大河ドラマ平 清盛・(35)わが都、福原
死の床から無事に生還した平 清盛は
病み上がりとは思えぬ体力で身体を動かし汗を流しています。
清盛は、朝廷の強訴などで
いわば反目し合って敵対関係にあった
比叡山延暦寺の天台座主・明雲を呼び、
出家したいと言い出します。
かの白河院でさえ思うようにならなかった山法師と
今後は真摯に向き合って手を携えていきたいのだそうです。
というわけで清盛は、明雲の手により出家しました。
仁安3(1168)年2月11日のことでした。
伊豆では、ひとりの少女がお転婆よろしく走り回っています。
その少女の名は──北条政子。
弟の小四郎に弓を射させると、的にかすりもせず
ひょろひょろと抜け落ちてしまいますが、
弓矢を奪い取った政子は、自信たっぷりに的を目がけて……。
ヒュン! と音を立てて、政子の放った矢は
父・北条時政のすぐ脇をすり抜けていきます。
野菜を放り出して腰を抜かす時政。
「政子! お前というヤツは……!!」
雷が落ちたのは言うまでもありません。
「そのお姿は……!?」
清盛危篤の知らせで大宰府からはるばる駆けつけた
平 頼盛・平 宗清主従ですが、
当然、清盛の病気快癒にも驚くのですが
予想だにしなかった入道姿に言葉を失います。
清盛は、福原で隠居することを宣言。
六波羅のことも含め、後のことは
平 重盛に任せることにします。
清盛の福原ゆきを、額面通りの隠居と考えず
「駒を進めおった」と読み取った後白河上皇は、
5歳の六条天皇から
8歳の憲仁親王(上皇と滋子の子)に譲位させます。
2月19日、
憲仁親王は即位して、高倉天皇となりました。
高倉天皇から見れば、母方の祖父は清盛になるわけで
いわば“外祖父”ともなれば実権が集中してしまうのですが、
上皇はそこを利用して、それ以上の力を持つ作戦でいくようです。
天皇の母・滋子は「皇太后」となり、
その甥にあたる平 宗盛は「皇太后宮権大夫」という要職に。
その一方で、今までその職に就いていた頼盛は
官職を奪われるということになりました。
さらに、遠方の大宰府と京との往復という大変さもあって
滋子への忠節が疎かになりつつあり、
上皇をはじめとする朝廷側の人々の評判は
必ずしも芳しからず、です。
頼盛を置いて、異母弟が次々と昇進していきます。
頼盛は、平 忠盛の正妻(宗子/池禅尼)の子ですので
もっと早くに出世していてもおかしくないのですが、
一門の中にあって、なかなか出遅れているようです。
保元の乱の折、一門を裏切ろうとしたことが
昇進に響いているのか、と頼盛は気にしています。
つまらぬことは気にするな、と清盛は言ってくれますが
何だかそうとしか思えません。
それを不憫に感じ取ったのは、八条院暲子内親王です。
血筋で言えば、正妻の子である頼盛が棟梁となって然るべきなのに
出自の分からぬどこぞの男に棟梁の座を奪われ、冷遇されている。
そのあたりが、彼女の猶子・以仁と境遇が似ているからだそうです。
「きっとお役に立ちましょう」
摂政・藤原基房に、じき参議にと言われ
暲子に頭を下げる頼盛です。
10月18日、頼盛は悲願の参議昇進!
しかし、その1ヶ月後の11月18日──。
大嘗会(だいじょうえ・天皇即位の後、初めて行う新嘗祭)で
成すべき務めを怠り、
28日、参議のみならず全ての官職を剥奪されます。
福原を、博多のような大きな港を持つ街にして、ここを都と定める。
清盛は、それはそれは大きな野望を呼びつけた頼盛に語ります。
壮大な夢、野望ではありますが、それを達成するためには、
何かと反抗する頼盛の力は欠かせないわけです。
「捕まえた!」
仕掛けておいたワナに、もののけがハマったようです。
政子はその正体を見極めようとしていますが、
捕まったのは、人でした。
しかも流人の源 頼朝です。
そして京の鞍馬寺では
遮那王が修行に励んでいました。
──────────
仁安3(1168)年10月18日、
平 頼盛が参議となるが、わずか1ヶ月後の11月28日
子の保盛とともに全ての官職を解官されてしまう。
治承4(1180)年8月17日、
源 頼朝が挙兵して平氏に反旗を翻すまで
あと11年10ヶ月──。
作:藤本 有紀
音楽:吉松 隆
題字:金澤 翔子
──────────
松山 ケンイチ (平 清盛)
松田 翔太 (後白河上皇)
深田 恭子 (時子)
森田 剛 (平 時忠)
成海 璃子 (滋子)
藤本 隆宏 (伊藤忠清)
田口 浩正 (平 貞能)
窪田 正孝 (平 重盛)
中井 貴一 (平 忠盛(回想))
和久井 映見 (池禅尼(回想))
中村 梅雀 (平 家貞(回想))
豊原 功補 (平 忠正(回想))
玉木 宏 (源 義朝(回想))
福田 沙紀 (八重姫(回想))
峰 竜太 (伊東祐親(回想))
※ 中井〜峰:ピンクレジットなし
──────────
岡田 将生 (源 頼朝)
杏 (政子)
塚本 高史 (藤九郎)
神木 隆之介 (遮那王)
吉沢 悠 (藤原成親)
加藤 浩次 (兎丸)
細川 茂樹 (藤原基房)
──────────
遠藤 憲一 (北条時政)
上川 隆也 (平 盛国)
──────────
制作統括:磯 智明
:落合 将
プロデューサー:櫻井 壮一
演出:渡辺 一貴
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『平 清盛』
第36回「巨人の影」
デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜
| 固定リンク
「NHK大河2012・平 清盛」カテゴリの記事
- 大河ドラマ平 清盛・(51-3)総集編第三回・海の都(2013.01.03)
- 大河ドラマ平 清盛・(51-2)総集編第二回・保元平治の乱(2013.01.03)
- 大河ドラマ平 清盛・(51-1)総集編第一回・武士の世(2013.01.02)
- 大河ドラマ平 清盛・(50)遊びをせんとや 生まれけむ [終] 〜壇ノ浦へ! 平家最期のとき〜(2012.12.23)
- 大河ドラマ平 清盛・(49) 〜盛者必衰 清盛死す!?〜 双六が終わるとき(2012.12.16)
コメント