宮田 雅之
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[出演]
滝沢 秀明 (遮那王)
神木 隆之介 (牛若・遮那王)
稲森 いずみ (常盤)
勝村 政信 (平 重盛)
森口 瑶子 (経子)
かとう かずこ (領子)
大橋 吾郎 (平 時忠)
三浦 浩一 (平 頼盛)
平野 忠彦 (平 盛国)
南風 洋子 (池禅尼)

塩見 三省 (覚日律師)
梅津 栄 (朱雀の翁)
白石 加代子 (お徳(語り))
蛭子 能収 (一条長成) ※ ピンクレジットなし
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平 幹二朗 (後白河法皇)
大杉 漣 (新宮十郎義盛)
加藤 雅也 (源 義朝(回想))
萬田 久子 (あかね)
市川 左團次 (金売り吉次)
美輪 明宏 (鬼一法眼)

松坂 慶子 (時子)

渡 哲也 (平 清盛)
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制作統括:諏訪部 章夫
演出:木村 隆文

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