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2012年11月24日 (土)

プレイバック義経・(48)北の王者の死

文治3(1187)年・平泉──。

京から、あまたの難所をくぐり抜け
難敵と戦ってきた源 義経主従は、ようやく平泉に到着。
藤原秀衡は温かく義経を出迎えます。

義経を取り巻く環境、立場というのは
遠く平泉にも届いているようで、
平氏を滅亡させた壇ノ浦合戦以降の
ぞんざいな扱われようには胸を痛めていました。

秀衡は、最大の理解を持って義経に同情しますが、
藤原国衡などは、実に冷ややかです。

義経は、秀衡が与えてくれた
佐藤継信・忠信兄弟の死を報告。
ふたりの遺髪と、腰越で止め置かれていた際に
忠信が彫り上げた仏像を秀衡にわたします。

兄弟の父・佐藤元治も、息子たちの活躍を聞いて
とても満足げです。


藤原忠衡の案内で、むかし住まいしていた屋敷に入りました。
短期間だったとはいえ、むかしとは何も変わった様子がありません。

遠回りしながら、陸路を京から奥州に向かっていたため
吉次が手配した義経主従の荷物が
先に平泉に到着していたようで、
非常に綺麗な状態に整っていました。

その中に、宿命の屏風があります。
平 清盛が夢の都を描かせた、あの屏風です、

「鎌倉には、私が望む国の形はございませんでした」
鎌倉の実状は、身内を悉く排し、情を差し挟む余地のない
規律に縛られた姿だった、とポツリとこぼす義経に

秀衡は、義経が思い描く
夢の都を作れるだろうかと問うてみます。
夢の都にはまだまだほど遠く、
まだ何かをなさねばならない気がしているというのです。

例えば、北上川河口に大きな泊(港)を築き
異国との交流を盛んにして富を得るとか……。

義経の提案は、それを実行する しないよりも
彼自身が大きく成長したことが感じられて
秀衡は多いに喜びます。


姿を消した義経が向かったのが平泉だと感じ取った源 頼朝は、
秀衡に対しての義経引き渡しの院宣を後白河法皇に要求。

その院宣を携えた使者は、
平泉に向かう途上で鎌倉に立ち寄りますが、
頼朝は、警護のための従者をひとり加えさせます。


静が、昨年の秋に
鎌倉から京に戻ったと吉次が教えてくれました。

鶴岡八幡宮の「しずやしず」の舞のことも
昨年の夏に出産したことも教えてくれますが、
産んだのが姫で母とともに都にあり、と
義経を気遣ってウソをつきます。

しかし、義経はうすうす気づいています。
産まれたのが男子で、今は鎌倉の手にかかって
この世にはいないのであろう、と。

手を合わせる義経です。


警護のために加えた従者が戻ってきました。
警護のため、とは無論建前で、
本来は平泉に義経がいるかを探らせていたわけですが、
結果、平泉にいると判明したわけです。

頼朝は、秀衡の出方を見てみたいと
「平泉から京への貢ぎ物は、今後は鎌倉に届けよ」と
無理難題を突きつけますが、
それを認めれば鎌倉の臣下とみなされてしまいます。

拒めば鎌倉に奥州攻撃の口実を与えてしまいますが
秀衡はニヤリとして、頼朝の出方に注目します。
「果たして頼朝殿は攻め入るかな?」

一旦は、鎌倉の要求通りに
貢ぎ物は鎌倉に送ることにします。

しかも、それを伝える使者には貢ぎ物も届けさせます。
平泉の力を、財力を見せつけるためです。

臣下になったと思いたいなら思わせておけばよい──。

こちらからは攻め入らぬが、
敵が白河の関を越えて攻め込んできた時には
容赦なく討つ!

秀衡は、余裕の表情です。


従う、との返答を受けたことを知って
北条時政や北条政子は
「頼朝さまに恐れをなしたか」と笑いますが、
頼朝は、秀衡の貢ぎ物の本当の意味をしっかり理解しています。

うかつには手は出せぬ。
頼朝にしてはシブい顔です。


しかし、秀衡には
伏兵とも言うべき意外な敵が待ち受けていました。
藤原家4代目を泰衡と定めた直後、秀衡は
病に倒れてしまいます。

薬師により懸命に治療に当たりますが、
それから1ヶ月半ほどが経過した10月29日、
秀衡は旅立ちました。

清衡、基衡と3代に渡って財力と武力を誇り、
京に引けを取らない都を奥州平泉に築き上げた秀衡は
この日、66歳の生涯を閉じました。

死を秘めるように言い残しておいた秀衡でしたが、
彼の死はまたたく間に諸国に広がってしまいます。


今まさに好機到来、と頼朝が動き出します。
義経を引き渡すように4代目泰衡に突きつけたわけです。

九郎義経はおらぬ、という泰衡からの逃げの返答で
頼朝の腹は決まります。
「叩けば必ず崩れる。この先、泰衡を追い込む!」


義経と頼朝。
それぞれの、新しい国への思いをかけて
最期の戦いが迫っていました。

──────────

原作:宮尾 登美子
   「宮尾本平家物語」「義経」より
脚本:金子 成人
音楽:岩代 太郎
脚本協力:川上 英幸
    :眞鍋 由起子
題字:陳 燮君
タイトル画:宮田 雅之
語り:白石 加代子
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[出演]
滝沢 秀明 (源 義経)
松平 健 (武蔵坊弁慶)
南原 清隆 (伊勢三郎)
うじき つよし (駿河次郎)
伊藤 淳史 (喜三太)
長谷川 朝晴 (鷲尾義久)

渡辺 いっけい (藤原泰衡)
長嶋 一茂 (藤原国衡)
松尾 貴史 (大江広元)
五代 高之 (善信)
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平 幹二朗 (後白河法皇)

財前 直見 (北条政子)
市川 左團次 (金売り吉次)
草刈 正雄 (平 知康)
夏木 マリ (丹後局)
小林 稔侍 (北条時政)

中井 貴一 (源 頼朝)

高橋 英樹 (藤原秀衡)
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制作統括:諏訪部 章夫
演出:木村 隆文

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