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2012年11月11日 (日)

大河ドラマ平 清盛・(44) 〜重盛ゆく〜 そこからの眺め

清盛と後白河院の対決は、最終局面へ──!!


治承3(1179)年──。

伊豆の源 頼朝には、娶った妻・政子との間に娘の大姫ができ
不遇ながらも幸せな日日を送っていました。

北条時政の館では、三浦義明が
「思い切られましたな」と声を上げています。

平 清盛には孫の皇子(言仁親王)が誕生したという時に
平家と敵対関係にある源氏の嫡子を婿に取るとは……。
もしかしたら、清盛の逆鱗に触れる可能性も充分にあります。
同席する佐々木秀義も時政が心配です。

時政は、平家が長くは続かないだろうと見越しています。
「それがしは、佐殿(すけどの=頼朝)に賭ける」


6月17日、
清盛の娘で藤原摂関家 氏長者の藤原基房の
兄嫁にあたる白河殿盛子が亡くなります。

ちょうどそのころ、清盛は安芸厳島に出向いていたわけですが、
清盛が後白河法皇を幽閉しようとする計画に感づいていた法皇は
盛子が所有していた所領を強引に没収してしまったわけです。

そもそも平家が財力をつけたのは、基実が亡くなった時に
妻の盛子が受け継いだ所領を平家が横取り下からに他ならず、
もともとは基実の後を継いだ基房の
所領であったといってもあながち誤りではないのです。

清盛と法皇の対立に心を痛めていた平 重盛は
心労からか病を発し、床に伏していました。

平 時忠は、重盛に変わって清盛正妻たる時子の子・宗盛を
棟梁の後継に推しますが、
棟梁の座は、棟梁の嫡男が継ぐべきという声もあり、
平家内はなかなか一つにまとまりません。

7月29日、重盛はついに帰らぬ人となりました。
42歳という若さでした。


清盛は、盛子の養子・藤原基通を権中納言に推挙しようとしますが、
法皇によってその推挙はたやすく無視され、
10月9日、基房の子・師家が
わずか8歳にして権中納言に任命されてしまいます。

それはつまり、法皇が召し上げた盛子の所領が
基房の子の領地になるということでありまして、
追い討ちをかけるように、亡くなった重盛の所領までも
法皇が召し上げてしまいます。

「忠ならんと欲すれば孝ならず!」
「孝ならんと欲すれば忠ならず!」と重盛に身をもって説得され、
法皇との対立に鉾を収めた清盛ではありましたが、
ここまできてしまうと、清盛の堪忍袋の尾がついに切れてしまいます。

11月14日、清盛は福原から数千騎の軍勢を率いて上洛。
まずは基房の関白職を解官させて大宰権帥に左遷し、
師家の権中納言職も解官させます。

さらには17日の除目(じもく)で、高倉天皇のもと
反平家の公卿や法皇の近臣ら39人(※)を解官し、
彼らが治めていた知行国全てを
平家一門のものとする暴挙に出ます。

そして20日には、法皇を鳥羽離宮に幽閉──。

世に言う“治承三年の政変”でありまして、
清盛によるクーデターであります。
治天の君を退けて武士が世の頂点に立つという
清盛のかねての悲願を成し遂げました。

(※)ちなみに解官された39人の中には
清盛の弟・平 頼盛、平 時忠の異母弟・平 親宗、
時忠の次男・平 時家といった
平家の者が含まれていたことを記しておきます。


祇園女御が清盛に尋ねます。
──いかがにござりますか、そこからの眺めは。

何も遮るものがなく、至ってよい眺めにござります、と答えると
祇園女御は寂しそうな顔で一礼し、去って行きます。
「もう、お会いすることもございますまい」

──────────

治承3(1179)年11月、
平 清盛が軍勢を率いて京都を制圧、
後白河法皇による院政を停止した。

治承4(1180)年8月17日、
源 頼朝が挙兵して平氏に反旗を翻すまで


あと9ヶ月──。


作:藤本 有紀
音楽:吉松 隆
題字:金澤 翔子
──────────
松山 ケンイチ (平 清盛)
松田 翔太 (後白河法皇)
深田 恭子 (時子)
森田 剛 (平 時忠)
藤本 隆宏 (伊藤忠清)
田口 浩正 (平 貞能)
梶原 善 (平 宗清)
窪田 正孝 (平 重盛)
西島 隆弘 (平 頼盛)
──────────
岡田 将生 (源 頼朝)
杏 (政子)
塚本 高史 (藤九郎)
細川 茂樹 (藤原基房)
温水 洋一 (佐伯景広)
──────────
松田 聖子 (祇園女御)
遠藤 憲一 (北条時政)
上川 隆也 (平 盛国)
──────────
制作統括:磯 智明
    :落合 将
プロデューサー:櫻井 壮一
演出:中島 由貴


◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『平 清盛』
第45回「以仁王の令旨」

デジタル総合:午後8時〜
BSプレミアム:午後6時〜

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