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2012年7月12日 (木)

プレイバック義経・(27)一の谷の奇跡

寿永3(1184)年1月29日。
後白河法皇によって平家追討の院宣が下され
源 義経ら一行は小勢に分かれて出陣。

都から丹波路を経て摂津一ノ谷を目指します。

それを迎え撃つ一ノ谷にも、鎌倉軍が京を出発して
こちらを目指して進軍中との情報が入って来ておりまして、
大手が山陽道経由で東から、搦手が丹波路経由で西から
というところでは一致。

矢合わせですが、
源氏が着陣するのは2月3日か4日と思われます。

そこで平 宗盛がぶつぶつと独り言です。

4日は父清盛の命日ゆえ、
いくら源氏とはいえ法要の最中に手出しはすまい。
5日は陰陽道では悪しき星が西に宿る日で、
東に布陣した本陣が西に向かって攻撃することはない。
6日は……戦を避けるはず。

「恐らく……7日!」

幼い頃から陰陽道かぶれの宗盛は
さんざん清盛に怒られてきましたが、
その陰陽道でこの非常時にお役に立とうとは。
彼が唯一活躍した瞬間かもしれません(^ ^;;)

それでも、平 知盛は一ノ谷の北側の崖を見上げながら
西側に回り込む道の途中で源氏の息の根を止めると息巻きます。


源 範頼軍が一ノ谷の東・生田に陣を敷いた翌日、
義経一行はその北側に位置する三草山付近を進軍中です。

山の向こうに敵がいることを早くから感じ取った義経ですが、
それは伊勢三郎、駿河次郎の物見で現実の話となります。
林の中から見えたのは、平氏の大軍7,000であります。

その帰り、道に迷った三郎と次郎は
猟師である鷲尾三郎とまごめの兄妹に出会い
道案内ついでに、何かの役に立つかもと陣に連れてきました。

W三郎でえらくややこしいのですがね(^ ^;;)

その鷲尾三郎の案内で、義経らは
一ノ谷の崖の上から平氏軍の布陣を見ることができました。
義経は、決戦2月7日までに
平氏方の兵を崩す(=割く)戦法を考えます。

夜討ちです。

相手の兵を減らせば、
本陣からさらに多くの兵が派遣されてくるはずです。
そうやって少しずつ切り崩していく戦法なのですが、

相手の兵を減らせると同時に
味方の兵も減ってしまう懸念があります。
しかしそれにも、火矢と太鼓があればよいと義経。

義経が放った火矢が村の家々を燃やし尽くし
(となる前に、村人たちには避難を促し)、
太鼓で大音量を立てたことで
平氏方は敵襲来と恐れ、撤収します。

義経軍は、一兵も失うことなく平氏を蹴散らし
何食わぬ顔で一ノ谷の西へ進軍することができました。
軍の大将であった平 資盛は、本陣に使いだけ出して
自らは屋島へ逃亡しております。

法皇は平氏に対し、源氏との和睦を提案してきました。
同様の提案を頼朝側にも出しているようで、
宗盛は、再び入京できる日を夢見て
その提案を受けるためにしばらく待つことにします。

しかし頼朝側には、そのような使いは一切なく。
頼朝は、法皇が何を考え何をしようとしているのか
分からなくなっておりまして、
しばらく様子見することにします。


2月7日早暁。
鎌倉軍は生田から平氏軍に攻め込みます。
和睦の話が進んでいると思っていた平氏方は、
突然の鎌倉軍の挙兵に驚きますが、
そこでようやく騙されたことに気がつきます。

義経も、一ノ谷背後の崖の上に到着しました。

崖の上から見渡してみると、すでに戦も始まったというのに
平氏の本陣の中ではのんびりムードです。
義経は、この崖から鹿が下りる話を聞いて
同じく馬で駆け下りることにします。

「方々……参る!」

突然の夜討ちに、混乱する平氏本陣。
総大将の宗盛は船上で、
陸地で行われている戦を見ながら
手出しできません。

範頼と戦っていた知盛・重衡兄弟は
本陣が急襲され混乱に陥っていると報告を受け、
知盛はそのままここに残って
重衡のみが本陣に取って返します。

勇猛果敢に戦うも、生け捕りにされた重衡は
生け捕ったのが義経と知り、
幼い時分に共に遊んだ牛若と気づきます。

苦戦を強いられていた鎌倉軍ではありましたが、
義経の逆落としの戦法で平氏方は大混乱に陥ります。
沖合いの船にいた総大将の宗盛は、それでも
目の前の光景を信じることができません。


逆落としの戦法は、範頼の大絶賛を受けますが
梶原景時の一言が、今後気になるところです。
「(三種の神器を)奪い損ねましたな」

──────────

寿永3(1184)年2月7日、
摂津国福原および須磨で平氏と源氏が戦い、源氏の勝利に終わる。

元暦2(1185)年5月24日、
源 義経が兄・源 頼朝に弁明の腰越状を送るまで

あと1年4ヶ月──。


原作:宮尾 登美子
   「宮尾本平家物語」「義経」より
脚本:金子 成人
音楽:岩代 太郎
脚本協力:川上 英幸
    :眞鍋 由起子
題字:陳 燮君
タイトル画:宮田 雅之
──────────
[出演]
滝沢 秀明 (源 義経)
松平 健 (武蔵坊弁慶)
上戸 彩 (うつぼ)
南原 清隆 (伊勢三郎)
うじき つよし (駿河次郎)
伊藤 淳史 (喜三太)
海東 健 (佐藤忠信)
宮内 敦士 (佐藤継信)
小栗 旬 (梶原景季)
石原 良純 (源 範頼)

石原 さとみ (静)
鶴見 辰吾 (平 宗盛)
細川 茂樹 (平 重衡)
賀集 利樹 (平 維盛)
小泉 孝太郎 (平 資盛)
白石 加代子 (お徳(語り))
長谷川 朝晴 (鷲尾三郎)
高野 志穂 (まごめ)
──────────
平 幹二朗 (後白河法皇)

財前 直見 (北条政子)
阿部 寛 (平 知盛)
夏木 マリ (丹後局)
草刈 正雄 (平 知康)
中尾 彬 (梶原景時)
小林 稔侍 (北条時政)

松坂 慶子 (時子)

中井 貴一 (源 頼朝)
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制作統括:諏訪部 章夫
演出:黛 りんたろう

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