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2012年5月11日 (金)

プレイバック義経・(17)弁慶の泣き所

鎌倉の山中──。

源 義経は山深く、木々に囲まれた中で
剣の稽古(イメージトレーニング?)に励んでいます。

義経屋敷では、
近所に住む男からの野菜の差し入れが届けられ
静がそれを受け取ります。

それを奥(台所)に運ぶ姿を見て、武蔵坊弁慶は
足も治ったようだし、早く京に戻れと催促するのですが
三郎と駿河次郎は、義経と静の間にある男女の恋愛を
それとなく匂わせます。

ただ、そういった男女のことについて人一倍疎い弁慶には
何のことだかさっぱりでありますが、
しかし、この男に(逆の意味での)悲劇が……。

海辺で顔をジャブジャブ洗う弁慶は
大きな波に足元をすくわれ、海に投げ出されます。
山の奥で育ったゆえか、弁慶は泳げません。
あっぷあっぷと溺れています。

はるか遠くで小舟が一艘、その上で人が何かやっているのですが
溺れながらの弁慶の声に気づいたか、そこから飛び込み……


……弁慶は、目を覚ましました。

気絶している間に着物を着替えさせてくれたようです。
そこは小さな小屋で、向こう側で誰かが着替えている様子。
助けてくれたのか、と声をかけると、振り返ったのはなんと女性!

女性の裸体を初めて目にする弁慶、
あまりにショッキングで言葉が出ません。

その女性──千鳥は、髪を梳かしながら
「ここまで連れてくるのに往生したよぉ〜」と言いますが、
弁慶から見れば、ポロリーンですからね( ^艸^)

慌てて小屋を飛び出します。

屋敷に戻った弁慶は
女性の裸を初めて見たショックで食べ物もノドを通りません。
そこへ千鳥の父・杢助が屋敷に乗り込んできて
「ウチの娘に何をした!」と声を上げます。

翌朝、弁慶は千鳥の住む小屋を再訪します。

泳げないことが情けなく、人に助けられたことが恥ずかしく
お礼も言い忘れたことを詫びようとするのですが、
千鳥が「わしの裸を見た……?」という一言で
陸の上でもがき苦しみ出す弁慶。

「ここで溺れるつもりか、おいッ」と
すかさずツッコミが入ります(笑)。
でも、女子の女子のと弁慶が言う度に、
千鳥の表情が少しずつ明るくなっていきます。

その満面の笑みを見て、弁慶はまたも逃げ出しますが
それを目で追う千鳥は、クスッと笑います。
しかし、そもそも弁慶は
千鳥が笑う理由が分かっておりません(^ ^;;)

でも、これが縁で千鳥の元に通い出す弁慶です。
なかなか単純で(笑)。


都が福原から京に戻ることになり、引っ越し作業で大わらわです。
そんな中、平 知盛と明子夫妻も京に戻ることになり、
平 清盛に挨拶に来ます。

清盛は、長年の夢であった福原の都が名残惜しく
しばらく福原に留まりますが、
まつりごとを後白河法皇に返上します。
院政復活です。


一方 鎌倉では、
集まってきた御家人たちの屋敷の建設が始まるなど
鎌倉の町づくりが活発化しております。

そこへ、源 頼朝と北条政子から
義経に対して嫁取り話を持ちかけてきましたが、
あまりに急なこと、と義経は固辞します。
「心定まりますまで、ご猶予を」

頼朝から嫁取り話があったことは、
義経から弁慶と小三太へ、そして他の家臣たちへ
リレー方式で話が伝わるのですが、
都合の悪いことに、それを静が小屋の外で聞いてしまいました。

静はひとり思い悩みます。

悩んだ末、京に戻る決心を固めます。
兄からの嫁取りの話がある今、自分がいては
何かと差し障りがあると自ら身を引くのです。

しかし弁慶は、早く京に戻れという
自らの催促がこういう結末を生んだのだと
せっかく仲良くなった千鳥に別れを切り出したようです。
またあのガンコ親父の杢助が怒鳴り込んできました。

静は、自分が去った後の屋敷内は男だけになるので、
その世話役を千鳥に頼みます。
男勝りな千鳥をずっと見てきた杢助は困惑しますが、
千鳥は「できる!」と必死の形相です。


各地で平氏に対する反乱が広がり、知盛を先頭に火消しに努めますが
平氏が攻め入るという話を聞いた興福寺の僧たちが蜂起し、

これに立ち向かった平 重衡が、あろうことか
興福寺はじめ東大寺や大仏殿などに火をかけるという
前代未聞の所業を成してしまいました。

重衡の妻・輔子は、夫に天罰が下るのではないかと
恐れおののきます。


政子付きの手古奈が、義経屋敷に飛び込んできました。

政子がいない時を見計らって
頼朝が話し相手にと呼び出す日日で、
いつ閨(ねや)へ誘われるか恐ろしいわけです。

特に政子の、亀の前への仕打ちを間近で見ていることもあり
政子からの疑いをかけられたくない一心で
頼朝屋敷から出奔してきたようです。

手古奈はもともと京の人間で、
北条時政の屋敷に奉公に上がり
京から伊豆、鎌倉へ移ってきたのですが、
今回、思い切って京へ戻ることにしたわけです。

義経は、京に戻る静を無事に届けてほしいと
手古奈に頼みます。


わかれです。

鎌倉の 蘆(あし)のかりねの ひとよゆゑ
 みをつくしてや 恋ひわたるべき

(本来は皇嘉門院別当『難波江の 蘆の〜』)

あなたとわたくしとは
ゆきずりの旅の宿でのひと夜の契り
鎌倉の蘆の刈り根のひと節(よ)より
もっと短い仮り寝の夢でした

それなのに(ああ わたくしにはおそろしい)
そんなひと夜ゆえに これから先も
あなたの見せた小さなしぐさや
やさしいひと言を思い出しては
苦しまなくてはならないのでしょうか

窓から見える あの澪標(みおつくし)のように
波にもまれて立ちつくし 身を尽くしいのち預けて
思いつづけることになるのでしょうか

(吉原幸子・詩『マンガ百人一首』(平凡社)より)

思いがけず、楽しい日日にございました──。

手をつき、頭を下げる静を
義経は黙って見つめるしかできませんでした。

──────────

治承4(1180)年12月28日、
平 重衡の軍勢が興福寺、東大寺を焼き尽くす。

元暦2(1185)年5月24日、
源 義経が兄・源 頼朝に弁明の腰越状を送るまで

あと4年5ヶ月──。


原作:宮尾 登美子
   「宮尾本平家物語」「義経」より
脚本:金子 成人
音楽:岩代 太郎
脚本協力:川上 英幸
    :眞鍋 由起子
題字:陳 燮君
タイトル画:宮田 雅之
語り:白石 加代子
──────────
[出演]
滝沢 秀明 (源 義経)
松平 健 (武蔵坊弁慶)
石原 さとみ (静)
南原 清隆 (伊勢三郎)
うじき つよし (駿河次郎)
伊藤 淳史 (喜三太)
海東 健 (佐藤忠信)
宮内 敦士 (佐藤継信)
中島 知子 (千鳥)

細川 茂樹 (平 重衡)
戸田 菜穂 (輔子)
上原 美佐 (手古奈)
小栗 旬 (梶原景季)
北村 有起哉 (五足) ※ ピンクレジットなし
──────────
財前 直見 (北条政子)
夏川 結衣 (明子)
阿部 寛 (平 知盛)

松坂 慶子 (時子)

中井 貴一 (源 頼朝)

渡 哲也 (平 清盛)
──────────
制作統括:諏訪部 章夫
演出:柳川 強

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