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2012年9月 2日 (日)

大河ドラマ平 清盛・(34)白河院の伝言

「殿!?」
妻の時子や重臣の平 盛国が驚いて
倒れてうなされている平 清盛に駆け寄ります。

仁安3(1168)年2月。
清盛は意識不明のまま病の床につき、
盛国は昼と言わず夜と言わず、看病を続けます。

病名、寸白(すばく)──。

いわゆる寄生虫でありまして、話しかけても応答がありません。
万一の時は覚悟しておくように、と薬師からは言われてしまいます。

そうと決まったわけではないのに
清盛の死について受け入れられずに動揺する者、
盛国が予めもっていた宋の薬は役立ちそうもなく
新たに博多から兎丸に取り寄せさせよと声を荒げる者、
動揺がかなり広がっているようです。

時子はそれを一喝し、今は落ち着いて
それぞれが成すべきことをするように言います。
その上で、嫡男・平 重盛に
平家一門を統べるように命じます。


「清盛危篤」の知らせは、またたく間に全国に広がります。

清盛率いる平家の台頭で辛酸をなめてきた
藤原基房・兼実兄弟はほくそ笑んでいるし、
以仁は天皇家の嫡流だと言い出す始末。

しかし、鎌倉の源 頼朝は
たとえ清盛が亡くなったとしても
今の自分の暮らしは何も変わらないと自嘲気味です。

後白河上皇の首もとに大きな膿みがあり
その平癒祈願のために后の滋子と熊野詣でに出かけていた上皇は、
紀伊国田辺あたりで清盛危篤の知らせを受けます。

今、都を空けていては
次の頂点を狙う者がじゃんじゃん出てくる可能性があります。
ひとまず、都へ取って返しますが
長雨のせいで、切目あたりで足止めを食らいます。


重盛は、多数の僧たちに清盛の病気平癒を祈祷させますが
一向に良くなる気配はありません。
そのすき間を狙って、山法師たちに強訴の動きが判明。
そして賀茂川の氾濫の心配もあります。
重盛は、万一に備えて支度をさせます。

そんな中、平 時忠は清盛三男・平 宗盛に吹き込みます。
「義兄上に万一のことあらば、その時はそなたが棟梁となれ」

しかしその吹き込みは、
時子のみならず重盛も耳にしてしまいます。
清盛危篤を前にして、もろくも平家が瓦解しようとしています。


盛国が必死に看病を続ける中、乙前が見舞いに訪れます。

そして、賀茂川が氾濫しているというのに
上皇は雨の中を歩き切り、
清盛が病床に伏している六波羅についに到着します。


うなされ続ける清盛は、
50年前にタイムスリップしているようです。
つまり、母の舞子の胎内。

そこで清盛は、父の白河法皇や
祇園女御の言葉を聞いています。

法皇は、すごろくに興じながら
加茂川の氾濫を耳にし、山法師たちの強訴を聞くと
イライラしたように賽を投げます。

賀茂川の水、双六の賽、山法師──。

白河法皇ほどの威光をもってしても、
思うようにはなりません。

そんな折、璋子が病の床に伏せっているとの報告があります。
陰陽師の見立てによると、舞子の胎内に宿った新しい命こそが
璋子を苦しめる忌むべき悪魔らしいのです。
法皇は、あろうことか舞子の胎内の子を流すように命じます。

舞子はたまらず、逃げ出しました。

そこで話は、元永元(1118)年・京の
第1話「ふたりの父」の冒頭にタイムスリップするわけです。

深い草むらをさまようひとりの女がおります。
それを追うのは源氏の棟梁・源 為義。
為義は「院から仰せつかったお役目ぞ!」と叫び
探索の手を緩めません。

賀茂川で平 忠盛に匿われた舞子は
その館で赤子を産み落としました。
しかし、母子ともに囚われの身となって
法皇の前に連れ出されます。

璋子の病が平癒したことで
赤子の命を奪っても意味がないと命乞いを受けた法皇は、
赤子を殺さない代わりに、舞子の命を奪うように忠盛に命じますが、
忠盛は意外なことを口にします。
「舞子を……わが妻としとうございます」

抱いていた赤子を忠盛に差し出した舞子は
刀をちらつかせて法皇に立ち向かっていき、
たちまち無数の弓矢に射抜かれて倒れます。


舞子の亡きがらを前に、清盛は大粒の涙を流します。
そこへ、法皇から声がかかります。
「どうじゃ、太政大臣の座の座り心地は」

昇り切り、頂に立ったときの景色を知れば、清盛も
自分(=白河法皇)の考えていることが分かるという法皇ですが、
負けず嫌いの清盛は、法皇の目の前に座って賽を振ります。
「私はあなた様を、追い越してみせまする」

私はあなた様を、追い越してみせまする──。
そうつぶやいた時、
現実世界に戻ってきたか清盛の目が開きます。

「この死に損ないが!」
盟友・清盛に声をかけた上皇が何気なく首元に手をやると、
大きかった膿みがキレイになくなっていました。


清盛の意識が戻ったという知らせもまたたく間に広がり
歓喜に沸く平家一門ではありましたが、
重盛と宗盛・時忠の対立が表面化するなど
新たな火種が生まれ始めていました。

常盤御前は、清盛を父と慕う牛若を
本当の父親の名前を打ち明けぬまま
年が明けたら鞍馬寺へ預ける決心を固めます。

伊豆の頼朝は、清盛生還の知らせも
特に何の感慨も湧かず。
しかし、頼朝の周辺も変わりつつあることに
頼朝自身はまだ気づいていませんでした。

──────────

仁安3(1168)年2月、
平 清盛は「寸白(寄生虫の病)」によって病に倒れる。

治承4(1180)年8月17日、
源 頼朝が挙兵して平氏に反旗を翻すまで


あと12年6ヶ月──。


作:藤本 有紀
音楽:吉松 隆
題字:金澤 翔子
──────────
松山 ケンイチ (平 清盛)
松田 翔太 (後白河上皇)
深田 恭子 (時子)
森田 剛 (平 時忠)
成海 璃子 (滋子)
藤本 隆宏 (伊藤忠清)
田口 浩正 (平 貞能)
窪田 正孝 (平 重盛)
中井 貴一 (平 忠盛(回想))
小日向 文世 (源 為義(回想))
豊原 功補 (平 忠正(回想))
玉木 宏 (源 義朝(回想))
壇 れい (璋子(回想))
りょう (堀河院(回想))
金田 明夫 (鎌田通清(回想))
阿部サダヲ (高階通憲(回想))
加藤 浩次 (兎丸(回想))
※ 窪田〜加藤:ピンクレジットなし
──────────
岡田 将生 (源 頼朝)
杏 (政子)
塚本 高史 (藤九郎)
武井 咲 (常盤御前)
吉沢 悠 (藤原成親)
細川 茂樹 (藤原基房)
吹石 一恵 (舞子)
──────────
松田 聖子 (祇園女御/乙前)
宇梶 剛士 (源 頼政)
遠藤 憲一 (北条時政)
上川 隆也 (平 盛国)
伊東 四朗 (白河法皇)
──────────
制作統括:磯 智明
    :落合 将
プロデューサー:櫻井 壮一
演出:柴田 岳志


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『平 清盛』
第35回「わが都、福原」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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