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2012年6月 5日 (火)

プレイバック義経・(21)いざ出陣

鎌倉・大倉御所──。

義経が日ごろからお世話している
源 義仲の嫡男・義高と、頼朝の娘・大姫が
義経の家来たちを見たいと言ってきかないので、
北条政子が義経主従を呼び出します。

「力持ちの荒法師、弁慶じゃ!」
義経は自らの郎党についていろいろ話をしたらしく
義高は目を輝かせて弁慶を指さしますが、
当の本人である弁慶はちと困惑気味。

それは伊勢三郎も駿河次郎も同様であります。

ただ、船乗りと言った次郎はともかくとして、
「カニ」と教えられた三郎は、ショックを隠しきれぬとも
受けを狙うとも知れぬ微妙な表情をしていましたが、
次の瞬間にはご期待に沿うべくカニのご披露(^ ^;;)

弁慶も、大岩2つに三郎・次郎を持ち上げてみせるなど
義高と大姫はとてもとても楽しんでくれています。

義高を見ていると、義経は
自らの幼年期、牛若時代を彼に見てしまうようです。
だからこそ、義高には
同じような苦しみを味わわせたくはありません。


ただ、鎌倉御所内の平塚良郷は義高を人質呼ばわりし
「人質を生かしておっては後々災いに」などと言い出します。
ま、確かに見た目は人質のようではありますが、
義高は源 頼朝にとって娘婿になる人物であり
酒の上での発言とはいえ、許しがたいものであります。

頼朝は平塚を梶原景時に任せ、
景時は自らの手で首を刎ねます。

このことは、主が定めたことに
御家人が軽々しく物言いを挟むのは許されず、
主従の関係をはっきりとさせたものです。
北条時政も、頼朝の妻の父という身内とはいえ
安堵してはいられないと危機感を募らせます。

平塚斬首の件で、義経はいささか合点がいっていません。

頼朝に言わせれば、義経が大事と考えている“情”については
「あってもよいが、なくてもよい」
「必要ではある。だが第一ではない」わけです。

平治の乱において敗将の嫡子たる頼朝の身が助かったのも
池禅尼の助言があったとはいえ、平 清盛がその情に負けたのか
それとも源氏を甘く見すぎていたのかは分かりませんが、
結果的には理が欠けていたゆえに、今の平氏の有様です。

頼朝は、情よりも“理”を重視したいと考えています。

義経は、情よりも理、あるいは御恩と奉公の関係について
理解はできますが、イマイチ納得できない部分があるようです。


寿永2(1183)年4月。
木曾義仲は信濃・越中・越後を手中に収めます。
頼朝よりも早く入京するため、
義仲はいったん越後入りすることにします。

それを聞いた平 宗盛は越後攻めを命じますが、
「こたびは兄上が総大将に」という平 知盛の進言をはね除けて
平 維盛を総大将に、10万の兵を与えることにします。
維盛は二度も戦でしくじっており、宗盛としては任せるのは不安ですが
自らが出陣するよりはマシなもので(^ ^;;)

宗盛が総大将にならなかった理由は
……まぁ何となくわかろうものですが、相当士気は落ちますね。

5月11日未明、義仲軍は
長らくの行軍で疲れきって倶利伽羅山で休息する平氏軍に
松明を牛の角にくくり付けて走らせ、
少ない軍勢ながらも大軍に見せたことで
平氏軍が混乱に陥ったところを急襲。

暗闇を逃げ惑う平氏軍はたくさんの兵たちが谷底に転落し
維盛はまたも大敗を喫してしまいます。


勝利を収めた義仲は、越前まで南下。
入京後に孤立無援となる可能性を考え、
比叡山延暦寺を取り込んで、味方に付けておくようにします。

それを聞いた頼朝ですが、おいそれとは出兵はできません。
仮に先に入京した義仲が朝廷をも味方に付けて官軍となれば、
それと戦う頼朝軍は賊軍となるわけです。

後白河法皇に対し、貢ぎ物を送ることを景時は提案します。
法皇への貢ぎ物であれば、
大軍の兵を持ってそれを守らなければなりません。
ただ、その前に物見の役目で
少人数で京に派兵する必要があります。

政子は、その役目を義経に命じるように進言します。
わずか500ばかりの兵とはいえ、義経が大将となった時に
奥州の藤原秀衡がどう動くかを見極めておきたいわけです。

頼朝は義経にその任を命じます。
ただし、頼朝からの指示があるまでは入京せず
仮に義仲と平氏が戦いに至ったとしても傍観せよ、との命です。

ただ、先のこととした上ですが、
少々ドキリとする一言を義経にかけます。
「万が一の時は、たとえ一族とはいえ木曽義仲に情はかけるな」


弁慶は千鳥の家を訪れ、手をついて今までの礼を言います。
戦を前に今生の別れとなるかもしれないからですが、
「待ってるね。戻らなかったら連れ戻しに行くから」
と言う千鳥を前に、笑顔で頷きます。

──────────

寿永2(1183)年5月11日、

砺波山の倶利伽羅峠で源 義仲軍と平 維盛軍が激突。

元暦2(1185)年5月24日、
源 義経が兄・源 頼朝に弁明の腰越状を送るまで

あと2年──。


原作:宮尾 登美子
   「宮尾本平家物語」「義経」より
脚本:金子 成人
音楽:岩代 太郎
脚本協力:川上 英幸
    :眞鍋 由起子
題字:陳 燮君
タイトル画:宮田 雅之
語り:白石 加代子
──────────
[出演]
滝沢 秀明 (源 義経)
松平 健 (武蔵坊弁慶)
南原 清隆 (伊勢三郎)
うじき つよし (駿河次郎)
伊藤 淳史 (喜三太)
海東 健 (佐藤忠信)
宮内 敦士 (佐藤継信)
中島 知子 (千鳥)
小栗 旬 (梶原景季)
石原 良純 (源 範頼)

鶴見 辰吾 (平 宗盛)
細川 茂樹 (平 重衡)
賀集 利樹 (平 維盛)
小泉 孝太郎 (平 資盛)
大橋 吾郎 (平 時忠)
平野 忠彦 (平 盛国)
※ 大橋・平野:ピンクレジットなし
──────────
小澤 征悦 (木曽義仲)
小池 栄子 (巴)
──────────
財前 直見 (北条政子)
阿部 寛 (平 知盛)
大杉 漣 (源 行家)
中尾 彬 (梶原景時)
小林 稔侍 (北条時政)

中井 貴一 (源 頼朝)

渡 哲也 (平 清盛(回想))
──────────
制作統括:諏訪部 章夫
演出:黛 りんたろう

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