プレイバック義経・(07)夢の都
遮那王を取り巻く状況は日に日に厳しくなっていき、
今まで放置プレーを楽しんでいた(わけではない)平 清盛も、
そうはいかなくなってきました。
むかし、遮那王が牛若と名乗っていた幼い時分に
福原・大輪田泊への熱い夢を語って聞かせてくれた清盛。
それを思い返した遮那王は、五足に
福原へ連れて行ってほしいと懇願しますが、
「それこそ夢の都や!」と大笑いされてしまいます。
カッコイイ遮那王を恋い慕ううつぼは、
遮那王に被衣を貸し与えてくれた白拍子の静が
福原にいるのではと疑って膨れっ面ですけど(^ ^;;)
一方、伊豆の源 頼朝は
相変わらず流人の暮らしを送っています。
今日はのどかに釣り三昧。
その対岸に北条政子登場──。
政子は、頼朝らが釣りを楽しんでいるのを知った上で
バシャバシャとわざと音を立てて顔を洗います。
魚が……と従者の安達盛長は怒り心頭ですが、
頼朝は「笑っていよ」と冷静に振る舞います。
ただ政子は、ニコニコと微笑む頼朝に石を投げつけますが
それでもケラケラと笑ってばかりの頼朝です。
「堪えよ、堪えよ──」
その、頼朝憎しの心情が、いつの間にやら
夢にも出てくるほど気になる存在に変わりつつありまして、
男勝りで有名だった政子が、
なぜか庭の花を愛でる女の子に大変身(笑)。
父母の北条時政・牧の方は、そんな政子を心配しています。
ただ、誰よりも戸惑っているのは政子本人かもしれません。
摂津入りした遮那王は、
異国へと通じる海の道を目の前にして
子どものようにはしゃいでいます。
そこを渡る、一隻の船に
清盛が乗っているような気がして
謝名王は崖の手前まで追いかけますが、
その先は行くことができません。
遮那王は、自分が鞍馬寺にいることで
騒ぎが大きくなるのは本意ではなく、
ただ鞍馬を離れたくないと思っていますが、
奥州へ旅立った方がみんなのためなのかもしれません。
夢の都は奥州で見ることにします。
清盛と時子の娘・徳子姫の入内が決定しました。
そんな平氏絶頂のときに、都の往来でちょっとした事件が。
平 維盛・資盛兄弟の輿の前に、三位殿の牛車が立ちはだかり
お互いに道を開けるように主張したわけです。
特に資盛は、前年の殿下乗合事件で
父・平 重盛にこっぴどく叱られたこともあり
兄・維盛が譲歩するように強く言っても
意地でも動かないという構えでおります。
維盛・資盛兄弟の従者たちはことごとく烏帽子をとられ
その場から撤収せざるを得なくなったわけですが、
この事件に立腹した重盛は、思わぬ報復へ出ます。
京に戻ってきた遮那王は、うつぼに
遠くない将来、平泉に発つことを打ち明けます。
いずれ京に戻ってくることも、現段階では分かりません。
いつもそばにいると言ってくれたのに──。
恋い慕う相手との別れ。
それはいつも急で、どうしようもない形で訪れるものです。
別れもあれば、出会いもあります。
鞍馬山に戻った遮那王を待っていたのは、
いつか五条の大橋で対決した武蔵坊弁慶です。
その意趣返しか、と遮那王は身構えますが、
家来に取り立ててほしいと弁慶は手をついて懇願。
しかし遮那王は固辞します。
「諦めませぬぞーッ!!」
遮那王の後ろ姿に声をかけるしかありませんでした。
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原作:宮尾 登美子
「宮尾本平家物語」「義経」より
脚本:金子 成人
音楽:岩代 太郎
脚本協力:川上 英幸
:眞鍋 由起子
題字:陳 燮君
タイトル画:宮田 雅之
語り:白石 加代子
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[出演]
滝沢 秀明 (遮那王)
松平 健 (武蔵坊弁慶)
上戸 彩 (うつぼ)
伊藤 淳史 (喜三太)
中越 典子 (徳子)
中江 有里 (建春門院滋子)
松嶋 尚美 (亀の前)
田中 美奈子 (牧の方)
北村 有起哉 (五足)
二木 てるみ (比企尼)
勝村 政信 (平 重盛)
賀集 利樹 (平 維盛)
小泉 孝太郎 (平 資盛)
平野 忠彦 (平 盛国)
神木 隆之介 (牛若(回想)) ※ ピンクレジットなし
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平 幹二朗 (後白河法皇)
財前 直見 (北条政子)
市川 左團次 (金売り吉次)
萬田 久子 (あかね)
小林 稔侍 (北条時政)
中井 貴一 (源 頼朝)
渡 哲也 (平 清盛)
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制作統括:諏訪部 章夫
演出:木村 隆文
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