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2012年4月 8日 (日)

大河ドラマ平 清盛・(14)家盛決起 〜弟の反抗〜

平清盛が放った、一本の矢──。
その矢は、神輿のど真ん中を射抜きます。

その場にいた誰もが恐れる結末となってしまいました。

「(射抜いた清盛は)おってはならぬ男ということじゃ!」と
藤原頼長は目くじらを立てますが、
この世に欠かせぬ男だと西行は評価し
父・平忠盛も清盛が必要な男だと言っています。

そんな中、意外な人物から反旗を翻す言葉が出てきます。
「これより先は、私が一門を背負うて参る所存」

兄弟は、あの木の前に立っていました。
あの木とは、幼い平次(家盛)が落ちてケガをした
ある種、兄弟の宿命ともいうべき木であります。

平太(清盛)と平次が飼っていた岬丸が見当たらず
高い木に上って辺りを見回していたのですが、
そんな時に足を滑らせて落下してしまったわけです。

その場に居合わせた家盛の母・宗子は、とっさに平太を平手打ち。
しかしこのことがきっかけで
宗子は“後添え”という負い目を感じ始めたようです。
家盛は、そんな苦しむ母の姿を見ていたくはなかったのかもしれません。


賀茂祭で舞うため、清盛は時子の拍子で稽古に励みますが、
時子の拍子はだんだんと調子が狂っていき、
それに合わせる清盛の足元がおぼつかなくなります。

それでも、汗だくになりつつも何度も練習を重ねる清盛でしたが、
さすがに今回の事件を起こした本人ということもあって
世間の反発も強く、清盛が舞うことはなくなったそうです。
その代役に家盛が選ばれました。

家盛も自邸で妻の拍子に合わせて舞う練習を重ねていますが、
容姿端麗と申しましょうか、申し分ない出来上がりです。

一方、源氏は源氏でいろいろゴタゴタがありまして……。

今は朝廷に仕える源 義朝ですが、
賀茂祭の警護をするように頼長から話があったと
父・源 為義が言ってきたわけです。

義朝は断る気まんまんですが、
藤原摂関家に受けたご恩を大切にする為義に
「嫡男ならば出よ」と言われ、
やんわりとアドバイスする由良御前とも夫婦喧嘩になり
もはや、自らの意思のみで動くことが叶わなくなってきています。


いろいろな人物たちの思惑が重なった賀茂祭・当日。
華麗に舞う家盛は、頼長の目に止まります。
そしてあろうことか、自邸に招きたいと言い出すわけです。

あの気難しい内大臣様が??

武士を見下してきた藤原摂関家のエリート官僚ですが
その彼からの歩み寄りに歓喜一杯の平氏方であります。

その話に清盛は屋敷を出ますが、そこで義朝と再会します。
二人は酒を酌み交わしながら
お互いの境遇をバカにし合っておりますが、
マッチ売りの……ならぬ“酒売りの少女”が二人の前に現れます。

何でも、この酒が売れぬと身売りするしかないと言う少女に
お互いをなすり付け合おうとする二人。
本気とも冗談とも取れぬ言葉に、
身売り直前というのに屈託なく笑っています。

その美貌に、思わず言葉を無くす二人。
この後、二人に大きく関わることになろうとは
当時の三人には知る由もなく──。


頼長邸にお呼ばれした家盛に、頼長は
正妻の子でありながらも兄という目の上のたんこぶで苦しむ
家盛の気持ちを見事に代弁して、家盛の心を大きく揺さぶります。

正妻の子なんだから、平氏の跡継ぎとなって当然!
その頼長の言葉通り、家盛は
久安4(1148)年正月に「従四位下 右馬頭」に昇進しました。

頼長は、家盛の耳元でこっそりささやきます。
「兄さえいなければと……私がかなえてやろう」

酔った家盛を頼長は押し倒すのですが、
あああ……BLですかっ(汗)。
さすがにワタクシでも、ココからは書けないっ(> <;;)


さらに時が進んで久安5(1149)年。

鳥羽法皇の熊野詣での警護のために家盛が役目を担いますが、
一門が屋敷に集ったその場で、家盛は
忠盛にハッキリと、跡継ぎへの決意表明をします。

清盛は、跡継ぎという座から降りると
屋敷を飛び出して行きます。

しかし、事は意外な方向に進んでおり……。

家盛をここまで引き立ててくれた頼長ですが、
その思惑の根底には、藤原摂関家の栄華を取り戻すため
忠盛や清盛の力を失わせ、平氏が忠義を誓う鳥羽法皇も
摂関家に頼らざるを得なくなるように仕向けることです。

清盛よりもはるかに騙しやすい家盛をけしかけて
清盛を跡継ぎの座から引きずり降ろしたわけです。
つまり、家盛は平氏を売ったということになります。

ようやく事の次第に気がついた家盛でしたが、
時は既に遅かったようです。


家盛の気持ちはもんもんとしたままでしたが、
熊野詣でに出発し、
無事に参詣を終えた一行は、京へ帰還するのみとなりました。

一行は宇治川と桂川の合流付近・山崎あたりを進んでおりまして、
兄弟仲良く戯れる様子を見て、
幼い頃の清盛と過ごした日々を思い出す家盛。

馬上の家盛の身体はゆっくりと傾き、馬から落ちていきます。

──────────

久安5(1149)年3月15日、
鳥羽法皇熊野詣に同行していた平 家盛が、
参詣から都に戻る間もなく死去。

治承4(1180)年8月17日、
源 頼朝が挙兵して平氏に反旗を翻すまで


あと31年5ヶ月──。


作:藤本 有紀
音楽:吉松 隆
題字:金澤 翔子
──────────
松山 ケンイチ (平 清盛)
玉木 宏 (源 義朝)
深田 恭子 (時子)
三上 博史 (鳥羽法皇)
豊原 功補 (平 忠正)
金田 明夫 (鎌田通清)
森田 剛 (平 時忠)
青木 崇高 (鬼若(回想))
阿部 サダヲ (信西(回想))
※ 青木・阿部:ピンクレジットなし
──────────
山本 耕史 (藤原頼長)
田中 麗奈 (由良御前)
武井 咲 (常盤)
岡田 将生 (源 頼朝・語り)
──────────
小日向 文世 (源 為義)
和久井 映見 (宗子)
上川 隆也 (平 盛国)
松雪 泰子 (得子)
國村 隼 (藤原忠実)
中村 梅雀 (平 家貞)
中井 貴一 (平 忠盛)
──────────
制作統括:磯 智明
    :落合 将
プロデューサー:櫻井 壮一
演出:中島 由貴


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『平 清盛』
第15回「嵐の中の一門」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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